人材紹介会社と人材派遣会社の違いとは?7つの観点から図を交えて解説

人材紹介コラム

人材紹介会社と人材派遣会社の違いとは?7つの観点から図を交えて解説

2022.01.28(最終更新日:2024.10.15)

人材紹介

組織内の人材不足を解消するために活用されている「人材紹介会社」と「人材派遣会社」。どちらも「企業と労働者を仲介する」サービスですがを提供していますが、雇用契約や業務内容など異なる点も多いです。利用を検討するにあたり、「両者の違いがわからない」「どちらを活用すべきか迷っている」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、人材紹介会社と人材派遣会社の違いを7つの観点から比較し、図を交えながら解説します。両者のメリットや注意点、利用シーンごとの活用ポイントについても紹介していますので、利用を検討する際の参考にしてください。

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目次

人材紹介サービスとは企業から求人の依頼を受け、
要件に合う人材を紹介するサービス

人材紹介サービスとは、人材紹介会社が企業から求人の依頼を受け、要件に合う人材を紹介するサービスです。人材紹介会社とは、厚生労働大臣から許可を受けた「有料職業紹介所」のこと。主に、人材を採用したい企業と転職希望者のマッチング(仲介)を行い、選考から雇用契約成立までをサポートします。採用のプロである専任担当者が採用活動に関するさまざまな業務を代行するため、採用活動を効率的に行えるのが特徴です。

人材紹介サービスの仕組み(図解)

人材紹介の仕組みを図で説明しております

なお、人材紹介サービスは「一般紹介型」「サーチ型」「アウトプレースメント型(再就職支援型)」の3つのサービス形態に分けられます。「一般紹介型」が人材紹介会社の登録者の中から採用候補者を紹介するのに対し、「サーチ型」は他社の人材データベースなども活用して幅広く採用候補者を探します。また、「アウトプレースメント型(再就職支援型)」は人員削減を望む現職企業の依頼を受けて、解雇する従業員の再就職を支援するサービスです。3つのサービス形態については、下記の記事でも詳しく説明しています。

(参考:『人材紹介サービスとは?図で解説。特徴とメリット、押さえておきたい利用の流れについてのポイント』

人材派遣サービスとは人材派遣会社と雇用関係にある人材を
派遣してもらい、業務に就いてもらうサービス

人材派遣サービスとは、厚生労働大臣に許可された人材派遣会社と雇用関係にある人材を派遣してもらい、自社の業務に就いてもらうサービスのこと。必要なスキルを持った人材を、必要なタイミングで必要な期間活用できるのが特徴です。

人材派遣サービスの仕組み(図解)

人材派遣の仕組みを図式で説明しております

人材派遣サービスには、「登録型派遣(有期雇用派遣)」「常用型派遣(無期雇用派遣)」「紹介予定派遣」という3つの派遣形態があります。それぞれの特徴や違いを表にまとめました。

登録型派遣
(有期雇用派遣)
常用型派遣
(無期雇用派遣)
紹介予定派遣
特徴 ●派遣会社と派遣スタッフとの間で「一定期間」の雇用契約を結ぶ ●派遣会社と派遣スタッフとの間で「無期限」の雇用契約を結ぶ ●派遣先企業での直接雇用や正社員登用を前提に「一定期間」雇用契約を結ぶ
●派遣先企業には就業前の書類選考や面接が認められている
雇用契約期間 期限あり
※一つの派遣先で最長3年
期限なし 期限あり
※最長6カ月

登録型派遣(有期雇用派遣)とは、派遣会社が労働者派遣契約を締結している企業に、一定期間スタッフを派遣することです。一つの派遣先で就業できる期間、は最長で3年です。派遣スタッフは派遣先企業で働く期間だけ派遣会社と契約を結び、派遣先企業が変わるたびに契約を結び直します。一般的な人材派遣はこの形態で行われています。

常用型派遣(無期雇用派遣)とは、派遣会社と無期雇用契約を締結しているスタッフを企業に派遣することです。派遣会社と無期雇用契約を結んでいる派遣スタッフには後述する3年ルールが適用されないため、派遣先企業は期間の定めなく派遣スタッフを受け入れることができます。この点が、有期雇用派遣との違いです。

紹介予定派遣とは、派遣先企業が将来的に直接雇用することを前提として、一定期間(最長6カ月)スタッフを派遣する形態です。契約期間終了後、派遣先企業と派遣スタッフ双方の合意が得られた場合に直接雇用となります。なお、紹介予定派遣を行うには、労働者派遣事業と職業紹介事業の許可が必要です。

「特定派遣」は労働者派遣法の改正により廃止

派遣形態の一つとして知られる「特定派遣」は、2015年度の労働者派遣法の改正によって廃止され、現在は経過措置期間も終了しています。特定派遣とは、派遣会社とスタッフが正社員として常用雇用契約を結んだ後、労働力を必要とする企業にスタッフを派遣する形態でした。「特定派遣」の廃止以降、無期雇用派遣スタッフが増加傾向にあります。

人材紹介会社と人材派遣会社の7つの違い

「企業と労働者を仲介する」という点では似ている「人材紹介会社」と「人材派遣会社」ですが、事業・サービス内容はまったく異なります。似て非なる人材紹介会社と人材派遣会社の違いについて、「①提供されるサービス」「②雇用契約」「③業務内容」「④サービス利用料金」「⑤選考フロー」「⑥契約期間」「⑦帰属意識」という7つの観点から解説します。

人材紹介会社 人材派遣会社
①提供されるサービス 企業の採用要件を満たした人材の紹介と採用支援 企業からの依頼業務に適したスタッフの選定・派遣・管理
②雇用契約 企業と転職希望者が直接雇用契約を結ぶ 人材派遣会社と派遣スタッフが雇用契約を結ぶ
③業務内容 基本的に業務の定めはない 派遣スタッフができる業務に制限がある
④サービス利用料金 採用決定者の初年度想定年収の35%程度 時間単価×実働時間数
⑤選考フロー 直接雇用のため、企業が書類や面接などの選考を実施して採用を決定する 派遣スタッフと雇用関係のない派遣先企業は、面接などの選考ができない(紹介予定派遣を除く)
⑥契約期間 契約期間の制限はない 派遣スタッフの受け入れは原則3年まで
⑦帰属意識 高い傾向にある 低い傾向にある

①提供されるサービス

人材紹介会社が提供するサービスは、「企業の採用要件を満たした人材の紹介」です。企業の採用を成功させるために「人材の紹介から採用支援まで」を担い、採用に関わるさまざまな業務を代行します。

一方、人材派遣会社が提供しているのは、「派遣先企業からの依頼業務を行うのに適した人材を派遣する」サービスです。「人材の選定・派遣から派遣スタッフの管理まで」を担うため、派遣先企業で働くスタッフのフォローや労務管理なども行います。派遣会社に登録しているスタッフを、期間を定めて企業に派遣するため、企業の採用支援には該当しません。

このように、人材紹介会社と人材派遣会社が提供しているのはまったく異なるサービスです。具体的なサービス内容の例を表にまとめました。

提供されるサービスの違い
人材紹介会社 人材派遣会社
サービスの特徴 企業の採用に関わるさまざまな業務を代行する 人材の選定から派遣、管理までを担う
サービス内容例 ●求人票の作成
●採用要件に合致する応募者の人選・推薦
●面接日程の調整
●応募者への合否連絡
●給与などの条件交渉 など
●企業からの依頼業務に適したスタッフの選定・派遣
●派遣期間中の派遣スタッフのフォロー
●派遣スタッフへの給与の支払い・社会保険などの労務管理 など

②雇用契約

人材紹介サービスでは、企業と転職希望者との間で雇用契約を結びます。直接雇用による長期の雇用を前提としているのが特徴です。就職者には企業の就業規則が適用され、労働時間や休日、残業、給与などの労働条件も、企業との雇用契約の内容に準じます。

一方、人材派遣サービスでは、人材派遣会社と派遣スタッフとの間で雇用契約を結びます。派遣先企業は派遣会社との間で「労働者派遣契約」を締結することにより、派遣スタッフを受け入れ、業務の指示が出せるようになります。

ただし、派遣スタッフには人材派遣会社の就業規則が適用されるため、派遣スタッフと企業との間に指揮命令関係があっても、勝手に労働条件を変えることはできません。加えて、「労働者派遣法」により派遣スタッフの労働時間や適用除外業務などが厳しく規定されているため、企業はそれらを遵守する必要があります。

雇用契約の違い(図解)

それぞれの雇用契約の違いの図式になります

③業務内容

人材紹介サービスを通じて入社した人材は企業と転職希望者が直接雇用の関係にあるため、基本的に業務の定めはありません。自社採用と同様に、企業の入社時に配属先が決まります。

一方、人材派遣会社から派遣されるスタッフは企業との直接雇用ではないため、企業は原則、契約で決められた業務しか依頼できません。加えて、労働者派遣法第4条労働者派遣法施行令第2条によって、人材派遣を利用できる業務に制限があります。法律で定められている派遣禁止業務は以下の通りです。

派遣禁止業務
●港湾運送業務
●建設業務
●警備業務
●医療関連業務
●いわゆる「士」業務(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士など)
●人事労務管理関係のうち、派遣先企業において団体交渉または労働基準法に規定する協定の締結等のための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務

④サービス利用料金

人材紹介サービスは、採用が決定した場合に「紹介手数料」の支払いが発生します。紹介手数料は、採用した人材の初年度の想定年収に手数料率をかけて算出されます。手数料率は35%が相場ですが、採用難易度が高い業界や人材の場合は35%以上に設定されることもあります。万が一、紹介を受けて採用した人材が早期退職した場合は、返還金規定により一部が返金されます。

 

一方、人材派遣サービスの場合は、派遣スタッフの「実働時間数×時間単価」で算出される派遣料金の支払いが必要です。派遣料金は派遣スタッフが働いている期間だけ発生します。時間単価は「契約期間」「就業場所」「業務内容」「技術レベル」などさまざまな要因を加味して決定されます。また、紹介予定派遣の場合は、派遣から直接雇用に切り替える際に紹介手数料が発生します。

サービス利用料金の違い

(参考:『人材紹介の手数料の相場とは?初心者必見、しくみや返還金について徹底解説』

⑤選考フロー

人材紹介会社で紹介される人材は企業で直接雇用するため、企業の人事・採用担当者は通常の自社採用と同様に、書類や面接などの選考を通して採用を決定します。面接回数に制限はなく、適性検査やテストの実施も可能です。

 

一方、人材派遣会社から派遣されるスタッフに対しては、雇用関係にない派遣先企業が面接などの選考をすることはできません。これは労働者派遣法第26条第6項の「派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止」にて定められているルールで、「事前面接」や「履歴書の送付要請」、「若年者に限定する」など、派遣スタッフの就業機会を不当に狭めないことなどを目的としたものです。ただし、紹介予定派遣は派遣先企業での直接雇用や正社員登用を前提としているため、書類や面接などの選考を実施することができます

選考フローの違い

⑥契約期間

企業と直接雇用を結ぶ人材紹介サービスで紹介される人材は、長期雇用を前提としています。そのため、契約期間の制限はなく、雇用形態も求人企業と転職希望者が合意すれば、正社員や契約社員など柔軟に決定できます。

 

対して、人材派遣会社から派遣されるスタッフの受け入れ期間には制限があり、「派遣先事業所単位」と「派遣スタッフ個人単位」の2つの期間制限が適用されます。

 

派遣先事業所単位の場合、派遣スタッフの受け入れは原則3年までです。ただし、過半数労働組合などへの意見聴取などの手続きを踏むことで、3年を限度として派遣可能期間を延長できます。なお、派遣スタッフ個人単位の期間制限により、同一の組織単位(いわゆる「課」など)で、同一スタッフを3年以上受け入れることはできないとされているため、派遣先事業所単位で派遣可能期間を延長した場合は、異なる組織単位に配属する必要があります。

契約期間の違い

⑦帰属意識

人材紹介サービスで紹介される転職希望者は長期雇用を希望しているケースが多く、企業への帰属意識が高い傾向にあります。入社後は自社のコア業務を担う戦力として育成していくことができるでしょう。

 

一方、派遣スタッフはあらかじめ企業で働く期間が決まっていることから、人材紹介サービスを通じて入社した人材よりも帰属意識が低い傾向にあります。帰属意識が低いと職場に居場所がないように感じて、モチベーションが低下してしまう恐れもあるでしょう。派遣スタッフの帰属意識を高めるためには、「自社の従業員と同様に接する」「派遣スタッフと定期的に面談を行い、悩みを解消する」などの取り組みが必要です。

人材紹介会社を利用するメリット5つ

人材紹介会社と人材派遣会社には事業・サービス内容にさまざまな違いがあるため、どちらを選択するか迷ってしまうケースもあるでしょう。ここでは人材紹介会社が提供する人材紹介サービスについて、人材派遣サービスと比較した場合の5つのメリットを紹介します。

①長期雇用が可能

人材紹介サービスは、自社に合った転職希望者を直接雇用できるため、長期的に自社で働く正社員の採用に適しています。人材育成にも力を入れられるため、より企業の事業や業務に添った人材への成長が期待できるでしょう。また、採用した人材が定着すると、人材不足の解消にもつながります。

②社内にノウハウが蓄積できる

派遣スタッフは契約期間の終了とともに派遣先企業を離れてしまうため、個人が持つスキルやノウハウを社内に蓄積することは難しいでしょう。その点、人材紹介サービスでは人材を直接雇用するため、社内にノウハウを蓄積していくことが可能です。自社と異なる企業文化を経験した人材を採用することで、これまで社内になかった新しい発想が得られたり、他社で培ったノウハウを活用できたりと、事業の継続・成長につなげていくこともできるでしょう。

③初期費用がかからないことが多い

人材紹介サービスの料金体系は、成功報酬型であるのが一般的です。サーチ型の人材紹介サービスの場合は着手金が必要なケースもありますが、多くの場合、採用が決定するまで費用はかからない点がメリットといえます。
万が一、人材紹介サービス経由で採用した人材が早期離職してしまっても返還金規定があるため、安心して採用活動を行えるでしょう。採用コスト面でのリスクが少ないというメリットを活かして、通年で募集をかけることも可能です。

④採用に関する工数が削減できる

人材紹介サービスでは採用支援も受けられるため、採用に関する工数を削減できるのもメリットです。企業と転職希望者の間に人材紹介会社の専任担当者が入り、求人票の作成から採用要件を満たす人材の選定、面接日程の調整、合否連絡まで、採用に関するさまざまな業務を代行します。企業の採用担当者は応募者の選考にのみ注力できるため、効率よく精度の高い採用活動ができるようになるでしょう。

⑤非公開で募集できる

非公開で求人を出せるのも人材紹介を利用するメリットです。求人を非公開で出す理由には、「従業員に人事状況を知られたくない」「新規プロジェクトに伴う人材募集で、競合他社に動向を知られたくない」「求人の応募が殺到しないようにしたい」などが考えられます。非公開での募集は、公募とは異なり、対象となる人材だけをピンポイントで紹介してくれるため、情報流出を避けたいときに有効です。

人材派遣会社を利用するメリット5つ

一方、人材派遣会社を利用するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。人材紹介サービスと比較した場合の5つのメリットを見ていきましょう。

①専門スキルがある場合が多いので教育コストが少なくて済む

人材派遣会社には、さまざまなスキルや経験のある派遣スタッフが登録しているため、即戦力人材の受け入れが期待できます。自社採用の場合は、採用した従業員のスキルに合わせた教育業務が必要ですが、人材派遣では派遣先企業と派遣スタッフとの間に雇用契約がなく、派遣スタッフは自社が求める専門スキルを既に持っているため、教育コストを抑えられるのがメリットです。

②期間限定の採用が可能

人材派遣サービスでは、決算期や年末調整などの業務量が増える時期に、一定期間だけ業務を依頼することが可能です。繁忙期と閑散期では業務量が異なるため、繁忙期の業務量に合わせて従業員を採用すると、閑散期に人手が余ってしまう場合があります。このような場合にかかる人件費を削減できるのも、人材派遣のメリットといえるでしょう。

 

また、育児休業や介護休業、短時間勤務などの一時的な欠員補充のためにも活用でき、自社の状況に併せて柔軟にリソースを調整することができます。

③面接などの工数が不要

人材派遣サービスを活用すると、募集や書類選考、面接、採用といった採用にかかる工数を削減できます。派遣可能な人材が見つかれば、すぐにでも業務開始が可能。「採用がうまくいかない」「採用した人材の早期離職により、再度採用活動が必要となる」といったリスクも軽減できるでしょう。

④給与や各種保険などの労務手続きが不要

派遣スタッフの給与の支払いや社会保険の加入手続きなどの労務管理は、派遣スタッフと雇用契約を結ぶ人材派遣会社が対応します。そのため、派遣先企業はこれらの業務に対応したり、責任を負ったりする必要はありません。ただし、派遣スタッフに対する「労働時間の管理」「業務で利用する機械や薬品など、危険防止の措置」「適切な就業環境の整備」などは必要です。

⑤業務効率化が可能

派遣スタッフを迎える準備として、受け入れ企業の従業員は引き継ぎ書や業務マニュアルなどを作成する必要があります。これらの準備の過程で、属人化していた業務の見直しや共通ルールの整備を図ることができます。また、ノンコア業務や一人の担当者のみで進めていた業務を派遣スタッフが進められるようになれば、既存従業員はより重要な業務に専念でき、業務効率化につながります。

人材紹介会社を利用する際の注意点

さまざまなメリットがある人材紹介サービスですが、その効果を高めるためにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。人材紹介会社を利用する際の注意点を2つ紹介します。

1人あたりの採用にかかるコストが高め

人材紹介サービスを利用して人材を採用した場合、採用人数分の紹介手数料が必要です。紹介手数料は、採用した人材それぞれの想定年収に応じて算出します。採用にかかる労力が軽減され、採用までの期間も短くなる反面、一人あたりの採用コストは自社採用よりも高くなる可能性があるため注意が必要です。採用にかけられる労力やコストなど、全体のバランスを見ながら活用しましょう。

採用ノウハウが蓄積されづらい

人材紹介会社が採用業務を代行することは従業員の負荷軽減につながりますが、社内の採用に関するノウハウが蓄積されづらいという側面があります。人材紹介会社に任せっきりになってしまうと、採用活動の情報が共有できず、転職希望者の直近の動向や面談前後の反応が見えづらくなるためです。採用が成功した要因あるいは失敗した要因は何かなど、人材紹介会社から採用活動で得た知見をフィードバックしてもらう機会を設けることが大切です。

人材派遣会社を利用する際の注意点

人材派遣会社を利用する際の注意点も2点紹介します。

採用する人材を選べない

先述の通り、労働者派遣法第26条第6項の「派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止」の定めにより、派遣先企業は選考を行えず、受け入れる派遣スタッフを選ぶことができません。誰を派遣するかは、企業の依頼内容をもとに人材派遣会社が判断します。派遣会社は派遣先企業の要望に合う派遣スタッフを探して紹介するため、企業側はどのようなスキルを持った人材が必要か、派遣会社に詳細を伝えておくとよいでしょう。

派遣社員が同じ企業の同じ部署で就業できるのは最大3年まで

労働者派遣法第40条第2項の「労働者派遣の役務の提供を受ける期間」に規定されている、いわゆる「派遣3年ルール」により、派遣スタッフが同じ企業の同じ部署で就業できるのは、原則3年までです。3年を超えて就業してもらいたい場合、企業は過半数労働組合などへの意見聴取を行うか、直接雇用に切り替える必要があります。対象となる派遣スタッフと、派遣3年ルールの例外となるケースは下記の通りです。

<対象となる派遣スタッフ>

●派遣会社と有期雇用派遣契約を結んでいる派遣スタッフ ※派遣会社と無期雇用派遣契約を結んでいる場合は、雇用期間の定めがなく3年を超えて働くことができる。

<有期雇用派遣契約を結んでいても例外となるケース>

●派遣スタッフの年齢が60歳以上の場合
●期限のあるプロジェクトに従事している場合
●日数限定業務を行っている場合
●産前産後休業、育児休業、介護休業を取得中の従業員の代替業務を担う場合
●3年間の途中で部署を異動している場合

こんな場合は人材紹介会社を活用すべき?それとも人材派遣会社を活用すべき?

人材紹介会社と人材派遣会社のどちらを活用すべきか、利用シーンごとにおすすめのサービスをご紹介します。

ハイクラス人材やマネジメント層など即戦力を採用したいとき

経営目線を持って活躍できる、ハイクラス人材やマネジメント層などの即戦力を採用したいときは、人材紹介を利用するとよいでしょう。特にハイクラス人材は転職市場でも人数が少なく、難易度の高い採用といえます。転職希望者を集めるにも時間を要するため、スキルや年収など一定条件以上の人材が登録する人材紹介会社に依頼する方が、効率的に採用活動を進められるでしょう。

また、マネジメント層においては事業成長を中長期で考えたり、自ら計画や戦略を立案しチームや部署をけん引したりすることが求められます。直接雇用して長期に活躍してもらうことが望ましいため、契約期間に定めのない人材紹介サービスが適しています。「数十人が在籍するチームのマネジメント経験者」「マネジメント経験が3年以上」などの要件を伝えると、希望に沿った人材を紹介してもらいやすくなるでしょう。

大量に人材を採用したいとき

大量に人材を採用したいときは、人材派遣サービスの方が向いています。人材派遣会社には採用サイトや採用ノウハウがあり、多くの応募が期待できます。人材紹介サービスと比較して登録者数が多い点も、大量採用に向いているといえるでしょう。ただし、大量の人材を長期的な雇用を前提として採用したい場合は、人材紹介サービスや求人広告などの活用がおすすめです。

社内に人事・採用に特化した部門がない

社内に人事・採用に特化した部門がない場合は、人材紹介サービスを活用しましょう。自社の求める人材を効率的に採用するためにも、採用のプロである人材紹介会社の専任担当者に採用業務を代行してもらうのがおすすめです。不慣れな採用業務に工数を割くことも避けられます。

人材を公募で採用したことがない

人材を公募で採用したことがない場合も、人材紹介サービスの利用を検討するとよいでしょう。人材紹介会社の専任担当者へヒアリングすることで、採用における新たな観点を得られたり、採用競合を正しく把握できたりといったメリットも期待できます。人材紹介サービスを利用するだけではなく、人材紹介会社が持つ情報を参考にできれば、自社の採用課題を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。

産休・育休などの代替要員を採用したい

産休・育休などの代替要員を採用したい場合は、一定期間の人員補充ができる人材派遣が適しています。自社採用で即戦力人材を見つけるのは簡単なことでなく、人材紹介は長期的な雇用が前提となるため、代替要員として限られた期間での採用には向かないでしょう。人材派遣であれば、必要なタイミング・期間で、要件に合うスタッフを派遣 してもらえます。

繁忙期に人手がほしい

繁忙期の一時的な人員補充に向いているのは、人材派遣です。人材派遣は必要なタイミングで必要な期間のみ派遣スタッフを受け入れることができるため、年度末や月末月初などの繁忙期に発生する業務負荷の軽減などに活用できます。その結果、時間外労働の賃金負担の解消や労働環境の健全化にもつながるでしょう。

人材紹介会社と人材派遣会社の違いを理解して賢く使い分けよう

企業の採用要件に合った転職希望者をマッチングして採用活動を支援する「人材紹介会社」と、専門スキルを持った派遣スタッフを必要なタイミング・期間のみ派遣する「人材派遣会社」。「企業と労働者を仲介する」役割は同じであるものの、提供されるサービスや雇用契約には明確な違いがあるため、異なる点を確認し、それぞれのメリットや注意点を理解した上で活用することが重要です。今回の記事で紹介している利用シーンごとのサービス選択なども参考に、自社の採用課題の解決に取り組んでみてはいかがでしょうか。

doda人材紹介サービスの資料請求・相談はこちら

採用決定時に費用が発生する“完全成功報酬型”の採用支援サービスです。初期費用0円のため低リスクで効率的に欲しい人材を採用することが可能です。サービス詳細については以下からお気軽にお問合せください。


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