企画・マーケティング部門
企画・マーケティング部門中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当職種:マーケティング・広報職、企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)
マーケット概況
2024年5月~7月における企画・マーケティング部門の登録者数は、前期(2024年2月~4月)対比で105%と増加した。特に、年度の変わり目や賞与のタイミングでキャリアアップや新しい職場環境を求める求職者が多かったため、今期は増加の傾向が見られた。一方、求人数も2024年2月~4月対比で102%の微増となり、各社の採用意欲は引き続き高いことが伺えた。
なお、多くの企業がDX化や内部統制・ガバナンス強化を進める中で、専門知識やスキルを持つ人材の採用を重視しており、キャリアのあるベテラン層を即戦力として採用する事例も増えている。
求職者の間では「現職ではキャリアアップが叶わない」「ワークライフバランスを改善したい」となどといった理由で転職を検討しており、リモートワークやフレックスタイム制などといったフレキシブルな働き方を希望している。こうした希望を受けて、社内制度や環境を整える企業も多く、採用活動ではより柔軟な対応が求められそうだ。
採用成功のポイント
ポイントは「採用要件適正化」「スピード」「意向醸成」
採用活動に苦戦している企業の多くは、採用マーケットと求めている人材要件に大きなズレを生じさせていることがある。例えば、各社の採用予定のある部門から上がってくる採用要件では、任せたい業務内容に対してオーバースペックな要求をしているケースなどだ。そこで募集時には現場と適切に採用要件をすり合わせ、採用マーケットを考慮した要件で進めていくことが採用成功のポイントとなる。
また、企画・マーケティング部門というカテゴリでは、営業職や技術職と比べて対象となる母集団が小さく、継続的に求職者から応募がある状態にはないため、初回の母集団形成の中で内定に至らない場合は、採用活動が長期化することもしばしばだ。
さらに、求人も採用枠が少ないケースが多く、求職者側は複数社へ併願している場合も多い。そこで他社との差別化や自社求人の魅力訴求が重要となり、面接通過者には都度、評価ポイントをフィードバックすることや事業・職務の魅力を伝えること、入社後に想定されるギャップを事前に埋めていくことなどが有効となる。
総じて、当該領域の採用に成功している企業に共通するポイントは以下の3つである。
(1)募集を行うタイミングで、現場と適切な要件定義をする
(2)募集後の初回の母集団形成で、内定・入社まで進める「短期集中型」の選考を進める(Web面接の導入、書類選考の早期回収、選考回数の削減など)
(3)選考からオファー提示に至るまで、常に求職者の希望に沿う情報を提供する
加えて、Web面接を導入することにより、転職希望者の面接場所への移動コストが軽減され、面接が受けやすくなるため、選考期間は従来と比べて短くするほうが採用成功につながりやすくなるだろう。
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マーケティング・広報職
- 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比106%と増加
- 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で99%と横ばい
- 訴求ポイントは、「働き方の柔軟性」「選択肢の多さ」「豊富なキャリアパス」をいかに打ち出せるか
マーケティング・広報職の登録者動向
対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた転職希望者
- 職種
- 「Webマーケティング」の登録者層が最も多く全体の27%を占めており、次いで「その他マーケティング・商品企画・広告宣伝」が17%、「広報」「販売促進・PR」がそれぞれ16%と続いている。
ただし最も登録の多い「Webマーケティング」は、その業務内容が多岐にわたり、施策(EC、広告、コンテンツ、CRM、分析ツールなど)、裁量(任せる業務範囲・予算)など、同じ職種であっても求められるスキル・経験が千差万別である。 - 志向性
- 会社や所属する組織の将来への不安、事業縮小、異動による待遇変更(在宅勤務の撤廃など)などにより転職を決断するケースが多い。一方で、「自分の価値観に合った職業や働き方を選択したい」「市場価値を上げたい」「好きな事・興味のある事を活躍したい業界で発揮したい」という希望も見られる。
ミドル層の登録者は、親との同居や介護などを視野に入れる方、最後の転職としてよりよい会社を探したいという方も増えている。一方若手層は、場所や一つの会社に捉われない働き方を重視している傾向である。
転職希望者の興味・関心事は、「自分が挑戦したいことへの希望がかなうかどうか」のほか、コロナ過以降オフィス出社が増えてきている背景から在宅勤務(フレックス含む)のある会社を求めていたり、副業制度が整っている会社を調べていたりなどしている。特に近年では、働き方やライフスタイルに関する相談も増えてきている。
マーケティング・広報職の求人動向
対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
前期(2024年2月~4月)までは減少傾向にあった求人数は7月から増加へ転じているが、半年単位で見ると求人数は落ち込む傾向となっている。しかし、企業が採用充足に向けて注力するなど同業界内の転職市場は活況化しているので、市場規模全体では大きな変動はなく堅調に推移している模様だ。
また近年、直接消費者とやりとりをするD2C(Direct to Consumer)の広がりやSNSを活用したデジタルマーケティングの積極活用から、自社サイトにおけるWebマーケティング、データ分析経験者などデジタル人材の求人ニーズは増加傾向にある。
日本のコンシューマー市場は今後、働き方や生活スタイルなど個人の志向性に合わせて、サービスや商品、マーケット・手法などを創造することが求められており、時代や事業の変化に対して柔軟に対応できる人材へのニーズがますます高まっていくと考えられている。その影響もあり、ポテンシャル人材の採用は鈍化しており、若年層などの支援などには一定数の課題があると見られている。
マーケティング・広報職の採用成功POINT
求職者側のニーズとして、リモートワークや時差出勤、フレックスタイム制度など、柔軟な働き方や多様な価値観をいかに受け入れてくれるかどうかが会社選びのポイントとなり、それが他社との差別化となるため、採用活動において注力しない手はない。
また、豊富なキャリアパスやスキルアップに対する支援制度なども企業選びの重要項目と言える。経験者採用、ポテンシャル採用については以下がポイントとなるだろう。
【経験者採用】
経験者は依然引く手あまたで、応募に関しても企業のブランド力や処遇、ポストをドライに見比べる傾向が強い。さらに獲得競争が厳しくなっている中、給与などの待遇面や働き方(在宅勤務・フレックス制)をシビアに見ている転職希望者も増えている。そのため会社が採用候補者に対して期待すること、どれくらい裁量を持てるかどうかの情報開示や実際の仕事内容、中長期のキャリアパスなど、求職者の目を引くような魅力を打ち出せるかどうかが重要だ。経験者だからこそ、さらなるスキルアップを目指し、ノウハウや強みを持っている企業への入社意欲も高いのである。
企業のスタンス、方針(何を社会に還元したいかなど)への共感も大切な要素であり、1次面接の段階から具体的な情報提供を行い、入社の動機付けをすることが何より大事である。
【ポテンシャル採用】
ポテンシャル採用における企業の熱度は高いとは言えない。コロナ過で採用活動を積極的に行った企業は現在、スキルや経験を考慮した採用活動にシフトしているからだ。
そこで重視すべきポイントがいくつかある。まずは就業に必要な最低限の素養(数値に強い、折衝能力が高いなど)を定義すること。あるいはモデルケース(中途入社者の活躍)を求人票もしくは面接の中で訴求して、求職者に入社後のイメージを持ってもらうこと、である。
面接実施の際は、入社後のフォローアップ体制や人材育成にも力を入れていること、その背景なども併せて伝え、他社との差別化を図ることも重要だ。
同領域の登録者は、自分のスキルや経験が採用条件にマッチしているのかどうか不安に感じているため、面接内外で採用候補者に対する期待値や評価点をフィードバックし、入社意向の醸成を試みることも有効である。
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企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)
- 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比で106%と増加
- 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で102%と微増
- 経営ビジョンや事業戦略を達成するために必要な人材の要件を明確化。面接実施後のFBは必須、評価ポイントなど伝え求職者とのコミュニケーションを図る
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の登録者動向
対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた転職希望者
- 職種
- 職種別登録者を見ると、「商品企画・サービス企画」が36%、次いで「事業企画・新規事業開発」が27%、「経営企画」が19%、「営業企画」が18%という割合となった。しかし企画職の中でも「DX推進」「M&A」「SDGs」「サステナビリティ推進」などの業務経験者は希少である。
- 志向性
- スキルや年齢層などによって異なるため大きく一括りにできないが、現職の業務にやりがいを感じているものの、他社や他の環境を経験したい、チャレンジしてみたいという希望を持っているため、異業界を志向する方が近年増えている印象である。
また、ポジションによっては経営層に近い立場にいるため、会社の業績や時世にあった事業・サービスを展開しているかといった将来性などに関心を持つ方も多いため、不安などからから、転職エージェントを利用する転職希望者も増えている。
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の求人動向
対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
コロナ禍以降、多くの企業が新規事業展開を加速させる中、企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の採用ニーズが急速に高まっており企画職については採用ニーズが衰えていない。今後も、ビジネスの旗振り役である企画職の採用ニーズは高まる傾向にある。
企業の中途採用にかける熱度は、ECやSaaSを中心としたインターネットサービス、製造業などの分野で高い状態にある。特にSaaS型ビジネスが活況となっているため「カスタマーサクセス」や「BtoBマーケティング」などの要素を求める求人は増加傾向である。
DX(デジタル)を推進する人材、例えば解析ツールを活用するデータ分析スキルを求める求人や、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)などの業務プロセスを改善するポジションへのニーズは活発だ。しかし近年は、自動車業界や金融業界、生命保険業界などといった基幹事業などに携わっていた経験を求めているのではなく、新事業や新しいサービス展開などに携わっていた経験やスキルを重視し、新しい風を吹き込んだり、変革を推進できたりする人材を求める傾向が強い。そのため異業界出身でも活かせる経験やスキルがあれば積極的に採用したいと考える企業も少なくない。
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の採用成功POINT
転職希望者は、「キャリアアップ」「事業・サービスに共感できるか」を重視する傾向にある。そのため求人票などでは、具体的な業務内容(何を任せたいのかなど)や事業・サービスの理解度を高められるような情報を盛り込むことが大切である。
求人によっては「企画として戦略策定に携わるポジション」「プロダクトやサービスを作っていくポジション」などと細分化されており、求人に落とし込むのであれば、自社の企画職とはどのような仕事なのか、そこにどんなスキルや経験が必要なのか、といった要件定義を分解して情報を精査する必要があるだろう。
また、面接においても求職者の入社意向の醸成や動機付けは何よりも重要なポイントだ。採用候補者によっては、複数社で合格を獲得している方も珍しくはなく、条件面以外にも「このポジションにチャレンジする意義」「自社に就業するとどのようなメリットややりがいを得られるのか」といった感情面にも訴えられるアプローチも大きく効果がある。求職者のキャリア観、志向性と企業のビジョン・カルチャーがマッチしているかという点も企業選びの決め手となっており、ここで他社との差別化ができるかどうかが採用成功のポイントとなりそうだ。
入社意向を高める手法としては、面接での評価制度や評価向上のポイントを伝えるほか、社内の様子や雰囲気(同年代社員の様子、上長が誰なのか、など)を見せるなどするのも良い。さらに、経営陣や事業責任者が自ら事業の展望を語り、面接で感じた採用候補者の印象などを伝えるなどすると、さらに成功への確度は高まっていくだろう。
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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。
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企画・マーケティング部門の中途採用市場レポート(2024年8月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス