企画・マーケティング部門
企画・マーケティング部門中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当職種:マーケティング・広報職、企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)
マーケット概況
2022年8月~10月における企画・マーケティング部門の登録者数は、2022年5月~7月対比で100%と横ばいで推移した。
一方、求人数は、2022年5月~7月対比で108%の増加となっており、2021年9月以降、求人数の増加が一貫して続いている。要因として、新規事業の進出、組織拡大への増員、マネジメント体制の強化、業務フロー再構築などに取り組む企業が多く見られ、マネジメント層などの即戦力求人の割合が増加したことが背景と見られている。また、人員配置換えによる募集も増えている現状だ。
求職者側は、自身のスキルやキャリアステップ、将来に不安を抱き、今後の見通しが立たない現況を打破すべく転職活動を開始するケースが増えている。その一方で、「現職以上に良いところがあれば転職を考えたい」「よりキャリアを高められる環境への転職を考えたい」といった慎重に転職活動を行う層も、一定の割合で存在している。さらに、40代以上の専門性が高いスキルやマネジメント経験を持った方の登録も増加しているため、即戦力として採用を検討する企業も増加している。
コロナ禍での就業環境の変化を受け、定着しつつあるリモートワークについても転職条件の1つとして考える求職者の割合は多くなった。リモート環境下においてWeb面接が進んでおり、採用活動においては柔軟かつスピーディな対応が求められている。
採用成功のポイント
ポイントは「採用要件適正化」「スピード」「意向醸成」
配属部門からの増員要請で上がってくる採用要件には、任せたい業務内容に対してオーバースペックであるケースや、採用マーケットとのズレが生じているケースが多く見受けられる。
募集時には現場と適切に採用要件をすり合わせ、採用マーケットを考慮した要件で進めていくことが採用成功のポイント。営業職や技術職と比べて対象となる母集団が小さく、継続的に求職者から応募がある状態にはなりにくいため、初回の母集団形成の中で内定に至らない場合は、採用活動が長期化することが多い。
面接通過者には都度、評価点をフィードバックすることや事業・職務の魅力を伝えることが有効だ。求職者は入社後に活躍するイメージを持ちやすくなり、入社に向けた意向醸成につながりやすい。
総じて、当該領域の採用に成功している企業に共通するポイントは以下3つ。
(1)募集を行うタイミングで、現場と適切な要件定義をする
(2)募集後の初回の母集団形成で、内定・入社まで進める「短期集中型」の選考を進める(Web面接の導入、書類選考の早期回収など)
(3)選考からオファー提示に至るまで、常に求職者の希望に沿う情報を提供する
また、Web面接導入により転職希望者の面接場所への移動コストが軽減され、面接が受けやすい状況下にあることから、選考期間は従来と比べ短くなっている。求人数の伸びが大きいため、採用熱度が高い求人に関しては、Webなどを活用して面接機会を増やし、求職者とのタッチポイントを多く取ることが採用成功のポイントになる。
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マーケティング・広報職
- 2022年8月~10月の登録者数は、2022年5月~7月対比102%と微増
- 2022年8月~10月の求人数は、2022年5月~7月対比110%と増加傾向へ
- アフターコロナを見据え、働き方の柔軟性や選択肢の多さ、豊富なキャリアパスを訴求ポイントに
マーケティング・広報職の登録者動向
対象:2022年8月~10月にdodaにご登録いただいた転職希望者
- 年齢
- 35歳以下の登録者比率は約67%。依然として若手・ミドル層の登録者が過半数を占めている。同登録者層は外部要因などにより転職せざるを得ない方もいる一方で、景況変化の不安は感じつつも「今よりも良い環境」「安心して業務ができる環境」「スキルアップできる環境」を求める方も多い。
- 職種
- 依然として「Webマーケティング」の登録者がもっとも多いものの、他職種(販売促進・PR、その他マーケティング、広報、広告宣伝)の登録者数も追随。特にWebマーケティングの中で、施策経験の幅(広告、コンテンツ、CRM、分析ツールなど)、予算金額に対しての裁量権の度合い、経験年数にばらつきがあり、どのスキルセットの方を対象としているかは採用要件としてしっかり記載することが重要となる。
- 志向性
- コロナ禍における会社・部署の先行き不安、および事業縮小などにより、転職を決断するケースが多い。一方で「自身のモチベーションや価値観に合った職業選択をしたい」という働き方への捉え方に変化も見られる。また30代以上の登録者は、親との同居や介護などを見据え、20代以上は場所や会社に捉われない働き方を重視している。在宅勤務(フレックス含む)や副業を希望する方も多く、働き方に関する相談も増えてきている。
マーケティング・広報職の求人動向
対象:2022年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
近年、直接消費者とやりとりをするD2C(Direct to Consumer)の広がりやデジタルマーケティングの積極活用から、自社サイトにおけるWebマーケティング、 データ分析経験者などデジタル人材の求人は増加傾向にある。また、今後はアフターコロナに向けた社会(働き方や生活スタイルの変化など)や個人の志向性に合わせて、サービスや商品、マーケット・手法などを創造する新しいマーケットが生まれるものと予測されている。そのため、時代の変化や事業の変化に柔軟に対応できる即戦力性の高い人材へのニーズがますます高まっていくだろう。
マーケティング・広報職の採用成功POINT
転職希望者の働き方に対する考え方・価値観の変化は顕著で、それに対してポジティブな対応・変革をしている会社なのかを見定める転職希望者が増加している。
オンラインを活用した選考や柔軟な働き方の訴求など他社と差別化をすることで、魅力的な人材を確保できるだろう(例えば、リモートワークや時差出勤・フレックスタイム制度など。コロナ禍の緊急措置ではなく、恒久的な制度を整えることなど)。
リモートワークが推進されることによって、時短からフルタイム就業への転向も増加傾向にある。加えて、経験者採用、ポテンシャル採用については以下がポイントになる。
≪経験者採用≫
コンサルティングファーム、広告代理店、事業会社の企画職などが採用競合となるため、競争率が非常に高い。経験者は依然引く手あまたで、企業のブランド力や処遇、ポストをドライに見比べる傾向が非常に強い。
