モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 登録者数は横ばいで推移。30歳以下の登録が約半数を占め、若手層の転職活動は引き続き活発
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は2019年8月~10月比で102%。前年同期比112%
- 採用要件の緩和を検討する一方でペルソナに対して情報を正しく訴求する。採用に苦戦する場合は、採用課題を明確にした上で打ち手を検討することが重要
機械設計の登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
引き続き、30歳以下の登録者が約半数を占めており、第二新卒層の転職活動が活発。
「必ず転職したい」というよりは「より良い条件の企業を見てみたい」という方も多く、求人数も引き続き高水準であるため、売り手市場が続いている。
働き方改革が進む中、残業規制に対する現職の対応に不満を感じたり、市況感に不安を感じたりしたことがきっかけとなり、スキルアップを図り市場価値をあげるために転職活動をスタートする方も多い。30代以降の登録者も、働き方や将来への不安から転職活動に踏み切る方が多いが、年収や勤務地(転勤等含む)など自身を取り巻く環境への影響に対する懸念や、最後の転職にしたいという思いから、条件面の確認を含めて、慎重な決断をしている印象。
機械設計の求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
モノづくりエンジニア全体の傾向ではあるが、人手不足状態は続いており求人数は高止まりの状況。引き続き事業環境好調による人手不足、増員ニーズが目立つ。機械設計職は幅広い業種においてニーズがあり、モノづくりエンジニア求人の中でも求人数が多い職種である。
トピックスとしては、単なる設計に留まらず、市場分析から企画立案など製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位に業務が分解・細分化された求人が発生するなど、引き続き求人内容の多様化が目立つ。採用活動の長期化に伴い、採用要件を見直す企業や、休日選考会など選考方法を工夫する企業も増えている。
機械設計の採用成功POINT
登録者数は相対的に多いものの、求人数も同様に多いのが機械設計領域。転職希望者への最大限のアプローチと、他社求人との差別化がポイントとなる。
母集団形成~書類選考~面接にかけては、可能な限り対象を広げ、転職希望者の経験・スキル(技術・製品領域など)と求人内容との親和性を見いだす姿勢が求められる。母集団を広げる方法としては、技術・製品領域だけでなく、経験年数や転職回数などスキル以外での緩和も重要。対象者を広げることで採用成功につながるケースも多数ある。
仕事内容のやりがいを求めて転職活動する方が増えている現在、募集する対象を緩和するだけではなく、採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、必要な技術知識、入社後のキャリアなど求められている情報をしっかりと打ち出すことが必要である。
採用活動に苦戦する場合は、自社の求人・採用活動のどこに課題があるのかを見直し、採用要件、選考手法や採用チャネルなど、「何かを変える」ことが重要。(例:面接が調整できず辞退が多い、勤務地が遠方で応募が少ない場合には、休日に面接を行ったり、ダイレクト・ソーシングで直接転職者へアプローチを行うなど)大幅に何かを変えるだけでなく、可能な範囲で少しずつ変えていくことから始めたい。
回路設計
- 直近半年の登録者数はやや右肩上がり。求人数は安定して多く、引き続き売り手市場
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は2019年8月~10月比で99%と横ばい。前年同期比では106%
- 年齢やスキルの適正化・幅広い母集団形成が重要。面接ではより詳細な情報提供が成功のカギ。会社の安定性やマーケットの成長性をアピールすることがポイント
回路設計の登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
年代別に見てみると、20代が46%、30代が29%、40代以上が25%と、第2新卒層が割合として多く、早いタイミングで自身のキャリアを見直している印象。また、転職回数については1回以下が8割近くを占めており、転職市場における市場価値も高く、求人も多いため現職と比較しながら慎重に活動している方が多い。将来に対する不安から転職を検討する方が多い印象で、業界の安定性や業績などから成長が見込める企業に応募が集まりやすい。
回路設計の求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新規求人数は直近3カ月で微減するも、昨年同時期と比較すると引き続き増加傾向である。モノ作りの業界全体の傾向であるが、人出不足は続き、求人数は高止まりしている。
回路設計の分野では、特にセンサーや信号処理、通信、画像処理、モーター、パワーエレクトロニクス分野の募集が継続して増加傾向にある。米中貿易摩擦の影響から引き続き自動車市場・産業機器向け市場は減速傾向が目立ったが、5G向けのスマートフォン部品や高周波部品を対象とした求人が増加しており、アナログ回路設計の募集も引き続き増加している。
回路設計の採用成功POINT
有効求人倍率が高く採用難易度が高い職種の1つである。第二新卒層が若干目立つものの、スキル・年齢に偏りは無く、幅広い層の転職希望者がいることが特徴。
- 育成を前提とした若手エンジニアの採用の検討も必要であり、求人票に入社時のフォローアップ研修や、OJTの詳細を記載すると意向醸成につながりやすい。
- ベテラン層の採用や、雇用形態を転職希望者の状況に合わせて柔軟に検討すること、今後のキャリアを具体的にイメージできるような情報提供をすることが効果的。
- 「会社の安定性を知りたい」という登録者が増加していることから、取扱製品だけではなく事業戦略や企業の成長性を伝える工夫が必要。
- 転職回数が少なく、転職意欲がそこまで高まっていない登録者にも進んでアプローチするための採用手法や、口説きを前提とした選考を行い母集団を形成することが必要。
組み込み・制御設計
- 登録数は増加傾向。高学歴・転職回数0~1回の登録者が中心
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は前年同期比で115%と増加傾向
- 柔軟なターゲット設定と採用手法の検討、転職希望者への情報提供の差別化がカギとなる
組み込み・制御設計の登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
2019年11月~2020年1月の登録者数を2019年8月~10月と比較すると15%の増加が見られた。これは他の職種と比べても非常に高い数字。自動運転・IoTといった技術的なトピックに関わりたい、これまでの技術を活かしてこうした分野に挑戦したいというエンジニアが、新たなチャレンジを目指していると考えられる。
登録者の内訳としては大卒以上が登録者全体の72%、転職回数1回以下が76%とモノづくりエンジニア全体の平均より高い。複数の企業で高い評価を受ける可能性が高い登録者が多いため、採用競争は激しいものになると予想される。
組み込み・制御設計の求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
直近3カ月(11月~1月)の新規求人数は、データ取得開始(2014年1月)以降で最大の件数を記録している。
製品ニーズの多様化や各社製品の電動化・自動化に伴い、組み込み・制御設計エンジニアのニーズが急増している。業界としては自動車・自動車部品メーカーや技術系アウトソーシング企業で求人の増加が顕著であるが、IT業界での採用意欲も高く、まさに異業種混合の採用激戦区。
実務未経験者を教育・研修していく体制を取っている企業は採用に成功している確率が比較的高い。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
母集団形成に苦戦するため、人材紹介サービス以外の手法(求人広告、転職フェアをはじめとしたリアル型イベントなど)の利用でアプローチ先を広げる必要がある。また、応募者の転職理由(比較的多いものは、先進的な技術開発に携わりたい・グローバルに活躍できるフィールドがある・企業安定性)に合わせた訴求を行う必要がある。
- 募集が集中する中堅層以外に、ベテラン層の採用や学歴不問など若手ポテンシャル採用も積極的に検討する。(登録者数としては26~30歳がボリュームゾーン)
- 事業の展望や期待するミッションの詳細など、職務内容に興味を持たせる十分な情報提供が必要である。
- 経験がマッチする希少な応募者に対しては選考期間や面接回数を短縮し、選考途中での辞退を防ぐ。(大手企業においても応募者に応じて土曜日面接を実施するなど採用手法を工夫する傾向あり。)
品質管理(品質保証)
- 登録者数は増加傾向。内訳や傾向は、大きく変わらず
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は8月~10月比で105%と微増傾向だが前年同期比では97%と微減傾向へ
- 詳細な職務内容・ミッションのヒアリングから適切なターゲティングが重要
品質管理(品質保証)の登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
1月の登録者は、2019年8月時点と比較すると約20%増加。登録者の年齢別では36歳以上の割合が43%を占め、他モノづくりエンジニア職種に比べても中堅層の割合が高く、年齢層は高め。最終学歴の割合を見ると高卒者が32%を占めており、他モノづくりエンジニア職種の中でも高いシェアとなっている。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
昨今の品質に関する問題が多く出てきている中で、全体のニーズは年々高まっているが、品質問題に関するニュースが多かった数年前からみると初めて前年度を下回る結果となった。とはいえ、求人数は高水準を維持しており、一般的な品質管理や品質保証業務だけでなく、品質管理体制の構築など、プラスアルファの経験や前向きな志向のある方を採用する傾向にあり、主体的な品質エンジニアがより求められてきている。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
組織の構成や各人のミッションを明確化させること、また、企業によって職務内容が同じでも部門の名前が違うケースがあるため、一般的な用語・職種名に合わせて求人票を作成することが重要。他エンジニア系職種と比較すると40代以上の登録者も多いため、採用背景や今後の戦略と照らし合わせた上で、ベテラン層の積極採用を検討できるかが採用成功のカギとなる。
若手であれば、機械、電気系のエンジニアからの職種転換や、異業界出身の品質エンジニアをターゲットに加えることで採用成功率が高まる。
