メディカル業界
メディカル業界中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当職種:MR、医療機器営業、CRA、PV(安全性情報)、メディカルサイエンスリエゾン(MSL)、研究開発、品質管理(医薬品)、品質管理/保証(医療機器)、品質保証(医薬品)
MR
- 登録者は減少傾向、製薬会社での早期退職など影響大。41歳以上の求職者が多くを占める
- メーカー求人は相変わらず希少、しかしスポットでの採用が徐々に開始。CSO各社の採用は活況であり、未経験採用強化も各社注力
- 経験者MR採用は、転職回数不問、希望勤務地優遇など応募しやすい条件設定が必要
MRの登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
2023年7月~9月の登録者数は、2023年4月~6月対比で94%と減少。しかし、製薬会社では早期退職が増えていることから、転職活動の意欲が高い方からの登録は比較的多い模様である。
コロナ禍以降、働き方に対する考え方も変化しており、「転勤は避けたい」「リモートワーク希望」といった理由で、異業界を目指して転職活動をスタートさせる傾向が強い。
しかし、MRの給与水準は高いため、希望の条件を満たした求人や企業が見つからず、転職活動が難航するケースも多い。
また登録者の63%は転職回数0回となっており、初めて転職活動を行う中で戸惑ったり、腰が重たくて行動に移せない方もまた比較的多いのが特徴である。
MRの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年7月~9月の求人数は、4月~6月対比で115%と増加。しかし、大部分はCSOでの求人であり、メーカーではシニアMRを対象にした人員整理などが活発に行われている現状だ。CSO各社では、製薬メーカーからのアウトソース案件が活発化しており、若手からベテラン層まで幅広い年齢層で採用されるケースが目立つ。
一方、メーカーにおける求人は、新薬上市や組織改編を行う一部の大手製薬企業、人材の流動性が高いバイオベンチャーなどがあり、その内容も「新卒採用で獲得したがその後退職してしまった人材を補う形での採用」や、「突発的(スポット)に発生した採用」などを実施する程度となっており、このポジションは希少求人と言える。
MR職に携わる人口は、メーカーMRの新卒採用枠の減少や早期退職の影響もあって全体的に減少している。これまでメーカー出身のMRを採用のターゲットとはしていなかった企業も、コントラクトMRでの採用を見据えてその対象内とするケースも増えてきた。
またCNS(中枢神経系)など高度専門分野の経験者や、基幹病院を担当したことのある経験者を採用ターゲットにする企業も増えているが、こうしたケースはそもそも転職希望者の絶対数が限られているため、採用活動の長期化は避けられない。
かつては未経験MR採用枠の勤務条件には「全国転勤」が必須であったが、「初任地を考慮する」といった求人のトレンドが生まれ出ており、他業界を意識したような採用条件や求人内容にシフトしてきている。
MRの採用成功POINT
MRとして転職を希望する経験者は、希望の企業・領域・薬剤などの求人が発生したタイミングで転職活動を開始するため、転職サイトの登録目的も「まずは情報収集」の傾向が強い。
ONC(がん関連領域)やCNS領域の経験があるMRは希少なため、当該領域の経験者を採用したい場合は転職回数を不問にする、希望勤務地を優遇するなど、工夫や条件見直しが必要だ。
特に将来のリーダーとなり得る若手採用は極めて難しく、優秀層は異業界・異職種への転職も視野に入れていることから、今後の戦略やパイプラインなどを明確に打ち出していくことが大事である。
CSOの求人は、スペシャリティ領域のプロジェクトやリモート可能なプロジェクトなど、携わるプロジェクトの詳細までアピールすることがポイント。
また、MR以外の職種で携わるプロジェクトや社内異動などキャリアの幅を伝えることも重要だ。未経験採用においては、全国転勤を懸念する求職者が増えてきており、勤務地がネックとなり応募を控えてしまうことが多いからだ。早期採用のためには、初任地の選択、配慮、考慮がより一層重要になってきている。
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医療機器営業
- 2023年7月~9月の登録者数は、4月~6月対比で94%と減少。異業種転職のニーズは増加傾向
- 2023年7月~9月の求人数は、4月~6月と比較して102%と微増
- 採用競合を意識し、魅力付けと社内制度検討を行っていけるかがカギ
医療機器営業の登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
医療機器営業職を希望する方は、急いで転職先を決めるよりもじっくりと企業を吟味して長期的に転職活動を行うといった志向性を持つ。
コロナ禍以降、働き方(転勤、リモートワークなど)の改善を希望する方は増え続けており、現在の年収を維持して異業種で活躍したいという方もまた一定数いる。実際、現職の待遇(年収など)と同様の内容を提示する医療業界以外の企業も増えているため、異業種へ転身するケースも少なくない現状となっている。
医療機器営業の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
世界的な情勢不安や円安の影響が続く中、企業の採用予算や採用予定人数は絞り込まれるという傾向が続いており、全体的な採用ニーズは落ち着いている。ただ、新製品(治療機器、診断機器など)のプロモーションに関わる営業職や、CSOでの営業採用など採用ニーズは高く、積極的に人材を募集している企業もある。
採用の要件は、異業界出身の営業経験者まで広がっており、他業界との採用競合が生まれている。新卒採用が年々難しくなっていることもあり、第二新卒までターゲットを広げて採用を行うケースも増えてきた。
医療機器営業の採用成功POINT
同業界に限らず他業界にも採用競合が多く、企業によっては全国転勤のない制度や環境を構築していたり、リモートワークの整備を進めていたりなど、コロナ禍を経て働き方の多様化が進んできており、求職者の応募も集まりやすくなっている。そのため、採用においては今までの慣例や先入観を取り払って、異業界を含め採用競争力をどう上げていくかに焦点を当てていくべきである。
自社求人の魅力付けのポイントとしては、業界としての安定性はもちろん、働き方(残業、休日出勤、急な呼び出し回数など)、女性活躍(育休産休・女性営業のロールモデル)、年収の上がり幅など、求職者が気にするポイントを押さえ、面接などで伝えていくことが大切だ。
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CRA
- 2023年7月~9月の登録者数は、4月~6月対比で92%と減少。メーカーやキャリアチェンジを検討する傾向は変わらず
- メーカー・CRO共に採用ニーズは非常に高く、採用難易度も変わらず高い状態が続いている
- 応募の前段階から人事と現場の情報共有や連携がポイント
CRAの登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
CRAの未経験採用は少しずつ鈍化しており、登録者数の増加ペースも鈍化している状況だ。ただし、転職希望者の大半がメーカーや異業種への転職を志望しており、第一希望の叶わない方が、次点でCROなどを検討しているケースが多い。ただし、経験者の獲得はやや厳しいとも言える。
また、リモートワークなど柔軟な働き方を求める声は依然高く、早期に転職情報の収集を行い、適切なタイミングと希望の環境が見つかればすぐにでも応募し、転職したいと考える希望者が多い。
CRAの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
求人数は2023年4月~6月と比較して101%とほぼ横ばいとなっており、高水準が続いている。
メーカーの採用ニーズは不定期に発生しており、経験者を採用したい場合はCRO出身者や若手まで採用ターゲットを広げる場合が多い。
また、メーカーのモニタリング工程はCROに委託し、自社は上流工程での業務を主としているため、海外ベンダーとのやり取りが頻発することから採用では英語力が必須となっており、TOEIC(R)テスト で750点以上の英語力が求められている。
CROでは、バイオや希少疾患領域といった比較的難易度の高い案件が増えており、各社活発な採用活動が継続されている。また、経験者採用だけでは採用目標への到達が厳しいと判断して、未経験者採用も積極的に行っており、入社日を明確に定めて採用活動をコンスタントに行う企業が多い。
さらにCROはクライアント先であるメーカーなどから、プロジェクトで経験者のアサインを求められるケースも多く、経験者の採用は引き続き活発に行われている状況だ。
CRAの採用成功POINT
製薬メーカーやCROでの経験者採用の難易度は高い状態が続いている。競合各社はリクルーター機能の整備強化と多様な採用手法(ダイレクトリクルーティング、リファラルなど)を活用し、経験者CRAへアプローチしている。
経験者は複数社から合格をもらうケースが多いため、給与・グレードなどの情報だけではなく、具体的な入社後の活躍イメージや採用側の熱意や期待感を伝えるなど、オファー面談だけではなく、カジュアル面談・説明会など前段階からの意向醸成を目指して工夫を凝らすことが大事だ。
未経験採用の場合、看護師、薬剤師、臨床検査技師、MR以外のターゲットに目を向けると、応募獲得がしやすくなる。転職意欲がまだ低い潜在層に対しては、選考要素を除いたイベントや、面談での接点、広告出稿などを用いる中期的な採用活動を行うことが重要とされている。
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PV(安全性情報)
- 2023年7月~9月の登録者数は、4月~6月対比で83%と減少
- メーカーとCROで採用要件に差があり、業務の切り分けが顕著
- 経験者採用の難易度は高く、未経験者採用まで枠を広げることも必要
PV(安全性情報)の登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
今期は前3カ月と比べて登録者数が減少となった。年齢層の内訳としては、41歳以上の経験豊富な登録者が35%も占めており、比較的シニア・ミドル層の獲得がしやすいとも言える。
CRO在籍者は、「業務量の多さに伴う残業時間への懸念」を転職理由に挙げる方が多い印象である。
また、派遣でのPV経験者の登録も多く、正社員を目指したいというニーズも一定数見受けられた。
PV(安全性情報)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年7月~9月の求人数は、4月~6月対比で86%と減少。メーカーとCROともに、経験者採用の基準細分化・厳格化が進んでおり、メーカーはオペレーティブな業務をCROへ委託しているため、同ポジションでは安全監視や安全管理、プロジェクトマネジメントの経験があり、かつ英語力がある人材を求めている。
CROは、経験者の数が限られているマーケットのため、PV経験1年以上と間口を広げて採用している企業も多い。経験者採用が中心ではあるものの、採用枠の充足が難しく、未経験者採用を積極的に行う企業もあり、その際は語学力と理系バックグラウンドを持つ方をやや重視している傾向にある。
一方で、スタッフクラスの採用強化とともに、管理・マネジメントサイドの人員不足も発生しており、並行して「リーダー・管理職人材の確保が喫緊の課題」というケースも見られる。
PV(安全性情報)の採用成功POINT
PV経験を1~2年積んだ方や、派遣でPV入力をしていた方などが準経験者として活動するケースが多いため、即戦力となる経験者採用の難易度は高い。
準経験者の採用要件として、語学力や、利用していたシステム如何で稼働プロジェクトとの合致が求められることもあり、採用側は早期の立ち上がりを期待していることがわかる。
また、転職理由としては「年収」「キャリアパス」の観点から転職を希望する方も多いため、臨床開発全体でどのようなキャリアパスが築けるかや、年収の上り幅も含めた情報提供や訴求が重要となってくる。
未経験者採用は、「医療系の有資格者×TOEIC(R)テスト700点以上の英語力×大学卒業もしくは理系修士卒以上」がターゲットとなることが多い。
メーカーがプロジェクト管理や安全性管理を求める場合、CROでプロジェクトリーダー経験がある方までターゲットを広げていくことが肝要だ。
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メディカルサイエンスリエゾン(MSL)
- 経験者の登録は希少だが、同ポジションを志す登録者は増加傾向に
- Ph.D.取得者かつ特定疾患領域の知識保持者のニーズは継続。経験者採用が中心
- 転職希望者がMSLに求めることを明確にして、親和性のある求人にブラッシュアップする
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
2023年7月~9月の登録者数は、4月~6月対比で104%と微増した。
MSLは、他部門(MR、臨床開発、研究など)でキャリアを構築した後にMSLへ異動したといったキャリアパスを持つ方が多く、年齢層で言えば、30代後半~50歳までがボリュームゾーンとなる。
また異職種からの転職も目立つポジションで、市場ニーズの高まりを敏感に察知して、MRや臨床開発、研究などといった職種からMSLを目指す傾向にあるようだ。
同分野は、企業によって与えられる役割が異なるケースも多く、役割やポジションを慎重に検討して転職する方が多い。そのため長期的なキャリア形成を前提に、情報収集やカウンセリングを「まずは希望する」といった行動をとる方が大半である。
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年7月~9月の求人数は、4月~6月対比で125%と増加した。しかし、求人内容のほとんどはCSOでの未経験採用であり、医療系専門職(アカデミア、薬剤師、看護師、MR、CRA)と英語力が求められる。ただしメーカーでは引き続き経験者採用のニーズが高く、同じ領域の経験を求める傾向は続いている。
しかしながら採用が難航するケースも多いため、Ph.D(Doctor of Philosophy/博士号相当)保持かつ特定疾患領域の科学的な知見や、臨床への理解を有する方を採用ターゲットとして、門戸を開いているケースも多い。
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の採用成功POINT
経験者からの応募は希少性が高いため、求人を出す時点で期待している役割や仕事・企業の魅力を伝えることが重要。また、近年MSLの役割は多様化しており、企業によって業務内容が異なるため、業務範囲や各ステークホルダーなど細かい情報まで求人票に落とし込む必要がある。
提携している転職エージェントなどがいれば、それを伝えることも大事だ。なぜならば、転職エージェント向け説明会の実施から、応募獲得に至るケースも多いからだ。MSLはMRと違い会社業績や成果への反映が見え難いため、期待する能力より評価の基準・キャリアの築き方を明確化させることが求職者を惹きつける。
一方、未経験者採用においては、採用ターゲットを求める役割(KOL/Key Opinion Leaderからの情報収集なのか、KOLへの情報提供なのかなど)によって、研究領域が合致するアカデミア、臨床開発職、MRなどいった中から定義すると良い。
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研究開発
- 登録者数は微減。特定技術派遣で研究補助をしているエキスパートは増加傾向
- バイオ・抗体医薬経験などスキルフルな転職希望者の獲得競争は続く
- 求人の魅力付けを再定義。研究経験者の興味をどこまで引けるかが重要
研究開発の登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
2023年7月~9月の登録者数は、4月~6月対比で98%と微減した。
また、製薬企業で就業している研究者の登録は少ないが、バイオベンチャーの研究者は製薬企業所属の登録者と比べると比較的増えている傾向にある。
特定技術派遣での研究補助職をメインとされている方は、製薬企業の研究職へのステップアップを希望する傾向が強い。
研究開発の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年7月~9月の求人数は、4月~6月対比で112%と増加傾向であり、製薬企業やバイオベンチャーなど継続的に募集している企業は多い。
求人数の増加は、バイオベンチャーによる人員確保、特定技術派遣や創薬研究のアウトソース化により、受託企業の案件増加が要因と見られている。そして、注力領域である抗体医薬品や再生医療関連など、ニューモダリティと言われている経験者がまだ少ない領域での採用が多いようだ。
稀少価値の高いスキルを保有している転職希望者には、複数の企業からオファーが届く傾向にある。
特にmRNA(メッセンジャーRNA)などのニューモダリティでは、経験者への採用ニーズが非常に高い。製薬メーカーはCMC(Chemistry, Manufacturing and Control)に関連する求人が豊富だが、ONC(オンコロジー/がん関連領域)など領域を限定する求人が多数を占める一方で、バイオベンチャーなどは基礎研究に関する求人が多い傾向にある。
研究開発の採用成功POINT
大手メーカーであれば、研究領域の経験者の興味を引くポイントが多くあるが、バイオベンチャーなどは魅力付けのポイントに苦労するケースが往々にして見られている。
将来的に現在の研究(業務)がどのような価値を発揮していけるかなどを訴求し、その上で競合にも負けない待遇などを条件提示することで活路を見出していけると思われる。
また、登録者は20代~30代前半が多くいことが特徴なので、育成前提で採用枠を見直せばポテンシャル人材などを含めて獲得できる確率は高まるはずだ。
転職市場には、化学系企業がバイオ医薬・再生医療領域などに参入しているため、今後医薬品業界外での競合が増えてくると予測されている。そのため市場の動向を的確に捉えた採用活動が求められる。
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品質管理(医薬品)
- 2023年7月~9月の登録者数は、4月~6月対比83%と減少
- 医薬品業界の品質意識の高まりにより各社の採用への意欲は高い
- 現場と採用ターゲットをすり合わせ、U・Iターン希望者のニーズも取りこぼさない
品質管理(医薬品)の登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
登録者の転職理由の大半は、働き方の改善やワークライフバランスの充実、本社QA(品質管理)職への希望などだ。
また、品質管理経験者の登録内訳は、特定技術派遣出身や社会人経験年数が短い方も多く、待遇や雇用形態、働き方の改善を求めている。
若手層の中には就職活動時には希望の企業へ就職できず、転職を機に再び同じ企業へ応募する求職者も多く、そのため大手企業へ転職を希望、あるいは応募が集まりやすい傾向にある。
品質管理(医薬品)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年7月~9月の求人数は、4月~6月対比で79%と減少。しかし、近年の医薬品業界の品質問題により、行政から求められる対応事項が増えている背景もあり、臨床検査薬や健康食品など、年医薬品に限らずさまざまな業界で品質管理ポジションの採用意欲は高くなっている傾向にある。
また、グローバル企業では英語力およびバイオが必須要件に含まれるため、工場が立地する地方採用となると、採用が難航するケースが多く、求める経験を緩和する、あるいは英語力を緩和するなど何らかの工夫は必要となるだろう。
最近ではメーカーのみならずCMOやバイオベンチャー、受託分析などの求人もあり、ポジションもメンバークラスから管理職クラスなど幅広く、売り手市場の状態がしばらく続いている。
品質管理(医薬品)の採用成功POINT
多くの企業の現場で業務がひっ迫していることもあり、採用活動では書類選考などに時間が掛かる傾向にある。
また、人員補強が最優先となった場合、医薬品経験は採用要件から外れ、食品・化粧品・化学品などの業界経験者にターゲットが広がっていくような求人もある。例えば、分析担当者を採用したい場合では、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)経験者と分析方法が合致していれば採用に至ることもあるので、こうしたターゲットや条件の見直しも必要である。
各地方に工場や研究所を抱える企業も多いため、募集は中長期的に行っていきたい。例えば、ポジションサーチなど常に求人を開いておくことで、U・Iターン希望者が現れた際にそのニーズを取りこぼすことが少なくなる。それには業界の細やかな動向や情報収集を常に行っておくことが大切であるだろう。
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品質管理/保証(医療機器)
- 2023年7月~9月の登録者数は、4月~6月対比124 %と増加
- 内資・外資問わず英語力が必要に。求人数は全体的に増加傾向へ
- ポテンシャル人材の検討とともに、経験者採用は中長期的に募集・獲得していく
品質管理/保証(医療機器)の登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
同職種は、医薬品の品質管理の登録者数と比較すると約1/2程度の規模である。その内情として、対象となるターゲットが、「現職でそのままスキルアップを望む」か、「キャリアチェンジではなく現職の社内で配置転換を希望する」といったケースがあるからだ。このような理由で登録をしない方々も一定数存在しているため、登録者自体が希少な領域となっているのである。
したがって転職希望者は、募集する企業が限定的であることを理解しているため、複数の転職エージェントに登録後、求人があり次第応募するといったケースがほとんど。専門性が高く売り手市場のため、転職回数の多い方(4回以上の方が18%)が一定数を占めている、あるいは出身企業も特定の業種や業界に偏らず、外資や日系、メーカー、商社などとさまざまであるなど、特徴的な属性を持っている。
品質管理/保証(医療機器)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年7月~9月の求人数は、4月~6月対比で104%と微増。国内メーカーは国内の対応はもちろんだが、海外の法規制対応や海外子会社とやりとりができる英語力など、グローバルで活躍できる人材を求める傾向にある。
