モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2024年8月発行)

2024年8月発行
職種別マーケットレポート

モノづくりエンジニア

モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。

機械設計

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比105%と増加傾向
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で106%と増加
  • 基本的なキャリアパスを踏まえ、適切な求人要件(ターゲット・年収)を設定する

機械設計の登録者動向

登録者詳細
機械設計の登録者動向(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

登録者数は24年5月に約1,100人まで増加し、6月と7月については約960人程度で推移した。5月からの増加要因については、このように推察されている。転職希望者は期末や期初の忙しい時期を抜け、転職活動に使える時間を捻出できるようになった。加えて、夏季賞与支給のタイミングで退職、そして新しい職場に移行したいと考える方が多く、当該の月に転職活動をスタートさせるために登録者が増加した。ただし、これは例年通りの動きと見られ、今年も同様のトレンドであると言ってよい。
最終学歴別で見ると、大学院卒と大学卒を合わせて65%となっており、転職回数別で見ると、0回~1回の方が74%と多くを占めている。学卒・大学院卒であり、転職活動自体が初めてという転職希望者が目立っている印象だ。
これらから見えてくる転職希望者の志向性としては、自分の将来のキャリアや会得したいスキル、さらには会社の将来性、働き方などを重視して、さまざまな企業の求人を見ている方が多く、早期の転職を希望する層とは別に「現状は情報収集のみ」という方も一定のボリュームがある。

機械設計の求人動向

求人マーケット動向
機械設計の求人マーケット動向(2024年5月)

対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

求人数は前期(2024年2月~4月)比で増加傾向となった。求人の内容を見ると、育成を前提とした第二新卒向け求人や、生産体制の強化を目的とした中堅層をターゲットとする求人なども多いようだ。さらに、市場分析から企画立案など、製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位で業務が分解・細分化された求人など、近年は求人の多様化が生まれている。
各社では、採用充足に向けて母集団形成を目的とする採用ターゲットの見直しや、面接確約型のアプローチにシフトするといった手法改善、早期の人材獲得を目的とした選考プロセスの見直しなどを図る動きが見られており、採用活動に積極的な企業が増えている。

機械設計の採用成功POINT

機械設計職は下流(設計サポートや図面作成)から上流(企画・開発など)を目指すのが基本的なキャリアパスとなる。そのためステップアップできるような環境や募集要件を整え、求職者にとって転職メリットが出るような打ち出しを行うことも重要だ。
機械設計職の領域は、今後も求人数の増加が見込まれているため、市況に合わせた適切なターゲット設定や要件定義ができるか、そのターゲットに対して魅力的な情報を持って訴求できるかどうかが明暗を分ける。そこで他社求人と差別化を図るために、下記ポイントが重要になる。

  • どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価など)を任せるのか、誰に対して転職メリットがあるのかを明確化する。
  • 採用背景を鑑み、市況と照らし合わせながら求めるスキルや年収などの条件を適正化する。
  • 採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など、転職希望者に対する必要な情報をしっかりと求人票へ落とし込んでいく。
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回路設計

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比で102%とやや増加傾向
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で100%と横ばい
  • 市場価値の高い転職潜在層に対して多角的な採用手法で接点を多く持つ

回路設計の登録者動向

登録者詳細
回路設計の登録者動向(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

直近の動向は、前期間から登録者数が乱高下することもなく堅調に推移し、やや増加の動きとなった。
登録者の転職回数、最終学歴については前3カ月期と比べて構成に大きな変化はないが、大学院卒の比率がほかのエンジニア関連職と比較すると、やや高い傾向にあるのが特徴となる。
採用要件を定める際は、求めるスキルや経験を基準にしつつも、人材確保のために幅広く要件を持つことが有効な選択となるだろう。

回路設計の求人動向

求人マーケット動向
回路設計の求人マーケット動向(2024年5月)

対象: 2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

回路設計職は、2024年2月~4月対比で100%と横ばいの推移となった。同職種の採用の難易度は、依然として高く採用に苦戦する企業も少なくない。
採用活動をする各社の動きを見てみると、新卒採用では人材が充足せず、中途採用枠として第二新卒を加えるケースも増えている。また最近では50代以上の経験者を採用するケースや、異業種・異業界出身者を含め幅広い業務経験や経験年数を有した層を採用ターゲットに設定して、母集団形成や採用を成功させるケースも増えてきている。
求人の種類としては、半導体デバイスメーカーでは半導体、5G向けのスマートフォン部品、高周波部品などの設計、完成車・自動車部品メーカーではEV(電動車(EV:Electric Vehicle)の総称)のECU(Electronic Control Unit)などに携わる内容の求人が増加している。ほかにも異業界から人材獲得を図る電機メーカーも多く、そうした要件を満たす求人も顕在化している。

回路設計の採用成功POINT

  • アナログ回路設計は、経験を重ねたエンジニアの登録が多いため、大手メーカーを始めミドル・シニア人材の採用を展開する企業も多い。その際には幅広い業務経験や経験年数を採用要件に加えることが肝要だ。
  • 即戦力層の登録者割合が低いため、比較的登録が多い26歳~30歳の年齢層へ向けて「若手を育てる研修の仕組み」や「環境・風土」などの訴求でアピールする。
  • 会社の安定性や将来性を重視する転職希望者に対しては、取り扱い製品だけではなく、事業戦略や企業の成長性について伝える工夫をする。
  • 異業界からの人材獲得を図っていく上では、「具体的にどういった経験がどのように活かせるか」までを言語化して、それを求人票に落とし込んでいく。
  • 求職者自身が自分の市場価値の高さを理解しており、情報収集段階のいわゆる転職潜在層が多いため、ダイレクト・ソーシングをはじめ、アルムナイ採用やタレントプール関連のシステム導入など、多角的な採用手法で多くの接点を持つようにする。
  • 選考要素を伴わないカジュアル面談や応募意思不問のセミナーなどの開催も効果的なので実践してみる。
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組み込み・制御設計

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年月2月~4月対比で113%と大幅増加
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で104%と増加傾向
  • 母集団形成のための採用設計を考え、採用手法を多様化し、選考フローを工夫する

組み込み・制御設計の登録者動向

登録者詳細
組み込み・制御設計の登録者動向(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

3カ月毎の登録者数推移では、前期比(2024年2月~4月)で113%と増加した。全体を通して安定的に増加しているが、特に5月の登録者が他の月と比較して大幅に増加。これが底上げの要因と考えられる。
組み込み・制御設計職の転職マーケットは、開発プロジェクトの切れ間や人事異動、そして人事査定などのタイミングで登録者が増加する傾向にあり、今年もこれまでと同様の傾向を示している。また、転職希望者はすぐに応募へと進まず、まずは情報収集から始める慎重な方が多いため、いかにスムーズかつスピーディに応募や面接まで進んでもらうか、あるいは書類選考期間の短縮や面接調整などのフローを簡略化できるかが採用成功の鍵となっている。
なお、登録者の属性を見ると、転職回数1回未満が74%、最終学歴別では大学卒と大学院卒で71%を占める割合となっている。この割合は、機械設計や回路設計などの開発系職種と大きく差は見られないが、組み込み・制御設計職の求人においては、入社後のミッションや就業イメージ、キャリアステップなどの情報提供を細やかに行っていく事で、意向醸成がしやすくなるという特徴がある。

組み込み・制御設計の求人動向

求人マーケット動向
組み込み・制御設計の求人マーケット動向(2024年5月)

対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

組み込み・制御設計職は、求人数が増加傾向にあり、採用難易度が高い職種の1つとなっている。
特に、EVの普及により、自動車業界と電子部品業界の採用ニーズが高まっているため、業務経験が豊富な人材を求める求人が顕在化している。しかし一方で、採用活動で苦戦する企業も増えており、若手(第二新卒層)もしくはシニア層(50代以上)をターゲットとした採用に切り替えるケースも見られるようになった。
今後も、自動車業界を筆頭に「CASE」や「MaaS」といったトレンドの浸透が進み、業界を問わず採用ターゲットが重複し、同職の獲得競争は激化するものと予想されている。

組み込み・制御設計の採用成功POINT

組み込み・制御設計職は、採用ターゲットによって母集団形成で苦戦しやすく、人材紹介をはじめ転職フェア、求人広告、ダイレクト・ソーシング、オンラインイベントなど、複数の採用手法を活用しアプローチ先を広げていくことが肝要だ。
また、応募者の転職理由(比較的多いものは「先進的な技術開発に携わりたい」「将来性ある環境で働きたい」など)に合わせて、採用・事業の競合他社を意識した訴求を行う必要がある。
加えて、組み込み系の転職希望者は、(転職活動の)就業率の低さが目立つ。そのためデータベース内の転職潜在層へのアプローチを行っていくべきなので、以下のポイントを意識したい。

  • 中堅層以外(40代半ば以上)のベテラン層の採用や、学歴不問の若手ポテンシャル採用を積極的に行う。
  • 転職希望者に興味を持たせる情報発信を求人票など複数のチャネルで行っていく。(例:事業の展望や期待するミッション、自社のどんな技術に先進性があるのか、など)
  • 選考期間や面接回数をできる限り短縮し、選考途中の辞退を防ぐなど、選考フローを工夫する。(例:応募者に応じて土曜日面接を実施する、など)
  • ダイレクト・ソーシングや応募意思不問のカジュアル説明会(選考という場ではなく、自社の業務内容を伝える場を設ける)などで転職潜在層にアプローチする。
獲得競争が激化している組み込み・制御設計職の採用には、
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品質管理(品質保証)

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~2024年4月対比で101%と微増
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で103%と増加
  • 働き方改革やDX推進などの訴求により採用成功につなげる事例が増加

品質管理(品質保証)の登録者動向

登録者詳細
品質管理(品質保証)の登録者動向(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

登録者数は、直近24年2月以降増加傾向にあったが、6月で減少に転じており、ほとんどのエンジニア職種が7月に減少傾向となる中、品質管理(品質保証)については微増となった。
転職回数別で見ると、転職回数0回の割合が46%と約半数を占めている。他職種と比べると割合は低く、かつ減少傾向にあるものの、依然として転職に慣れていない方が大半を占めている状態にある。
また、経験している業務内容を見ると、20~30代は測定器を用いた検査をメイン業務としていた方が多く、QMS(品質管理システム)構築や内部監査、ISO関連などの経験がある方は希少である。
転職理由は、「人員不足による業務過多」「業界や企業への将来性不安」「より上流業務にチャレンジして市場価値を高めたい」といった内容が比較的多いようだ。
また一方で、「クレーム対応から離れたい」といった声も少なくないことから、「異業界・異職種にチャレンジしてスキルアップしたい」という希望や、対外的な折衝が発生しない品質管理業務などを望む転職希望者も一定数存在する。

品質管理(品質保証)の求人動向

求人マーケット動向
品質管理(品質保証)の求人マーケット動向(2024年5月)

対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

求人数は年間を通して緩やかな上昇傾向にあり、24年7月の求人数は直近6カ月間で最も多い数値となった。特に増加傾向があるエリアは関東圏内であり、全体の7割程度を占めている。その内、東京都、神奈川県が最も増加しており、全体で2割程度となっている。
募集ポジションについては経営方針によるコンプライアンス意識、品質意識の高まりもあり、リスクマネジメントやISO、内部監査、SQEなど本社勤務の品質管理部門(室)でのポジションが増加傾向である。そのため、即戦力への求人ニーズが高まっており、比較的ミドル層の求人倍率が上昇傾向にある。

品質管理(品質保証)の採用成功POINT

募集にあたり、各人のミッションや、扱う商材群、業務範囲、組織構成や働き方、キャリアパスなどを明確化し、他社との差別化を図ることはもちろん、当該企業における「品質」の考え方や重要度、期待すること、任せたい仕事のミッションを記載すれば母集団形成などに効果が表れるだろう。
特に採用成功している求人は、募集する組織の体制が整っており、さまざまな課題に対してフレキシブルに対応できるフォロー(働き方・環境)が手堅いという傾向がある。また、DX推進について言及している求人についても、「工場の見える化」「突発性の不良発生時に対する体制の盤石化」「属人性からの脱却」といった組織課題に対して懸念点を払しょくするような情報を明示しているものは反響が良く、それが採用成功につながっている。

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生産技術・プロセスエンジニア

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比100%と横ばい推移
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で101%とほぼ横ばい
  • 採用要件を詳細に定め、会社の目指すビジョンと採用背景やミッションを訴求する

生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向

登録者詳細
生産技術・プロセスエンジニアの登録者詳細(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

登録者数は、2023年の年末にかけて減少傾向にあったものの、2024年1月から上昇し、その後増加を続けながら今期は横ばい推移で落ち着いた。
登録者の最終学歴の内訳としては、大学卒・大学院卒の合計が51%となっている一方で、高等学校卒は34%と、他職種と比べると比較的大きなウエイトを占めている。
登録者の属性を見ると、新卒からモノづくりの現場を経験し、その後生産技術としての知識や技術を身に付けた人材が一定数登録しており、いわゆる即戦力となり得る経験者層が多い。
転職理由としては、「現職の業績が悪く、設備投資がなされないので、積極的に設備投資ができる企業へ転職したい」「勤務地を変えたい」といったものが多いが、「出張の頻度が多くワークライフバランスが整わない」という具合にライフスタイルに言及した声も上がってきている。

生産技術・プロセスエンジニアの求人動向

求人マーケット動向
生産技術・プロセスエンジニアの求人マーケット動向(2024年5月)

対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

求人数は全体的に微増傾向で推移をしている。その背景として、グローバル市場における競争力強化に向けた製造ラインの再編を目指す企業や、自動化、IoT活用などを計画する企業などの動きが活発化していることが挙げられる。併せて、カーボンニュートラルやリサイクル事業の促進によるプロセスエンジニアのポジションも増加傾向にある。一方で、新型コロナ禍以降は採用活動を強化する企業が増えており、特にプライム上場企業においては、採用枠を減らして即戦力となり得る人材のみにスポットを当てた採用活動を行うケースも出てきている。
しかし、依然として登録者数と求人数の乖離が激しいポジションであること、特に各社の求める人材は限られることから、採用難易度は高めである。採用活動は、経験やスキルのある人材の採用が難しいため、ポテンシャル採用(バックグラウンドでの採用)で若手層を獲得することも視野に入れるべきである。そこで本当に必要なスキルを抽出した上で再度求めるターゲット像を設定することも重要となる。

生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT

求人数が増えている中でも、登録者の増加が少ないことから1求人あたりの応募者数は減少傾向にある。そのため競合他社との差別化に加え、採用プロセスの見直しなども検討したほうが良いだろう。
求人の魅力付けのポイントは、採用背景やミッションを明確化した上で、どのような経験を積むことができるのか、あるいはどのようなスキルやキャリアパスを得ることができるのかなどを明言することである。
また、ポジションによっては、自動化やIoT化がミッションとなっており、生産技術・プロセス開発に加えてシステム開発の知識を求める求人も増えている。しかし、双方のスキルや経験を持つ人材は非常に少ないため、有効な例として、一つのポジションであったものをスキル・経験軸と業務内容で分けて2種類の求人にすることなどが考えられる。そうすることで求める人材の獲得難易度がぐっと下がるはずである。

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フィールドエンジニア・カスタマーサポート

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比で103%と増加傾向
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で113%と大幅増加
  • 実務経験以外の評価ポイントを記載し応募要件を緩和するなど求人内容の見直しを行う

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向

登録者詳細
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者詳細(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

登録者数は2024年2月よりほぼ横ばいで推移していたが、2024年5月に上昇し、その後横ばいの動きを見せた。
登録者の転職回数別では、0回が42%、1回が19%、2回が15%となっているが、4回以上も15%となっており転職回数の多い方の登録も目立っている。また、最終学歴の内訳を見ると、大学卒が37%、専修・各種学校が15%、高等学校卒が31%となっており、大学卒が変わらず比較的大きなウエイトを占めている。
同職種の転職理由としては、「出張や緊急対応が多く精神的・体力的につらい」「友人や知人・家族との時間が取れない」など、年齢を問わず働き方に関する改善の要望や、「自社の取り扱う製品・サービスに先行きを感じられない」など、将来性に対して不安視する声などが挙がっている。
そのため求人に求める希望も、働き方や職場環境の改善、付加価値の高い製品に携わりスキルアップを望みたいといった声が比較的多い傾向にある。

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向

求人マーケット動向
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人マーケット動向(2024年5月)

対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

求人数については、大手製造業の設備投資の拡大や増額、それに伴う機器類のメンテナンスといったアフターマーケットのニーズの高まりを受けるかたちで増加傾向にあり、この傾向はしばらく続くものと見られている。
同ポジションは、登録者数と求人数のギャップが大きいマーケットであるため、フィールドエンジニア領域での経験者を求める求人や、取り扱い製品や業界の親和性を要する求人、海外拠点向けの英語力を必要とする求人などでは、採用活動に苦戦することが予想される。しかし採用成功につなげている企業を見ると、「ポテンシャル採用」「業界経験不問」「第二新卒歓迎」といった条件緩和を実施してアプローチ、人材獲得につなげているようだ。

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT

フィールドエンジニア・カスタマーサポートは、求人倍率が高い状態が続いており、多くの企業が採用ターゲットの見直しを進めている。
各企業は、フィールドエンジニアやカスタマーサポートの経験がない転職希望者に対して、「機械系の学部・学科卒可」や「特定の工具や機器を使用したことがあること」「製造オペレーターの経験」など、実務経験以外の評価ポイントを記載し、応募要件を緩和するケースもある。
同ポジションは最も幅広い層からの登録があることから、採用ターゲットの見直しに際しては「最終学歴」、「転職回数」などの選考基準を変更することで、より多くの採用機会に恵まれるだろう。
また、他社求人に対して差別化するならば、働き方(休日について、出張範囲・頻度・期間、残業時間、休日出勤の有無・頻度など)や育成制度に関する情報を魅力付けして訴求すると良い。

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研究開発(化学)

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比で101%と微増傾向
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で101%とやや増加
  • 即戦力採用だけではなく育成(ポテンシャル)採用も積極的に検討する

研究開発(化学)の登録者動向

登録者詳細
研究開発(化学)の登録者詳細(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

登録者の最終学歴別内訳は、大学院卒が47%、大学卒が28%と、この両者でその大半を占めている。また、転職回数別内訳を見ると、転職0回の登録者が64%を占めており、初めて転職される方が多いことが分かる。そうした方は、求人に即応募するよりもじっくりと情報収集などを行っているようだ。
転職希望者の志向性を見ると、会社の待遇(評価基準)や、自身が活躍できる環境かどうかに関心を寄せており、これらの情報をしっかりと見極めてから応募する傾向が強い。
その背景としては、昨今、事業の選択と集中、制度改革などを行っている企業が多く、登録者の転職理由としても「ビジネス環境の変化などから在籍事業領域や部署に注力・投資されない」「自分のキャリアプランと異なるポジションへの打診をされる」「新分野への研究開発投資に消極的である」などといった声が聞かれるようになったことが一因のようである。

研究開発(化学)の求人動向

求人マーケット動向
研究開発(化学)の求人マーケット動向(2024年5月)

対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

求人数は1年間にわたって緩やかに推移しているが、やや増加傾向にある。今年度の求人の特色としては、特定の領域の知見を持つエンジニアや、自社には在籍していないノウハウ・スキルを持つエンジニアなど、即戦力として活躍してもらいたい人材の採用へとシフトする動きが、企業規模問わず見られている。
各社が求める経験やスキルを持った人材は、条件やニーズが競合と似通ってしまうため、自社に合った人材に入社してもらうには、業務内容や条件面など、いかに差別化して求人の魅力をアプローチできるかが大きなポイントとなる。求人での訴求点を洗い出し、さらに尖らせる必要があるだろう。
また、7月~9月にかけては、新卒採用枠(25年卒)で採用できなかった理系学生の枠を、第二新卒という形で採用する動きも見られている。その際、求人の内容も、研究開発の実務経験不問、学生時代のバックグラウンドや人柄を中心とした採用がトレンドとなっており、売り手市場の中でいかに求職者のポテンシャルを評価するか、が採用成功のポイントとなっている。

研究開発(化学)の採用成功POINT

即戦力として活躍してもらう人材に対して各社のアプローチが集中するという動きは、年間を通じて続いていく見通しだ。また、採用活動をスタートさせてから時間が経過した求人については、採用背景や条件を踏まえ、設定している採用ターゲットが適切かどうか、今一度エージェントを交えて振り返りをすべきである。転職マーケットに登録している最新の求職者数や新卒採用の状況把握、自社の教育体制や社内環境などを棚卸ししながら、育成枠での採用が検討できるのであればスムーズな採用成功も見込めるであろう。
特に第二新卒層は、入社先の決め手や転職条件、希望などを、転職活動を行いながら徐々に固めていくという傾向にあり、書類選考から1次面接の時点では、やりたい事や志望動機などがやや抽象的であることが少なくない。そのため自社への入社意向を高めてもらうためにも、面接や選考過程が非常に大事になる。選考後には、採用候補者に対する期待値を伝える、あるいは配属予定部門の担当者と対話の機会を作るなど、選考過程の中での意向醸成に向けた工夫も必要である。

転職市場に合った要件定義、選考段階での詳細な情報提供、選考スケジュールの調整など… 各採用過程で、候補者心理を踏まえた対応が必要に。
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設計職(建築・土木)

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比で102%と微増
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比で110%と増加
  • 就業環境改善など転職希望者のニーズに応える求人を展開する

設計職(建築・土木)の登録者動向

登録者詳細
設計職(建築・土木)の登録者詳細(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

登録者数は24年5月に増加するも、3カ月期のスパンで見るとほぼ横ばいの推移を見せている。転職回数別では、0回が47%と約半数の方が初めて転職活動を行っていることが伺える。一方で4回以上の方も15%と少なくはない状態であり、複数社を転職・経験している方も一定数いることがわかる。
登録者の転職理由としては、「働き方の改善」「担当案件の幅を広げたい」などがよく挙げられる。外国籍の方からの応募や、時短勤務、リモート勤務を希望される方なども多く、求職ニーズは多様化している。

設計職(建築・土木)の求人動向

求人マーケット動向
設計職(建築・土木)の求人マーケット動向(2024年5月)

対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

大手・中小企業に関わらず、市場では早期に業務へ合流できるような「即戦力」へのニーズが高く、求人倍率は高い状態で推移している。
また、一級建築士、監理技術者などの資格取得・保有人材の採用難易度も依然として高く、各所で苦戦が続いている。そこで人材不足を解消するために、設計補助・CADオペレーターやアウトソース企業などで、設計業務を少しでも経験したことのある人材を採用、そして育成していくという企業も増えてきている。
一方で、Webを活用して採用面接を実施する企業はいまや一般的となり、Web面接を実施していないという企業は少なくなってきた。

設計職(建築・土木)の採用成功POINT

  • 獲得競争が激しい職種のため、自社の強みは何なのか、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのかなど、細かなデータの蓄積と社内ヒアリングを実施する。これらのデータを根拠にして、求人の訴求ポイントをブラッシュアップ、そして競合との差別化を図る。
  • 残業や土日の出勤、リモートワークなどを転職理由にする希望者が多く、就業環境整備への取り組みや、休日、残業実態などの情報開示が応募意思獲得につながる。
  • 設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真など)がある求人のほうが応募につながりやすく、自社採用HPや求人メディアの活用など、多角的に情報発信できるチャネルの選択も実施していくべきである。
  • 採用難易度の高さや競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するのかなど、整理・再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はどのターゲットに魅力的に見えるのかなど、客観的な視点で捉えることが重要である。
  • 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しており、現職も多忙である方が多いため、Web面接の活用だけでなく面接の日時も大きく影響する。夜間帯(19時以降)の面接や土日の面接なども実施すると有利に採用活動を進められる。
多角的な採用手法を駆使することがポイントの設計職(建築・土木)。
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施工管理(建築・土木)

ここがポイント
  • 2024年5月~7月の登録者数は、2024年2月~4月対比で108%と増加
  • 2024年5月~7月の求人数は、2024年2月~4月対比109%と増加
  • 柔軟な面接設定や、働く環境についてアプローチポイントがあれば積極的に発信していく

施工管理(建築・土木)の登録者動向

登録者詳細
施工管理(建築・土木)の登録者詳細(2024年5月)

※対象:2024年5月~7月にdodaにご登録いただいた方

登録者数は前3カ月期(2024年2月~4月)対比で増加傾向にあるが、採用難易度は上昇気味である。
その背景としても、前期は施工管理技士試験の合格をきっかけに転職を決意された方や、賞与を支給された、あるいは年度の変わり目のタイミングで転職活動を行うなど、登録から応募までスピーディに進むケースが多かったが、しかし今期(2024年5月~7月)は、新卒入社の方のミスマッチング(施工管理職のイメージとのギャップなど)や、1年前後の早期離職者などの登録者が多く、自身の市場価値や選考を受けた企業からの評価など、転職活動において苦戦するケースが増えたことが要因である。
登録者の転職理由としては、「働き方改善」が多く挙がっていることが特徴であり、一部の求職者からは、「残業を100時間以上している」という声も聞かれるため、このニーズが強いことが伺える。また、50代の方、外国籍の方、リモート勤務を希望される方など、求職ニーズと登録者の属性は多様化している模様である。

施工管理(建築・土木)の求人動向

求人マーケット動向
施工管理(建築・土木)の求人マーケット動向(2024年5月)

対象:2024年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

全技術系職種の中でも求人数が最も多い職種の一つで、採用難易度は依然として高い状態である。
未経験者採用はコロナ禍以前と比較しても減少傾向で、経験やスキルなどを持った即戦力中心の採用が増えている。
また、経験者採用における競争がより激しくなっているため、長期にわたり採用ができていない場合は、募集要項の資格要件や必須条件などといった求人内容の「条件緩和」を検討する必要がある。

施工管理(建築・土木)の採用成功POINT

  • 法改正に伴う「働き方改革」への注目度も高く、就業時間や休日・休暇などでアピールポイントがあるなら具体的な数字や事例を出して求人などで発信していく。
  • 全エンジニア系職種の中でも求人数が多いため、自社の求人が目に留まりやすいようアプローチを工夫する。例えば、自社の強みは何か、働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど、どの点を転職希望者に訴求していくのかを言語化していくことで差別化につながる。
  • 母集団形成のための「攻めの採用姿勢」を見せることがポイント。人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルやサービスを活用し、積極的にアプローチする体制を整える。
  • 「面接は選考の場」という固まった概念に捉われず、「面接は応募者の意向醸成の場」であるという意識を持つ。面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用できるよう環境と準備を整えていくことが求められる。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過している場合がほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な面接日程調整も、状況に応じて実施したほうが良い。
  • 経験者採用の場合、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい。資格取得者をターゲットとした採用はどの企業も行っているため、即戦力性と市況感を考慮した条件設定にすることにより、効果的な採用が見込めるだろう。
  • 未経験者採用の場合、工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのポータブルスキルや、建築・電気などの知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで、入社から配属までのオンボーディングがスムーズに進む。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報を、選考の段階から訴求することが有効だ。
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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。

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モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2024年8月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス

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