モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 登録者数はやや減少傾向。30歳以下の登録が約半数を占め、若手層の転職活動は引き続き活発
- 2020年5月~7月の新規求人数は2020年2月~2020年4月比で86%。前年同期比64%
- (1)職務内容を明確化すること
(2)ターゲットの経験や年収条件を適正化すること
(3)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票に記載すること
機械設計の登録者動向
※対象: 2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
引き続き、30歳以下の登録者が約半数を占めており、第二新卒層の登録が目立つ。景気後退や新型コロナウイルスによる業績悪化の影響も受け、現職への将来性不安や今後の自身のスキルアップを考慮すると転職をするなら今しかないのではと考える転職希望者が多い印象。
一方で、転職に対する熱度は以前より下がっているようにも感じ取れ、実際に応募する社数が少ないケースも増えてきている。
30代以降の登録者も、働き方や将来への不安や早期退職制度により転職活動に踏み切る方が多いが、年収や勤務地(転勤等含む)など自身を取り巻く環境への影響に対する懸念や、最後の転職にしたいという思いから、この不安定なタイミングで転職をしていいのかという不安もあるようで条件面の確認を含めて、慎重な決断をしている印象。
機械設計の求人動向
対象: 2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
例年であれば冬頃から求人数が増えはじめ、夏頃まで増加の傾向にあるものの、2020年に関しては昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、求人数の減少が続いている。一方で、組織の若返りや、自社にない技術を求める即戦力の補充等、年齢や経験面で比較的要求の高い求人は引き続き各社のニーズが高い印象。
トピックスとしては、単なる設計に留まらず、市場分析から企画立案など製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位に業務が分解・細分化された求人など、引き続き求人内容の多様化が目立つ。採用活動の長期化に伴い、Web面接導入を検討したり、面接確約を取り入れたと、選考方法を工夫する企業も増えている。
機械設計の採用成功POINT
登録者数は相対的に多いものの、求人数も同様に多いのが機械設計領域であり、他社求人との差別化がポイントとなる。
職務内容を明確にし、ターゲットに合わせて経験年数や年収条件を適正化し、転職希望者が求める情報を可能な限り求人票に記載することが重要である。
- どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価 等)を任せる予定なのか、を明確化すること
- 採用背景を鑑み、ターゲットの経験年数や年収条件を適正化すること
- 求めている人物像に対して必要な情報(採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など)を求人票へ落とし込むこと
回路設計
- 登録者数は右肩下がり。引き続き売り手市場ではあるものの、有効求人倍率もやや右肩下がり
- 2020年5月~7月の新規求人数は2020年2月~4月比で108%。前年同期比では74%で減少
- 年齢やスキルの適正化・幅広い母集団形成が重要。スキルを限定しない求人や幅広い年齢層向けの求人の検討も視野に入れる。
面接ではより詳細な情報提供が成功のカギ。会社の安定性やマーケットの成長性をアピールすることがポイント
回路設計の登録者動向
※対象: 2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
年代別に見ると、20代が44%、30代が27%、40代以上が29%と、早いタイミングで自身のキャリアを見直している印象だが、一方で40代以上の割合が6カ月前と比較し4ポイントの増加となっている。 また、転職回数については1回以下が8割近くを占めているものの、0回の登録者が7ポイント減少となり、慎重に活動している方が多いながらも大きな市場の変化が考えられる。
現職の将来不安により製品の将来性等を基準に判断する方が依然として多いが、直近では新型コロナウイルスへの企業としての対応も踏まえて応募を判断する方が多い印象。
回路設計の求人動向
対象: 2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新規求人数は直近3カ月で微増したものの、昨年同時期と比較すると未だに減少幅が大きい傾向が続いている。 新規求人数の微増については2020年4月の新規求人数が過去2年で最少であり、5月~7月にかけて求人募集を再開した企業が増加したことが要因と考えられる。 大手、中小など企業規模による大きな差はなく、特定技術者派遣会社の求人にも減少の傾向が見られた。
今後の見通しとして、5G向けのスマートフォン部品や高周波部品を対象とした求人が増加見込みとなっており、それに応じてアナログ回路設計の募集も再燃すると考えられる。
回路設計の採用成功POINT
求人数が微増したことにより有効求人倍率は上昇、採用難易度も高くなっている。スキル・年齢に偏りは少なく、幅広い層の転職希望者がいることが特徴。
- 世間の状況もあり、「会社の安定性」を気にする転職希望者も多いため、取扱製品だけではなく事業戦略や企業の成長性を伝える工夫が必要
- 育成を前提とした若手エンジニアの採用の検討も必要であり、求人票に入社時のフォローアップ研修や、OJTの詳細を記載することで意向醸成につながる
- 昨今の状況もあり、「会社の安定性」を気にする転職希望者も多いため、取扱製品だけではなく事業戦略や企業の成長性を伝える工夫が必要
- 転職回数が少なく、転職意欲がそこまで高まっていない登録者にも進んでアプローチするための採用手法や口説きを前提とした選考を行うことで有効母集団を形成することが必要
組み込み・制御設計
- 登録者数は2020年2月~4月と比較して5月~7月は増加
- 2020年5月~7月の新規求人数は減少傾向
- 柔軟なターゲット設定と採用手法の検討、転職希望者への情報提供の差別化がカギとなる
組み込み・制御設計の登録者動向
※対象:2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
4月を境に全体的に登録者数が低下する傾向が多い中、この分野のエンジニアの動向としては5月、6月と着実に登録者数が増え、3カ月単位の比較では5月~7月の登録者数の方が多くなっている。
登録者数は回復が見られた一方で企業は厳選採用に切り替えており、求人数はやや減少しているものの即戦力となり得る人材へのオファーが集中する結果となっている。
そのため、採用ターゲットの求める情報提供はもちろん、採用要件の緩和なども状況に応じて検討が必要。
組み込み・制御設計の求人動向
対象: 2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新型コロナウイルスの影響により、自動車業界の一部企業の採用がストップしたことをはじめ、先行きの不透明感から採用を中止・延期した企業が増加したために全体の新規求人数は今年に入って最小となっている。一方で、上述の通り新型コロナウイルス対応における経営への不信・働き方への懸念(在宅勤務を望む働き方)・ジョブ型の働き方へのシフトなどの影響から、同職種における求職者は微増した結果となっている。ただし、もともと採用難易度が高い職種だったため引き続き売り手市場が続いており、採用難易度は高い状況。
特に若手~中堅層のニーズが高く、各社求める人材要件が重複、求人倍率が高まる傾向にある。採用成功のため、Web面接を活用して採用活動を継続する企業が増えてきている。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
母集団形成に苦戦するため、人材紹介以外の手法(転職フェア、求人広告、リアル型イベントなど)の利用でアプローチ先を広げる必要がある。
また、応募者の転職理由(比較的多いものは、先進的な技術開発に携わりたい・グローバルに活躍できるフィールドがある・企業安定性)に合わせた訴求を行う必要がある。
- 募集が集中する中堅層以外のベテラン層の採用や、学歴不問など若手ポテンシャル採用も積極的に検討する
- 事業の展望や期待するミッションの詳細など職務内容に興味を持たせる十分な情報提供が必要である
- 経験がマッチする希少な応募者に対しては選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の辞退を防ぐ
(大手企業においても応募者に応じて土曜日面接を実施するなど採用手法を工夫する傾向あり)
品質管理(品質保証)
- 登録者数は2月時点と比較すると20%減のまま推移
- 2020年5月~7月の新規求人数は2月~4月比で73%、前年同期比で60%と大幅に減少
- 詳細な職務内容、およびターゲットに合わせた訴求ポイントを記載することが重要
品質管理(品質保証)の登録者動向
※対象:2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
直近3カ月の登録者属性を見ると、年齢別では41歳以上の割合が33%となり、他モノづくりエンジニア職種の中で最も高い傾向。
また、最終学歴の割合では高卒者が28%と、他モノづくりエンジニア職種の中でも高いシェアとなっている。 最終学歴で判断せず、経験を重視したスムーズな人材活用ができるかどうかが人材難解消のポイントになると推察される。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
転職市場全体の動きであるが、景気後退による採用計画の見直し等、採用ボリュームを落とす動きが各所で出てきている。
一方、品質に関するより高度な基準を求められる中で、品質管理、品質保証対応の求人は高水準を維持している状況。
また、品質管理のみならず、設計・製造との連携を行い、積極的な改善や現場を指導できる方など、主体的な品質エンジニアがより求められてきている。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
2020年7月と4月を比較すると、求人数は約40%減となった一方で、個人側は約19%増となっている。ただし、各社が厳選採用に舵を切った結果、即戦力となる人材にオファーが集中しており、採用すべき人材の適切なターゲティングとそれに合わせた訴求が必要。
企業によって部門の名称が異なることも多いため、まずは一般的な職種名称に直して求人を作成することが重要。 また各人のミッションや、業務範囲、組織構成等を明確化し、他社との差別化を図ることが必要である。
ターゲティングにおいては、40代以上の登録者数が約3分の1を占めるため、採用背景や今後の戦略とのマッチ度を重視してベテラン層の採用も積極的に検討する必要がある。 若手の転職希望者は働き方や給与条件はもちろんであるが、長期的な観点での「キャリアステップ」を重視する方が多いため、その点も訴求すると効果的。
即戦力採用の場合は、その企業における「品質」の考え方や重要度をアピールすることが魅力化につながる。
生産技術・プロセスエンジニア
- 登録者数は2月以降横ばいで推移していたものの、7月は減少傾向に
- 2020年5月~7月の新規求人数は2月~4月比で80%、前年同期比では65%
- 採用背景を明確にし、「なぜ採用しているのか」を訴求すること、転職市場に合わせて採用要件を最適化することがポイント
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
※対象:2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
生産数や製品の需要の影響を直に受ける職種であり、昨今の新型コロナウイルスの影響を鑑みて積極的に活動することは見送り、現状は様子見を続けるという方が多いのではないかと思われる。
本職種の特徴として、他モノづくりエンジニア職種と比較すると最終学歴分布の割合が均等になっている傾向がある。加えて、高卒者の割合が27%と、品質管理やフィールドエンジニアと並び高水準となっている。
最終学歴にこだわらず、経験した製品および製造プロセス、担当設備の親和性を見て判断することが重要。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2020年5月~7月の新規求人数は2月~4月比で80%、前年同期比では65%。
前回(2020年5月発行)のレポートにおける新規求人数は前年比88%、前四半期比76%と減少傾向であったが、2020年5~7月の新規求人数においても、前年比65%、前四半期比80%と前回に続き減少となっている。
全体感としては、景気の先行き不透明感から設備投資を見直す企業も多く、直近の新規求人数はしばらく停滞が続くと予想される。採用ニーズとしては、設備の代替、既存設備の維持・補修、設備自動化・省人化、IoT化などさまざまな背景で採用ニーズはあるものの、設備自動化・省人化、IoT化など効率化、デジタル化に向けた求人が多くなっている。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
新型コロナウイルスの影響で景気の先行き不透明感が高まっていることから、将来性不安や自社の設備投資が縮小となり経験の幅が限定されるといった転職理由が多くなっている。そのため、募集背景(設備の代替、既存設備の維持・補修、設備自動化・省人化、増産対応など)を明確にすることで希望が叶う環境であることをアピールすることがポイント。
また、転職市場と照らし合わせて経験年数の緩和や異業種出身者の採用などを検討することも重要である。
登録者の内訳を見ると20代の比率が約50%とボリュームゾーンであり、電機・電子部品・半導体の各大手メーカーも異業種出身者や経験の浅い層も積極的に採用している。41歳以上の比率も26%と経験豊富な40代の比率も高いため、転職市場に合わせた採用要件を最適化することが採用成功のカギ。
フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 登録者数は減少傾向。「大手・安定志向」が強まる
- 2020年5月~7月の新規求人数は2月~4月比で82%、前年同期比56%
- 広く母集団を形成し、選考を通して「働くイメージ(扱う製品や就業環境、社内のサポート体制など)をもってもらうこと」が重要
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
※対象:2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
新型コロナウイルス影響下における転職活動への懸念からか、登録者数は減少傾向。しかしそれ以上に求人数が減少しており、これまでと一転して買い手市場の様相を呈している。
転職理由としては「夜勤や突発の勤務」「残業」「広範囲での出張」を減らしたいという声が根強い中で、新型コロナウイルスの影響からか「将来性の不安」という声も増加。そのため、大手や今後も堅調に推移することが見込まれているファクトリーオートメ―ション、マテリアルハンドリング、医療機器業界・企業への応募が集まりやすくなっている。
慎重を期す転職希望者に、いかに手厚く働き方や事業の将来性といった企業情報を提供できるかが採用のポイントとなる。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
モノづくりエンジニアの中では前年同期比で最も減少幅が大きい結果に。昨年11月をピークに求人の減少が続いている。予期せぬ新型コロナウイルスによる世界経済の悪化や、生活・就業環境の変化に伴い、採用計画の見直しや採用活動の停止が見られたことが要因。
未経験者採用やスキルの緩和を行う求人もあるが、即戦力採用に振り切って同業他社・ベテラン層をターゲットとする求人が目立つ。
登録者の減少も見られるため、採用計画を見据えた早期アプローチが今まで以上に重要となる。県をまたぐ移動を現職から禁じられる転職活動者も目立つため、感染予防を徹底したWeb面接への切り替えは引き続き必要になる。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
働く環境を改善するために転職を希望している方が多く、最終学歴に偏りがないことも同職種の特徴である。
今のエンジニア求人のトレンドとして、他職種(設計や生産技術職)の求人でも、若手の理系未経験者の採用を進めているため、母集団形成のためには、転職回数や学歴を幅広く検討し、人柄や意欲、バックグラウンドの知識・素養を重視したポテンシャル採用も検討する必要がある。
同職種は求人サイトから直接応募する転職活動者も多くいるため、求人サイトも有効な採用手段となる可能性が高い。また、選考では、扱う製品やコロナ禍での就業環境、就業スタイル、休日日数、残業時間、社内のサポート体制、働き方、キャリアパスなどの詳細な情報をしっかりと訴求し、他社との差別化を図ることも重要である。場合によっては応募意志不問の面談や、選考要素を含まない面談、入社意向上げを目的とした面談などの実施も効果的である。
同職種の働き方に鑑み、今回の新型コロナウイルスにより一般化したWeb面接の活用も引き続き効果的となることが予想される。
研究開発(化学)
- 登録者数は減少するも、転職に意欲的な方の割合が増加、Web面接の利用も進んでいる
- 2020年5月~7月の新規求人数は2月~4月比で90%、前年同期比63%
- (1)採用要件を詳細に擦り合わせ、ターゲットを明確化させること
(2)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票へ記載すること
研究開発(化学)の登録者動向
※対象:2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は減少しているが、その内訳の特徴は大きく変わっていない。
他モノづくりエンジニア職種と年齢層を比較すると、30歳以下で5割超、35 歳までで7割超と若手の登録者が多く、学歴に関しても大学院卒が5割超、大卒以上で約 8 割を占めるなど特徴的。また、転職回数が少ないため転職に対して非常に慎重なスタンスの方が多く、特に活動初期は情報収集に留めたり、応募するとしても興味のある求人だけに絞る方が多い。
ただし、直近ではコロナ禍と関連する何らかの事情により転職を余儀なくされていたり、既に離職していたりといった「転職をしなければならない」方が増加し、転職に意欲的な方の割合が増えているために、選考における競争は激しい。そのため、特定の条件に固執せず、早い段階でいかに興味や検討の幅を広げられるかが、最終的な転職活動の成否を分けている。
在職中の登録者は職種柄柔軟に休暇を取得しづらく、かつ、採用面接会場となる研究開発拠点が地方にあることが多いため面接調整が難航しがちであったが、新型コロナウイルスの影響で Web 面接が普及したことにより選考の調整がスムーズに進むケースが増えているほか、遠方の企業でも Web 面接ならまず受けてみようと活動を積極化させる方もおり、ポジティブな変化も見受けられる。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新規求人数は、直近3カ月比では微減、前年同期比では新型コロナウイルスの影響もあり大幅な減少が見られる。
「自動車領域」「ヘルスケア領域」「電池材料領域」「化学×ITといったデジタルトランスフォーメーション」に関する求人は大手・中堅など会社の規模を問わず引き続き増加傾向。
研究開発(化学)の採用成功POINT
化学マーケットは求める経験・能力が限定的であることが多いため、他職種と比較し、募集要項を明確化させることが必須である。
基本的には転職意欲が高くない、志向性として慎重な登録者が多い傾向にあるため、採用背景、事業・部署のミッション、研究開発のテーマ、就業環境、キャリアステップ、社風などの詳細情報を記載する必要がある。また、地方に事業所を構えている企業も多く、面接調整に難航する傾向があるため、Web面接を積極的に取り入れ柔軟に選考を進めることがポイント。
設計職(建築・土木)
- 登録者数は5・6月に若干持ち直したものの、7月は前月比80%程度まで減少
- 2020年5月~7月の新規求人数は、2月~4月比で86%。前年同期比84%
- 他社との違い・自社の強みを明確に言語化して訴求し、転職マーケットの状況を踏まえ幅広く採用ターゲットを検討していくことが重要
設計職(建築・土木)の登録者動向
※対象:2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は4月に減少してから5・6月は復調していたものの、7月に入り前月比80%程度まで再度減少。内訳としては、40代以上が微増傾向にあるが、20代が全体の45%を占めており大きな変化はない。
転職理由としては、「休日出勤や残業時間を減らしたい」など就業環境の改善と、「別の用途に関わりたい」「設計スキルの向上」「上流工程に挑戦したい」などキャリアアップ志向の大きく二軸に分かれ、直近では会社の将来性に不安を感じている方も増加している印象。新型コロナウイルスの影響への不安から現職と比較し慎重に進める方も増えているが、在宅勤務の増加やWeb面接が普及したことにより、現職と並行しながらも選考の調整をスムーズに進めることができるケースも増加しており、ポジティブな面も見受けられる。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
業界全体の人手不足状態は続いているものの、新型コロナウイルスの影響で工事の延期や中止、戸建てニーズの停滞を受け、大手・中小に関わらず一部企業の採用がストップ。
4月に採用を停止した企業が多かったものの、5月には回復傾向を見せており、特に公共事業分野(官公庁や自治体からの受注案件)については引き続き受注が続いている。
引き続き売り手市場が続いており、企業によっては、Web面接を活用し、採用活動を継続する企業も多い。
採用のしやすさという観点では、他求人の減少から若干求人倍率が下がっており、採用のチャンスと判断する企業も出ている。引き続き、一級建築士などの資格取得者の採用難易度は高く、設計補助・CADオペレーター等設計業務を少しでも経験したことのある人材を育成していく方針にシフトする企業は増加傾向。また、中途採用においては中堅のベテラン層のニーズが最も高く、各社求める人材が重複しており、求人倍率が高まる傾向にある。プラント設計などは特に採用難易度が高く、プラント業界未経験者でも積極的に採用していく企業は増加傾向。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 採用競争率の高い職種となるので、自社の強みは何か、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのか、情報を棚卸しし、積極的に転職マーケットに訴求し自社の存在感を高める必要がある
- 就業環境(残業や土日の出勤など)が転職理由に影響している転職希望者が多く、就業環境改善への取り組みや、休日、残業実態の明記も応募意思獲得に不可欠である
- 特に設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真等)がある方が応募につながりやすく、自社HPの改修、求人広告の利用など多角的な採用手法も検討すべきである
- 採用難易度の高さ・競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当にすべて必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するのか、ターゲットのペルソナを整理し再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はそのターゲットに魅力的に見えるのかなど客観的な視点で考えることが重要となる
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な日程調整も必要である
施工管理(建築・土木)
- 7月の登録者は前月比約12%減少。一方、若手の転職活動者が増加傾向
- 2020年5月~7月の新規求人数は、2月~4月比で90%。前年同月比では93%
- あらゆる採用手法を検討しつつ、自社の特徴・魅力を見極め、適切なターゲットに訴求することが重要
施工管理(建築・土木)の登録者動向
※対象:2020年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は2月に減少してから6月までは横ばいで推移していたが、7月に関しては前月比約12%減と大きく下落。現職に留まる決意をする方と、現職に長く勤めるイメージが湧かず早急に転職活動をする方の二極化が見られる。
登録者の年齢内訳に関しても変動があり、直近3カ月と比較すると25才以下の登録者が増加している。今まで様子見で動いていなかった20代前半の動きが見られることに加え、新型コロナウイルスの影響により、技術者派遣企業に勤めている方の派遣先が決まらず、転職活動を余儀なくされているケースが見受けられる。
登録者の過半数を占める30歳以下の若手層は、引き続き残業時間の削減や休日の確保など、働き方改善を望む場合が多い。会社の将来性や、安定性を重視するケースも増加している。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2020年2月1日~2020年7月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
施工管理職は、全技術系職種の中でも引き続き最も求人数が多く、採用激戦区。
新型コロナウイルスの影響により、民間の設備投資計画が見直されるなどの影響を受け、施工管理の求人は微減傾向にあるものの、他職種の求人減少数と比較した際の下げ幅は比較的小さい。そのため、引き続き大手企業を含め全分野で一級施工管理技士など高位資格取得者の採用は特に難航を極め、未経験者を育成していく方針にシフトしていく企業も増えている。また、経験者の場合も、長期にわたり採用ができていない状況を踏まえ応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する企業も増えつつある。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 全技術系職種の中でも求人数が多いため、求人が目に留まりやすいよう、自社の何が強みでどの点を転職希望者に訴求していくかをしっかり言語化し、他社と差別化していく必要がある。(働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど)特に働き方などの就業環境は具体的な事例や、整えられている理由を整理し、転職希望者へ訴求する必要がある
- 経験者採用であれば、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい
- 未経験者採用であれば工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのコアスキルや、建築、電気等の知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで入社後キャッチアップがスムーズに進む可能性が高い。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報は訴求する必要がある
- ただ求人を出すだけでなく、エージェントに対し積極的に情報を提供していくこと、求人広告、ダイレクトソーシング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルを活用し、母集団形成のために、待つのではなく、攻めの採用姿勢をとることがほか職種に比べ強く求められる
- 面接は選考する、という視点のみならず、応募者の意向醸成の場であるという意識を持ち、面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用したい。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な日程調整も必要である
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モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2020年8月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス