モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 2023年2月~4月の登録者数は、2022年11月~2023年1月対比で97%と微減
- 2023年2月~4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で108%と増加傾向
- 市況感に合わせた適切な求人要件(ターゲット・年収)をいかに設定したうえで訴求できるか
機械設計の登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者の年齢層で見ると、26歳~30歳が30%と最も多く、次いで41歳以上が23%。全体的には35歳以下の割合が67%と多数を占めている。最終学歴別で見ると、大学院卒・大学卒が約7割を占める結果となっている。また、転職回数は、0回~1回の方が74%と多く、同職種は初めて転職活動をする方が多いことが見て取れる。
転職希望者は、キャリアやスキル向上を重視して企業選びを行う傾向があり、そのような環境があるかどうか転職活動を通して情報収集し、見極めの判断材料としているようだ。
機械設計の求人動向
対象:2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
22年度下期から求人の推移は増加傾向となっている。育成を前提とした若手ポテンシャル求人はもちろん、生産体制の強化を目的とした即戦力人材となる中堅層をターゲットとした求人も多い。
他にも、単なる設計職に留まらず、市場分析から企画立案など、製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位で業務が分解・細分化された求人など、求人の多様化が見られるのが特徴だ。
新年度(2023年度)の採用を開始するにあたり、母集団形成を目的とする採用ターゲットの見直しや面接確約型のアプローチといった手法改善、早期の人材獲得を目的とした選考プロセスの見直しなどを図る動きがみられており、採用活動に積極的な企業が増えているもようだ。
機械設計の採用成功POINT
機械設計職の領域は、今後も求人数の増加が見込まれているため、適切にターゲットや要件設定ができるか、その上で魅力的な訴求ができるかどうかが明暗を分ける。そこで他社求人と差別化を図るために、下記ポイントが重要になる。
- どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価など)を任せるのか、を明確化する。
- 採用背景を鑑み、市況と照らし合わせながら求めるスキルや年収などの条件を適正化する。
- 転職希望者に対する必要な情報(採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など)を求人票へ落とし込む。
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回路設計
- 2023年2月~4月の登録者数は、2022年11月~2023年1月対比で104%と微増
- 2023年2月~4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で101%とほぼ横ばい
- 常に新しいアプローチを模索し、少しでも多くの求職者への接点を増やすこと
回路設計の登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者の直近の動向は、2023年1月以降大きく減少する月はなく、一定の水準で登録者は増加傾向。前3カ月期(2022年11月~2023年1月)対比で見ると登録者は微増という結果となった。
学歴、年齢構成、転職回数なども前3カ月期と比べて大きな変化はないが、転職希望者の特徴としては、大学院卒の比率が高い傾向にある。また、年齢層としては25歳以下の若手が他職種と比較してやや少ない。
採用要件を定める際は、求めるスキルや経験を基準にしつつも、あまり年齢層に捉われないように設定するのが良いだろう。
回路設計の求人動向
対象: 2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2022年11月~2023年1月対比ではほぼ横ばいで推移しているものの、単純な求人倍率で見ると30倍を超える状況であり、依然として採用の難易度が高い職種の一つである。
また、新卒採用では人材が充足せず、中途採用枠として第二新卒を採用する企業も増えている。直近では、50代以上の経験者を採用するケースや、幅広い層を採用ターゲットに加えて採用成功するといったケースも増えてきている。特に半導体デバイスメーカーを中心に採用ニーズが高まっており、半導体、5G向けのスマートフォン部品、高周波部品設計などを対象とした求人が増加中だ。
他にも異業界から人材獲得を図る完成車メーカーや電機メーカーも多く、そうした要件を満たす求人も顕在化している状況である。
回路設計の採用成功POINT
- アナログ回路設計は、40~50代に経験のあるエンジニアの登録が多いため、大手メーカーを始め50代の採用をスタートさせた企業も増えている。そのため幅広い業務経験や経験年数を採用要件に加える。
- 即戦力層の登録割合が低いため、登録が比較的多い26歳~30歳の年齢層へ向けて「若手を育てる研修の仕組み」や「環境・風土」についてアピールする。
- 会社の安定性や将来性を気にする転職希望者も少なくないため、取り扱い製品だけではなく、事業戦略や企業の成長性について伝える工夫が必要である。
- 異業界からの人材獲得を図っていく上では、「具体的にどういった経験がどのように活かせるか」までを求人票に落とし込んでいくこと。
- 人材紹介やダイレクトリクルーティングなどのほか、アルムナイ採用やタレントプール関連のシステム導入など、多様な採用手法を活用する。
- 選考要素を伴わないカジュアル面談や応募意思不問のセミナーなどの開催も有効なので検討する。
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組み込み・制御設計
- 2023年2月~4月の登録者数は、2022年月11月~2023年1月対比で105%と増加
- 2023年2月~4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で100%と横ばい
- ターゲットの見直しと採用手法の検討、転職希望者への情報提供が差別化のカギ
組み込み・制御設計の登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
同職種は、経験者の絶対数が少ないことに加え、DXやIoTのニーズの高まりなどを受けて、異業界や異職種への転職も活発であるため、モノづくりエンジニアの中でもっとも採用が難しい職種の一つと言われている。年齢層としては30歳以下が47%、31歳~40歳が25%、41歳以上が28%となっており、若手の登録者がやや多い傾向にある。
転職回数が0~1回という方が約6割。転職自体が初めてという登録者も多いため、活動に不慣れな方や慎重に進める方などが少なくない。希少性と高い採用ニーズから、転職希望者は一度活動をし始めると、複数の企業からアプローチをされる可能性が高いため、自社の選考はスピーディに進めることが吉となるだろう。
組み込み・制御設計の求人動向
対象:2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は、前年同時期(2022年2月~4月)と比較しても132%と増加している。特に自動車業界と半導体・電子部品業界の動きが顕著である。業務経験が豊富な即戦力人材への需要が集中している状況だが、若手もしくはシニア層の採用や異業界からの採用も活発だ。特にソフトウエア、DX、IoTなどの分野では業界を問わず採用ターゲットが重複しがち。今後も各社の獲得競争はより激化していくものと見られている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響や、「CASE」「MaaS」など自動車業界を筆頭にそのトレンドや変化も激しく、組み込み系求人の市場はまだまだ厳しい状況が予想される。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
採用ターゲットによっては母集団形成に苦戦するため、人材紹介以外の手法(転職フェア、求人広告、オンラインイベントなど)の活用でアプローチ先を広げる必要がある。また、応募者の転職理由(比較的多いものは「先進的な技術開発に携わりたい」「グローバルに活躍できるフィールドがある」「企業安定性」など)に合わせて、従来以上に採用・事業の競合他社を意識した訴求を行うのがベスト。また組み込み系の転職希望者は、(転職活動の)稼働率の低さが目立つ。データベースに眠る未稼働層へのアプローチもぜひ行いたい。
そのため以下のポイントが重要となるだろう。
- 募集が集中する中堅層以外のベテランの採用や、学歴不問の若手ポテンシャル採用も積極的に行う。
- 事業の展望や期待するミッションなど、職務内容に興味を持たせるような訴求の工夫をする。
- 選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の辞退を防ぐなど採用手法を工夫する(例:応募者に応じて土曜日面接を実施するなど)
- ダイレクトリクルーティングや応募意思不問のカジュアル説明会などで未稼働層(潜在層)にアプローチする。
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品質管理(品質保証)
- 2023年2月~4月の登録者数は、2022年11月~2023年1月対比で103%と微増
- 2023年2月~4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で103%と増加
- 詳細な職務内容やミッションの訴求やターゲットの見直しを今一度実施
品質管理(品質保証)の登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者の年齢別で見ると、41歳以上の割合が30%となり、エンジニア職種の中でフィールドエンジニア・カスタマーサポートと並んで最も高い。
経験している業務内容を見ると、20~30代は測定器を用いた製品の検査業務をメインで担当した方が多く、QMS(品質管理システム)構築や内部監査、ISO関連などの経験がある方は希少である。
転職理由は、「人員不足による業務過多」「将来性への不安」「より上流の業務にチャレンジして市場価値を高めたい」といった内容が比較的多いもようだ。
また一方で、クレーム対応というマイナスをゼロにする仕事から離れたいという希望などから、「異業界・異職種にチャレンジしてスキルアップしたい」と相談される方も少なくない。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2022年4月から右肩上がりに求人数は増加しており、2023年4月は過去1年間で求人数が最も多くなっている(2023年4月の求人倍率は6.86倍)。
募集ポジションについても、コンプライアンスへの意識の高まりもあり、リスクマネジメントやISO関連の求人が増加傾向にあり、多種多様な求人ニーズが顕在化している。即戦力採用の募集が多く、40代の採用決定者も増加傾向にある。
一方で、ポテンシャル採用の動きも広がっており、業務未経験向けや第二新卒採用の求人も増えてきている状態だ。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
企業により部門の名称が異なることも多いため、まずは一般的な職種名称(品質管理/品質保証など)に合わせて求人票を作成することが求められる。その上で、各人のミッションや、業務範囲、組織構成や働き方、キャリアパスなどを明確化し、他社との差別化を図ると良い。
特に即戦力層であれば、その企業における「品質」の考え方や重要度、期待や任せたい仕事のミッションなどをアピールすることで求人の魅力化につながる。転職希望者が職種名称の違いによって応募するのをためらうことがないよう、採用したい人材に求めるスキルや経験・専門知識をわかりやすく伝えることは大事だろう。
求人票の作成において悩むことの多い品質管理。
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生産技術・プロセスエンジニア
- 2023年2月~4月の登録者数は、2022年11月~2023年1月対比で107%と増加傾向
- 2023年2月~4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で96%と微減
- 採用要件を詳細に定め、会社の目指すビジョンと採用背景やミッションを訴求する
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
月別で見ると多少の変動はあるものの登録者数は増加傾向にあり、年末に一時減少に転じたものの、2023年2月~4月は他職種と比べても高い伸長率となった。
登録者の最終学歴の内訳としては、大学卒・大学院卒の合計が58%となっている一方で、高等学校卒は27%と、他職種と比べると比較的大きなウエイトを占めている。
登録者の傾向として、高校を卒業し、製造現場におけるモノづくりを経験した後、生産技術として知識や技術を身に付けた即戦力人材の割合が一定数いる。転職理由としては、「勤務地を変えたい」「新しい技術に挑戦できる環境に身を置きたい」といったものが多いようだ。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
月によって変動はあるものの求人数は全体的に右肩上がりの増加傾向である。背景として、グローバル市場における競争力強化に向けた製造ラインの再編、自動化、IoT活用などの動きが活発化していることが挙げられるだろう。特に、機電系メーカーや化学メーカーなどが採用活動を加速させている状況にある。しかし、依然として登録者数と求人数の乖離が激しいポジションのため、採用難易度は高めである。
また設備導入や設備設計の経験者採用が活況であることもポイントだ。併せてカーボンニュートラルやリサイクル事業の促進によるプロセスエンジニアのポジションも増加傾向にある。即戦力の経験を持つ人材採用が難しいため、ポテンシャルのある若手採用(バックグラウンドでの採用)にシフトし、社内での教育を前提とする求人を展開する企業も増えている。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
求人数が増えている中でも、登録者の増加が少ないことから1求人あたりの登録者数は減少傾向にある。そのため競合他社との募集内容の差別化に加え、採用プロセスの見直しも検討したほうが良いだろう。
求人の魅力付けのポイントは、採用背景やミッションを明確化した上で、どのような経験を積むことが出来るのか、どのようなスキルやキャリアパスを得ることが出来るのかなどを開示することである。
また、ポジションによっては、自動化やIoT化がミッションとなっており、生産技術・プロセス開発に加えてシステム開発の知識を求める募集も増えている。しかし、双方のスキルや経験を持つ人材は非常に少ないため、有効な例として、一つのポジションであったものをスキル・経験軸と業務内容で分けて2種類の求人にすることである。求める人材の獲得難易度がぐっと下がるはずだ。
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フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 2023年2月~2023年4月の登録者数は2022年11月~23年1月対比100%で横ばい
- 2023年2月~4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で102%と横ばい
- 適切なターゲット設定と効果的な魅力訴求が重要
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者を年齢別で見ると、41歳以上が全体の30%と最も多く、次いで26歳~30歳が23%。転職回数は0~1回層が多く64%を占める。最終学歴は、大卒が38%と最も多く、次いで高卒が28%であった。
年齢を問わず同職種の転職理由としては「出張や緊急対応が多く精神的・体力的につらい」、「友人や知人、家族との時間が取れない」など、働き方に対するものが中心となっている。そのため、就業時間や休日・休暇に関する情報への問い合わせが多い。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
大手製造業の設備投資の増加、それに伴う設備機器のメンテナンスといったアフターマーケットのニーズの高まりを受け、月単位の変動も少なく、安定して求人数が増えている状況にある。大幅に求人数が増加した2022年度に続き、2023年度も右肩上がりに増加していく見通しだ。
採用成功につなげている求人は「ポテンシャル採用」「学歴不問」「第二新卒歓迎」といった属性の求人が多い。登録者数と求人数のギャップが大きいマーケットにおいて、フィールドエンジニア職の経験者や、取り扱い製品の親和性を要する求人、また増加傾向にある海外プラント向けの英語力を必要とする求人では採用に苦戦する傾向がある。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
求人増加ペースは鈍化したが、求人倍率は高い状態にあるのが、フィールドエンジニア・カスタマーサポート職の特徴だ。多くの企業が採用ターゲットの見直しを進めており、フィールドエンジニアやカスタマーサポートの経験がない転職希望者に対して、「機械系の学部・学科卒可」や「特定の工具や機器を使用したことがあること」「製造オペレーターの経験」など、実務経験以外の評価ポイントを記載し、応募要件を緩和しているケースもある。
最終学歴や実務経験の面で見ると、同職種は最も幅広い層からの登録があることから、「最終学歴」、「転職回数」などの選考基準を見直すことで、より多くの採用機会に恵まれるだろう。
また、他社求人に対して差別化するならば、働き方(休日について、出張範囲・頻度・期間、残業時間、休日出勤の有無・頻度など)や育成制度に関する情報を魅力付けして訴求すると良い。
選考フローについても「オンライン面接の実施」「19時以降の面接調整」といった内容を設定することで、出張や緊急対応などで業務に追われている求職者の応募喚起にもつながるはずだ。
採用のプロが、どんな層を狙ってどんな魅力を打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。
研究開発(化学)
- 2023年2月~4月の登録者数は、2022年11月~2023年1月対比で103%と微増
- 2023年2月~4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で93%の微減
- 求人情報の潤沢化、選考フローの見直しがポイント
研究開発(化学)の登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者の内訳は変わらず、30歳以下の若手層の登録者が52%を占めており、最終学歴に関しては大学院卒が50%、大学卒が28%と大きな割合となっている。全体の傾向は年間を通じて大きく変わっていない。
転職回数0回の登録者が68%を占めており、初めて転職活動される方が多く、情報収集などを慎重に行う方がほとんどである。
転職希望者の志向性は、会社の待遇(評価基準)や、活躍できる環境かどうかに関心を寄せており、これらの情報をしっかりと見極めてから応募する傾向が強い。その背景として、昨今、事業の選択と集中、制度改革などを行っている企業が多く、登録者の転職理由としても「在籍事業に注力・投資されない」「自分の仕事が不利になるような制度に変更される」「新分野への研究開発投資に消極的である」といった声が聞かれる。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
例年と比較して2023年度の各社の新規募集開始が遅れている点や、年度末のタイミングで採用ポジションが充足したことにより求人全体は減少傾向の流れだ。しかし一方で、昨年度と比較すると採用市場全体が拡大しており、同時期(2022年2月~4月)と比べた研究開発職の新規求人数は141%の増加となっている。
トレンドとしては「ヘルスケア領域」「半導体関連領域」「電池材料領域」「化学×ITのデジタルトランスフォーメーション」「カーボンニュートラル」に関する求人。大手・中堅など、会社の規模を問わず増加傾向にあり、採用市場の高まりから第二新卒層やシニア層へとターゲットを広げながら人選するケースも増加している。
研究開発(化学)の採用成功POINT
2022年度に比べて求人数は増加傾向にあるが、競合も多くなったことでこれまで通りのやり方やターゲット設定では採用成功に至っていない企業も増えている傾向だ。特に、研究開発職は、求める経験・能力が限定的であることが多いため、他職種と比較して募集要項をさらに明確化させることが必要である。
登録者は、転職に慎重な傾向があるため、採用背景や事業・部署のミッション、研究開発のテーマ、就業環境、キャリアステップ、社風などの求人情報を余すことなく開示することが応募を集めるポイントだ。
「研究開発」と一言で言っても各企業において業務の幅がかなり異なるケースが多いため、どこからどこまでが当該ポジションによる職務範囲なのか(例:量産化フェーズからは別部門が対応するのか、量産化まで対応するのか、量産化・工場の安定稼働まで対応するのか など)を明確に記載する必要がある。
一方、競合求人が多いことで選考中の辞退、最終面接合格後の辞退も予想されるため、選考フローの短縮や選考内での意向醸成が採用成功のカギとなってくるだろう。
各採用過程で、候補者心理を踏まえた対応が必要に。
doda人材紹介サービスなら、採用のプロが採用成功にむけてアドバイスします。
設計職(建築・土木)
- 2023年2月~4月の登録者は、2022年11月~2023年1月対比で98%とほぼ横ばい
- 2023年2月~2023年4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で110%と増加
- 市況に合わせて自社の強みを明確化して訴求
設計職(建築・土木)の登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は年間最多となった2023年1月と比べると減少したが、2月~4月も高い水準を維持している。しかし4月入社に向けて転職スタートする登録者が多いため、5月以降はやや減少すると見られている。年齢別では30歳以下の登録者が全体の約5割を占める。
建築・土木関連の登録者の転職理由としては、「働き方の改善」や「担当案件の幅を広げる」といったキャリアアップに関する内容が多い。直近では、転職・配属先としても業界の将来性を考えて新築戸建ての設計からリノベーションやリフォームの設計へキャリアチェンジする方も多い印象だ。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、一時ストップしていた採用活動が再開され、大手・中小に関わらず即戦力の人材ニーズが高く、求人倍率が高まっている。
面接に関してはWebを活用する企業が増えてきており、未導入の企業は少ない。一級建築士、監理技術者などの資格取得者の採用難易度は引き続き高止まりしており、各所で苦戦が続いている。
また、設計補助・CADオペレーター、アウトソース企業での設計業務を少しでも経験したことのある人材を、採用後に育成していく方針を採る企業も少なくない。そのようなケースも事例として増えてきた印象だ。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 獲得競争が激しい職種となるので、自社の強みは何なのか、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのかなど、細かなデータの蓄積と社内ヒアリングを実施。これらのデータを根拠にして積極的に転職マーケットに訴求して自社の存在感を高める。
- 就業環境改善(残業や土日の出勤、リモートワークなど)を転職理由にする希望者が多く、就業環境整備への取り組みや、休日、残業実態などの情報開示が応募意思獲得につながる。
- 30代の有資格者である「即戦力ゾーン」を求める求人が多く、求人倍率は非常に高い。20代だけでなくシニア層の積極的な受け入れも検討の余地あり。いかに自社の強みを打ち出すかが重要となる。
- 設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真など)がある方が応募につながりやすく、自社HPの改修、求人広告の利用など多角的な採用情報のチャネル拡大を狙っていくべきである。
- 採用難易度の高さや競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するのか、など整理・再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はどのターゲットに魅力的に見えるのかなど、客観的な視点で捉えることが重要である。
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しており、現職も多忙である方が多いため、Web面接の活用だけでなく面接の日時も大きく影響する。夜間帯(19時以降)の面接や土日の面接なども実施すると有利に採用活動を進められる。
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施工管理(建築・土木)
- 2023年2月~4月の登録者数は、2022年11月~2023年1月対比で95%と減少傾向
- 2023年2月~4月の求人数は、2022年11月~2023年1月対比で114%と増加
- 自社の特徴や魅力を顕在化させ、採用ターゲットに向けて適切に訴求する
施工管理(建築・土木)の登録者動向
※対象:2023年2月~4月にdodaにご登録いただいた方
2022年度は2023年1月の登録者数が最大の増加数となり、その後年度末に向かってやや落ち着きを見せた。登録者層は大きく変わらないが、41歳以上のベテラン層と30歳以下の若手層の割合が多い。最終学歴では、大学卒が51%と他職種と比較してもっとも高い割合を占めている。
転職理由としては、「残業時間・拘束時間が長い」「休日が取れない」など、就業環境の改善を希望する方が多い。一方で若年層にいたっては、キャリアチェンジなど現職の業務以外を望む声が多いようである。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2022年11月~2023年4月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年11月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
全ての技術系職種の中でも最も求人数が多く、採用の難易度が高いのは変わらずである。2023年度の人材配置や再編に伴う社内異動の計画が落ち着き、各所で不足している人材の追加募集の動きが活発である。
未経験者採用数はコロナ禍前と比較し減少傾向で、即戦力中心の採用が増えている。経験者採用における競争はより激しくなっているため、長期にわたり採用ができていない場合は、応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する必要がある。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 法改正に伴い、2024年4月に向けた「働き方改革」への注目度も高く、就業時間や休日・休暇などの情報は具体的な数字や事例を出して求人などでアピールしたい。
- 全技術系職種の中でも求人数が多いため、自社の求人が目に留まりやすいようアプローチのポイントは精査が必須。例えば、自社の強みは何か、働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど、どの点を転職希望者に訴求していくのかを言語化していくことで差別化につながる。
- 経験者採用の場合、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい。資格取得者をターゲットとした採用はどの企業も行っているため、即戦力性と市況感を考慮した設定にすると、より効果的な採用が見込める。
- 未経験者採用の場合、工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのポータブルスキルや、建築・電気などの知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで、入社から配属までのオンボーディングがスムーズに進む。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報を、選考の段階から訴求することが有効だ。
- 母集団形成のための「攻めの採用姿勢」を見せることがポイント。人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルやサービスを活用し、積極的にアプローチする体制を整える。
- 「面接は選考の場」という固まった概念に捉われず、「面接は応募者の意向醸成の場」であるという意識を持つ。面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用できるよう環境と準備を整えていくことが求められる。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過している場合がほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な面接日程調整も、状況に応じて実施したほうが良い。
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