また、外資メーカーはもともと本国とのやりとりがあるため、英語力が国内メーカーより必須となるケースが多く、担当範囲もQMS(Quality Management System/品質管理システム)やGVP(Good Vigilance Practice)など幅広い対応が求められる。
基本的には、経験者募集の求人がメインだが、登録者が多くはないため、GVPの安全管理や品質保証の分野では「英語力+理系バックグラウンド」など、未経験者も応募可能である求人も少なくない。
品質管理/保証(医療機器)の採用成功POINT
組織の状態により採用要件に検討の余地があれば、異業界の品質管理経験者、GVPにおいては「英語力+理系のバックグラウンド」を持つ経験者、あるいは医療機器営業経験者を対象にするなど、ターゲットを広げると採用成功につながる。
その場合、医療機器の品質保証という仕事の面白みや、発揮できる経験・スキルなど、面接などで詳細に伝えることで入社の意向が高まる。
経験者をターゲットにする場合は、採用活動の長期化が避けられないため、継続的な募集と応募者を逃さないよう他社に負けない選考スピードや選考フローの見直し、働き方(リモートワーク、残業時間)の訴求、そして応募者との接点を切らさないなどの工夫がポイントになってくる。
自社だけでは難しい、選考段階における意向醸成も
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品質保証(医薬品)
- 2023年7月~9月の登録者数は、4月~6月対比で86%と減少
- 英語力必須求人が多く、GMP・GQP経験者採用のニーズは依然高い
- 経験者は希少人材。ターゲットのタッチポイントを増やし継続的な募集(採用活動)を
品質保証(医薬品)の登録者動向
対象:2023年7月~9月にdodaにご登録いただいた方。
医薬品の品質保証は、品質管理などからの社内異動で経験を積み始めることが多いため、品質保証のキャリアを30代以降でスタートするケースが少なくない。
そのため登録者層の45%が41歳以上となっている。語学スキルの高い方は希少なため、転職回数が多くても複数企業から声が掛かる売り手市場の職種である。
品質保証(医薬品)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年10月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年10月~2023年9月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年7月~9月の求人数は、4月~6月対比で93%と減少傾向に。採用側企業は、GMP(Good Manufacturing Practice)やGQP省令(Good Quality Practice)関連などでの経験者を希望するケースが多く、業界未経験採用は稀。そのため応募獲得に苦戦する傾向にあるようだ。
本社にて従事するQA(品質保証)求人の場合、英語力が求められるケースが多く、スキルフルな転職希望者には複数の内定が出る傾向にある。選考スピードなど競合他社を意識した採用活動が必要となってくるだろう。
また、製薬企業のみならずバイオベンチャーにおいても求人があり、転職希望者の獲得競争は変わらず続く見込みだ。
品質保証(医薬品)の採用成功POINT
転職希望者の母数が少ないため、いつ転職活動をスタートさせるかが不明なケースが多い。こうしたターゲットを逃さないためにも多様な採用のチャネルで求職者とのタッチポイントを増やし、継続的な採用活動を行っていく必要があるだろう。
一方で、採用を急務とする場合は、採用ターゲットの見直し(経験年数・語学力)など、配属先の部署や現場を巻き込んだ採用体制構築が成功のポイント。転職希望者の興味喚起のためにも、サイトQAから本社QAへのキャリアチェンジが可能であることや、外資系の場合は本国・本社との関係性についてなど、自社の特徴を情報提供していくことが必要である。
社内で教育環境が整っている場合は、未経験採用であっても「薬剤師資格×英語力」など対象条件をしっかり設定して採用を行っている企業もあり、長期育成を視野に入れた採用も実施することが肝要である。
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メディカル業界マーケットレポート(2023年10月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス