メディカル業界
メディカル業界中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当職種:MR、医療機器営業、CRA、PV(安全性情報)、メディカルサイエンスリエゾン(MSL)、研究開発、品質管理(医薬品)、品質管理/保証(医療機器)、品質保証(医薬品)
MR
- 早期退職などの影響から登録数は増加傾向。特に41歳以上の求職者が多くを占めている
- メーカー求人は希少。CSO各社の採用は活発であり、未経験採用も各社強化は継続
- 経験者MR採用は転職回数・勤務地限定など求職者がまずは応募しやすい条件設定が必要
MRの登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
2022年10月~12月の登録者数は、2022年7月~9月対比で105%と微増した。前3カ月より早期退職や人事制度、給与体系の変更などを理由に登録者は増加傾向にある。特に41歳以上の転職希望者の登録は35%と高い割合を占めている。
またコロナ渦以降、働き方に対する考え方も変化しており、「転勤は避けたい」「リモートワーク希望」といった声も聞こえている。そうした方が他の業界で活躍したいと希望しており、転職希望者の増加にもつながっている。
しかし、MRの給与水準は高いため、納得できる条件で転職したいと考える転職希望者も少なくないため、転職活動を本格化させるまでには時間を要するようだ。
MRの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~2022年12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年10月~12月の求人数は、2022年7月~9月対比で103%と微増。医療系メーカーにおける求人は、新薬上市に伴う一部の製薬企業で、突発的な採用を実施する程度となっており、10月~12月の動向はやや落ち着いてきている状況だ。
MR職に携わる人口は、メーカーMRの新卒採用枠の縮小や早期退職の影響もあり、全体的に減少している。そこでメーカー出身のMRを採用のターゲット外としていた企業も、コントラクトMRでの採用を考慮して採用ターゲットに加えてくるケースも増えてきている。
しかしCNS(中枢神経系)など高度専門分野の経験者や基幹病院を担当したことのある経験者を採用ターゲットに限定してしまうと、転職マーケットには適せず採用活動の長期化が予想されるので注意が必要である。
一方CSO各社では、製薬メーカーからプロジェクトのアウトソースの案件が活発化しており、これに伴い増員に向けての採用活動も積極的。ただし、未経験MR採用では、全国転勤を希望する人材が減っていることもあり、母集団形成や応募の獲得に苦戦するケースが多い。
MRの採用成功POINT
MRとして転職を希望する経験者は、希望の企業・領域・薬剤などの求人が発生したタイミングで転職活動を開始するため、転職サイトの登録目的も「まずは情報収集」に偏る傾向が強い。
ONC(オンコロジー/がん関連領域)やCNS領域の経験があるMRは希少なため、当該領域の経験者を採用したい場合は転職回数を不問にする、希望勤務地を優遇するなど、工夫や条件見直しは必要だ。
CSOの求人は、スペシャリティ領域のプロジェクトやリモート可能なMRプロジェクトなど、携わるプロジェクトの詳細までアピールすることがポイント。MR以外の職種で携わるプロジェクトや社内異動などキャリアの幅を伝えることも大事だ。また、未経験採用においては、全国転勤を懸念する求職者が増えてきており、勤務地がネックで応募をためらうことが多い。そこで初任地選択などが入社時にできるようになると、母集団獲得の可能性は高まっていくだろう。
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医療機器営業
- 2022年10月~12月の登録者数は、2022年7月~9月対比で94%と減少。転職先に異業界を検討するケースは引き続き増加
- 2022年10月~12月の求人数は、2022年7月~9月対比で113%と増加
- 選考スピードや面接での動機付けがカギ
医療機器営業の登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
医療機器営業職を希望する方は、急いで転職先を決めるよりもじっくりと企業を吟味して長期的に転職活動を行うというケースが多く、それはコロナ禍にある直近3年間でも依然変わらないトレンドだ。
働き方(転勤、リモートワークなど)を改善したいと希望する方は増加の傾向にあり、年収帯を落とさずに異業種で活躍したいという方も少なくない。実際、同程度の年収を提示する企業も増えてきたため、医療業界から転身されるケースも増えている状況だ。
医療機器営業の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2021年後半より、コロナ禍での採用活動をストップさせた市場の反動から、採用を再開する企業の動きが活発であったが、ここへきてやや落ち着きを取り戻してきている。しかし、依然として企業の採用への熱度は高い状態をキープしたままである。
同職種では、例えば新製品のプロモーション活動の強化を目的とした、純粋な増員を図る企業も少なくない。今後も一定の採用ニーズは発生するものと見られている。
採用先の分野・領域としては、治療機器、診断機器、美容医療機器など多様だ。さまざまな分野・領域にまたがって採用数は拡大している印象だが、特に美容医療機器での採用熱度の高まりは目を引くほどだ。
採用ターゲットは、異業界の営業経験者まで広がっており、他業界との採用競合が生まれている。また、新卒採用が難しくなっていることもあり、2021年度卒といった第二新卒までをターゲットとして採用を行うケースもある。
医療機器営業の採用成功POINT
求人数の増加に伴い、引き続き転職マーケットは売り手市場となっている。同業界に限らず異業界にも採用競合が多い中、選考のスピードも重視される。例えば、説明会兼選考会を実施して、自社の魅力をアピールし、選考スピードも早めるといった戦略だ。求職者を逃さないためにも、書類の選考日数や面接から内定までの日数の見直し、1day選考会実施などを行うと良いだろう。
自社求人の魅力付けのポイントとしては、業界としての安定性だけではなく、働き方(残業・休日出勤・急な呼び出し回数など)、女性活躍(育休産休・女性営業のロールモデル)、年収の上がり幅など、求職者が気にするポイントを押さえ、面接などで伝えていくことが大切だ。またリモートワークなど、柔軟な働き方ができるならそれも訴求内容に加えると良い。
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CRA
- 2022年10月~12月の登録者数は、2022年7月~9月対比で88%と減少。メーカーを優先的に検討する傾向は変わらず
- CROの未経験採用は引き続き採用意欲が高い。未経験採用の過熱化となっている
- 人材紹介・ダイレクトリクルーティング・リファラルなど採用手法の多角化、オファー面談での口説きがカギ
CRAの登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
CRA全体の登録者数は減少傾向にある。その大半が製薬メーカーへの転職を志望するも、希望が叶わずCROを次に目指すといったケースが多い。
また、リモートワークなど柔軟な働き方ができる職場環境を整えている企業を求める声は以前より多く、転職情報の収集はしっかりと行い、適切なタイミングと好条件が合致した企業があればすぐにでも転職したいと考える希望者が多いのも特徴だ。
CRAの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年10月~12月の求人数は、2022年7月~9月対比で108%と微増。メーカーの採用ニーズは不定期に発生しており、モニタリング経験者を採用したい場合はCRO出身者まで採用ターゲットを広げる場合が多い。しかし英語力はメーカー採用では必須となっており、TOEIC(R)テスト で750点以上の英語力が求められている。
CROは、各社活発な採用活動が継続されており、経験者採用だけでは採用目標への到達が厳しいと判断して、未経験者採用も積極的となっている。ただし看護師、薬剤師、臨床検査技師、MRがメインターゲットとなっていることは変わらず。
求職者が複数社内定を獲得するケースが多く、サインオンボーナスなど入社承諾へのインセンティブを設定する企業も増えてきている。
CRAの採用成功POINT
製薬メーカーやCROでの経験者採用の難易度は高い状態が続いている。競合各社はリクルーター機能の整備強化と多様な採用ツール(ダイレクト・ソーシング、リファラル含む)を活用し、経験者CRAへアプローチしている。CRO間での採用競争は激化しており、給与・グレードなどの情報だけではなく、具体的な入社後の活躍イメージや採用側の熱意や期待感を伝えるなど、オファー面談での意向醸成は必須である。
未経験採用の場合、看護師、薬剤師、臨床検査技師、MR以外のターゲットに目を向けると、応募獲得がしやすくなる。転職意欲がまだ低い潜在層に対しては、選考要素を除いたイベントや、面談後の接点強化、広告出稿などを用いて中期的な採用活動を行って応募獲得していくことが大事だ。
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PV(安全性情報)
- 2022年10月~12月の登録者数は、2022年7月~9月対比100%で横ばい
- メーカーとCROで採用要件に差があり、業務の切り分けが顕著
- 経験者採用の難易度は高い。未経験者採用も並行して検討する必要がある
PV(安全性情報)の登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
2022年11月は、登録者数が年間最多となった。ただし3カ月単位で見ると、2022年7月~9月期の対比では100%と横ばいとなっている。
登録者の動向としては、メーカー在籍者が組織改編など自身の役割が変わったタイミングで登録するケースが多い。しかし一方で、CRO在籍者は「業務量の多さに伴う残業時間への懸念」を転職理由に挙げ、転職活動を始める方も少なくないといった状況にある。
PV(安全性情報)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年10月~12月の求人数は、2022年7月~9月対比105%で微増。メーカー・CRO共に、経験者採用の基準細分化と厳格化が進んでいる。
メーカーはオペレーティブな業務をCROへ委託しているため、安全監視や安全管理ができる人材を求めており、かつ英語力も必須となっている。
CROは、経験者の数が限られているマーケットのため、「PV経験1年以上」として間口を広げて採用するケースも多い。
経験者採用だけでは採用枠の充足が難しく、未経験採用を積極的に行っている企業もあり、その際は語学力と理系バックグラウンドを持つ方をやや重視している傾向にある。
一方で、スタッフクラスの採用強化とともに、管理・マネジメントサイドの人員不足も発生しており、並行してリーダー・管理職人材の確保を行うケースも見られている。
PV(安全性情報)の採用成功POINT
PV経験を1~2年積んだ方や、派遣でPV入力をしていた方などが準経験者として活動するケースが多いため、即戦力となる経験者採用の難易度は高い。準経験者の採用要件として、語学力や、利用していたシステム如何で稼働プロジェクトとの合致が求められることもあり、採用企業側は早期の立ち上がりを期待していることがわかる。
未経験採用は、「医療系の有資格者×TOEIC(R)テスト700点以上の英語力×大学卒業もしくは理系修士卒以上」がターゲットとなることが多い。メーカーはプロジェクト管理や安全性管理を求める場合、CROでプロジェクトリーダー経験がある方までターゲットを広げていくことが必要だろう。
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メディカルサイエンスリエゾン(MSL)
- 経験者の登録は希少。同ポジションを志す登録者は増加傾向に
- Ph.D.取得者かつ特定疾患領域の知識保持者のニーズは継続
- 経験者の応募は希少。MSLに求めることを明確に、親和性のある職種に広げる
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
2022年10月~12月の登録者数は、2022年7月~9月対比100%で横ばい。MSLは、他部門(MR・臨床開発・研究など)でキャリアを構築した後、MSLへ異動した30代後半~40代以上の登録者の割合が多いことが特徴。長期的なキャリア形成を前提に、情報収集やカウンセリングを希望する方が大半を占めている。
登録者は、市場ニーズの高まりを敏感に察知して、MRや臨床開発、研究などといった異職種から、MSLへの転職を志す傾向にある。
同職種分野は、企業によっても与えられる役割が異なるケースも多く、役割の内容やポジションを慎重に検討して転職を目指す方が多い。
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年10月~12月の求人数は、2022年7月~9月対比118%で増加傾向となった。メーカーでは経験者採用のニーズが高い職種であり、たとえ経験者採用であっても同領域の経験を求める傾向は続いているが、採用が難航するケースも多いため、Ph.D(Doctor of Philosophy/博士号相当)保持かつ特定疾患領域の科学的な知見や、臨床への理解を有する方を採用ターゲットとしている企業も多い。
また、CSOでも同職種への採用ニーズが高まってきており、理系修士、アカデミア、薬剤師資格など、MSLとして成長ができる素養とバックグラウンドを持った方をターゲットとする求人が増えている。
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の採用成功POINT
経験者からの応募は希少性が非常に高いため、求人を募集する段階で期待している役割や仕事・企業の魅力を伝えることが重要。また提携している転職エージェントなどがいれば、これらを伝えて連携を図ることも大事だ。具体的な事例としては、転職エージェント向け説明会を実施して応募獲得に至るケースなどだ。
MSLはMRと違い会社業績や成果への反映が見え難いため、期待する能力より評価の基準・キャリアの築き方を明確化させることが採用成功のポイントとなる。
一方、未経験者採用においては、求める役割(KOL/Key Opinion Leaderからの情報収集なのか、KOLへの情報提供なのかなど)によって、研究領域が合致するアカデミア、臨床開発職、MRなどから採用ターゲットを定義すると良い。
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研究開発
- 登録者数は微減。特定技術派遣で研究補助をしているエキスパートは増加傾向
- バイオ・抗体医薬経験などスキルフルな転職希望者の獲得競争が続いている
- 募集は継続的に、採用候補者が現れたら早期にアプローチを。また、育成も視野に入れた採用も必要
研究開発の登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
2022年10月~12月の登録者数は、2022年7月~9月対比93%で減少となった。アカデミアでの研究者は、転職活動においては季節性があり、長期のスパンで転職を検討したり、求人への応募するなどしているため、製薬企業で研究職へのステップアップをメインの希望条件としながらも、経験を活かせる職種へのキャリアチェンジを望むケースは多い。
製薬企業で就業している研究者の登録は少なく、バイオベンチャーでの研究者の登録が目立ち、その登録者もまた増加傾向にある。
研究開発の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年10月~12月の求人数は、2022年7月~9月対比109%と微増に。製薬企業・バイオベンチャーともに継続的に募集は行っている模様だ。求人数の増加は、特定技術派遣や創薬研究のアウトソース化により、受託企業での増加が要因と見られている。
メーカーでは、注力領域である抗体医薬品や再生医療関連など、経験者がまだ少ない領域での採用が多い。稀少価値の高いスキルを保有している転職希望者には、複数の内定が出る傾向にあり、スキルのマッチングが非常に重要となっている。
製薬メーカーでは、CMC(Chemistry, Manufacturing and Control)に関連する求人が豊富だが、ONC(オンコロジー/がん関連領域)など領域を限定する求人が多数を占める。一方で、バイオベンチャーなどは、基礎研究に関する求人が多い傾向となっている。
研究開発の採用成功POINT
応募者の研究内容を理解するために、配属予定の現場には書類選考権があり、状況によって即戦力を求める企業は多い。
登録者は20代~30代が多いが、この層は経験が浅いため、社内での育成前提で採用枠を見直せば、ポテンシャル人材などを含めて採用できる確度は高まっていくだろう。
採用には化学系企業がバイオ医薬・再生医療などに名乗りを上げてきているため、今後医薬品業界外での競合がさらに増えてくると予測されている。そのためマーケットを的確に捉えた採用活動が求められる。
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品質管理(医薬品)
- 2022年10月~12月の登録者数は、2022年7月~9月対比で80%と減少。特に31歳以上の経験者の登録減少が顕著
- 医薬品業界の品質問題により各社採用熱度は高い
- 採用ターゲットを現場とすり合わせ、スピード感を持った採用を
品質管理(医薬品)の登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
転職理由の大半は、働き方の改善やワークライフバランスの充実、本社QA職希望など。品質管理経験者の登録は常に一定数存在するが、内訳としては特定技術派遣出身などのエキスパートの増加が顕著である。待遇や雇用形態、働き方の改善を求め、比較的転職への意欲が高い層だと言えるだろう。
また若手層の中には就職活動時に希望の企業へ就職できずにリベンジ転職を考える求職者も多く、大手企業への転職を希望する傾向が強い。
品質管理(医薬品)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年10月~12月の求人数は、2022年7月~9月対比で103%と微増した。臨床検査薬や健康食品など、医薬品に限らずさまざまな業界で品質管理ポジションは採用熱度が高いままだ。昨今の医薬品業界の品質問題により、行政から求められる対応も増えていることが採用の背景だと思われる。
グローバル企業では英語が必須要件に含まれるため、工場がある地方採用となると難航するケースが多く、求める経験を緩和する、あるいは英語力を緩和するなど何らかの工夫は必要となるだろう。
また、メーカーのみならずCMOやバイオベンチャーの求人もあり、ポジションもメンバークラスから管理職クラスなど幅広く、引き続き売り手市場と言える。
品質管理(医薬品)の採用成功POINT
現場の業務がひっ迫しているケースがあり、採用活動では書類選考などに時間が掛かる傾向が強い。そのため、選考スピードを早めることが他社との差別化の要素となりうる。また、人員補強が最優先となった場合、医薬品経験は採用要件から外れ、食品・化粧品・化学品などの業界経験者にターゲットが広がる求人も多い。例えば、分析担当者を採用したい場合は、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)経験者と分析方法が合致していれば採用に至ることもあるので、こうしたターゲットや条件の見直しもポイントとなるだろう。
また、各地方に工場や研究所を抱える企業も多いため、募集は中長期的に行っていきたい。例えば、ポジションサーチなど常に求人を開いておくことで、U・Iターン希望者が現れた際にそのニーズを取りこぼすことが少なくなる。業界の細やかな動向や情報収集を常に行っておくことが大切である。
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品質管理/保証(医療機器)
- 2022年10月~12月の登録者数は、7月~9月対比で85%と減少。特に35歳以下の登録が減少傾向に
- 国内だけではなく各国規制対応もあり、依然として採用熱度は高い
- 経験者は中長期的に募集、組織状況においてはポテンシャル人材の検討を
品質管理/保証(医療機器)の登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
同職種は専門性が高いこともあり、そのままスキルアップを望むか、キャリアチェンジではなく在職中の会社内での配置転換を希望するケースが多いのが特徴だ。なお、2022年7月~9月と比較すると転職回数の多い方の割合が大幅に増えているが、これは35歳以下の若手層・中堅層の登録減少に伴い、相対的に41歳以上の割合が増えていることによるものである。
転職希望者は募集する企業が限定的であることを理解しているため、複数の転職エージェントに登録後、求人があり次第応募したいというケースがほとんど。出身企業も特定の業種や業界に偏らず、外資や日系、メーカー、商社などとさまざまである。
品質管理/保証(医療機器)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年10月~12月の求人数は、7~9月対比で119%と増加。内資メーカー中心に海外規制対応ができる方をターゲットにする求人が増加している。アジア・欧州など規制が変わる中で、その対応に追われる企業が増えてきていることが背景にある。
外資メーカーは本国とのやりとりがあるため、英語力が必須となるケースが多い。基本的には、経験者募集の求人がメインだが、登録者は多くはないため、GVP(Good Vigilance Practice)や品質保証の分野では「英語力+理系バックグラウンド」など、未経験者も応募可能である求人も少なくない。
品質管理/保証(医療機器)の採用成功POINT
組織の状態により採用要件に検討の余地があれば、異業界の品質管理経験者、GVPにおいては「英語力+理系のバックグラウンド」を持つ経験者、あるいは医療機器営業経験者を対象にするなど、ターゲットを広げると採用成功につながる。その場合、医療機器の品質保証という仕事の面白みや、発揮できる経験・スキルなど、面接などで詳細に伝えることで入社の意向が高まる。
経験者をターゲットにする場合は、採用活動の長期化が避けられないため、継続的な募集と応募者を逃さないよう他社に負けない選考スピードなどが重要になってくるだろう。
自社だけでは難しい、選考段階における意向醸成も
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品質保証(医薬品)
- 2022年10月~12月の登録者数は、7月~9月対比で83%と減少。特に41歳以上の登録者が減少
- GMP・GQP経験者採用の傾向は変わらず。本社QAは英語力が必須となるケースが多い
- 経験者は希少人材。一つ一つの応募を大切に進めていくことが求められる。未経験者採用の検討も必要
品質保証(医薬品)の登録者動向
対象:2022年10月~12月にdodaにご登録いただいた方。
医薬品の品質保証は、品質管理などからの社内異動で経験を積み始めることが多いため、品質保証のキャリアを30代以降でスタートするケースが少なくない。中でも語学スキルの高い方は希少なため、転職回数が多くても複数企業から声が掛かる売り手の職種である。
品質保証(医薬品)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年1月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年1月~12月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2022年10月~12月の求人数は、7月~9月対比で104%と微増。GMPやGQP(Good Quality Practice)など医薬品業界を経験している方の採用を希望する企業が多く、業界未経験採用のケースは稀。そのため、応募獲得に苦戦する傾向にあるようだ。
本社QAの求人の場合、英語力が求められるケースが多く、スキルフルな転職希望者には複数の内定が出る傾向にあるため、選考スピードなど競合他社を意識した採用活動が必要となってくるだろう。
また、製薬企業のみならずバイオベンチャーにおいても求人があり、転職希望者の獲得競争は変わらず続く見込みだ。転職希望者から自社への興味・喚起につなげるためにも、サイトQAから本社QAへのキャリアチェンジが可能であることや、外資系の場合は本国・本社との関係性についてなど、自社の特徴を情報提供していくことが必要である。
品質保証(医薬品)の採用成功POINT
同職種は、転職希望者の母数が少ないため、いつ転職活動を開始するか不明な採用ターゲットが多い。こうしたターゲットを逃さないためにも継続的な募集(採用活動)が必要だ。
一方で、採用を急務とする場合は、採用ターゲットの見直し(経験年数・語学力)など、配属先の部署や現場を巻き込んだ採用体制構築が成功のポイントとなる。
社内で教育環境が整っている場合は、「薬剤師資格×英語力」など、未経験であっても対象条件を設定して採用を行っている企業もあり、長期育成を視野に入れた採用も実施することで、採用成功に近づくことができる。
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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。
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メディカル業界マーケットレポート(2023年1月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス