ダイレクトリクルーティングとは?導入時のメリット・デメリットや事例を紹介

ダイレクト・ソーシングコラム

ダイレクトリクルーティングとは?導入時のメリット・デメリットや事例を紹介

2023.12.29(最終更新日:2024.10.15)

ダイレクト・ソーシング

現在の採用環境は、労働人口の減少などにより売り手市場の状態が長く続いています。従来のように、広告などで募集をかけて応募を受けるだけの「待ち」の採用では、競合他社に後れをとってしまう場面も多くなりました。

「ダイレクトリクルーティング」とは、こうした環境下で注目度を高めている採用手法の一つです。この記事では、ダイレクトリクルーティングの仕組みやメリット・デメリット、企業で活用されている事例などを解説します。

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ダイレクトリクルーティングとは

まずは、「ダイレクトリクルーティング」とはどのような採用手法なのか、基本的な仕組みや注目されている理由、既存の採用方法との違いなどから見ていきましょう。

ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングの概要

ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接求職者へアプローチをする採用手法のことを指します。具体的な流れとしては、まずダイレクトリクルーティングを取り扱うプラットフォーム事業者と契約を結び、その会社が保有するデータベースをスクリーニングします。

そのうえで、人材プールから条件に合う人材を見つけたら、その個人に対して企業が自らスカウトを送信し、コミュニケーションを図りながら採用選考へと移行させていくのが基本的な仕組みです。海外では「ダイレクト・ソーシング」という呼び名で広く用いられていますが、国内ではダイレクトリクルーティングという呼び方が主流となっています。

従来の採用手法では、候補者からの応募が来るまでに企業ができることは限られていました。求人広告などを打ち出したあとは、応募や紹介が来るまで待つことしかできません。

それに対して、ダイレクトリクルーティングは企業から積極的に手を打てるため、「攻め」の採用が行えるのが大きな特徴となっています。

ダイレクトリクルーティングが注目されている理由

ダイレクトリクルーティングが注目を集めている背景には、採用活動の難化があげられます。現代の日本では少子高齢化に伴って労働人口が減少しつつあり、有効求人倍率も年々上昇しています。

こうした売り手市場にあっては、単に従来のような「待ち」の姿勢でいても、効果的な採用活動を行うことは難しいです。採用を成功させるには、具体的に転職活動を始めている顕在層だけではなく、検討段階にある潜在層へのアピールも重要となるでしょう。

そこで、企業側から個人の潜在層に直接アプローチできる手法として、ダイレクトリクルーティングの重要性が注目され始めているのです。

求人広告や人材紹介との違い

ダイレクトリクルーティングと求人広告・人材紹介の大きな違いは、企業が直接求職者にアピールできる点にあります。求人広告では、不特定多数に情報発信できるため、大きな母集団を形成しやすいのが利点です。

一方、広告費をかけても自社の希望に合った人材が集まるとは限らず、どうしても採用効率は低下してしまいます。また、人材紹介は人材紹介会社を間に挟むことで、質の高い母集団を形成できるのはメリットです。

しかし、1人あたりの採用コストは高くなりがちであり、あまり多くの人数の採用には活用しづらい面もあります。ダイレクトリクルーティングであれば、大々的な広告を打たなくても、ピンポイントで欲しい人材にスカウトをかけることができます。

そのため、費用対効果は求人広告や人材紹介よりも高くなるケースが多いといえるでしょう。

ダイレクトリクルーティングの基本的な流れ

ここでは、ダイレクトリクルーティングの基本的な流れについて見ていきましょう。

  1. 求職者が人材データベースに履歴書や職務経歴書などを登録する
  2. 企業は人材データベースからマッチしている人材を探す
  3. 条件に合った求職者にスカウトメールを送る
  4. 求職者からの返事を待ってコミュニケーションを図る
  5. カジュアル面談や選考へ進み採用を行う

ダイレクトリクルーティングの流れそのものはとてもシンプルです。人材データベースを参照して、条件に合った人材を見つけたら、スカウトメールで接点をつくりながらコミュニケーションを図ります。

そこからの流れは、企業ごとに柔軟に組み立てることが可能であり、カジュアル面談や採用選考などで採用を進めていきます。このように、一度着手すれば、比較的に単純なプロセスで採用まで進められるのが特徴です。

その分、企業側としてはスタートを切るまでの下準備が重要となります。企業側の求める人材要件が明確であるほど、条件に合った人材を見つけやすくなるので、要件定義には時間をかけることが大切です。

ダイレクトリクルーティングの流れ

ダイレクトリクルーティングに取り組むメリット

ダイレクトリクルーティングの特徴について、ここからはメリット・デメリットの観点から深く掘り下げて確認していきましょう。

採用活動の効率化

幅広く応募を待つのではなく、理想的な人材へピンポイントでアプローチするため、採用活動の効率は格段に向上します。従来の方法では、どうしても自社とマッチしない人材にもある程度の時間や工数を割かなければならず、具体的な成果につながらない工程が多くなりがちな面があります。

それに対して、ダイレクトリクルーティングではスタートからマッチ度の高い人材に狙いを定めるため、あまり無駄な工程が生じることはありません。必要な箇所にしっかりとリソースを傾けることができるため、採用活動のクオリティも高くなりやすいです。

自社の魅力を十分にアピール可能

ピンポイントで候補者にアプローチするため、自社の魅力をしっかりとアピールできるのもダイレクトリクルーティングの大きなメリットです。前提として、ダイレクトリクルーティングは企業側から候補者に働きかけを行うため、通常の方法よりも認知してもらいやすいという特徴があります。

スカウトメールで自社の存在を気にかけてもらえば、候補者が自ら進んでホームページやコーポレートサイトなどを探してくれる可能性もあるでしょう。また、自社の従業員が候補者と一対一で関わるため、自然な形で企業アピールをすることが可能です。

業務内容や社風、キャリアパスといった内容について、先輩従業員による比較的に近しい目線で情報を届けられるので、納得や共感が得やすいといえます。その結果、自社に強い興味を持つ質の高い母集団を形成できるのです。

採用ノウハウの蓄積

待ちの姿勢で取り組む採用広告や、他社に任せる人材紹介と比べて、ダイレクトリクルーティングは自社が主導で進める点にも特徴があります。自社の組織が直接的に採用活動に従事するため、取り組みごとの費用対効果がわかりやすくなるのがメリットです。

また、各プロセスのデータを蓄積することで、採用活動のPDCAサイクルを回せるため、長期的に見れば企業の採用力を高めることにもつながります。採用ノウハウを自社に蓄積できるため、活動全体のブラッシュアップを図れるのは大きな利点といえるでしょう。

ダイレクトリクルーティングのデメリット

続いて、ダイレクトリクルーティングのデメリットについても見ていきましょう。

短期的な成果は望みづらい

人材紹介を専門に扱う他社に任せる手法と比べれば、ダイレクトリクルーティングは短期的な成果を見込みにくいのが難点です。自社の魅力や発信力、採用力がそのまま結果に表れてしまうため、はじめから効果的な採用活動が行えるケースはそれほど多くありません。

そのため、PDCAサイクルによる改善や検証を重ねながら、長期的な視野で採用活動に取り組むことを前提に戦略を立てる必要があります。

採用担当者の業務負担が増える

人材紹介会社などを介さず、社内のリソースだけで採用活動を行うため、人事や採用担当者の負担は大きくなってしまいます。特に、従来の手法と比べて選考がスタートするまでの工数は増えるため、その分の人員を確保することは不可欠です。

また、作業工数が増えればそれだけ採用コストも高くなります。導入して間もない段階では、具体的な成果を期待するのも難しいため、コスト管理については慎重に考えることが大切です。

ダイレクトリクルーティングに向いている企業

そもそも、ダイレクトリクルーティングはどのような企業に向いている手法なのでしょうか。ここでは、効果的に活用できるケースについて解説します。

採用力を高めたい企業

ダイレクトリクルーティングは、長期的に見て採用力を強化したいと考えている企業に適しています。前述のように人材要件の設定から応募者のスクリーニング、面接日程の調整など、スカウトから入社までのプロセスを一貫して自社が行うため、採用ノウハウを蓄積しやすいのです。

一方、「目前のプロジェクトに向けて急遽人員の補充が必要」「来年以降の積極的な採用は考えていない」といったケースではあまり導入に適しておらず、その他の手法のほうが効果的といえます。

専門性の高い職種の人材を求めている企業

エンジニアなどの専門性の高いスキルを持った人材を求めている場合は、ダイレクトリクルーティングでピンポイントに採用活動を行うほうがよい結果につながりやすいといえます。専門職の即戦力人材は、転職市場においてもそれほど多くなく、採用競争率が高くなりがちです。

特に、認知度の低い企業では、待ちの採用を行っても「そもそも候補者の目に留まらない」という可能性も高いです。しかし、ダイレクトリクルーティングであれば、現状で認知度が低い企業でも自社の魅力や働きやすさ、将来性などを伝えられるチャンスが広がります。

ダイレクトリクルーティングの費用の目安




ダイレクトリクルーティングを行うときには、人材データベースなどを取り扱うダイレクトリクルーティングサービスを利用するのが一般的です。

ここでは、ダイレクトリクルーティングサービスを利用した際にかかる費用をご紹介します。

成功報酬

候補者からの応募があった際、あるいは採用後などに成功報酬が発生します。候補者の勤務地や職種などに応じて、1人あたりの料金が定められていることが多く、平均的な採用単価は60万円程度とされています。

データベースの利用料

ダイレクトリクルーティングサービスでは、人材データベースの利用料を数ヶ月~1年単位で支払うケースが多いです。利用期間によって料金はバラバラですが、費用の目安は数十万~500万円程度となっており、何人採用しても費用は変わりません。

なお、会社によってデータベース利用料を低く設定する代わりに、成功報酬も組み合わせて適用しているケースもあります。

ダイレクトリクルーティングを成功させるポイント

ダイレクトリクルーティングを成功させるには、取り組みをスタートする前に綿密な戦略を立てることが大切です。ここでは、ダイレクトリクルーティングを効果的に導入するためのポイントをご紹介します。

自社の採用課題を明確にする

まずは、自社の現状を分析し、採用活動における課題を洗い出す必要があります。たとえば、現在の求人広告から応募は集まっているものの、なかなか自社にマッチした人材と出会えないという場合は、ダイレクトリクルーティングで効果が期待できます。

反対に、緊急の人員確保のために、即効性のある方法で採用人数を増やしたいという場合は、その他の方法を検討するほうがよいでしょう。このように、まずは現状分析を通して、ダイレクトリクルーティングに取り組む価値があるのかどうかを見極めることが大切です。

人員の体制を整える

これまで見てきたように、ダイレクトリクルーティングは採用成功までに時間がかかり、担当者の業務負荷が多くなってしまうのが課題です。導入するのであれば、ある程度の長期的なプランを計画し、専任の担当者を決めることも大切です。

また、場合によっては専任の担当者が抱えていた既存の業務をほかのメンバーに分散させ、事前に負担を軽減させておく必要もあります。不慣れな間は予期せぬ業務負担が増えてしまいがちなため、周囲が柔軟にサポートできるような仕組みを整えておきましょう。

経営陣や現場社員にも協力してもらう

効果的な採用活動を行うには、自社が求める人材の要件設定を正確に行うことが重要です。それには、人事や採用担当者だけでなく、経営陣も巻き込みながら経営戦略の観点で要件定義を行う必要があります。

また、外部からは見えない実情を加味するために、現場の従業員にも意見をもらうことが大切です。幅広い視点で要件定義を行うことで、精度の高いターゲット設定が可能となるのです。

そのうえで、可能であれば、選考段階においても現場の従業員に協力してもらうのが理想といえます。なぜなら、実際に活躍している従業員や明確なビジョンを持った経営陣などを巻き込み、アプローチや面談を手伝ってもらうことで、より具体的な魅力を訴求できるようになるためです。

ダイレクトリクルーティングでは、すべてのプロセスを一貫して自社が担うからこそ、柔軟に布陣を組んで臨むのがポイントとなります。

ターゲットを絞り込み過ぎない

要件の設定が重要であるのは前提として、実際にスクリーニングを行うときは、あまり細かな枠組みにとらわれ過ぎないことも大切です。特に母数が限られた専門職の人材を採用する際には、条件をいくつも設けて絞り込むと、アプローチできる求職者の数が大幅に減ってしまいます。

実際にコミュニケーションを図るなかで見えてくるものも少なくないため、スカウトメールを送る段階では、ある程度の柔軟性を持って取り組むとよいでしょう。

長期的な取り組みとして行う

繰り返しにはなりますが、ダイレクトリクルーティングはPDCAを回しながら地道にノウハウを蓄積し、組織としての採用力を高めていくことも重要な目的です。短期的な成果を求めたり、目先の結果に方針を左右されたりするのではなく、長期的な視点で計画を立てるのもポイントとなります。

スカウトメールを送るときのコツ

ダイレクトリクルーティングでは、求職者とのファーストコンタクトにあたるスカウトメールの質が、成功を大きく左右します。ここでは、スカウトメールを送る際に意識しておきたいポイントについて解説します。

ターゲットと検索軸を明確にする

スカウトメールの作成するうえでは、準備段階としてターゲットとするペルソナを明確にすることが大切です。たとえば、営業職のスカウトであれば、年齢や性別、前職の年収、経験といった基本的な項目だけでなく、価値観や悩み、転職を望む理由、キャリア志向なども具体化する必要があります。

また、スクリーニングを行う際には、企業側の検索軸を明確にすることも重要です。オファーすべき検索条件をいくつか洗い出し、それぞれに優先度をつけていくと、データベースを照会したときに柔軟な判断がしやすくなります。

たとえば、将来性に期待するのであれば経験よりも年齢を、即戦力に期待するのであれば年齢よりも経験やスキルを重視するといった考え方が基本です。

事務的な文面にならないようにする

スカウトメールで求職者の心をつかむためには、事務的な文面を避け、企業側の熱意が伝わるように工夫する必要があります。候補者の名前を表示できる場合は、呼びかけるように文面に記載し、企業側が「会いたがっている」という点を率直に押し出しましょう。

また、口調については丁寧な調子を保ちつつ、親近感を覚えさせるような等身大のメッセージを盛り込むのもポイントです。そのうえで、メールは複数のパターンを作成し、A/Bテストなどで開封率を検証しながらクオリティを改善していくとよいでしょう。

わかりやすい内容で伝える

自社の紹介をするときには、できるだけわかりやすい内容で伝えることも大切です。「自社がどのような社風を持っているのか」「どのように社会貢献をしているのか」「将来的にどのような成長を目指しているのか」など、転職先を見極めるうえで重視されやすいポイントを踏まえながら、客観性を持たせて紹介しましょう。

また、あまり長文にならないように心がけ、もっと自社について知りたいと思ってもらえるようにして、面談へとスムーズに誘導するのも有効です。

メールを送る時間帯についても検討する

メールの開封率や返信率は、送信する時間帯によっても大きく変わってきます。一般的には通勤時間帯にあたる9時台、移動が多くなる11時台、休憩を挟む12時台や15時台の開封率が高いとされています。

しかし、実施には職種によっても偏りがあるため、一概にいつが効果的な時間帯とはいえません。時間帯の設定についても、いくつかのパターンで実際に開封率や返信率のテストを行い、効果検証をしてみるのがおすすめです。

ダイレクトリクルーティングの成功事例を紹介

ダイレクトリクルーティングは、すでにさまざまな企業で実践されており、大きな効果を生み出しています。ここでは、企業における導入事例を通して、成功へのヒントをご紹介します。

事例①:株式会社アールピーエム

株式会社アールピーエムは、医薬品開発の臨床開発に関する業務を行う企業です。専門性の高い職種ということもあり、採用難易度が高く、広告を出稿するだけの受け身の姿勢ではなかなかよい求職者に出会えないのが課題となっていました。

そこで、ダイレクトリクルーティングの手法を用い、能動的なアクションによって採用の質を高めることに着手します。そして、具体的な取り組みとして、次のポイントを実践しました。

  • レジュメを細部まで読み込んで質の高いスカウトメールを作成する
  • 求人票は案件別にカスタマイズする
  • 業界経験者に響く言葉を探る
  • 地方在住の候補者に会うために、柔軟な出張体制を構築する
  • 開発部門のリーダーと求職者の電話によるカジュアル面談を実施する

ダイレクトリクルーティングでは、1人の候補者に手厚く接触し、確かな信頼関係を構築することがカギとなります。この事例でも、まずは1通のスカウトメールに力を入れ、内容を熟慮して作成することからスタートしています。

さらに、臨機応変なアプローチが行えるように、社内に協力体制を構築したのも大きな特徴です。地方在住の候補者にもすぐに会いに行けるよう、自分の裁量で出張ができる体制を整えたり、現場の責任者と電話でカジュアル面談ができるようにしたりと、多様な選択肢を増やしていきました。

(参考:『採用難易度が高い職種こそ、“攻め”てアプローチすることが重要 』)

事例②:JBSテクノロジー株式会社

JBSテクノロジー株式会社は、ITコンサルティングやインフラ設計・構築、運用設計・構築サポートといったITソリューションを幅広く提供する企業です。同社ではもともと人材紹介と採用媒体の比率が8:2程度であり、採用の多くは人材紹介に依存している状態でした。

そうしたなかで、利用していた人材紹介会社が新たにダイレクトリクルーティングのサービスを提供したことをきっかけに導入をスタートします。同社の取り組みでは、「当たり前の運用」をやりきることに重きを置き、一つずつのプロセスを丁寧に実行していった点が大きな特徴です。

具体的には、次のようなポイントがあげられます。

  • 求職者データベースは毎日欠かさずチェックする
  • 細切れ時間にスカウトメールを送る
  • 1日1通でもよいので、応募者に響くスカウトメールを送る
  • 素早いレスポンスと丁寧な対応を心がける
  • 書類選考不要の効率的な選考プロセスの実現

特に素早い対応と効率的な選考プロセスは、忙しい転職者にとって大きなメリットがあり、採用を大きく優位に動かすポイントとなっています。

(参考:『求職者データベースは毎日チェック、細切れ時間にスカウトメール送信。当たり前の運用を“やり切る”ことでインフラエンジニアの採用に成功 』)

事例③:株式会社マツオ

ジンギスカン専門店「松尾ジンギスカン」を展開する株式会社マツオでは、新型コロナウイルスによる影響が落ち着きを見せ始めたタイミングで、店舗運営の強化に向けて正社員の募集を計画しました。しかし、既存の人材紹介サービスでは、採用単価が100万円を超えることもあり、コスト面での負荷が大きい点が課題となっていました。

一方、土日休みの保証が難しい飲食業ということもあり、求人広告でも思うように応募が集まらない状況が続きます。そうした状況下で導入されたのが、候補者を直接スカウトできるダイレクトリクルーティングの手法です。

同社の取り組みのポイントは次の通りです。

  • システムログイン日が3日以内の転職意欲が高い候補者にスカウトメールを送信
  • 登録者の転職理由や希望を踏まえてメールの文面を作成
  • 登録者本人が使っている言葉も盛り込み、1通のメールに特別感を持たせる
  • 配信対象者の柔軟な拡大

スカウトメールについては、登録者が記載している情報をじっくりと読み込み、内容に反映させることが重視されています。ときには登録者本人が用いる言葉も交えることで、1人に宛てて作成したという思いが伝わり、開封につながるケースもあるようです。

業務の隙間時間を利用し、半年間で約1,000通のスカウトメールを送信した結果、7名の採用に成功しています。

(参考:『差別化しづらい飲食業界で半年間に7名採用。「doda Recruiters」を活用したスカウトメール送信ナレッジ 』)

まとめ

ダイレクトリクルーティングとは、企業が自ら求職者にアプローチできる「攻め」の採用手法であり、さまざまな会社で導入されています。

求職者と直接的にコミュニケーションを図れるため、従来の方法と比べると採用後のミスマッチも少なく、トータルで見ればコストパフォーマンスが高くなるケースが多いです。

導入にあたっては、まず自社の採用課題をじっくりと見直し、現状を分析することが大切です。そのうえで、ダイレクトリクルーティングで解消できる可能性がある場合は、活用を検討してみるとよいでしょう。

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