働き方や給与条件はもちろんであるが、当該企業における「品質」の考え方や重要度を気にする転職希望者は多い。昨今あらゆる業界で品質に関わる問題が起きていることもあり、企業としての取り組み方や部門の重要性をアピールできるかが採用成功のポイントとなる。
生産技術・プロセスエンジニア
- 登録数は横ばい~微増。大学卒以上、転職回数0回が中心
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は2019年8月~10月比で110%。前年同期比111%
- 職種未経験者や異業種出身者など未経験者へ向けた魅力打ち出しと、採用競合の動向も注視した採用活動が重要
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
2019年8月~10月と2019年11月~2020年1月の登録者数を比較すると7~8%の増加で他モノづくりエンジニア職種の平均値とほぼ同様。今まで培った生産、製造における知見を活かして活躍の場を探していると見受けられる。
工場、設備などの自動化をはじめとする生産性向上等の課題を抱える企業にとっては採用可能性が高まる状況といえる。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新規求人数は直近3カ月比および、昨年同時期比で大きく増加。2019年下半期は、各製造業領域で、世界経済の不透明さなどから設備投資を抑える動きもあったものの、5G需要などに備え、設備投資や生産稼働状況を活発化させる動きも出てきており、新規求人数は増加傾向。
5Gの他、自動運転、IoT、AIにかかわる新製品の開発や効率化・設備自動化・省人化を背景に、中長期的には需要が増すことが見込まれる職種であり、求人数は今後引き続き高止まりすると予想される。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
直近3カ月の全機電系技術職新規求人数のうち約18%が本職種である中で、登録者における同職経験者の比率は約10%という状況。
ここ数年、製造業各社が同職の大量採用を実施した背景もあり、経験者の希少性が増してきており、職種未経験者や異業界出身者からの採用は避けて通れない状況となっている。同職の登録層は20代の比率が約50%とボリュームゾーンであり、電機・電子部品・半導体の各大手メーカーも異業種出身者や経験の浅い層も積極的に採用している。
異業種出身者は「自身のスキルの何が活かせるのかわからない」という理由での選考辞退が多いため、「応募者が入社した際に活かせる経験」を選考の中でフィードバックし、不安を解消することが重要な意向醸成のポイントとなる。また、育成環境や中長期的なキャリアパスなど魅力も併せて打ち出すこともポイントである。
フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 登録者数は微減。売り手市場が継続している
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は2019年8月~10月比で108%。前年同期比134%
- 広く母集団を形成し、選考を通して「働くイメージ(扱う製品や就業環境、社内のサポート体制など)をもってもらうこと」が重要
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
直近半年間の登録者数は、夏季休暇のタイミングで微増したが、以降は横ばいで推移している。求人数も横ばいで推移していることから、売り手市場が続いている状況。
近年、就業者の価値観が非常に多様化しており、「仕事よりも家庭」「出世よりもプライベート」といった価値観が広く浸透してきている。そのため特にフィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者においては、「夜勤・急な呼び出しがないこと」「転勤や長期間の出張が無く勤務エリアが限定的なこと」といった就業環境の改善が見込まれる求人へ応募が集まる傾向にあり、未経験の業界へ転職する事例も多くなっている。入社後のフォロー体制や研修といった「業務にキャッチアップできるか」という不安を取り除くことができるかどうか、安心して就業できるイメージを持てるかどうかが入社意思決定のポイントにもなっている。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
11月をピークに求人の増加ペースには鈍化がみられるものの、募集企業の絶対数は変わらず多い。引き続き、働き方改革における時間外労働を削減する取り組みの一環として、人員を確保している企業の採用が多い。直近で見られていた業績好調、受注好調を背景とした採用は落ち着き、欠員補充の採用も目立つ。全体の求人数に大きな変動はないが、登録者の減少が引き続きみられるため、採用難易度は若干の上昇が続く。未経験者採用やスキル要件の見直しを行う求人も増えているが、一方で即戦力採用に振り切り、同業他社・ベテラン層をターゲットとした求人も目立つ。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
働く環境を改善するために転職を希望している方が多く、最終学歴に偏りがないことも同職種の特徴である。昨今のエンジニア求人のトレンドとして、他職種(設計や生産技術職)の求人でも、若手の理系未経験者の採用を進めているため、母集団形成のためには、転職回数や学歴を幅広く検討し、人柄や意欲、バックグラウンドの知識・素養を重視したポテンシャル採用も検討する必要がある。同職種は求人サイトから直接応募する転職活動者も多くいるため、求人サイトも有効な採用手段となる可能性が高い。
また、選考の中では、扱う製品や就業環境、就業スタイル、休日日数、残業時間、社内のサポート体制、働き方、キャリアパスなどの詳細な情報をしっかりと訴求し、他社との差別化を図ることも重要である。場合によっては応募意志不問の面談や、選考要素を含まない面談、入社意向上げを目的とした面談などの実施も効果的である。
研究開発(化学)
- 登録者の転職に慎重なスタンスは変わらず、転職先や応募先の検討幅が狭い
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は2019年8月~10月比で108%、前年同期比133%
- (1)採用要件を詳細に擦り合わせ、ターゲットを明確化させること (2)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票へ記載すること
研究開発(化学)の登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
他のモノづくりエンジニア職種と年齢層を比較すると20代の割合が多く、40代の割合が少ない。学歴に関しても特徴的で、大学院卒が54%で過半数、大卒以上で約8割を占める。
情報収集や応募書類の準備など、自ら転職活動の準備を行うことができる方は比較的多い。転職に対しては非常に消極的なスタンスの方が多く、転職回数0回の方で約7割、1回以下で8割を超え、転職活動においても特に活動初期は興味のある求人だけに応募を絞るなど、慎重な方が多い。新卒の就職活動当時から、学生時代の研究になんらか関連する業界や職種のみに絞っている場合が多く、ほとんど就職活動を行ったことがない方も珍しくない。その結果、転職活動においても特に若手の登録者は知名度の高い企業や勤務地の希望が叶う求人に絞って応募するような、新卒の就職活動に近い進め方になってしまいがちで、活動が進展しにくい。特定の条件に固執せず早い段階でいかに興味や検討の幅を広げられるかが転職活動の成否を分けている。また、登録者のほとんどが在職中のため休暇を取得しづらい、採用面接会場となる研究開発拠点が地方にあることが多いといった理由で面接の調整が難航したり、複数社選考を進める中で取捨選択を余儀なくされてしまうこともある。そのため、対面面接だけでなく電話やSkypeで面接を行う事例も散見される。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新卒採用の文化が強い業界であるが、新卒採用の苦戦により第二新卒採用へ舵を切るケースが見受けられる。
計画的な人員増加を行う企業は少数であり、欠員補充や既存組織の若返りを中心とした採用背景が多い。
各社が掲げる注力分野のなかでもとりわけ、「機能性材料」「自動車領域」「ヘルスケア領域」「電池材料領域」などにおいて、求人増の傾向が強い。
研究開発(化学)の採用成功POINT
化学マーケットは分野が多岐にわたり、求める経験・能力が限定的であることが多いため、募集要項を明確化させることが必須である。
具体的には、ポスドク・特定技術者派遣・学生時代の研究テーマなど、現職の経験だけにとらわれず転職希望者の素養を見るようなターゲティングが必要。
また、転職意欲が高くない、志向性として慎重な登録者が多い傾向にあるため、できる限り詳細な情報提供が求められる。
- 採用部署の現場社員と採用要件をしっかりとすり合わせ、要件を言語化し、求人票へ落とし込む。
- 研究開発のテーマ、研究環境、就業環境、キャリアステップ、社風など、会社HPでは確認できないようなリアルで詳細な情報を提供する。
設計職(建築・土木)
- 登録者数は12月に8月比20%減となったが、1月に復調
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は、2019年8月~10月比で111%。前年同期比142%
- 他社との違い・自社の強みを明確に言語化して訴求し、転職マーケットの状況を踏まえ幅広く採用ターゲットを検討していくことが重要
設計職(建築・土木)の登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
9月・10月の登録者数は8月を下回る状態が続いたが11月に復調、12月にまた減少に転じたが、1月はまた復調の兆しを見せている。登録者の内訳をみると、20代が45%と約半数、転職回数1回までの登録者が64%と半数以上を占める。
台風19号の影響で1級建築士の製図試験が延期されたことから、「試験が終わってから転職活動をする」と当初の予定よりも転職活動開始時期を後ろ倒しにする登録者も見られた。
一方、求人数は多く売り手市場が続いている。最近の登録者の傾向として、特に登録割合が多い20代は転職理由として「働き方を改善したい」を挙げる方が多い。また、入社前に聞いていた条件と異なるのではないか?など、求人票の情報と乖離があるかどうかを気にする登録者も多く、慎重に転職活動を進める人が増えている。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
業界全体の人手不足状態は続いており、かつ人材の流動性も比較的高い職種のため求人ニーズは変わらず増加傾向。特に一級建築士などの資格取得者の採用難易度は高く、設計補助・CADオペレーター等設計業務を少しでも経験したことのある人材を育成していく方針にシフトする企業は増加傾向。
また、中途採用においては中堅のベテラン層のニーズが最も高く、各社求める人材が重複しており、求人倍率が高まる傾向にある。プラント設計などは特に採用難易度が高く、プラント業界未経験者でも積極的に採用していく企業は増加傾向。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 採用競争率の高い職種となるので、自社の強みは何か、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのか、情報を棚卸しし、積極的に転職マーケットに訴求し自社の存在感を高める必要がある。
- 特に設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真等)がある方が応募につながりやすく、自社HPの改修、求人広告の利用など多角的な採用手法も検討すべきである。
- 採用難易度の高さ・競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するか、ターゲットのペルソナを整理し再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はそのターゲットに魅力的に見えるのか?など客観的な視点で考えることが重要となる。
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な日程調整も必要である。
施工管理(建築・土木)
- 11月に登録者数が増加するも12月は年末の繁忙期により前月比約30%減、1月は11月水準まで回復
- 2019年11月~2020年1月の新規求人数は、2019年8月~10月比で124%。前年同期比178%
- 幅広い採用ターゲットの検討、あらゆる採用手法を活用し転職マーケットでの存在感を高めることが重要
施工管理(建築・土木)の登録者動向
対象:2019年11月~2020年1月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は台風の影響で10月に落ち込みをみせたが、11月に回復。ただ、12月は年末ということもあり、11月よりも約30%減少となった。12月はボーナス支給後に転職活動を始める登録者が増える一方で、施工管理職の繁忙期(※)でもあることから、多忙により転職活動に割く時間が無い転職希望者が多いと考えられる。(※現場の工期が年末であるケースや、年末休暇により人がいない期間を利用して工事を進める現場等が多い)
登録の過半数以上を占める20代をはじめとする若手層は、ワークライフバランスの改善を目的に転職を検討するケースが多い。働き方改革が業界全体で遅れがちなため、制度は整えられているものの現場では機能していないといったケースを懸念し、求人票の信憑性を気にする登録者も多い。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2019年8月1日~2020年1月31日にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数。
※8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
施工管理職は全技術系職種の中で最も求人数が多く、採用最激戦区。オリンピック需要は落ち着きを見せてきたものの、再開発案件や先を見据えた海外案件の増加に伴い業界として多忙・慢性的な人手不足感は変わらず、求人は増加傾向。大手企業を含め、全分野で一級施工管理技士などの高位資格取得者の採用は特に難航を極め、未経験者を育成していく方針にシフトしていく企業も増えており、未経験者採用求人の割合は増加傾向にある。また、経験者採用の場合も、長期に渡り採用充足ができていない状況を踏まえ応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する企業も増えつつある。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 全技術系職種の中でも求人数が多いため、求人が目に留まりやすいよう、自社の何が強みでどの点を転職希望者に訴求していくかをしっかり言語化し、他社と差別化していく必要がある。(働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど)
- 経験者採用であれば、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットの検討、未経験採用であれば、育成体制・今後のキャリアパスなどの入社後の活躍がイメージできるような情報を応募者にしっかり訴求していきたい。
- ただ求人を出すだけではなく、エージェントに対し積極的に情報提供していくこと、求人広告、ダイレクト・ソーシング、転職フェア、社員紹介・知人紹介などあらゆる採用チャネルを活用し、母集団形成のために、待つのではなく、攻めの採用姿勢をとることが他職種に比べ特に強く求められる。
- 面接は選考をする、という視点のみならず、応募者の意向醸成の場でもあるという意識を持ち、面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用したい。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考が通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な日程調整も必要である。
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モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2020年2月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス