金融業界
金融業界中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当業種:銀行、証券、保険、運用アセットマネジメント、クレジット/カード/信販、リース、監査法人・税理士法人・会計事務所・その他アドバイザリー
金融業界全体で登録者が増加傾向へ
IT人材やスペシャリストのニーズも依然高
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
銀行
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比117%と増加。継続して若手は異業界志向が強く、中堅・ベテラン層は専門性を重視
- 2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比115%と増加。積極的に中途採用を進める銀行が多く、求人倍率上昇が予想される
銀行の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
登録者の大半は30歳以下、職種では「営業職」「事務・アシスタント職」が8割以上を占めている。
20代の転職希望者は、異業界への志向性が強い傾向にある。そのため、これまでの経験を活かせるようなキャリアステップやモデル例を提示することに加え、自社の社風や職場環境などの魅力を訴求する必要がある。また、30代以降は、自分のスキルを活かして同じ業界を志す傾向が強い。競合各社の採用ターゲットが重なるため、組織のミッションや具体的な業務の魅力を伝えて差別化を図ると良い。
一方で、信金、信組、地銀出身者は事業会社の本社部門を目指すケースが多く、年収アップを希望される傾向が強い。
昨今では、「転勤頻度」や「在宅勤務頻度」などといった働き方についても、入社を決断する大事な要因となっている。転職希望者によっては転職に関する知識やノウハウを独自で持ち、転職エージェントを介さず、Web検索などを行いながら転職活動をする方も増えている。そのためこうした働き方についての情報は、なるべく多様なチャネルを活用しながら発信して、自社への認知度を高めていくとよいだろう。
銀行の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
各銀行は2023年度も引き続き中途採用を強化する見通しである。求人の内訳としては、専門性の高い職種の割合が高く、デジタル系人材に加え、管理部門や企画部門、金融専門職の採用も多い。
一方で、ポテンシャル人材の採用に注力するなど、銀行によって採用方針に違いがあり、第二新卒向けの採用を検討するケースも見られる。
採用手法は、人材紹介のほか、自社HPからの直接応募や、知人紹介などのネットワークを活用するケースもあり、Web面接などはもはやスタンダードな選考スタイルとなった。大手の中には、一次面接から最終面接・オファー面談・人事面接までをオンラインで実施して、配属先の現場では対面面接を実施するいったケースも増えている。
即戦力の採用は採用ターゲットとなる人材の絶対数が少ないため、転職エージェントの担当者・人事担当者・現場部門との連携が重要となる。
IT分野などの専門職ポジションについては、経験年数に一定の採用基準を設ける銀行がある一方、条件を絞らずに幅広く面接を実施する銀行も増えつつある。同求人では年収や条件面を重視する転職希望者が多いため、将来的な年収レンジを含めて意向醸成するケースも見られる。
カギとなるのは、転職希望者に最適な情報を与え、入社意向を上げること。
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証券
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比で95%とやや減少
- 2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比で105%とやや増加。システム部門や本部部門でのスペシャリストを求める傾向は依然変わらず
証券の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
例年同様、1~3月は異動時期と重なることもあり、登録者数はやや減少傾向にある。
特に若手層の動きは顕著で、普段の業務におけるノルマへのプレッシャーや、証券業界全体の将来やキャリア形成に不安を覚えているため、異業界への転職を目指すケースが少なくない。そのためIT業界など流動性の高い業界への転身も目立つ。
同業界で転職を考えている転職希望者の中には、残業時間などワークライフバランスの実現を転職の条件に加え、営業から事務職へのキャリアチェンジを図るケースも見られる。この傾向は決して少なくない。
シニア層も近年、転職市場でボリュームが膨らんでいる傾向にあり、41歳以上の登録者割合が24%までになっている。これは今後のキャリアや現職の将来性について不安を感じているためだと考えられる。
証券の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年上期(22年4月~9月)と比べ、下期(22年10月~23年3月)はさらに採用活動を活発化させる企業が増えており、一部の企業では第二新卒の募集をスタートする動きも出てきている。
専門性の高いポジションは採用条件を満たす人材が少なく、各社複数の転職エージェントを利用しているものの、採用に苦戦している模様である。
転職は売手市場が続き、競合企業とのバッティングから選考調整が難航するケースが少なくない。したがって選考期間やフローの短縮や求人の魅力化、現場担当者による応募者へのフォローなどが採用成功のカギとなるだろう。
採用強化策としては、「カジュアル面談を行い応募者の意向を高める」、「選考スピードを重視して選考フローを短縮する」、「企業・事業の将来性を前面に打ち出す」など、各社さまざまな施策を実施している。
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保険
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比123%と増加。若手の転職希望者が依然多い状況
- 2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比111%と増加。未経験や第二新卒の案件が増加、即戦力となる専門人材ニーズが高い
保険の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
登録者数は1月を中心に増加し、前3カ月期と比較しても123%と増加した。1月は賞与支給後の月であることと、年末年始のタイミングで将来のキャリアについて熟考する方が多いことから、例年通り登録者が増加したと考えられる。
保険業界では、大手生命保険会社の営業職の報酬制度が変更、事務職から営業職への転換、ジョブ型雇用の導入などのトレンドがあり、市場も活発化しているため、人材の流動性は今後もさらに高まっていくと見られている。
登録者の属性としては、年齢層は30歳以下の若手が約半数を占める一方、40代以上も4分の1程度占めている点が特徴だ。
職種別では「営業職」が59%と半数以上を占め、次いで「事務・アシスタント職」が23%を占めるなど、2職種で全体の8割強を占めている。
フロント職種の人材は採用市場に多くいる一方、「企画・管理職」を含めた「金融専門職種(アクチュアリー・経営企画・営業企画など)」および「社内SE」の登録者の割合は低く、専門職の採用は苦戦が続く見込みである。
保険の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
求人数は、年間にわたって増加傾向にあり、毎月前年比1.5倍程度の増加が確認されている。
今期は未経験者採用や第二新卒採用も増え、採用人数の多い営業職は、数多くの企業で増員を計画。例年以上の採用数となっており、ミドルバック系の職種採用を復活させている企業も多い。
専門性の高いポジションは売手市場が続くが、競合企業とのバッティングから選考調整が難航するケースが多く見られるため、各社ベースアップを含めた給与水準の見直しを行う動きが活発化している。
一方で、「社内SE(アプリ・インフラ)」や「システム・企画」などのIT職採用については、異業界を含む競合との採用争いがリモート環境の拡充でより熾烈(しれつ)を極めている。さらに「アクチュアリー」、「支払査定等金融専門職」についても、採用熱度は高いものが多いが、ターゲットが市場に少ないこともあり、採用が長期化している。
より厳しい採用マーケットの中で、選考期間の短縮や求人の魅力化、現場担当者による応募者へのフォローが採用成功のカギとなる一方、採用チャネルの多角化や採用要件の見直し、採用要件の緩和、未経験者採用への切り替えに伴う教育体制の強化など、さらなる採用戦略・計画の見直しも余儀なくされるだろう。
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運用アセットマネジメント
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比で148%と大幅増加へ
- 2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比100%と横ばい。引き続き即戦力採用のニーズが強い
運用アセットマネジメントの登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
同職種の登録者数の絶対数は少ないものの、賞与支給後のタイミングということもあり、また4月入社に向けて転職に踏み切る方も一定いることから、転職希望者の登録が大幅増加となった。職種別の登録者割合を見ると、「金融専門職」が36%、「営業職」が29%とという割合になった。
同業界でキャリアカウンセリングを受ける転職希望者の志向性は、「今すぐにでも転職したい」方の割合は少なく、情報収集やスカウトを受け取るために登録する傾向が強い。
年齢層の割合としては、41歳以上の方が約3分の1を占めていて高い傾向にある。その登録理由も、年収やスキルアップ、キャリアアップ、就業環境の改善を目的とした内容が目立つ。一方、若手層に関しては、キャリアアップを目的とした転職や、配置転換をきっかけに転職、あるいは登録を行う方が多い印象だ。
運用アセットマネジメントの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年度は多くの企業が採用を再開し、求人数も右肩上がりで増えた。ポジションで言うと、運用など「金融専門職」における即戦力人材の引き合いが変わらず強い。
募集背景としては、欠員補充や採用計画の見直しによる増員などが中心だ。採用市場の厳しさから、即戦力採用のポジションに限り、通年で求人を出し続けるような動きも見受けられる。
若手ポテンシャル層を対象とした求人も徐々にではあるが増えている。必ず転職したいという意欲の登録者ばかりではないため、転職活動をスタートさせるための惹きつけは重要である。
登録者の志向性としてキャリアカウンセリングは希望せず、自力で求人を探す、あるいはスカウトを待つ方も少なくないため、企業はスカウトメールや転職サイトへの求人掲載を実施するなど採用チャネルの拡大も検討する必要があるだろう。
一方、転職潜在層からの応募を獲得できれば、採用競合の影響を受けずに選考が進む可能性もあるため、応募前から1次面接の初期フェーズくらいまででどれだけ自社への入社意向を醸成できるかが採用成功のカギとなる。例えば、応募意思は不問としたカジュアル面談を積極的に行うなどすると、自社への意向醸成がしやすく選考をスムーズに進めていけるだろう。
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クレジット/カード/信販
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比120%と増加傾向。事務・アシスタントや若手層の登録に加えて40代の登録者も増加傾向
- 2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比104%と継続して増加。第二新卒など含めて求人数は右肩上がりで増加中
クレジット/カード/信販の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
登録者数は2023年1月~3月にかけて増加しており、1月は今年度最大の登録者数となった。登録者の年齢層内訳としては、30歳以下が50%、次いで41歳以上が24%となっており、異業界への転職を目指すケースが少なくない。これまでの経験を活かせるキャリアやケースモデルを提示するだけでなく、社風や職場環境など、ほかの金融機関との違いを魅力として打ち出すことも効果的と言える。
登録者を職種別で見ると、「事務・アシスタント」と「営業職」経験者で半数以上を占める。若手層は加盟店開拓を中心とした転勤があるポジションで活躍している場合が多く、「転勤頻度を抑え就業環境を改善したい」という指向性で転職サービスに登録するケースが目立つ。
一方で、シニア層は年収やスキルアップ、キャリアアップといった待遇・就業環境の改善を目的として転職活動を行うのが一般的である。
クレジット/カード/信販の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年度下期より多くの企業が採用を再開し、求人数も右肩上がりで増加している。クレジットカード業界の市場規模の拡大に向けて積極的に人材を補充しており、キャッシュレス決済の多様化により今後もこの流れは続いていくことが想定される。
多くの企業でポテンシャル採用の求人が見受けられるが、その多寡は企業ごとに差異があり、転職エージェントを通じて業界の魅力やキャリアプランの多様性、ワークライフバランスが充実している、などを訴求している。また、応募意思不問としたカジュアル面談を積極的に行うなど新たな手法を取り入れている企業も目立つ。
即戦力層へのアプローチ方法として、ダイレクトリクルーティングの活用などを積極的に検討する企業も増えており、今後もさらなる採用活動の工夫や見直しなどが必要になるだろう。
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リース
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比126%と増加傾向。営業職、事務職経験の登録者が過半数を占める
- 2023年1月~3月の求人数は2022年10月~12月対比98%とほぼ横ばいだが、同職種の求人数は1年間を通して増加傾向
リースの登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
リース業界の登録者は金融業界内でも特に限定的であるため絶対数は少ないが、2023年1月~3月にかけて増加傾向に入っており、1月の登録者数は年間で最多となった。
登録者の年齢層について見てみると、直近数カ月は若手層の登録が増えている傾向にあり、30歳以下が53%、次いで41歳以上の層が26%と続く。また、職種別に見ると、「営業職」の登録が減っており、「企画・管理」「金融系専門職」の割合がやや増えている傾向にある。
リースの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
同業界の求人数は、2022年1月~3月期比較で、求人数が1.4倍となった。
母集団形成についても、ダイレクトソーシングなどの活用や、適性検査、面接など選考フローの見直しで獲得成功する企業も少なくない。成功の明暗を分けるポイントは、選考期間の短期化や選考の立ち位置の変化(見極めの場から転職先としての魅力を伝える場へ)が顕著な点だろう。
採用ターゲットも多角化しており、多くの企業で従来の未経験者採用に加え、IT・専門職系や第二新卒採用を実施するなど人材獲得に余念がない模様だ。今後もさらなる企業側の工夫・見直しなどが企業間で激化していきそうだ。
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監査法人・税理士法人・会計事務所・その他アドバイザリー
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比120%で大幅増
- 2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比112%で増加、昨年同時期比では136%増と、加速度的に求人数が増加中
監査法人・税理士法人・会計事務所・その他アドバイザリーの登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
前3カ月期と比べても登録者の年齢層・職種層に大きな変化はなく、昨年同時期比で登録者数はほぼ横ばい。例年通り繁忙期後の転職活動を見据え登録が増えてきたことも通例となる。
若手層の転職活動は、エージェントを通じて行われることが多く、同業他社以外(事業会社など)の経理・財務ポジションへの転職を希望される方が多い。
監査法人・税理士法人の専門職は、専門性が高い業務で市場価値が高いこともあり、条件の良い環境を選べる立場にあることから、登録後は、じっくりと情報収集を重ねて活動を行う。活動をスタートさせるまで時間をかける傾向が強い。
監査法人・税理士法人・会計事務所・その他アドバイザリーの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
全体の求人数としては1年間で確実に増加を続けており、昨年同時期比較では1.4倍近くの求人数となった。加速度的に求人数の増加が続いていると言える。同業界はトレンドワードの隆盛とともに採用ニーズも高まる傾向にあり、最近では「パブリック」「サステナビリティ」「IT」などがキーワードとなっている。
さらに、未経験者採用のニーズも高まっている背景もあり、各社はサービス内容だけではなく研修・育成体制や就業環境を整えている現状だ。採用活動の工夫も各社で行われており、例えばプロジェクト内容の詳細まで求人情報に落とし込んで発信するなど、事業会社を含めた採用競合との差別化を図るため施策が活発化している。
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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。
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金融マーケットレポート(2023年4月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス