モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 登録者数は横ばいで推移。30歳以下の登録が約半数を占め、若手層の転職活動は引き続き活発
- 2020年5月~4月の新規求人数は2019年11月~2020年1月比で71%。前年同期比73%
- (1)職務内容を明確化すること
(2)ターゲットの経験や年収条件を適正化すること
(3)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票に記載すること
機械設計の登録者動向
※対象: 2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
引き続き、30歳以下の登録者が約半数を占めており、第二新卒層の転職活動が活発。
景気後退の影響も受け、現職への将来性不安や今後の自身のスキルアップを考慮し、転職するなら今しかないのではと考える転職希望者が増えてきている印象。
30代以降の登録者も、働き方や将来への不安から転職活動に踏み切る方が多いが、年収や勤務地(転勤等含む)など自身を取り巻く環境への影響に対する懸念や、最後の転職にしたいという思いから、この不安定なタイミングで転職をしていいのかという不安もあるようで、条件面の確認を含めて慎重な決断をしている印象。
機械設計の求人動向
対象: 2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
例年であれば2月頃から求人数が増えはじめ、夏頃まで増加傾向にあるものの、今年は昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、求人数の減少が続いている。
一方で、組織の若返りや自社にない技術を求める即戦力の補充等、組織構成や経験面で必要な求人については継続して募集している印象。
トピックスとしては、単なる設計に留まらず、市場分析から企画立案など製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位に業務が分解・細分化された求人など、引き続き求人内容の多様化が目立つ。採用活動の長期化に伴い、Web面接導入を検討したり、面接確約でのアプローチを取り入れたりと、選考方法を工夫する企業も増えている。
機械設計の採用成功POINT
登録者数は相対的に多いものの、求人数も同様に多いのが機械設計領域であり、他社求人との差別化がポイントとなる。
職務内容を明確にし、ターゲットに合わせて経験や年収条件を適正化し、転職希望者が求める情報を可能な限り求人票に記載することが重要である。
- どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価 等)を任せる予定なのか、を明確化すること
- 採用背景を鑑み、ターゲットの経験や年収条件を適正化すること
- 求めている人物像に対して必要な情報(採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など)を求人票へ落とし込むこと
回路設計
- 直近半年の登録者数は横ばい傾向。求人数は安定して多く、引き続き売り手市場
- 2020年2月~4月の新規求人数は2019年11月~2020年1月比で60%。前年同期比も65%で減少傾向
- 年齢やスキルの適正化・幅広い母集団形成が重要。スキルを限定しない求人や幅広い年齢層向けの求人の検討も視野に入れる
面接ではより詳細な情報提供が成功のカギ。会社の安定性やマーケットの成長性をアピールすることがポイント
回路設計の登録者動向
※対象: 2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
年代別で見ると、~30歳が約半数、転職回数も0回が半数以上となっている。求人数も安定して多いため、現職と比較しながら、他社と比較しながら、といった形で、慎重に活動を進める方が多い。
転職の理由としては将来性への不安が多い印象が強く、業界の安定性、製品の将来性、業績から成長が見込める企業への応募が集中している。また、新型コロナウイルスの影響への不安や、そこへの企業としての対応も踏まえて応募を判断している方も多い印象を受ける。
回路設計の求人動向
対象: 2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新規の求人数は直近3カ月で減少し、昨年同時期と比較しても大きく減少している。年度末の採用鈍化に加え、新型コロナウイルスの影響もあり、2020年4月の新規求人数は過去2年で最小となった。
大手、中小など企業規模による大きな差はなく求人が減少しているが、特定技術者派遣会社の求人には増加傾向が見られた。今後の見通しとして、5G向けのスマートフォン部品や高周波部品を対象とした求人が増加見込みとなっており、それに応じてアナログ回路設計の募集も再燃すると考えられる。
回路設計の採用成功POINT
求人数は減少したものの、引き続き有効求人倍率は高く、採用難易度が高い職種の1つである。スキル・年齢の偏りが少なく、幅広い層の転職希望者がいることが特徴。
- 育成を前提とした若手エンジニアの採用の検討も必要であり、求人票に入社時のフォローアップ研修や、OJTの詳細を記載することで意向醸成につながる。
- 雇用形態を転職希望者の状況に合わせて柔軟に検討すること、今後のキャリアを具体的にイメージできるような情報提供をすることが効果的。
- 昨今の状況もあり、「会社の安定性」を気にする転職希望者も多いため、取扱製品だけではなく事業戦略や企業の成長性を伝える工夫が必要。
- 転職回数が少なく、転職意欲がそこまで高まっていない登録者にも進んでアプローチするための採用手法や、口説きを前提とした選考を行うことで有効母集団を形成することが必要。
組み込み・制御設計
- 登録者は1月を境に減少傾向。高学歴・転職回数0~1回の登録者が中心
- 2019年2月~4月の新規求人数は前年同期比で185%と増加傾向
- 柔軟なターゲット設定と採用手法の検討、転職希望者への情報提供の差別化がカギとなる
組み込み・制御設計の登録者動向
※対象:2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、2020年1月と比較すると、2月~4月はそれぞれ30~40%減少。登録者の学歴別内訳では、大学院卒と大学卒を合わせると登録者の約7割を占める。年齢別では35歳以下で全体の約6割を占めている。
複数の企業で高い評価を受ける可能性が高い登録者が多く、採用競争の激化が続くことが予想される。転職回数が少ない転職希望者に、いかに手厚く企業情報を提供できるかが採用のポイントになる。
組み込み・制御設計の求人動向
対象: 2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
直近3カ月の新規求人数は、2014年1月以降で過去最高の数字を記録している。
製品ニーズの多様化や各社製品の電動化・自動化に伴い、組み込み・制御設計エンジニアのニーズが急増している。業界としては自動車・自動車部品メーカーや技術系アウトソーシング企業で求人の増加が顕著であるが、IT業界での採用意欲も高く、まさに異業種混合の採用激戦区。ハードからソフト制御への移行の中で、求人数が増加している。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
母集団形成に苦戦するため、人材紹介以外の手法(転職フェア、求人広告、リアル型イベントなど)の利用でアプローチ先を広げる必要がある。
また、応募者の転職理由(比較的多いものは、先進的な技術開発に携わりたい・グローバルに活躍できるフィールドがある・企業安定性)に合わせた訴求を行う必要がある。
- 募集が集中する中堅層以外のベテラン層の採用や、学歴不問など若手ポテンシャル採用も積極的に検討する。
- 事業の展望や期待するミッションの詳細など職務内容に興味を持たせる十分な情報提供が必要である。
- 経験がマッチする希少な応募者に対しては選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の辞退を防ぐ。
(大手企業においても応募者に応じて土曜日面接を実施するなど採用手法を工夫する傾向あり。)
品質管理(品質保証)
- 登録者数は減少傾向。内訳や傾向は、大きく変わらず
- 2020年2月~4月の新規求人数は2019年11月~2020年1月比で77%、前年同期比で80%と減少傾向
- 詳細な職務内容、およびターゲットに合わせた訴求ポイントを記載することが重要
品質管理(品質保証)の登録者動向
※対象:2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
2020年4月の登録者数は他職種同様減少傾向にあり、2019年11月時点と比較すると約30%減少。登録者の年齢別では36歳以上の割合が40%を占め、他モノづくりエンジニア職種と比べても中堅層の割合が高く、年齢層は高め。
最終学歴の割合を見ると高卒者が約30%を占めており、他モノづくりエンジニア職種の中でも高いシェアとなっている。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
転職市場全体の動きではあるが、これまでの定期採用から一度採用計画を見直し、ボリュームを落とす動きも一部で出てきている。とはいえ、品質に関するより高度な基準を求められる中で、品質管理、品質保証対応の求人は高水準を維持している状況。
また品質管理のみならず、設計・製造と連携し積極的な改善ができる方や現場を指導できる方など、主体的な品質エンジニアがより求められてきている。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
2020年4月と1月を比較すると、求人数は約10%減に留まる一方、登録者数は約40%減と採用難易度が高まっている。企業によって部門の名称が異なることも多いため、まずは一般的な職種名称に合わせて求人票を作成することが重要。また各人のミッションや、業務範囲、組織構成等を明確化し、他社との差別化を図ることが必要である。
他エンジニアと比較すると40代以上の登録者数も多いため、採用背景や今後の戦略とのマッチ度を重視してベテラン層の採用も積極的に行う必要がある。若手の転職希望者は働き方や給与条件はもちろんであるが、長期的な観点での「キャリアステップ」を重視する方が多いため、その点も訴求すると効果的。即戦力採用の場合は、その企業における「品質」の考え方や、重要度をアピールすることが魅力化につながる。
生産技術・プロセスエンジニア
- 登録者数は減少傾向。内訳としては転職回数0回が中心、年齢層は40代以下の割合が高い
- 2019年11月をピークに新規求人数は減少傾向に。2020年2月~4月新規求人数は前年同期比88%、前四半期比76%
- 採用背景を明確にし、「なぜ採用しているのか」を訴求すること、転職市場に合わせて採用要件を最適化することがポイント
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
※対象:2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は2020年4月と1月を比較すると約30%減少しており、登録数の減少が目立つ。
転職回数は0回が56%となっており、他モノづくりエンジニア職種と比較しても転職回数の少ない方の割合が高い。
年齢構成としては40歳以下の約4分の3を占め、若手の登録者が多い状況。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
前回(2020年2月発行)のレポートにおける新規求人数は前年比および前四半期比のいずれも約110%増と増加傾向であったが、新型コロナウイルスの影響で景気の先行き不透明感が高まっている影響もあり、新規求人数は2019年11月をピークに5カ月連続で減少している。
設備の代替、既存設備の維持・補修、設備自動化・省人化、IoT化などさまざまな背景で採用ニーズはあるものの、景気の先行き不透明感から設備投資を見直す企業も多く、直近の新規求人数はしばらくは停滞が続くと予想される。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
新型コロナウイルスの影響で景気の先行き不透明感が高まっていることから、将来性不安や自社の設備投資が縮小となり経験の幅が限定されるといった転職理由が多くなっている。そのため、募集背景(設備の代替、既存設備の維持・補修、設備自動化・省人化、増産対応など)を明確にすることで希望が叶う環境であることをアピールすることがポイント。また、転職市場と照らし合わせて経験年数の緩和や異業種出身者の採用などを検討することも重要である。
登録者の内訳を見ると20代の比率が約50%とボリュームゾーンであり、電機・電子部品・半導体の各大手メーカーも異業種出身者や経験の浅い層も積極的に採用している。また、41歳以上の比率も25%と経験豊富な40代の比率も高いため、転職市場に合わせた採用要件を最適化することが採用成功のカギ。
フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 登録者数はやや減少するも、働き方の改善や給与アップなどを目的に引き続き転職活動は積極的に行われている
- 2020年2月~4月の新規求人数は2019年11月~2020年1月比で65%、前年同期比75%
- 広く母集団を形成し、選考を通して「働くイメージ(扱う製品や就業環境、社内のサポート体制など)をもってもらうこと」が重要
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
※対象:2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
2020年1月に登録者数は大きく増加したものの、2月からは減少傾向に転じている。他モノづくりエンジニア職種と比較すると登録者の年齢構成に偏りが少なく、転職回数が比較的多い方の割合が高いことが特徴的。
主な転職理由としては「急な夜勤や土日出勤を減らしたい」「残業時間を減らしたい」「転勤や出張をなくしたい」など、働き方を変えたいという声が多く、積極的に転職活動を始めている。
一方、働き方改革が進む中で残業が減ったことにより給与に影響が出たことを理由に転職活動を行う方も見受けられ、最終的には働き方と給与面のバランスが入社の決め手になることが多い。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2月をピークに求人の増加ペースが鈍化し、前四半期比、並びに前年同期比で新規求人数の減少がみられる。予期せぬ新型コロナウイルスによる世界経済の悪化や、生活・就業環境の変化に伴い、採用計画の見直しや採用活動の停止が見られるものの、引き続き人員確保のため採用活動を継続している企業も多く、売り手市場が続いている。
求人数、登録者共に減少しているため採用難易度は変わらず、採用に成功している企業の多くが対面面接からWeb面接に切り替え、応募者への早期アプローチを実施している。未経験者採用やスキル要件の見直しを行う求人も増えているが、一方で即戦力採用に振り切り、同業他社・ベテラン層をターゲットとした求人も目立つ。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
働く環境を改善するために転職を希望している方が多く、最終学歴に偏りがないことも同職種の特徴である。昨今のエンジニア求人のトレンドとして、他職種(設計や生産技術職)の求人でも、若手の理系未経験者の採用を進めているため、母集団形成のためには、転職回数や学歴を幅広く検討し、人柄や意欲、バックグラウンドの知識・素養を重視したポテンシャル採用も検討する必要がある。同職種は求人サイトから直接応募する転職活動者も多くいるため、求人サイトも有効な採用手段となる可能性が高い。また、選考では、扱う製品や就業環境、就業スタイル、休日日数、残業時間、社内のサポート体制、働き方、キャリアパスなどの詳細な情報をしっかりと訴求し、他社との差別化を図ることも重要である。場合によっては応募意志不問の面談や、選考要素を含まない面談、入社意向上げを目的とした面談などの実施も効果的である。
また、同職種の働き方に鑑み、今回の新型コロナウイルスにより一般化したWeb面接の活用も引き続き効果的となることが予想される。
研究開発(化学)
- 転職に慎重なスタンスは変わらないが、面接のWeb化により応募や面接調整にポジティブな変化も起きている
- 2020年2月~4月の新規求人数は 2019 年11月~2020年1 月比で 65%、前年同期比 74%
- (1)採用要件を詳細に擦り合わせ、ターゲットを明確化させること
(2)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票へ記載すること
研究開発(化学)の登録者動向
※対象:2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
他のモノづくりエンジニア職種と年齢層を比較すると、20代の割合が5割を超え、35歳までで7割以上となり、30代後半~40代のベテラン層の登録が少ない。
学歴に関しても特徴的で、大学院卒が50%、大卒以上で約8割を占める。転職回数が少ないため転職に対して非常に慎重なスタンスの方が多く、特に活動初期は情報収集に留めたり、応募するとしても興味のある求人だけに応募を絞る方が多い。新卒の就職活動当時から、学生時代の研究になんらか関連する業界や職種のみに進路を絞っている場合が多く、ほとんど就職活動を行ったことがない方も珍しくない。
また、転職活動においても特に若手の登録者は、知名度の高い企業や勤務地の希望が叶う求人に絞って応募するような、「新卒の就職活動」に近い進め方になってしまいがちであり、活動が進展しにくい。特定の条件に固執せず、早い段階でいかに興味や検討の幅を広げられるかが転職活動の成否を分けている。登録者のほとんどが在職中で休暇を取得しづらく、かつ、採用面接会場となる研究開発拠点が地方にあることが多いため面接調整が難航しがちであったが、新型コロナウイルスの影響でWeb面接が普及したことにより選考の調整がスムーズに進むケースが増えているほか、遠方の企業でもWeb面接ならまず受けてみようと活動を積極化する方もおり、ポジティブな変化も見受けられる。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新型コロナウイルスの影響もあり新規求人数は一時的に減少したが、業界全体としては業績は好調な傾向。
国内の化学メーカーは国内市場の縮小や原材料の高騰、国際的な競争の激化が進む中、高収益事業への集中、海外市場への参入、技術やノウハウの獲得、成長分野への進出を進めており、M&Aの推進や自社で保有していない技術・ノウハウを持つ人材の獲得に積極的である。成長分野の中でもとりわけ、「ヘルスケア・バイオ領域」「電池材料領域」「情報電子領域」において、求人増の傾向が強い。また、各社ICT・AIの推進を積極的に進めており、マテリアルズ・インフォマティクスに関する求人が急増している。
研究開発(化学)の採用成功POINT
化学マーケットは求める経験・能力が限定的であることが多いため、他職種と比較し、募集要項を明確化させることが必須である。
転職希望者の志向性として転職に慎重な方が多い傾向にあるため、採用背景、事業・部署のミッション、研究開発のテーマ、就業環境、キャリアステップ、社風などの詳細情報を記載する必要がある。
また、地方に事業所を構えている企業も多く、面接調整に難航する傾向があるため、Web面接を積極的に取り入れ柔軟に選考を進めることがポイント。
設計職(建築・土木)
- 登録者は減少傾向、4月の登録者数は1月比75%程度に。ただし昨年比では同水準
- 2019年2月~2020年4月の新規求人数は、2019年11月~2020年1月比で83%。前年同期比75%
- 他社との違い・自社の強みを明確に言語化して訴求し、転職マーケットの状況を踏まえ幅広く採用ターゲットを検討していくことが重要
設計職(建築・土木)の登録者動向
※対象:2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は1月に復調したものの、2月から減少傾向に転じ、4月では25%程度減少した。
登録者の内訳をみると、20代が47%と約半数、転職回数1回以下の登録者が61%と半数以上を占め、傾向に大きな変化はない。転職理由としては、(1)キャリアップ志向(物件の種別を変えたい、実施設計から基本設計へ変わりたい、上流工程に携わりたい)、(2)就業環境の改善希望(残業時間の改善、給与アップ)といった大きな二軸が見られる。建築設計の採用では、景気動向もあり経験者が特に優遇される傾向が2019年から見られたが、新型コロナウイルスの影響もありその傾向がより顕著に。
建築設計の登録者も現職か転職かを慎重に検討する方が増えてきている。土木設系に関しては現状でも求人が多く、かつ登録者も少ないため、依然として売り手市場が続いている。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
業界全体の人手不足状態は続いているものの、新型コロナウイルスの影響で工事の延期や中止、戸建てニーズの停滞を受け、大手・中小に関わらず一部企業の採用がストップへ。
しかしながら、引き続き売り手市場が続いており、企業によっては、Web面接を活用し、採用活動を継続する企業も多い。採用のしやすさという観点では、他求人の減少から若干求人倍率が下がっており、採用のチャンスと判断する企業も出ている。引き続き、一級建築士などの資格取得者の採用難易度は高く、設計補助・CADオペレーター等設計業務を少しでも経験したことのある人材を育成していく方針にシフトする企業は増加傾向。また、中途採用においては中堅のベテラン層のニーズが最も高く、各社求める人材が重複しており、求人倍率が高まる傾向にある。プラント設計などは特に採用難易度が高く、プラント業界未経験者でも積極的に採用していく企業は増加傾向。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 採用競争率の高い職種となるので、自社の強みは何か、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのか、情報を棚卸しし、積極的に転職マーケットに訴求し自社の存在感を高める必要がある。
- 就業環境(残業や土日の出勤など)が転職理由に影響している転職希望者が多く、就業環境改善への取り組みや、休日、残業実態の明記も応募意思獲得に不可欠である。
- 特に設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真等)がある方が応募につながりやすく、自社HPの改修、求人広告の利用など多角的な採用手法も検討すべきである。
- 採用難易度の高さ・競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するか、ターゲットのペルソナを整理し再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はそのターゲットに魅力的に見えるのか?など客観的な視点で考えることが重要となる。
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な日程調整も必要である。
施工管理(建築・土木)
- 3月の登録者数は前月比で約10%減少するも、4月は3月と同水準を維持
- 2020年2月~4月の新規求人数は、2019年11月~2020年1月比で約25%減。前年同月比では122%
- あらゆる採用手法を検討しつつ、自社の特徴・魅力を見極め、適切なターゲットに訴求することが重要
施工管理(建築・土木)の登録者動向
※対象:2020年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
緊急事態宣言発令による工事中断の影響もあり、多忙により転職活動の時間確保が難しかった方が転職活動を行っている傾向がある。また、引き続き多忙な方に関しても、Web面接を活用し現職と並行して転職活動を進めているケースがみられる。登録者の過半数を占める30歳以下の若手層は、残業時間の削減や休日の確保など、働き方改善を望む場合が多い。働き方改革が制度上だけではなく、現場まで浸透しているかを気にかける登録者もみられる。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2019年11月1日~2020年4月30日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
施工管理職は全技術系職種の中でも、引き続き最も求人数が多く、採用激戦区。オリンピック需要は落ち着きを見せてきたものの、再開発案件や災害対策の公共工事需要増加、大阪万博やIR関連施設工事の需要が見込まれることに伴い業界として多忙・慢性的な人手不足感は変わらず、求人は増加傾向。
大手企業を含め、全分野で一級施工管理技士など高位資格取得者の採用は特に難航を極め、未経験者を育成・もしくはシニア層の採用にシフトしていく企業も増えている。
未経験者の育成が難しい場合に、シニアの採用も並行して行い、技術や知見を若手の世代に伝える体制を整える例もある。また、経験者採用の場合も、長期にわたり採用ができていない状況を踏まえ応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する企業も増えつつある。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 全技術系職種の中でも求人数が多いため、求人が目に留まりやすいよう、自社の何が強みでどの点を転職希望者に訴求していくかをしっかり言語化し、他社と差別化していく必要がある。(働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど)特に働き方などの就業環境は具体的な事例や、整えられている理由を整理し、転職希望者へ訴求する必要がある。
- 経験者採用であれば、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい。
- 未経験者採用であれば工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのコアスキルや、建築、電気等の知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで入社後キャッチアップがスムーズに進む可能性が高い。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報は訴求する必要がある。
- ただ求人を出すだけでなく、エージェントに対し積極的に情報を提供していくこと、求人広告、ダイレクトソーシング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルを活用し、母集団形成のために、待つのではなく、攻めの採用姿勢をとることがほか職種に比べ強く求められる。
- 面接は選考する、という視点のみならず、応募者の意向醸成の場であるという意識を持ち、面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用したい。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な日程調整も必要である。
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