条件(処遇だけでなく入社後に期待していることや仕事内容)や中長期のキャリアパスなどで頭一つ飛び抜けた訴求を前面に出せる求人にすることが重要。企業のスタンス、方針(何を社会に還元したいかなど)への共感も重視しており、上記をまとめて一次面接内でその点の具体的な情報提供をすることで、明確な入社の動機付けをすることが採用成功のポイントとなる。
≪ポテンシャル採用≫
最低限必要な素養(数値に強い、折衝能力があるなど)を社内で明確に定義することや、モデルケース(中途入社者の活躍)を求人票もしくは面接内で訴求して、求職者に入社後のイメージを持たせることが重要。また面接実施の際は、入社後のフォローアップ体制や人材育成にも力を入れている背景を伝えて、他社との差別化を図ることも重要になる。
加えて、同領域の登録者は転職活動が難航し自信を失っている方も多いため、面接内外で期待値や評価点をフィードバックし、意向醸成を図ることも有効である。
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企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)
- 2022年8月~10月の登録者数は、2022年5月~7月対比102%と微増
- 2022年8月~10月の求人数は、2022年5月~7月対比109%と増加傾向
- 組織課題や任せたいミッション・業務内容を明確に、評価ポイントを適切にフィードバックすることが重要
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の登録者動向
対象:2022年8月~10月にdodaにご登録いただいた転職希望者
- 年齢
- 総合職として他部署を経験した後に企画職に配属されるケースがほとんどのため、年齢層はやや高めとなり、36歳以上の登録者が全体の47%を占める。
- 職種
- 全体の割合を見ると、「商品企画・サービス企画」が36%、次いで「事業企画・新規事業開発」が26%、「経営企画」が20%、「営業企画」が18%。中でも「DX推進」「M&A」「BPR」「SDGs」などの業務経験者は希少である。
- 志向性
- 30代前半までの若手は「裁量があり、挑戦できる組織」を希望し、30代中盤以降は「これまでの経験を活かし、新たな挑戦ができる組織」を希望して転職活動をするケースが多い。全年代の傾向としては企画職にやりがいを感じている方が多く、キャリアチェンジよりも経験を活かしてキャリアの幅を広げることや、経験を深化させたいという志向性の方が多い。コロナ禍をきっかけに事業の転換期を迎え、現職の業績不振や業界への不安で、エージェントを利用する転職希望者が増えている。
経営層に近い立場で業務を遂行しているため、視座が高い方が多く、20~30代前半の方だと会社が時世にあった事業やサービスを展開しているか、会社の風土として顧客をはじめとするステークホルダーの声を大切にしているかなどを気にされる方が多い。
そのため、面接時に「将来のビジョン」や「今後の事業見通し」などを丁寧に伝えることが、意向醸成の大事なポイントになり得る。また、どの年齢層も複数の企業を併願して求職活動を進める場合が大半であるため、年収などの条件はもちろん、求職者のキャリア観、志向性や企業のビジョン・カルチャーとのマッチングなども企業選びの決め手となっている。
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の求人動向
対象:2022年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2022年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
コロナ禍を追い風に、特にECやSaaSを中心としたインターネットサービス、製造業などの分野では採用の熱度が高い。また、コンサルティングファームや代理店を中心に、これまで若手優秀層の採用を止めていた企業が活動を再開するケースも増えつつある。職種別では新規事業開発や企業の成長戦略をリードできる「商品企画・サービス企画」「事業企画・新規事業開発」職のニーズが活況。「営業企画」職では、解析ツールを活用するデータ分析スキルを求める求人や、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)などの業務プロセスを改善するポジションの求人ニーズは多い。
また、SaaS型ビジネスが活況となっているため「カスタマーサクセス」や「BtoBマーケティング」などの要素を求める求人も増加傾向にある。経営企画では、M&A経験者、中期経営計画策定経験者の求人の割合が高い。新規事業推進に向け、プロジェクト推進業務経験者や事業部の適切な予算管理と経営分析ができる方を採用したいという要望も増加しつつある。
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の採用成功POINT
転職希望者は、「キャリアアップ」「事業・サービスに共感できるか」を重視するため、母集団形成の段階から具体的な業務内容(何を任せたいのか)/事業・サービスの理解度を高めることが重要となる。コロナ禍の影響などにより、40代以上の転職希望者も増加しており、入社後に携わるプロジェクト、将来のキャリアプランが曖昧な求人への応募を避ける傾向が強くなっている。一方で、コミュニケーション能力や専門の知見を持った若手層へのアプローチで採用成功している企業もある。
オンライン選考も一般化しており、優秀な人材へアプローチするスピードが早まっているため、柔軟な対応による早期の人材確保が求められている。複数企業を比較する転職希望者が大半のため、面接時の人柄・スキルの見極めはもちろん、「入社に向けた動機付け」が何よりも重要となっている。
具体的には、自社の組織課題や任せたいミッションを明確に伝えること、入社後の業務やタスクをイメージできるまで落とし込むこと、また、選考段階における詳細な評価ポイントをフィードバックすること。このようなアクションによって、ほかの選考企業との差別化を図ることができ、応募者に「入社の必然性」を感じてもらうことができる。
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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。
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企画・マーケティング部門の中途採用市場レポート(2022年11月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス