モノづくりエンジニア中途採用市場レポート(2018年5月発行)

2018年5月発行
職種別マーケットレポート

ものづくりエンジニア

モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当職種:機械設計、回路設計、組み込み・制御設計、品質管理(品質保証)、生産技術・プロセスエンジニア、フィールドエンジニア・カスタマーサポート、設計職(建築・土木)、施工管理(建築・土木)、研究開発(化学)

機械設計

ここがポイント

◆継続して売り手市場。転職希望者は複数社で内定を獲得し転職先を吟味する傾向。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年1月比で100%。前年同期比127%。
◆採用基準を緩和して幅広く対象者を検討することが求められる一方で、求人内容を具体的かつ詳細に表現し、必要な人材像を正しく訴求することも求められる。

機械設計の登録者動向

機械設計の登録者詳細(2018年5月))

機械設計の登録者詳細(2018年5月)

登録者数、求人数共に前四半期と比較すると微減しているが、引き続き超売り手市場である状況は継続。
登録者の内訳をみると幅広い年代で登録があるが、20代の登録が45%と最も多く、30代が32%(30代前半が20%、後半が12%)で続いており、特に若手の転職活動が活発。
売り手市場を活かし、複数社で選考を進め2つ以上の内定を獲得した上で入社先を決めるケースが多く、仕事内容に加えて年収、勤務地などの条件面をより吟味する傾向が強くなっている。

機械設計の求人動向

機械設計の求人マーケット動向(2018年5月)

機械設計の求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

2018年2月~4月において、機械設計を募集する上位3業種は、「自動車部品」、「産業用装置(工作機械・半導体製造装置・ロボットなど)」、「技術系アウトソーシング(特定技術者派遣)」となり、事業環境が好調であることに紐づく増員ニーズが目立つ。上位3業種以外にも幅広い業種でニーズがあり、エンジニア求人の中でも最も求人数の多い職種である。
求人トピックスとしては、単なる設計に留まらず、市場分析から企画立案など、製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位に業務が分解・細分化された求人が発生するなど、求人内容が多様化傾向にある。

機械設計の採用成功POINT

登録者数は比較的多いものの、求人数がそれ以上に多いのが機械設計領域。転職希望者への最大限のアプローチと、他社求人の差別化がポイントとなる。
母集団形成~書類選考~面接にかけては、可能な限りアプローチ対象者を広げ、転職希望者の経験・スキル(技術・製品領域など)と求人内容との親和性を見出す採用スタンスが求められる。
対象者を広げる方法としては、技術・製品領域は勿論だが、転職回数などスキル以外での緩和も重要。視野を広げることで採用成功につながるケースも多数ある。
一方で、転職希望者の中には、応募前後において、「自身の経験・スキルが本当に活かせるのか」と言う不安や迷い、疑念を抱くケースも目立つ。
その為、求人内容を具体的かつ詳細に(製品、役割、開発体制、必要な技術知識など)記載することや、選考中のコミュニケーションを通じて必要な人材像を正しく訴求していくことも併せて心がけたい。

回路設計

ここがポイント

◆特定分野では継続して売り手市場。スキルを持った40歳以上の登録が増えている。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年1月比で120%。前年同期比124%。
◆幅広い母集団形成が重要。スキルを限定しない採用や幅広い年齢層の採用と、選考フローや面接内容の強化が成功の鍵。

回路設計の登録者動向

回路設計の登録者詳細(2018年5月)

回路設計の登録者詳細(2018年5月)

自動運転、ロボティクス、IoT(通信)など若手の育成が困難であるアナログ回路全般、また信号処理、通信(アナログ/高周波/RF)、画像処理、FPGA関連などに関わるエンジニアは、ベテラン層含めて引き合いも強く、登録者も増えている。
これまで転職者市場で飽和していた携帯電話や家電業界で経験を積んできたベテラン登録者にとっては、転職先の可能性が広がる好機。
一方で若手層は、とりまとめ業務が中心になっているため、実務でのスキルアップを志向している登録者が見られる、入社直後に関われる案件内容を重視している傾向がある。

回路設計の求人動向

回路設計の求人マーケット動向(2018年5月)

回路設計の求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

業績好調に伴い、引き続きセンサーや信号処理、通信、画像処理、モーター、パワーエレクトロニクス分野の求人が増加。
アナログ回路設計の求人増加数は昨対比110%に対し、デジタル回路設計を募集する求人数は昨対比130%と大幅に増加。

回路設計の採用成功POINT

有効求人倍率が高く採用難易度が高い職種の1つである。登録者数では昨年度と比較し20代・30代が110%増、40代・50代が昨対比115%に増加している。
幅広い年代で転職希望者が増加しているため、経験年数を問わない幅広い母集団形成が必要である。
・ベテラン層の採用や雇用形態を転職希望者の状況に合わせて柔軟に検討する。
・育成を前提とした若手エンジニアの採用の検討も必要。
・スキルを活かせる製品・業界が幅広いため、応募者には業界の魅力や自社製品の特長など、他社との差別化ポイントを伝え魅力を訴求することが効果的である。
・転職意欲がそこまで高まっていない転職希望者にも進んでアプローチする採用手法や口説きを前提とした選考を行う。

組み込み・制御設計

ここがポイント

◆引き続き売り手市場。ソフトウェア品質保証やQAエンジニアの登録・転職も見られる。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年1月比で102%。前年同期比120%。
◆柔軟なターゲット設定・採用手法の検討、転職希望者への情報提供の差別化が鍵となる。

組み込み・制御設計の登録者動向

組み込み・制御設計の登録者詳細(2018年5月)

組み込み・制御設計の登録者詳細(2018年5月)

自動運転、AI、アルゴリズム、ロボティクス、IoT(通信)などの先進技術に携わり、エンジニアとしての市場価値を高めたいという志向性を持つ転職希望者が多い。
一方で、業務が多忙であることから、働き方改善を志向する方も一定いる状況。
ソフトハウスや受託メーカーに在籍するQAやソフトウェア品質保証のエンジニアが、大手セットメーカーへの転職に成功している事例が増えている。

組み込み・制御設計の求人動向

組み込み・制御設計の求人マーケット動向(2018年5月)

組み込み・制御設計の求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

新規求人数は、過去最大級の水準を維持しながらゆるやかに増加。
新規求人が出続け、既存求人がなかなか充足しない難易度の高い職種である。
メーカーでも自動車業界、電機業界、部品業界など幅広い業種で採用ニーズがあるだけでなく、IT業界での採用意欲も高いため、異業種混合の採用激戦区である。

組み込み・制御設計の採用成功POINT

AIやIoTなど新たな技術の発展と共に、これまで経験のない技術に対応できるエンジニアを求めており、有効求人倍率は最も高い職種である。
・転職意欲がそこまで高まっていない登録者にもアプローチする採用手法や口説きを前提とした選考を行う。 ・異業界の経験者を積極的に検討し、職種軸で経験値を判断していく。
・母集団形成に苦戦するため、人材紹介以外の手法(転職フェア、求人広告、リアル型イベントなど)の利用でアプローチ先を広げる。
・募集が集中する中堅層以外のベテラン層の採用や、若手ポテンシャル採用も積極的に検討する。
・先進的な技術開発に携わりたいポジティブな転職理由の方も多いため、事業の展望や期待するミッションの詳細など職務内容に興味を持たせる十分な情報提供が必要である。
・希少な応募者に対しては選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の離脱を防ぐ。

品質管理(品質保証)

ここがポイント

◆前年対比147%の登録増。2018年1~3月期については、世代別で特に40歳代以上の登録が多い。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年11月比で107%。前年同期比186%と求人数は増加傾向。
◆丁寧に情報の整理を行い、採用人物像のペルソナをしっかり立て、ターゲットに刺さる求人の魅力を転職希望者に届けることが重要。

品質管理(品質保証)の登録者動向

品質管理(品質保証)の登録者詳細(2018年5月)

品質管理(品質保証)の登録者詳細(2018年5月)

全体の登録数としては前年比147%と大幅な登録増。内訳としては40歳代以上の登録者が全体の約3割を占め、次いで20歳代前半と20歳代後半がいずれも約2割。
引き続き、20代の若手はキャリアチェンジなどを希望することも多いが、40歳代以上のベテラン層は今後も引き続き品質の仕事でこれまでの経験を発揮して活躍したい思いが強いため、年収や勤務地の条件が合致すれば採用マッチングが図り易くなっている。

品質管理(品質保証)の求人動向

品質管理(品質保証)の求人マーケット動向(2018年5月)

品質管理(品質保証)の求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

事業戦略の転換により、「自動車市場への進出」など、異業界への参入や新規技術分野での事業展開を行う企業が増え、新たな分野への品質管理・品質保証対応およびシステム(仕組み)構築を進める目的の求人が目立つ。
そのため、技術分野や経験業務を限定したピンポイントなハードスキル重視の求人が多い。
また、海外進出や海外売上比率の上昇に伴い、語学スキル(英語)を求める傾向も強くなってきている。

品質管理(品質保証)の採用成功POINT

・丁寧な情報の整理
採用背景、該当ポジションのミッション、採用企業の分業体制をしっかり言語化する必要がある。品質管理、品質保証は表現は同じであっても、企業ごとに細かい業務内容が異なっているため、まず事実の整理をきちんと行うことが重要。
・採用ターゲット像のペルソナ
上記情報の整理をもって、ミッションを遂行できる人材(目的の達成に寄与できる人材)がどのようなキャリアを築いてきた方なのか、を具体的に言語化していくことが重要。
また、過去の経験に捉われず、「採用する目的を果たせるかどうか」をベースとし、登録者の属性に合わせた採用要件を検討していく必要がある。
・採用ターゲットに伝わる求人の魅力
登録者の転職理由・応募動機についても思いを巡らせることによって、より適切なターゲティングと適切な求人の魅力化を実現していくことができる。採用することで、どのような課題がどう解決されるか、いかに登録者を必要としているか、をメッセージとして強く打ち出すことも重要。

生産技術・プロセスエンジニア

ここがポイント

◆登録者数は微減しているが、継続して売り手市場。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年1月比で92%。前年同期比145%。
◆異業種や職種未経験の若手までターゲットを拡げ、全国各地にいる登録者を想定した選考フローの構築が大切。

生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向

生産技術・プロセスエンジニアの登録者詳細(2018年5月)

生産技術・プロセスエンジニアの登録者詳細(2018年5月)

登録者、求人とも前四半期と比較して微減しているものの、働き方の改善(残業時間、出張頻度など)を理由に転職を希望する方は多く、活動意欲が高い傾向が見られる。
企業側も自動車業界を中心に生産技術エンジニアのニーズは高く、登録数の45%を占める若年層を、育成前提で採用を検討するケースが多い。
一方でこの職種の転職希望者は業務が多忙な中での転職活動となるため、休日のセミナーや1day選考会を利用して効率よく活動を進めることを希望する方も多い。
プロセスエンジニアについては、引き続き経験者の登録が非常に少なく、地方勤務の求人が多いため採用難易度が高い傾向にある。
その為企業側は採用要件の緩和をはかり、未経験者をターゲットとするケースが増えている。

生産技術・プロセスエンジニアの求人動向

生産技術・プロセスエンジニアの求人マーケット動向(2018年5月)

生産技術・プロセスエンジニアの求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

年度末の求人増加の影響から直近比較はやや減少するも、前年比では大きく求人数が増加。
IoTやAIに関わる新製品の開発や効率化・設備自動化・省人化をテーマに新規求人数の伸びが高い職種のうちの1つである。
好調な事業環境を背景とする、生産ラインの増設や、新工場開設などにより各製造業メーカーが積極的に採用を行っている傾向がある。

生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT

登録者数も少なく有効求人倍率が高まっているため、異業界や若手未経験者を含めた幅広い層にアプローチする必要がある。電機・電子部品・半導体の各大手メーカーも異業種や未経験層を積極的に採用している傾向。特に地方での採用となる場合は、同地域の勤務地を希望してる登録者だけでは母集団が限られるため、全国各地の転職希望者にアプローチする必要がある。遠方から選考を受けることを想定し、勤務地周辺の環境の見学ツアーを選考内で実施する企業もあり、大手メーカーも休日選考会や、地方求人の首都圏選考会を積極的に行うなど、選考プロセスの強化が採用成功の大きなポイントとなっている。
優秀層のエンジニアに対しては、個人や特定個社のエンジニアに訴求するヘッドハンティングでの採用も活発に行われている。
・スキルアップの打ち出し整理や育成環境の整備を行い、異業種や未経験若手層もターゲットに含めること。
・全国各地の登録者を想定し、各地で求人の認知を高め、選考では遠方者も呼び込みやすいフローを構築すること。
・ハイスキルのエンジニアを採用する際は、ヘッドハンティングやダイレクトソーシングなど複数の採用チャネルを検討すること。

フィールドエンジニア・カスタマーサポート

ここがポイント

◆登録者数は横ばいだが、受注増に伴う増員採用が活発で売り手市場が続く。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年1月比で114%。前年同期比136%。
◆広く母集団を形成し、選考を通して「働くイメージ(扱う製品や、就業環境、社内のサポート体制など)をもってもらうことができるか」が重要である。

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者詳細(2018年5月)

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者詳細(2018年5月)

登録者ボリュームに大きな変化は感じられない一方で、求人ニーズは増加傾向にあり、転職希望者にとっては応募先を選べる状況になってきている。
マネジメント層やベテランプレイヤーの登録も一定見られる。
また、医療業界、産業装置業界では機械・電気に加え、IT系の知識(ネットワークやクラウド、サーバー関連)を求めるケースが増えてきているが、登録者は多くなく、売り手市場となっている。

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人マーケット動向(2018年5月)

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

直近の業績好調、受注好調を背景に販売後のアフターメンテナンスに対応する人員が不足していることから、カスタマーサポートの求人が増加。また、外資企業でのセールスに近しいフィールドエンジニアの求人が目立つ。

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT

働く環境を改善するために転職を希望している方が多く、最終学歴にあまり偏りが無いことも同職種の特徴である。
昨今のエンジニア求人のトレンドとして、他職種採用の求人でも若手の理系未経験の採用を進めているため、母集団形成のためには、転職回数や学歴を幅広く検討し、人柄や意欲、バックグラウンドの知識・素養を重視したポテンシャル採用も検討する必要がある。
扱う製品や就業環境、就業スタイル、社内のサポート体制などをしっかり訴求する。
多忙な方が多いため、面接の調整はできる限り応募者に合わせ、場合によっては応募意思不問の面談、選考要素を含まない(現場との)面談、意向上げを目的とした面談などの実施も効果的である。

設計職(建築・土木)

ここがポイント

◆年代問わず、登録者は増加傾向。働き方改革や新技術など新しい流れに適応した企業に応募が集中。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年1月比で108%。前年同期比126%。
◆採用基準を緩和し、採用対象を広げていくことで母集団形成を図り、転職希望者に合わせた選考スケジュール調整が重要。

設計職(建築・土木)の登録者動向

設計職(建築・土木)の登録者詳細(2018年5月)

設計職(建築・土木)の登録者詳細(2018年5月)

・年度末にやや減少傾向がみられたものの、新年度に入り登録者数は増加傾向。転職理由は、年収改善、設計対象物の拡大、就業環境改善によるものが多い。
・年齢や転職回数を問わず、登録者数は増加している。設計事務所やゼネコン、ディベロッパーなど在籍する業種も多様。
転職先も設計はもちろん、設計以外の職種へキャリアチェンジする事例も依然ある。
・好景気に支えられ、発注者側の求人が急増したことから、転職希望者の選択肢が多様に拡大。そのような中、建設業においても、競合他社と比較した際の強みや就業環境改善のための施策が掲載された求人に応募が集中している。
・10社以上の複数応募者が増え、採用フローの速い企業にて採用成功事例が多くみられる。新しい潮流に適応した転職希望者へのアプローチが求められる。

設計職(建築・土木)の求人動向

設計職(建築・土木)の求人マーケット動向(2018年5月)

設計職(建築・土木)の求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

新規求人、求人数全体共に伸び続けており、一時落ち着きを見せていた増加率が再び高まってきている。
設計事務所やゼネコンなど、業態問わずに人手不足の状態であり、企業の採用意欲も高く、求人数は高位安定している。

設計職(建築・土木)の採用成功POINT

・設計対象物の変更を希望する転職希望者が多く、経験が多少異なっていたり、資格未取得者も採用対象とする求人も増えてきている。
採用基準を緩和して採用対象者を増やしていくことが重要なポイントである。
・施工管理や積算など、同業界で別職種を経験した方が未経験で設計職へのチャレンジを希望するケースも多く、未経験でも関連資格取得者は採用対象としていくことも有効である。
・年収条件の改善、生活の安定を希望する方も多く、会社の制度や今後の伸び幅など、選考を通じて具体的に訴求できるポイントを整理して転職希望者に伝えることも有効である。
・非常に多忙で、面接の時間を確保することができない方も多いため、転職希望者の事情に合わせて選考回数を減らすなど、柔軟に調整していくことも重要なポイントになる。

施工管理(建築・土木)

ここがポイント

◆就業環境改善を求める声が大多数。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年1月比で108%。前年同期比145%
◆採転職希望者に合わせた選考スケジュール調整が重要であり、選考を通じて就業環境や条件を訴求できるかがポイントになる。

施工管理(建築・土木)の登録者動向

施工管理(建築・土木)の登録者詳細(2018年5月)

施工管理(建築・土木)の登録者詳細(2018年5月)

設計職同様、繁忙期を過ぎたことから、用途・構造物によらず登録者数が増加している。年齢層は幅広い。
転職理由は多岐にわたり、就業環境改善、人間関係、施工対象物の拡大、年収拡大などがメイン。
「働き方改革」に伴い、会社による環境・制度整備の進み具合に大きく差が出ており、転職希望者側からも就業環境改善に関する動きがあるかといった質問の声が多々みられる。そのため、施工管理者の業務低減のため、ICT機器の活用や事務作業の効率化・アウトソース化を図る企業に関心が集まる傾向にある。
また、企業としてオリンピック後の事業展望を重視される方も増えており、面接において将来のあり方をイメージさせられるかどうかがカギとなる。

施工管理(建築・土木)の求人動向

施工管理(建築・土木)の求人マーケット動向(2018年5月)

施工管理(建築・土木)の求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

前四半期では新規求人がマイナスに転じていたが、新規求人、求人数全体共に再び増加し、前年同期比でも非常に高い水準となっている。
ゼネコン、サブコンなど、業態や会社規模問わずに人手不足が続いており、企業の採用意欲も高く、求人数は高位安定している。

施工管理(建築・土木)の採用成功POINT

・建設現場で勤務しており、平日日中は面接時間を確保することができない方が多いため、転職希望者の事情に合わせて平日夜間や土日祝での面接の実施、選考回数を減らす、現職勤務地近くで面接を実施するなど、転職希望者が選考を受けられるよう曜日、時間帯、場所、回数など柔軟に調整していくことが重要なポイントになる。
・転職理由として年収や就業環境の改善を希望する方が多く、年収については会社の制度や今後の伸び幅など、将来的な可能性にも言及し、就業環境面では部署の平均残業時間や休日出勤などの実態、働き方改革として取り組んでいる内容など、具体的に訴求できるポイントを整理して伝えていくことが有効である。

研究開発(化学)

ここがポイント

◆閉鎖的になりがちな研究開発環境から一歩踏み出す、情報収集としての転職活動が加速。
◆2018年2月~4月の新規求人数は2017年11月~2018年1月比で104%。前年同期比120%。
◆①募集要件を詳細に擦り合わせ、ターゲットを明確化させること②転職希望者が求める情報を可能な限り求人票へ記載すること。

研究開発(化学)の登録者動向

研究開発(化学)の登録者詳細(2018年5月)

研究開発(化学)の登録者詳細(2018年5月)

引き続き登録者数は増加傾向。特に、第二新卒を含む20代から30歳前後の若手の技術者が多い。
ポスドクなどの有期雇用の方、派遣就業中の方など、転職に対するモチベーションが高い方も見受けられるが、昨今の求人増加に伴って、差し迫って転職を考えていない方でも、閉鎖的な普段の研究環境から一歩抜け出して、自分自身のキャリアにどのような可能性があるのかを探ってみたいという、情報収集観点で転職活動を行う方も多くなってきている。
そのため、大手・上場企業に在職中の方の転職活動も珍しくなく、転職先としても研究者に拘らず未経験の職種への挑戦を検討する方が増えている。
業界として活況である自動車や半導体に関連する素材、材料、製品の研究開発経験・スキルを有する方は引き続き転職先を選べる傾向にある。

研究開発(化学)の求人動向

研究開発(化学)の求人マーケット動向(2018年5月)

研究開発(化学)の求人マーケット動向(2018年5月)

【データ概要】
▼求人マーケット動向
対象:2017年11月1日~2018年4月30日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

・業界全体として業績が好調であり、売上増に伴う増員採用を加速させる動きが強い。
・新卒採用の文化が強い業界であるが、新卒採用の苦戦により第二新卒採用へ舵を切るケースが見受けられる。
・各社が掲げる注力分野のなかでもとりわけ、「自動車領域」「ヘルスケア領域」「電池材料領域」などにおいて、求人増の傾向が強い。

研究開発(化学)の採用成功POINT

化学マーケットは分野が多岐にわたり、求める経験・能力が限定的であることが多いため、他職種と比較をし、募集要項を明確化させることが必須である。
前述通り転職意欲が高くない、志向性として慎重な登録者が多い傾向にあるため、できる限り密度の高い情報提供が求められる。
・採用部署の現場社員と転職希望者の要件をしっかりとすり合わせ、要件を言語化し、求人票へ落とし込む。
・研究開発のテーマ、研究環境、就業環境、キャリアステップ、社風など、会社HPでは確認できないようなリアルで詳細な情報を提供する。
・転職意欲が高くない方も多いため、見極める選考だけではなく、面談形式の情報提供ができるような場を作ることも大切。

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