原因と対策ボトルネックを
洗い出す方法も解説
2021.12.23(最終更新日:2024.11.05)
中途採用のキホン
有効求人倍率の高まりにより、採用難といわれる昨今、「十分な母集団が集まらない」「採用したいと思っても、辞退されてしまう」など、採用担当者の方の悩みも年々増えています。採用成功のためには、採用が難航する原因を分解し、一つひとつに対策を講じることが大切です。今回は採用活動が難航する原因とその対策について解説します。
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採用活動が
うまくいかない原因とは
採用活動が難航する要因はいくつか考えられますが、大きく分解してみると、次の3つが多いのではないでしょうか。
- 原因1:採用要件に合致する応募者が集まらない
- 原因2:選考辞退・入社承諾前辞退されてしまう
- 原因3:スキルの過不足や社風とのミスマッチを見抜けない
原因1:採用要件に合致する応募者が集まらない
「そもそも応募がこない」「応募はあるが、採用要件を満たす人材からの応募が少ない」などの理由で、次の選考に進めないケースです。この場合、適切な採用手法を選べていなかったり、採用したい人材が魅力を感じる求人票になっていなかったりと、母集団形成のプロセスに問題がある可能性があります。また、求人の採用要件や選考の採用基準が今の転職市場と乖離した難易度の高い内容になっている可能性もあります。
原因2:選考辞退・入社承諾前辞退されてしまう
「他社決定」や「処遇・待遇など条件面での不一致」「選考スケジュールの調整不全」などの理由から応募者に辞退されてしまうケースです。選考辞退は、企業と転職希望者それぞれの希望条件が合致しなかったことにより起こるものですので、やむを得ない理由ではありますが、条件が合致しなかった場合でも、「面白そうな仕事だ」「魅力的な会社だ」と思ってもらえたかどうかは重要です。仕事の魅力や企業のビジョンを十分に伝えきれていないのではないか、あるいは選考フローが長すぎたり、面接可能日程のバリエーションが少なかったりして機会損失になっていないかどうか確認してみましょう。
原因3:スキルの過不足や社風とのミスマッチを見抜けない
採用要件と応募者のスキルややりたいことが一致しているか、応募者が社風になじめるかなどの見極めが難しいため、入社後にミスマッチが起こり早期離職につながってしまうケースです。中途採用者に会社になじみ、スキルを発揮してもらうためには、選考段階からの情報提供が大切です。マイナス面の情報も含めた具体的な仕事内容の説明や、将来のビジョンを伝え、応募者と相互理解を深めることで、入社前後のギャップを減らすことができます。
採用プロセスの
ボトルネックの見つけ方
採用活動が難航している場合、採用プロセスのどこかにボトルネックが存在している可能性が高いです。
そこで、採用プロセスごとの数値管理(KPI管理)が重要になってきます。KPI(応募数、面接設定数、面接通過率、入社承諾率など)は過去の実績をもとに設定するのが一般的です。設定したKPIと現状の実績を比較し、数値に乖離がある場合、採用プロセスのボトルネックになっている可能性があります。
採用プロセスのボトルネックの具体例
上記の例は、直近一年間の実績に基づき、推移率が前年と同じと想定して応募数を増やす形でKPIの設計がされています。
当期の実績は、応募数はKPIからずれてはいませんが、入社数が0となっています。ボトルネックになっている3カ所を見ていきましょう。
1. 書類通過率が直近一年間の実績と比較して悪化している
応募があっても書類選考を通過しないという状況ですので、母集団の中に採用要件を満たす人材の割合が少ない、つまり母集団形成がボトルネックになっていることが分かります。
2. 一次面接後の辞退数が多い傾向がある
最終面接の選考に25日かかっていることが原因の一つになっている可能性があります。
3. 採用決定からの入社率が減少している
一人も入社しておらず、入社承諾前辞退がボトルネックになっていることが分かります。
このように数値で比較してみるのがボトルネックを見つけるときの一つの方法になります。上記は採用プロセスまでを可視化したものですが、採用後の離職率まで広げてみると採用活動全体に対しての振り返りができるので、おすすめです。
特に採用難といわれる昨今では、採用効率を高める動きとともに、採用した社員の離職率を下げることも人事課題の一つになっています。参考までに、厚生労働省発表の「雇用動向調査」によると、令和2年の平均離職率は14.2%です。ただし、業界や職種によっても基準が異なるため、同調査結果の「産業別の入職と離職」で自社の属する業界の平均離職率と自社の離職率を確認してみましょう。
※出典:厚生労働省「雇用動向調査」「入職と離職の推移[pdf]」「産業別の入職と離職[pdf]」
採用活動の課題と
その対策
中途採用では主に4つのステップで採用活動を進めていきます。採用活動がうまくいかない原因となっているステップを突き止めたら、そのステップか前段階のステップを改善することが対策につながります。
-
STEP 1
採用計画を立てる
- 採用目標を決める
- 採用要件を定義する
- 採用基準を確認する
- 選考フローを確認する
- 採用手法を決める
-
STEP 2
母集団を形成する
- 求人票を作成する
- 採用手法の見直しをする
-
STEP 3
選考する
- 面接を実施する
-
STEP 4
入社前フォローをする
- 採用条件通知書を送付する
- 入社手続きをする
母集団形成に
原因があるケース
求人の応募が少ない、書類選考の通過率が悪い場合、母集団の形成がうまくできていないことが考えられます。母集団形成を最大化し、応募数を増やすための対策方法を紹介します。
- 対策1:採用基準を見直す
- 対策2:採用手法を見直す
- 対策3:求人情報の内容を見直す
対策1:採用基準を見直す
採用基準は募集背景までさかのぼると、採用要件や採用基準の見直しの必要性が見えてくることがあります。 また、転職市場の動向や競合他社の動きを調査・分析することも大切です。競合他社と比較して、自社の採用基準が高く設定されている場合は、適正な基準に変えるなどの見直しが必要です。
採用基準の見直し方法について詳しく知りたい方は、「採用基準の設定方法について。見直すポイントや注意点を解説」の記事も併せてご確認ください。
対策2:採用手法を見直す
採用要件に対して、母集団を形成するための採用手法が適切でない可能性があります。「安い」「簡単」という理由で採用手法を選んでも、採用ターゲットが母集団の中にいなければ意味がありません。採用ターゲットとなる人材がより多く集まる求人媒体や採用手法を見極めることが大切です。
採用手法 | 説明 |
---|---|
ハローワーク | 行政機関が運営する公共職業安定所。無料で求人を出せる |
求人媒体 | 複数の求人情報をまとめて掲載している媒体。紙媒体とWeb媒体がある |
人材紹介サービス | 採用要件を満たした人材の紹介を受けられる採用支援サービスのこと。初期費用がかからない |
ダイレクト・ソーシング (ダイレクトリクルーティング) |
応募を「待つ」のではなく採用候補者を探しに行く採用手法。アプローチの幅を広げられる |
合同会社説明会 (転職フェア) |
応募前の転職希望者と直接会って話せる転職イベント |
採用手法について詳しく知りたい方は、「【採用手法一覧】中途採用に役立つ採用手法の種類や比較などを総まとめ」の記事も併せてご参照ください。
対策3:求人情報の内容を見直す
求人情報は応募者に自社への興味を持ってもらえるきっかけです。仕事内容、企業概要、就業条件等の条件面を具体的に書くことはもちろん、「求める人物像」「募集背景」「想定残業時間」「業績」などの仕事に焦点を当てた情報を提供することで、入社後のイメージが湧きやすく、応募につながりやすくなります。
選考に原因があるケース
面接通過率が低い場合、原因として応募者からの選考辞退のほかに、社内の連携がうまく取れていない可能性もあります。面接通過率を改善するための対策を紹介します。
- 対策1:選考フローを見直す
- 対策2:面接を工夫する
対策1:選考フローを見直す
選考フローが多いと、選考期間が長引く原因になります。応募者は複数社の選考を並行して受けていることが多く、選考回数はなるべく最小限にとどめ、他社よりも選考を早く進めることが採用成功の鍵になります。
ただし、選考回数が少ないと企業と応募者の間にミスマッチが起こる可能性もあります。選考回数を減らした分は、社員との懇親会を設けるなど、企業文化や職場の雰囲気を知ってもらう機会を作ることが大切です。
選考フローを見直す際は、書類選考や筆記試験・適性検査の有無などの選考形式、面接回数を確認しましょう。各選考はどの要素を見定めるために行うのかを採用基準とセットで考えましょう。
選考フローの見直しについて詳しく知りたい方は、「選考辞退・入社承諾前辞退を防ぐには? 原因から考える3つの防止策」の記事も併せてご参照ください。
対策2:面接を工夫する
面接は応募者のスキル・適性を見極めるだけでなく、入社への意向を醸成する場でもあります。応募者の志望順位は、面接中の「企業の対応」「面接官の印象」「応募者への評価」などで変化します。応募者の入社意思を高めるような面接の工夫ができているかを確認しましょう。
面接のポイント
- 面接官の印象=企業全体のイメージ。面接官としてふさわしい言動を心掛ける
- 応募者が働くイメージを描けるよう、より詳細な業務内容等を伝える
- 面接後の評価や期待は応募者に伝える
詳しくは、「入社意向を上げる面接のポイントと面接官の心得」の記事で解説していますので、併せてご参照ください。
入社前フォローに
原因があるケース
採用決定から入社までの期間は採用決定者が不安になりやすいため、しっかりとフォローを行う必要があります。
- 対策1:オファー面談をする
- 対策2:定期的に連絡を取り合う
対策1:オファー面談をする
採用連絡後に「労働条件通知書」「採用条件通知書」と呼ばれる労働条件などが記載された文書を送付する際に、郵送ではなく面談の場を設けて、採用決定者と労働条件のすり合わせをすることを「オファー面談」といいます。
オファー面談は選考ではないので、採用決定者の本音を聞き出しやすく、採用決定者の不安や疑問を解消する場としても活用できます。
対策2:定期的に連絡を取り合う
在職中の採用決定者は、退職交渉や業務の引き継ぎが発生するので、入社までに数週間~数カ月かかることがあります。その間、退職手続きの進捗などをしっかりと確認しましょう。また、退職にともなうトラブルが発生した場合、必要なサポートを行うことも大切です。採用決定者が気軽に相談できるよう、社員との懇親会を開いたり、社内報等をメールマガジンで配信したりするなどして定期的に連絡を取り合っておくとよいでしょう。
採用決定後フォローについて詳しく知りたい方は、「選考辞退・入社承諾前辞退を防ぐには? 原因から考える3つの防止策」の記事も併せてご参照ください。
ボトルネックを洗い出して採用を成功させよう
採用活動が難航する原因と対策について紹介しました。原因を突き止めるには、各採用プロセスを数値で可視化して、どこがボトルネックになっているのかを把握し、対策を考えることが大切です。
とはいえ、採用活動は転職希望者、企業の採用担当者、現場責任者、経営者と、多くの「人」が関わりますので、計画どおりに進まないこともあります。
近年は有効求人倍率の高まりもあり、採用活動の長期化も懸念されています。採用担当者の工数は増える一方で、膨らむ採用課題すべてを一人で解決することは困難です。かけられる工数が限られている場合やどこを対策したらよいか分からない場合は、まずは採用のプロに相談してみることも一つの手です。
その際は、ぜひdodaをご検討ください。
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