モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年11月~2024年1月対比95%と減少
- 2024年2月~4月の求人数は、2023年11月~2024年1月対比で121%と大幅増加
- 基本的なキャリアパスを踏まえ、適切な求人要件(ターゲット・年収)を設定する
機械設計の登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、2024年1月と比較すると全ての月で減少しており、3カ月連続で1,000名を割る結果となった。これは、「期末・期初と重なり、納期にも追われて忙しい」といった求職者が繁忙期から抜け出せない期間(タイミング)であったことが伺える。
登録者の最終学歴別で見ると、大学院卒と大学卒で67%となっており、かつ転職回数別で見ると、0回~1回の方が72%と多くを占めている。学卒・大学院卒であり、転職活動自体が初めてという転職希望者が目立っている印象だ。
自分の将来のキャリアや会得したいスキル、さらには会社の将来性、働き方などを重視して、さまざまな企業の求人を見ている転職希望者が多いため、転職には慎重な姿勢を見せる方も多く、早期の転職を希望する層とは別に「現状は情報収集のみ」という層も一定のボリュームがある。
機械設計の求人動向
対象:2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人の推移は月ごとの増減はあるものの、年度末の3月に最も多く求人増加が見られた。
内訳を見ると、育成を前提とした第二新卒向け求人や、生産体制の強化を目的とした即戦力人材となる中堅層をターゲットとした求人なども多いようだ。さらに、市場分析から企画立案など、製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位で業務が分解・細分化された求人など、近年は求人の多様化が生まれている。
各企業では、採用充足に向けて母集団形成を目的とする採用ターゲットの見直しや、面接確約型のアプローチにシフトするといった手法改善、早期の人材獲得を目的とした選考プロセスの見直しなどを図る動きが見られており、採用活動に積極的な企業が増えている。
機械設計の採用成功POINT
機械設計職は下流(設計サポートや図面作成)から上流(企画・開発など)を目指すのが基本的なキャリアパスのため、ステップアップできるような環境や募集要件を整え、求職者にとって転職メリットの出るような打ち出しを行うことも重要だ。
機械設計職の領域は、今後も求人数の増加が見込まれているため、市況に合わせた適切なターゲット設定や要件定義ができるか、そのターゲットに対して魅力的な情報をもって訴求ができるかどうかが明暗を分ける。そこで他社求人と差別化を図るために、下記ポイントが重要になる。
- どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価など)を任せるのか、誰に対して転職メリットがあるのかを明確化する。
- 採用背景を鑑み、市況と照らし合わせながら求めるスキルや年収などの条件を適正化する。
- 転職希望者に対する必要な情報(採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など)を求人票へしっかり落とし込んでいく。
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回路設計
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年11月~20204年1月対比で99%とほぼ横ばい
- 2024年2月~4月の求人数は、2023年11月~2024年1月対比で123%と大幅に増加
- 市場価値の高い転職潜在層に対して多角的な採用手法で接点を多く持つ
回路設計の登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
直近の動向は、前期間から登録者数は乱高下することもなく堅調に推移し、ほぼ横ばいの動きとなった。
登録者の転職回数、最終学歴については前3カ月期と比べて構成に大きな変化はないが、大学院卒の比率がほかのエンジニア関連職と比較するとやや高い傾向にあるのが特徴となる。
採用要件を定める際は、求めるスキルや経験を基準にしつつも、人材確保のために幅広く要件を持つことが有効な選択となるだろう。
回路設計の求人動向
対象: 2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
回路設計職は、2023年11月~2024年1月対比で123%と大幅に増加。依然として採用の難易度が高い職種の一つとなっている。
採用予定各社の動きを見てみると、新卒採用では人材が充足せず、中途採用枠として第二新卒を加える事例も増えており、直近では50代以上の経験者を採用するケースや、異業種・異業界出身者を含め幅広い業務経験や経験年数を有した層を採用ターゲットに設定して、母集団形成や採用を成功させるケースも増えてきている。
半導体デバイスメーカーでは半導体、5G向けのスマートフォン部品、高周波部品設計、あるいは完成車・自動車部品メーカーではEV(電動車(EV:Electric Vehicle)の総称)のECU(Electronic Control Unit)などを対象とした求人が増加中。ほかにも異業界から人材獲得を図る電機メーカーも多く、そうした要件を満たす求人も顕在化している。
回路設計の採用成功POINT
- アナログ回路設計は、40~50代に経験のあるエンジニアの登録が多いため、大手メーカーを始め50代の採用をスタートさせる企業も増えてきている。そのため幅広い業務経験や経験年数を採用要件に加えることが肝要である。
- 即戦力層の登録割合が低いため、比較的登録が多い26歳~30歳の年齢層へ向けて「若手を育てる研修の仕組み」や「環境・風土」などの訴求でアピールする。
- 会社の安定性や将来性を気にする転職希望者も少なくないため、取り扱い製品だけではなく、事業戦略や企業の成長性について伝える工夫をする。
- 異業界からの人材獲得を図っていく上では、「具体的にどういった経験がどのように活かせるか」までを言語化して、それを求人票に落とし込んでいく。
- 求職者が自身の市場価値の高さを理解しており、情報収集段階のいわゆる転職潜在層が多いため、ダイレクトリクルーティングなどのほか、アルムナイ採用やタレントプール関連のシステム導入など、多角的な採用手法で接点を多く持つ。
- 選考要素を伴わないカジュアル面談や応募意思不問のセミナーなどの開催も検討して実施する。
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組み込み・制御設計
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年月11月~2024年1月対比で97%と減少傾向
- 2024年2月~4月の求人数は、2023年11月~2024年1月対比で120%と大幅に増加
- 母集団形成のための採用設計を考え、採用手法を多様化し、選考フローを工夫する
組み込み・制御設計の登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
3カ月毎の登録者数推移では、前期比(2023年11月~24年1月)で97%と減少した。また月単位で見ると増減の幅には大きな差があり、例えば2023年12月から2024年1月にかけては先月比で143%の増加、さらに3月と4月では先月比128%の増加となっている。
同ポジションは、開発プロジェクトの切れ間や人事異動、そして人事査定などのタイミングで、登録者が増加する傾向があるため、まずは情報収集を求める求職者にいかにスムーズかつスピーディに応募や面接まで進んでもらうか、あるいは書類選考期間の短縮や面接調整などのフローを簡略化できるかが採用成功の鍵となっている。
なお、登録者の属性を見ると、転職回数1回未満が72%。最終学歴別では、大学卒と大学院卒で70%を占める割合となっている。この割合は、機械設計や回路設計などの開発系職種と大きく差は見られないが、入社後の就業イメージやキャリアステップなどにおいて求人の情報提供が容易であるという観点から、意向醸成がしやすいという特徴がある。
組み込み・制御設計の求人動向
対象:2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
同職種は依然として求人数が増加し続けており、採用難易度が高い職種の1つとなっている。
特に、EV化に伴い、自動車業界と電子部品業界の採用ニーズが高まっているため、業務経験が豊富な即戦力人材を求める求人が顕在化している。しかし採用活動で苦戦したことを契機に、若手(第二新卒層)もしくはシニア層(50代以上)をターゲットとした採用に切り替える事例もしばしば見られる。
今後も、自動車業界を筆頭に「CASE」や「MaaS」といったトレンドの浸透が進み、業界を問わず採用ターゲットが重複し、同職種の獲得競争は激化するものと見られている。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
同職種は採用ターゲットによって母集団形成に苦戦しやすく、人材紹介をはじめ転職フェア・求人広告・ダイレクトスカウト・オンラインイベントなど、複数の採用手法を活用しアプローチ先を広げたい。
また、応募者の転職理由(比較的多いものは「先進的な技術開発に携わりたい」「将来性ある環境で働きたい」など)に合わせて、採用・事業の競合他社を意識した訴求を行う必要がある。
加えて、組み込み系の転職希望者は、(転職活動の)就業率の低さが目立つ。そのためデータベース内の転職潜在層へのアプローチもぜひ行っていくべきなので、以下のポイントを意識したい。
- 中堅層以外(40代半ば以上)のベテラン層の採用や、学歴不問の若手ポテンシャル採用を積極的に行う。
- 事業の展望や期待するミッション、先端分野に関われるといった職務内容に興味を持たせるような情報を発信する。
- 選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の辞退を防ぐなど、選考フローを工夫する。(例:応募者に応じて土曜日面接を実施するなど)
- ダイレクトリクルーティングや応募意思不問のカジュアル説明会などで転職潜在層にアプローチする。
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品質管理(品質保証)
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年11月~2024年1月対比で95%とやや減少
- 2024年2月~4月の求人数は、2023年11月~1月対比で110%と増加
- 働き方改革やDX推進などの訴求により採用成功につなげる事例が増加
品質管理(品質保証)の登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
直近23年9月から12月にかけては登録者数が減少傾向にあったが、24年1月からは増加に転じた。ただしこの動向に関しては、全エンジニア職種と共通した傾向として見られている。
転職回数別で見ると、転職回数0回の割合が47%と約半数を占めている。他職種と比べると割合は低いものの、転職慣れしていない方が大半を占めている。
また、経験している業務内容を見ると、20~30代は測定器を用いた検査をメイン業務としていた方が多く、QMS(品質管理システム)構築や内部監査、ISO関連などの経験がある方は希少である。
転職理由は、「人員不足による業務過多」「業界や企業への将来性不安」「より上流業務にチャレンジして市場価値を高めたい」といった内容が比較的多いようだ。
また一方で、「クレーム対応から離れたい」といった声も少なくないことから、「異業界・異職種にチャレンジしてスキルアップしたい」という希望や、対外的な折衝が発生しない品質管理業務などを望む転職希望者も一定数存在する。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は年間を通して緩やかな上昇傾向にあり、24年4月の求人数は直近6カ月間で最も多い数値となった。特に増加傾向があるエリアは関東圏内であり、全体の68%を占めている。その内東京、神奈川が最も増加しており、全体比で東京9.5%、神奈川7.7%と東京と神奈川のみ17.2%となっている。
募集ポジションについては経営方針によるコンプライアンス意識、品質意識の高まりもあり、リスクマネジメントやISO、内部監査、SQEなど本社勤務の品質管理部門(室)でのポジションが増加傾向である。そのため、即戦力採用の求人ボリュームが厚くなっており、30才~40才の求人倍率が高まっている。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
募集にあたり、各人のミッションや、扱う商材群、業務範囲、組織構成や働き方、キャリアパスなどを明確化し、他社との差別化を図ることはもちろん、即戦力層であれば、当該企業における「品質」の考え方や重要度、期待すること、任せたい仕事のミッションを記載する必要がある。
特に採用成功している求人は、募集する組織の体制が整っており、さまざまな課題に対してフレキシブルに対応できるフォロー(働き方・環境)が手堅いという傾向がある。また、DX推進について言及している求人についても、「工場の見える化」「突発性の不良発生時に対する体制の盤石化」「属人性からの脱却」といった組織課題に対して懸念点を払しょくするような情報を明示しているものは反響が良く、それが採用成功につながっている。
求人票の作成において悩むことの多い品質管理。
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生産技術・プロセスエンジニア
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年11月~2024年1月対比103%と増加傾向
- 2024年2月~2024年4月の求人数は、2023年11月~2024年1月対比110%と増加
- 採用要件を詳細に定め、会社の目指すビジョンと採用背景やミッションを訴求する
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、2023年の年末にかけて減少傾向にあったものの、2024年1月に上昇、その後増加傾向に転じた。
登録者の最終学歴の内訳としては、大学卒・大学院卒の合計が52%となっている一方で、高等学校卒は33%と、他職種と比べると比較的大きなウエイトを占めている。
登録者の属性を見ると、新卒からモノづくりの現場を経験し、その後生産技術としての知識や技術を身に付けた人材が一定数登録しており、いわゆる即戦力となり得る経験者層が少なくない。転職理由としては、「勤務地を変えたい」「新しい技術に挑戦できる環境に身を置きたい」といったものが多いが、「出張の頻度が多くワークライフバランスが整わない」という具合にライフスタイルに言及した声も上がってきている。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は全体的に上昇傾向で推移をしている。その背景として、グローバル市場における競争力強化に向けた製造ラインの再編を目指す企業や、自動化、IoT活用などを計画する企業などの動きが活発化していることが挙げられる。特に、機電系メーカーや化学メーカーなどが採用活動を活発化しているのは上記の理由からである。
また、設備導入や設備設計経験者の採用が活況であることもポイントだ。併せてカーボンニュートラルやリサイクル事業の促進によるプロセスエンジニアのポジションも増加傾向にある。しかし、依然として登録者数と求人数の乖離が激しいポジションのため、採用難易度は高めである。
採用活動は、経験やスキルのある即戦力人材の採用が難しいため、ポテンシャル採用(バックグラウンドでの採用)で若手層を獲得することも視野に入れるべきである。そこで本当に必要なスキルを抽出した上で再度求めるターゲット像を設定することも採用成功につながるだろう。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
求人数が増えている中でも登録者の増加が少ないことから、1求人あたりの登録者数は減少傾向にある。そのため競合他社との差別化に加え、採用プロセスの見直しも検討したほうが良いだろう。
求人の魅力付けのポイントは、採用背景やミッションを明確化した上で、どのような経験を積むことができるのか、あるいはどのようなスキルやキャリアパスを得ることができるのかなどを明言することである。
また、ポジションによっては、自動化やIoT化がミッションとなっており、生産技術・プロセス開発に加えてシステム開発の知識を求める求人も増えている。しかし、双方のスキルや経験を持つ人材は非常に少ないため、有効な例として、一つのポジションであったものをスキル・経験軸と業務内容で分けて2種類の求人にすることなどが考えられる。そうすることで求める人材の獲得難易度がぐっと下がるはずだ。
業界専任で業界の採用市場に詳しい担当者に相談できるのは
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フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年11月~2024年1月対比で95%と減少傾向
- 2024年2月~4月の求人数は、2023年11月~2024年1月対比で119%と大幅に増加
- 実務経験以外の評価ポイントを記載し応募要件を緩和するなど求人内容の見直しを行う
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は2024年1月より減少しており、前期対比(2023年11月~2024年1月)では95%と減少した。
登録者の転職回数別では、0回が37%、1回が22%、2回が16%となっている。また最終学歴の内訳を見ると、大学卒が39%、専修・各種学校が15%、高等学校卒が29%となっており、大学卒が比較的大きなウエイトを占めている。
同職種の転職理由としては「出張や緊急対応が多く精神的・体力的につらい」「友人や知人・家族との時間が取れない」など、年齢を問わず働き方に関する改善の要望や、「自社の取り扱う製品・サービスに先行きを感じられない」など、将来性に対して不安視や不満の声などが挙がっている。
そのため求人に求める希望も、働き方や職場環境の改善、付加価値の高い製品に携わりスキルアップを望みたいといった声が比較的多い傾向にある。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数については、大手製造業の設備投資の拡大や増額、それに伴う機器類のメンテナンスといったアフターマーケットのニーズの高まりを受け増加傾向にあり、この傾向は今後も続く見通しである。
同ポジションは、登録者数と求人数のギャップが大きいマーケットであるため、フィールドエンジニア職の経験者を求める求人や、取り扱い製品や業界の親和性を要する求人、海外拠点向けの英語力を必要とする求人などでは、採用活動において苦戦することが予想される。しかし採用成功につなげている企業を見ると、「ポテンシャル採用」「業界経験不問」「第二新卒歓迎」といったアプローチを全面に出して、人材獲得につなげているようだ。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
フィールドエンジニア・カスタマーサポートは、求人倍率が高い状態が続いており、多くの企業が採用ターゲットの見直しを進めている。
各企業は、フィールドエンジニアやカスタマーサポートの経験がない転職希望者に対して、「機械系の学部・学科卒可」や「特定の工具や機器を使用したことがあること」「製造オペレーターの経験」など、実務経験以外の評価ポイントを記載し、応募要件を緩和しているケースもある。
同ポジションは最も幅広い層からの登録があることから、採用ターゲットの見直しに際しては「最終学歴」、「転職回数」などの選考基準を変更することで、より多くの採用機会に恵まれるだろう。
また、他社求人に対して差別化するならば、働き方(休日について、出張範囲・頻度・期間、残業時間、休日出勤の有無・頻度など)や育成制度に関する情報を魅力付けして訴求すると良い。
採用のプロが、どんな層を狙ってどんな魅力を打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。
研究開発(化学)
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年11月~2024年1月対比で95%とやや減少
- 2024年2月~4月の求人数は、2023年11月~2024年1月対比で106%と増加
- 職務範囲を明確化して、転職希望者の求める情報を余すことなく開示する
研究開発(化学)の登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者の内訳は、最終学歴に関しては大学院卒が49%、大学卒が27%とこの両者でその大半を占めている。また、転職回数を見ると転職0回の登録者が65%を占めており、初めて転職される方が多いことが分かる。そうした方々は、求人に即応募するよりもまずはじっくり情報収集などを行っているようだ。
転職希望者の志向性を見ると、会社の待遇(評価基準)や、自身が活躍できる環境かどうかに関心を寄せており、これらの情報をしっかりと見極めてから応募する傾向が強い。
その背景としては、昨今、事業の選択と集中、制度改革などを行っている企業が多く、登録者の転職理由としても「ビジネス環境の変化などから在籍事業領域や部署に注力・投資されない」「自分のキャリアプランと異なるポジションへの打診をされる」「新分野への研究開発投資に消極的である」などといった声が聞かれるようになったことが一因のようである。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は過去1年間で緩やかではあるが増加傾向を続けている。24年度の採用計画もスタートしている状況の中、採用充足に向けて採用活動を加速化させる企業もそろそろ増していく頃合いである。
そのため、ライバル求人よりも早期の充足や他社と差別化を図るため、採用要件の緩和、選考スピードアップ、提示条件の見直しなど求人内容に対する積極的な工夫も必要である。
求人トレンドとしては、新領域への展開や新事業立ち上げに関して、自社の既存人材が持ち合わせていない知見やスキルを保有する「スペシャリストの募集」が顕著に増えており、時間をかけてでも知見を持った人材を採用したいというニーズが増加しているほか、異業界出身者を視野に入れた採用活動も活発化している。
研究開発(化学)の採用成功POINT
24年度がスタートし、改めて今期の採用計画を遂行するにあたり、採用部門担当者やエージェントを巻き込んで採用戦略や求人の内容などを見直してみるのも必要である。
そのため転職希望者にとって有益となりそうな情報は余すことなく開示するほか、採用背景・採用目的、また転職市場におけるライバル求人の動向なども改めて把握した上で、ターゲットの再設定、訴求内容の磨き込み、選考フローの短縮化なども有効である。
採用ターゲットを設定する際、異なる領域や異業界出身者まで対象を広げるべきであるが、そもそも異業種・異職種出身の方は転職希望先として自社や業界を認知していないケースが多いため、ダイレクトリクルーティングや採用関連媒体への露出も含めた能動的な働きかけが大事。すなわちタッチポイントを増やしていくことが肝要である。
各採用過程で、候補者心理を踏まえた対応が必要に。
doda人材紹介サービスなら、採用のプロが採用成功にむけてアドバイスします。
設計職(建築・土木)
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年11月~2024年1月対比で92%と減少
- 2024年2月~4月の求人数は、2023年11月~2024年1月対比で103%とやや増加
- 就業環境改善など転職希望者のニーズに応える求人を展開する
設計職(建築・土木)の登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は3か月期対比で減少傾向にある。2023年11月~2024年1月は、建築士試験の合格をきっかけに転職を決意された方や年度の変わり目で転職を目指す方など、登録から応募までスピーディに進む方が多かったが、2024年2月~4月は、建築士試験を終えた秋以降で転職を希望する方、まずは情報収集だけしたいという方など、登録から応募まで時間を要するケースが多い。
登録者の転職理由としては、「担当案件の幅を広げること」が多く挙がっていることが特徴だ。戸建て住宅の設計を経験されてきた方から、「共同住宅や非住宅の設計に挑戦したい」「内装設計に挑戦したい」という声もよく聞かれる。また、CAD/BIMオペレーター職を希望される方、外国籍の方、時短勤務やリモート勤務を希望される方など、求職ニーズは多様化している。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
大手・中小企業に関わらず市場では即戦力人材のニーズが高く、求人倍率が高い状態となっている。
また、一級建築士、監理技術者などの資格取得・保有人材の採用難易度も依然として高く、各所で苦戦が続いている。そこで人材不足を解消するために、設計補助・CADオペレーターやアウトソース企業などで、設計業務を少しでも経験したことのある人材を採用、そして育成していくという企業も増えてきている。
一方で、Webを活用して採用面接を実施する企業はいまや一般的となり、Web面接を実施していないという企業は少なくなってきた。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 獲得競争が激しい職種のため、自社の強みは何なのか、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのかなど、細かなデータの蓄積と社内ヒアリングを実施する。これらのデータを根拠にして、求人の訴求ポイントをブラッシュアップ、そして競合との差別化を図る。
- 残業や土日の出勤、リモートワークなどを転職理由にする希望者が多く、就業環境整備への取り組みや、休日、残業実態などの情報開示が応募意思獲得につながる。
- 設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真など)がある求人のほうが応募につながりやすく、自社採用HPや求人メディアの活用など、多角的に情報発信できるチャネルの選択も 実施していくべきである。
- 採用難易度の高さや競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するのか、など整理・再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はどのターゲットに魅力的に見えるのかなど、客観的な視点で捉えることが重要である。
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しており、現職も多忙である方が多いため、Web面接の活用だけでなく面接の日時も大きく影響する。夜間帯(19時以降)の面接や土日の面接なども実施すると有利に採用活動を進められる。
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施工管理(建築・土木)
- 2024年2月~4月の登録者数は、2023年11月~2024年1月対比で99%とやや減少
- 2024年2月~4月の求人数は、2023年11月~2024年1月対比100%と横ばい
- 柔軟な面接設定や、働く環境についてアプローチポイントがあれば積極的に発信していく
施工管理(建築・土木)の登録者動向
※対象:2024年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、2024年1月をピークには徐々に減少していく傾向にあるが、ほか職種と比べるとその登録者数のボリュームは厚く、依然高い水準で推移していることは変わりがない。
最終学歴別の内訳を見ると、大学卒が49%と、ほかのエンジニア関連職種や研究職と比較しても高い割合を示していることが分かる。
転職理由としては、「残業時間・拘束時間が長い」「休日が取れない」など、就業環境の改善を希望する方が多い。
また、「2024年問題」に対して自分の所属する会社や組織の対応が消極的であり、その対応に不満の声が上がることも上記の転職理由を後押ししている。一方で若年層については、キャリアチェンジなど現職の業務以外を望む声が多く、こちらのニーズも一定のボリュームがある。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2023年11月~2024年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
全技術系職種の中でも求人数が最も多く、採用難易度は引き続き高い。直近3カ月の求人数は横ばいで推移したが、それでも求人数の水準は高い状態でキープしている。
未経験者の採用は、コロナ禍前と比較し減少傾向で、即戦力中心の採用が増えている。経験者採用における競争がより激しくなっているため、長期にわたり採用ができていない場合は、応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する必要がある。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 法改正に伴う「働き方改革」への注目度も高く、就業時間や休日・休暇などでアピールポイントがあるなら具体的な数字や事例を出して求人などで発信していく。
- 全エンジニア系職種の中でも求人数が多いため、自社の求人が目に留まりやすいようアプローチを工夫する。例えば、自社の強みは何か、働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど、どの点を転職希望者に訴求していくのかを言語化していくことで差別化につながる。
- 母集団形成のための「攻めの採用姿勢」を見せることがポイント。人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルやサービスを活用し、積極的にアプローチする体制を整える。
- 「面接は選考の場」という固まった概念に捉われず、「面接は応募者の意向醸成の場」であるという意識を持つ。面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用できるよう環境と準備を整えていくことが求められる。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過している場合がほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な面接日程調整も、状況に応じて実施したほうが良い。
- 経験者採用の場合、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい。資格取得者をターゲットとした採用はどの企業も行っているため、即戦力性と市況感を考慮した条件設定にすることにより、効果的な採用が見込めるだろう。
- 未経験者採用の場合、工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのポータブルスキルや、建築・電気などの知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで、入社から配属までのオンボーディングがスムーズに進む。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報を、選考の段階から訴求することが有効だ。
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モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2024年5月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス