2025.04.11
求人広告
【具体例あり】転職希望者を引きつける求人広告の魅力アップ術
採用活動でより良い人材に出会うためには、求める人材のスキルや経験、人材像をできるだけ明確にし、自社の魅力を伝えることが重要です。応募者はどのような仕事を求め、どのような価値観を持っているのか。それらのことを知るためにしっかり情報収集をし、応募者が魅力を感じる求人広告を発信する必要があります。
今回は、どうすれば自社の求人を魅力化できるのかがわからないという採用担当者のために、現状分析や求人票のブラッシュアップ方法などを具体的に解説します。
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求人の魅力化が求められる背景
近年、転職市場は活発化しており、企業の採用競争が激しさを増しています。特に、転職希望者が企業を選ぶ基準が多様化し、単なる給与や待遇だけでなく、働き方や企業文化、成長機会などが重要視されるようになっています。求人倍率は上昇傾向であり、企業が求める人材を採用するためには、求人票自体の魅力化が不可欠となっています。
また、転職希望者のニーズを正確に把握することが、魅力的な求人を作成する第一歩です。適切な市場調査と社内分析を行い、自社の強みや他社にはない魅力を明確に伝えることで、転職希望者の関心を引くことができます。
自社求人を魅力化するための現状分析の手法
自社の魅力を抽出するためには、現状分析が欠かせません。以下に、現状分析の具体的な方法を解説します。
①既存の求人票の評価
現在の求人票を確認し、他社の求人票と比較して魅力的な点や改善点を洗い出します。特に応募者の関心が高い、仕事内容、待遇、福利厚生、必要な資格・スキルなどをチェックします。
②インタビューやアンケートで声を集める
自社の魅力を知るためには、社員や応募者から直接意見を聞くことが有効です。
・社内インタビューとアンケート
実際に働いている社員から、企業の強みや働きやすさに関する意見を収集します。特に新入社員や転職者の視点は貴重な情報源となります。匿名での回答を促すことで、正直な意見を収集しやすくなるでしょう。
・応募者のフィードバックを収集
面接を終えた応募者に対してアンケートを実施し、求人票や採用プロセスについての意見を収集してください。特に、求人票の内容が実際の業務内容や企業の実態と一致しているかは重要なチェックポイントです。また、採用された人材に対しては、採用後一定期間を経た後にフィードバックを求め、入社前の期待と実際のギャップについて意見を集めてみましょう。
・業界レポートや求人サイトでトレンド分析
業界レポートや求人サイト情報を活用し、転職希望者がどのような条件や環境を求めているか、市場や業界のトレンドはどのように動いているのかなどを把握し、理解を深めておきましょう。
③競合分析・市場調査をする
同業他社や同じ職種の求人票と比較し、他にはない自社の魅力、募集している仕事の魅力などを言語化したり、自社の求人票がどのように見えるかを評価したりします。業界のトレンドを踏まえた上で、転職希望者ニーズに合った訴求ポイントを明確にしていきます。
また、同業他社の求人活動や採用戦略についても調査し、他社が強調しているポイントや、自社に不足している情報がないかをチェックしてください。求める人材像を具体的に定義し、その人材が求める条件や魅力を整理します。
④応募数や人材の質を分析する
過去の求人に対する応募数や、採用に至った人材の質を分析します。どの求人票が最も多くの応募を集め、どの求人票が質の高い応募者を引きつけたかを確認します。現在、人材サービス会社を利用されている場合は、そのサービスの分析ツールなどを活用してもよいでしょう。
⑤媒体種類ごとの効果を測定する
求人を掲載した各媒体の効果を測定し、どの媒体が最も効果的かを評価します。クリック数や応募数、応募者の質を比較します。
これらの方法を組み合わせて現状分析を行うことで、求人票の改善点や強化ポイントを具体的に把握することができます。分析結果をもとに、求人票の内容を見直し、より魅力的な求人情報を発信するための具体的な施策を立案するとよいでしょう。
効果的な求人を運用するポイント
求人をより効果的なものにするためには、以下の要素を明確に打ち出すことが重要です。いくつかの事例をピックアップして見ていくことにしましょう。
(1) 採用ブランディング
企業のビジョンや価値観を明確にし、転職希望者の共感を生むメッセージを発信しましょう。トップの方針や社員の声を取り入れることで、企業文化をリアルに伝えることができます。
例:アパレル業界のメーカー
あるメーカーでは、環境保護活動に積極的に取り組む企業として知られています。そこで自社製品の製造過程での環境負荷を最小限に抑える努力や、環境活動に対する寄付活動を自社HPや一般メディアに広くPRしました。企業の倫理観や社会責任に共感する社員を引きつけることで、ブランドイメージと社員の満足度を高めることに成功しました。
(2) 会社概要と事業内容
転職希望者が企業の安定性や成長性を判断できるよう、業界内でのポジションや事業の将来性を記載しましょう。
例:企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)
転職希望者の志向性としては、将来のキャリア、所属する会社が将来にわたり(経営面で)安定しているかなど、環境要因を不安視する傾向にあるため、求人では「いかに市場価値の高いスキルを獲得できるか」「5年先のキャリアをイメージできるか」「長期的な経営計画を策定しているか」などを訴求する必要があります。現状の会社の安定性だけでなく、10年、20年先の経営ビジョンが明確にあることをアピールすることで、求人における自社の魅力度が増していきます。
(3) 扱う商材・サービス
企業の事業内容に加え、提供するサービスや製品の強みをアピールすることで、転職希望者に企業の価値を伝えます。
例:ものづくりエンジニア(機械設計職)
機械設計職は、設計サポートや図面作成といった下流工程から、企画・開発などの上流工程を目指すのが基本的なキャリアパスとなります。そのため、ステップアップできる環境や募集要件を整え、転職希望者にとって転職のメリットを打ち出すことが重要です。
機械設計職の求人数は今後も増加が見込まれており、市況に合わせた適切な条件設定や要件定義が鍵となるため、転職希望者に対して魅力的な情報を提供し、他社求人との差別化を図るためには以下のポイントに留意しましょう
設計する製品と担当フェーズの明確化:どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価など)を任せるのか、誰に対して転職メリットがあるのかを明確にする。
適切なスキルと年収条件の設定:採用背景を考慮し、市況を踏まえた上で求めるスキルや年収条件を適正化する。
必要な情報の求人票への反映:採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリアパス、教育体制など、転職希望者に必要な情報をしっかりと求人票に記載する。
(4) 職種と業務内容
業務内容を具体的に記載し、やりがいや成長機会を強調しながら明確に記載してください。転職希望者がいきいきと働くことができるイメージを持てることが重要です。
例:ITエンジニア
ひとことで「ITエンジニア」と言っても、サーバエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニア、データサイエンティストなど、守備範囲は多岐にわたります。ひとつの職業でも業務が細分化されている場合は特に、職種や業務内容を詳しく明記することで求人への反応率が上がります。
例えばデータサイエンティストの採用ならば、業務内容(例:データクレンジングがメインなのか、提案まで行えるのか、など)やスキルだけではなく、「取り扱うデータ数」、「対象の業界・分野」などについても明確に記載し、求める人材を着実に獲得していく戦略が求められます。
しかし実際には、データサイエンティストとして入社したが実はアナリストがメインで分析業務にとどまっていたり、人材不足によりデータベースエンジニア業務を兼務していたりといった理由で、早期退職となってしまうケースも少なくありません。
だからこそ、業務内容の詳細やポジション・組織におけるミッションを求人票や面接時にしっかりと明示していくことが肝要で、面接時には転職希望者からも質問してもらう機会を設けるなどし、ミスマッチのないポジションを探していくことが重要です。未経験者やポテンシャル層へアプローチする場合、求めるスキルや知識、成長をサポートする体制などを具体的に記載することで、応募が獲得しやすくなります。
例:経理・財務職
経理・財務の人材には「スキルや能力向上に関する高い意欲」が見られます。そのため、「上場企業での連結決算・開示業務」や「IPO準備」などスキルアップができる業務内容や、「経営層に近い立場で事業推進や新規事業立ち上できる」「M&A業務に参画できる」といった働く環境を伝えることで魅力を感じてもらい、応募につながりやすくなります。
(5)キャリアパス
昇進やスキルアップの機会を具体的に示し、成長の可能性を伝えます。
例:マーケティング・広報職
マーケティング・広報職の人材には、多様なスキルが求められる傾向があります。経験者にスキルアップ支援制度を詳しく紹介したり、キャリアチェンジを考えている人には「入社後の具体的な活躍イメージ」を詳しく伝えたりするなどして、成長の可能性を感じてもらうことで採用活動を成功に導くことができます。
(6)組織体制と人間関係
社内の雰囲気やチームワークについて伝えることで、転職希望者が安心して応募できる環境を整えます。例えば、SaaS系企業であれば、社内のコラボレーションを促進するツールを提供している会社として、自社の文化も非常にオープンで協力的であることを強調しています。
また採用ページでは、社員同士のコミュニケーションの重要性や、リモートワークながらも強いチームワークを維持している点をアピールしています。実際の働き方やチームの雰囲気を具体的に伝えることで、転職希望者が企業文化に共感しやすくなります。
(7)働く環境と制度
社風・文化、企業の価値観や働きやすさ、チームの雰囲気を伝えます。給与・待遇などについては、競争力のある給与水準や福利厚生の内容を明示し、透明性を持たせます。また配属先のキャリアパスを明確にするなど、長く活躍できるための根拠を具体例とともに表すことが効果的になります。
(8)福利厚生・柔軟な働き方
在宅勤務やフルリモートの可否、時短勤務制度などを明記し、働きやすさをアピールします。リモートワークから出社スタイルへと戻る傾向も見られますが、育児や介護をする人にとって、在宅勤務・リモートワークが可能である職場は魅力的です。活用できそうなITツールへの投資や、社員が自宅で仕事がしやすい環境づくりへの福利厚生なども、転職希望者が魅力に感じるポイントになり得ます。
(9) DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)と人的資本経営
企業の多様性や公平性への取り組みを明示し、転職希望者にとって魅力的な職場環境をアピールします。
近年は「多様性」「人材を活かす経営」に注目が集まっており、転職希望者も企業がどのような取り組みをしているかをチェックしています。性別を問わずに育児休暇取得を促進している、社員のスキルアップ、リスキリングに力を入れているなど、今社内で取り組んでいることを棚卸しし、求人票に明記するとよいでしょう。
(10)活躍する社員の紹介
実際に活躍している社員の事例を掲載することで、入社後のキャリアイメージを明確にします。求人の中でSNSや動画などのリンクができるようであれば、これらのチャネルを活用して社員が働く様子や会社の雰囲気を伝えることで、視覚的にイメージがつきやすくなります。
(11) トップの方針やコメント
会社トップの方針やコメントを求人票に掲載することは、企業の魅力を高める効果的な手段の一つです。以下にその工夫ポイントをいくつかご紹介します。
・ビジョンとミッションの明確化
会社トップのコメントを通じて、企業のビジョンやミッションを明確に伝えることが重要です。転職希望者が企業の方向性や目標に共感できると、自分のキャリアと企業の成長が一致していると感じやすくなります。
例:「私たちのミッションは、世界中の人々に高品質な製品を提供することです。」(CEOのコメント)
・トップのリーダーシップスタイルの紹介
トップのリーダーシップスタイルや価値観を紹介することで、企業文化や働き方のイメージを具体的に伝えることができます。これにより、転職希望者は自分の働き方や価値観と合うかどうかを判断しやすくなります。
例:「私たちはオープンなコミュニケーションとチームワークを重視しています。」(CEOのコメント)
・成功事例や具体的な成果の共有
会社トップが具体的な成功事例や成果を共有することで、企業の強みや魅力をアピールできます。実際の成果を示すことで、転職希望者に企業の信頼性や成長性を強く印象付けることができます。
例:「昨年度、私たちのチームは売上を20%増加させることができました。」(CEOのコメント)
・転職希望者へのメッセージ
トップから転職希望者への直接的なメッセージを掲載することで、親近感を持たせることができます。転職希望者に対する期待や歓迎の意を伝えることで、応募意欲を高めることができます。
例:「あなたの新しいアイディアと情熱を私たちのチームに加えてください。共に未来を築きましょう。」(CEOのコメント)
魅力的な求人広告作成のコツ
現状分析をし、打ち出す内容を明確にしたら、いよいよ求人広告の作成です。以下のコツをおさえながら魅力的な打ち出し方を検討しましょう。
透明性と具体性
求人票に記載する情報はできるだけあいまいな表現を避け、具体的に記載してください。そうすることで、応募者が実際の業務や職場環境をイメージしやすくなります。
企業の独自性
競争優位性を高めるために、他社にはない自社独自の特長や価値、強みを強調する言葉やデザインを選びます。
応募者の視点
転職希望者の立場に立ち、彼らが知りたい情報や魅力を優先的に提供します。応募者および社員アンケートなどがデータの収集に役立ちます。
これらの手順とポイントを踏まえて、求人の魅力化を進めることで、より多くの優秀な人材を引きつけることができます。
フィードバックの活用と改善の継続
求人広告の魅力化は、一度で完了するものではなく、継続的な改善が求められます。効果的な求人広告を維持するために、適切な訴求を行うことが重要です。
特に、応募者や採用した人材から得た声は重要な情報ですから、収集、分析、改善、効果測定というPDCAサイクルを意識し、継続的に改善していくとよいでしょう。
以下に、フィードバックの収集方法と活用方法をご紹介します。
フィードバックの収集方法
①オンラインアンケート
Google FormsやSurveyMonkeyなどのツールを活用し、社員や応募者から意見を収集します。この時「匿名回答」にしておくと正直な意見が集まりやすくなるでしょう。また、このアンケート調査は半年ごとなど、定期的、継続的に行うことが肝要です。
②個別インタビュー
面談形式で深掘りした質問を行い、詳細なフィードバックを収集します。特に新入社員や最近転職してきた社員の意見を重視します。また、複数人のグループインタビューも効果的です。集団での意見交換を促し、これにより共通の課題や意見を把握しやすくなります。
③フィードバックBOX
社内イントラネットや専用のフィードバックツールを用い、社員が随時意見を投稿できる仕組みをつくります。または、オフィス内に物理的なフィードバックBOXを設置し、匿名で意見を提出できるようにするのもよいでしょう。
フィードバックの活用方法
アンケートやフィードバックは、実施しただけでは意味がありません。得た意見や回答をどのように活用していくか、具体的なステップを解説します。
①データ整理
収集した回答を給与、福利厚生、職場環境、業務内容などのテーマごとに分類し、共通の課題や意見を抽出してください。
②定量分析と定性分析
「満足度スコア」などの数量的なデータと、自由記述による意見などの定性的なデータを組み合わせて分析していきます。
③改善点の特定と優先順位づけ
回答の中で、特に重要な課題や改善が急務とされるポイントを特定していきます。
「改善の効果が高い/影響が大きい」という点に着目して優先順位を決め、効果的かつ具体的な改善策を立案していきます。
④実行計画の策定
改善策をいつ、どのように実行するかを明確にしましょう。この時、担当者を指定しておき、「誰がやるか」を明確にしておくことがポイントです。
⑤効果測定と継続的なフィードバック
改善策を実行したら、一定期間後に再度アンケートやインタビューを実施し、改善策に成果が見られたかどうか、その効果を測定するようにしてください。フィードバックの収集→改善→効果測定→再フィードバックのサイクルを継続的に回し、常に求人票や職場環境の改善を図りましょう。
このように、常に改善を続けることで、求人の魅力を高め、自社の求める人材を引きつけることができるでしょう。
まとめ
自社の求人広告の改善に課題を感じた場合は、採用エージェントや求人広告の担当者と相談し、プロの視点を取り入れることをおすすめします。専門家と協力して、より効果的な求人広告を作成することで、求めている人材を引きつけることができるでしょう。
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