不動産業界中途採用マーケットレポート(2023年9月発行)

2023年9月発行
業界別マーケットレポート

不動産業界

不動産業界中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人と登録者から、不動産営業職および不動産専門職についての登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。

不動産営業職

ここがポイント
  • 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比で102%と増加
  • 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比で111%と増加傾向
  • 即戦力人材や未経験人材などに対して入社意向が醸成されるような体験をつくり出す

不動産営業職の登録者動向

登録者詳細
不動産営業職の登録者詳細(2023年9月)

※対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方

2023年3月以降、登録者数は右肩上がりに推移しており、8月の新規登録者数は5月に続いて高い水準を記録した。
年齢別の登録者層を見ると、30歳以下の方が約60%を占めており、若手層の転職希望者の割合が高いことがうかがえる。
業種別では、不動産仲介営業が42%、住宅(ハウスメーカー)営業が21%と、仲介・住宅営業職全体で約6割を占めることとなった。
保有資格では、宅地建物取引士を持つ方が、全体の14%にとどまっており、不動産関連の有資格者は希少である。

不動産営業職の求人動向

求人マーケット動向
不動産営業職の求人マーケット動向(2023年9月)

対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

不動産営業職の求人数は、過去1年間右肩上がりで増加し続けており、2023年8月の求人数は、前年8月と比較すると167%増加している。積極的に採用活動を展開する企業が前年と比べ大幅に増えたと言ってよいだろう。
また、若手から中堅層の人材不足が深刻化している背景から、未経験者(ポテンシャル層)をターゲットとした求人も、採用する企業に比例して増加している現状である。

不動産営業職の採用成功POINT

まず採用の目的を整理して、転職希望者と競合他社の動向を加味した上で、適切な要件定義を行うことが重要である。
できれば、①「即戦力にアプローチ」することと、②「(これまでは採用してこなかったとしても)自社で活躍できる見込みのある未経験層へのアプローチ」という両軸で考えることが望ましい。
まず①に関しては、当該職種の経験者だからこそ気にするであろう「自社で活躍したくなる差別化された魅力」の訴求が必要だ。
また②に関しては「どんなスキルを持っている人材が活躍できるか」を見極め、その人材の志向性を鑑みた上で、自社に転職することへのメリットを打ち出していくことがポイントである。そして②については、面接時に未経験者が業務を理解して入社意向が上がるような雰囲気づくりも必要となり、例えば面接体験の向上などもポイントとなる。

自社だけでは難しい、採用市場の動向を踏まえた採用要件の定義や他社との差別化…
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不動産専門職

ここがポイント
  • 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比で99%と微減
  • 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比113%に増加
  • 訴求ポイントの明確化、柔軟な雇用形態へシフト、採用手法の選択肢を増やす、など工夫が大事

不動産専門職の登録者動向

登録者詳細
不動産専門職の登録者詳細(2023年9月)

※対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方

2023年3月以降の登録者数は、一度6月と7月で落ち込むが、8月の新規登録者数は5月に続き高い水準となっている。
不動産専門職は、41歳以上の登録者の割合が39%を占めているのも特徴だ。これらの層の相談内容も、「経験を活かせる転職」をしたいといった希望が多い。
保有資格については、宅地建物取引士が14%と最も多く、管理業務主任者が5%と続く。ただし、資格を持たず専門的な業務に従事している方の割合は多く、「資格なし」に分類される方の割合は約8割にも及んでいる。

不動産専門職の求人動向

求人マーケット動向
不動産専門職の求人マーケット動向(2023年9月)

対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

市況は、採用競合との獲得競争が厳しい状況が続いている。不動産専門職に関する求人ニーズは全体的に上傾向にあるが、6月をピークに山形のカーブを引いている。
資格取得者を採用する場合には、経験を優遇するポイントを明確にするなど、応募獲得に向けた工夫が必要だ。

不動産専門職の採用成功POINT

経験者採用や有資格者採用は獲得競争が激しいため、訴求ポイントをわかりやすくはっきりと言語化する必要がある。例えば、「働き方」「給与・待遇」「業界/会社の将来性」「社風/職場環境」「スキルアップ・教育体制」など、どの切り口で差別化するかが重要だ。
有資格者の登録者は少ないため、シニア層の雇用形態の切り替えや嘱託雇用、定年延長などで柔軟な求人形態にする企業も増えている。
採用手法も、社員による紹介採用(リファラル採用)やスカウト型のサービス、面接を確約するアプローチなど、その選択肢を広げることも必要であり、検討の余地があるだろう。
同業界・異職種の採用を行う場合は、必要要件の項目にスキル・経験を明記し、職種を変えるメリットをわかりやすく伝えることがポイント。スキルアップや働き方の変化など、仕事内容はもちろん環境面の変化をイメージできるようにすることが応募喚起につながりやすい。

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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。

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