2025.03.28(最終更新日:2025.03.31)
人材紹介
人材紹介サービスの返金規定とは?主な内容や返金額を解説
人材紹介サービスには、紹介した人材が一定期間内に退職した場合に紹介手数料を補償する返金規定があります。しかし、返金規定の具体的な内容までは把握していない人事・採用担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、人材紹介サービスの返金規定と返金額の相場のほか、トラブルを防ぐポイントを解説します。人材紹介サービスの返金規定について詳しく知りたい人事・採用担当者は、ぜひご参照ください。
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人材紹介サービスを利用する場合にかかる手数料
そもそも人材紹介サービスとは、採用活動を行う企業が求める要件に適した転職希望者を紹介するサービスです。自社の新規事業の展開に必要なスキルを持つ人材を採用したい場合や、急な欠員が出た場合などに有効です。
人材紹介サービスを利用する際には、採用成功に応じて紹介手数料が発生します。具体的な金額は人材サービス会社によって異なり、「転職希望者の理論年収のうち〇%」「1人採用するごとに〇万円」と示されます。また、人材紹介サービスは、採用決定時に紹介手数料が発生する成功報酬型が一般的です。初期費用がかからないため、ローリスクで採用活動を始められます。
上記を踏まえ、次項では本題である、人材紹介サービスを利用する際の返金規定について解説します。
人材紹介サービスの返金規定とは
返金規定とは、人材紹介サービスで採用した人材が、一定期間内に自己都合で退職した場合に、紹介手数料を返金してもらう「返戻金制度」に関する規定のことです。
前述した成功報酬型のサービスでは、紹介された人材が自社に入社したタイミングで紹介手数料が発生します。しかし、入社した人材が短期間で退職した場合、採用活動を再開するための追加費用がかかってしまいます。
このようなケースへの対応として、人材紹介サービスの多くは紹介手数料を補償する返戻金制度を設けているのです。この制度の適用の可否を示す基準となるのが、返金規定です。人材サービス会社は、職業安定法によって、具体的な紹介手数料や返戻金制度の有無、返金規定といった情報を企業に提供するように義務づけられています。
なお、紹介手数料の補償には、「返金条項」と「フリーリプレイスメント」の2種類があります。これらについては、以下で詳しく解説します。
返金条項
返金条項は、紹介された人材が一定期間内に自己都合で退職した場合に、紹介手数料の返金を請求できる条項です。人材紹介サービスの補償制度の中にこの条項が盛り込まれている場合、サービスを利用した企業は支払った紹介手数料の返金を求めることができます。
人材紹介サービスの利用を検討中ではあるものの、採用した人材が短期間で退職するリスクを懸念する人事・採用担当者は、まずこの返金条項を確認しましょう。
フリーリプレイスメント
フリーリプレイスメントは、人材紹介サービスを通じて入社した人材が短期間で退職してしまった場合に、代わりとなる人材を新たに紹介してもらえる補償制度です。人材を補充する手間を最小限に抑えられるため、人手不足を一刻も早く解決したいと考えている企業にとっては、同制度を導入している人材サービス会社を選択するのも一案です。
この制度を導入していない人材サービス会社もあるため、こうした補償を求めているのであれば、制度の有無を確認しておくことが大切です。
人材紹介サービスの返金の保証期間の目安
一般的に、人材紹介サービスを通して採用した人材が退職した場合、紹介手数料を返金してもらえる期間は入社後3カ月以内までです。返金規定は各社で異なりますが、保証期間を入社後6カ月以内までと定めている人材サービス会社もあります。
また、医療・介護・保育分野の人材紹介を行っている事業者に対しては「就職後6か月以内の返戻金制度」について定めること、また求職者への説明責任について改正されています。
※厚生労働省:「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」の認定基準見直しについて
人材紹介サービスの返金額の相場
人材紹介サービスから受け取れる紹介手数料の返金額は、紹介された人材が退職するまでの期間に応じて割合が変動します。例えば、入社後3カ月以内まで返金が保証されている場合、「入社してから1カ月未満に退職」と「入社してから1カ月以上経過後に退職」では返金額が変わります。
これらを踏まえ、以下では保証期間ごとに異なる手数料の返金額の相場を見ていきましょう。
入社後1カ月未満
人材紹介サービスを通じて入社した人材が1カ月未満に退職してしまった場合に、返金してもらえる金額の相場は、紹介手数料の80%といわれています。
中には、1カ月未満の退職で紹介手数料を100%返金する人材サービス会社もあります。
入社後1カ月~3カ月以内
人材紹介サービスで採用した人材が、入社から1カ月以上たったものの3カ月以内に退職してしまった場合、返金される紹介手数料の割合は50%が相場とされています。
人材サービス会社によっては「入社後1カ月以内」「入社後2カ月以内」と、期間を区切ることで返金額の割合を細かく定めている場合もあります。
入社後6カ月以内
入社後6カ月以内に退職した場合に返金される手数料の割合の相場は、ケースバイケースです。もし、人材紹介サービスの利用を検討する際に、6カ月に及ぶ補償を希望するのであれば、補償の設定有無、また返金される手数料の額を事前に確認しておきましょう。
人材紹介サービスで採用した人材が短期間で退職する原因
ここまで、人材紹介サービスで採用した人材が、短期間で退職してしまった場合の返金額の相場について解説しました。
人材紹介サービスを介して雇用した人材が短期間で退職した場合、手数料の一部は返金されますが、採用までにかかった時間や教育費など、少なからず損失を被ることとなります。このような事態を避けるためには、短期間で退職してしまう原因を知った上で対策を講じることが重要です。
ここからは、人材紹介サービスを通じて採用した人材が、短期間で退職してしまう3つの原因を解説します。サービスの活用を検討しているものの、短期間での退職を懸念する人事・採用担当者はぜひ参考にしてください。
転職希望者と自社のミスマッチ
人材紹介サービスで採用した人材が、短期間で退職する原因として最も多いのが、入社後のミスマッチです。
転職希望者が入社前に抱いていた自社のイメージや実情にギャップを感じると、短期間で退職してしまうケースがあります。短期間での退職を防ぐためには、人材紹介サービスの担当者に対しても、自社の業務内容や職場環境に関する情報、求める人材の要件を明確に伝えておくことが重要です。
転職希望者が入社前に提示されていた諸条件の相違
転職希望者が短期間で退職してしまう理由として、自社が提示していた諸条件と、転職希望者が認識していた諸条件の相違が挙げられます。このときの諸条件とは、労働時間や給与、福利厚生やテレワークの可否などを指します。
事前に説明されていた条件と、実際の条件が異なり、退職してしまうケースは珍しくありません。このような事態を防ぐためには、労働時間をはじめとする諸条件を、正確に示した上で、準拠することが重要です。
面接時や契約前に、転職希望者が詳細な諸条件を確認できる体制を整えましょう。自社で働く上での実情をしっかりと把握してもらうことが、短期間での退職の防止につながります。
転職希望者が入社前に聞いていた仕事内容との相違
人材紹介サービスで採用した人材が短期間で退職してしまう原因の一つが、転職希望者が入社前に把握していた業務内容と、実務の食い違いです。具体的には、「専門的なスキルを活かせると期待していたが、実際の業務が単純作業だった」という例などが挙げられます。
想定していた業務と実務に相違があると、転職希望者は不満を感じてしまうため、短期間で退職する恐れがあります。このようなトラブルを避けるためには、転職希望者に対して、具体的な業務の説明が必要です。
人材紹介サービスを利用して採用活動を行う際は、転職希望者が携わる業務の詳細や、期待する役割を明確にした上で、業務内容の相違が発生しないよう心掛けましょう。
人材紹介サービスの返金規定を確認する方法
本項では、人材紹介サービスの返金規定の確認方法を解説します。人材紹介サービスを利用する際は、万が一の際に自社の損失を最小限に抑えるために、返金規定をあらかじめ確認しておくことが大切です。
以下で、返金規定を確認する3つの方法を解説します。
方法①契約書を確認する
返戻金制度を導入している人材サービス会社は、職業安定法によって、返金規定を契約書に記載することが義務づけられています。
そのため、サービスの利用を検討中の人事・採用担当者は、認識漏れによるトラブルを防ぐために、返金規定を契約締結前に必ず確認しておきましょう。
方法②人材サービス総合サイトを確認する
返金規定は、厚生労働省が運営する人材サービス総合サイトでも確認できます。
人材サービス総合サイトでは、各人材サービス会社の手数料や返金規定といった情報が公開されています。人材サービス会社は、職業安定法によって契約書に返金規定を明示しなければならないのと同様に、契約に関連する情報の公開が義務づけられているためです。
また、人材サービス総合サイトは、人材サービス会社との契約締結前に返金規定を確認するだけではなく、複数の人材サービス会社を比較検討したい場合にも役立ちます。
(参照:厚生労働省職業安定局『人材サービス総合サイト』)
方法③人材サービス会社のホームページを確認する
人材サービス会社のホームページ上でも、返金規定を確認できる場合があります。
人材サービス会社は、2024年4月に施行された改正職業安定法施行規則により、ホームページ上に返金規定に関する詳細を掲示することが認められました。ただし、ホームページ上での返金規定の掲示は、義務ではなく任意での対応とされています。そのため、全ての人材サービス会社のホームページで公開されているわけではない点に注意しましょう。
返金規定の詳細を確認したい人事・採用担当者は、人材サービス会社に直接問い合わせる、あるいは資料を請求してみてください。
人材紹介サービスの返金規定に記載されている主な内容
この項では、返金規定の具体的な記載内容をお伝えします。
返金規定に記載されている主な内容
- 返金の適用条件
- 返金額の割合
- 免責事由
返金の適用条件および返金額の割合とは、返金を保証する期間や、返金される紹介手数料の割合のことです。返戻金制度を導入している人材紹介サービスの多くが、「入社後○カ月以内に退職した場合、紹介手数料の割合を○%返金」と記載しています。
免責事由では、人材サービス会社に返金を求めた際に、返戻金制度が利用できないケースを示しています。例えば、紹介された人材が短期間で退職したとしても、退職理由や自社の社内状況が免責事由に記載された内容と合致する場合、たとえ保証期間内であっても返金を受けられないのです。
返金を求める際は、トラブルの発生を避けるためにも、返金規定を十分に理解しておくことが重要です。
人材サービス会社との返金トラブルを避けるためのポイント
人材紹介サービスの利用を検討している人事・採用担当者は、やむを得ず返金を申し出る場合に、トラブルが起こらないような体制を整えておくことも重要です。
人材サービス会社との返金トラブルを避けるための、3つのポイントを見ていきましょう。
ポイント①最新の返金規定を確認する
返金トラブルを避けるために押さえておきたいポイントの一つが、利用している人材紹介サービスの最新の返金規定を確認することです。
返金を申し出る際に、自社が規定を誤って認識していると、想定よりも返金額が少ない、あるいは返戻金制度を利用できないといったトラブルが生じるかもしれません。これを防ぐためにも、返金規定および契約内容を定期的に確認することが大切です。
ポイント②人材サービス会社に共有している自社の情報を確認する
返金トラブルを防ぐためには、人材サービス会社に共有している自社の情報を確認することも欠かせません。
人材サービス会社に共有した自社の情報に誤りがある場合などでは紹介された人材との間に食い違いが起こってしまいます。例えば、人材サービス会社から「賞与があると説明されて入社したが支払われなかった」という事態が起こると、退職の原因になりかねません。
このようなトラブルを防ぐためには、人材サービス会社に共有する募集要項や諸条件に誤りがないか徹底的に確認し、変更が生じた場合は早急に修正する必要があります。
ポイント③厚生労働省の資料を活用する
厚生労働省が公開している資料を参考に、人材サービス会社との間で起こり得るトラブルについて把握しておくこともポイントの一つです。
厚生労働省はWeb上で、『職業紹介事業者向け トラブルを未然に防ぐための ポイント・事例集』を公開しています。人材サービス会社向けの資料として、採用活動を行う企業との間でどのようなトラブルが発生するかといった点が解説されています。
自社だけではなく、人材サービス会社側の目線も知ることで、トラブルを未然に防ぐための体制づくりに役立てられるでしょう。
(参照:厚生労働省『職業紹介事業者向け トラブルを未然に防ぐための ポイント・事例集』)
人材紹介サービスを利用する際は返金規定を確認しましょう
今回は、人材紹介サービスの返金規定を解説しました。
人材紹介サービスの多くは、紹介した人材が自己都合により短期間で退職した場合に、手数料を補償する返戻金制度を設けています。返戻金制度は採用活動のリスクを抑えられる一方、返金規定を理解していないと、人材サービス会社とのトラブルに発展する恐れがあります。人材紹介サービスを活用する際は、返金規定をしっかりと確認しておくことが重要です。
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