採用活動とは?企業側における成功ポイントや採用トレンドをご紹介

採用活動とは?企業側における成功ポイントや採用トレンドをご紹介

採用活動とは?企業側における成功ポイントや採用トレンドをご紹介

2024.10.02(最終更新日:2024.10.03)

中途採用のキホン

企業が人材を採用するために行う一連のプロセスを、採用活動と言います。採用活動を成功させ自社が長期的に成長し続けるためには、採用の流れや押さえておくべきポイントを理解し、計画的に進めていくことが大切です。

この記事では、採用活動のスケジュールやステップ、成功させるためのポイントを紹介します。トレンドの採用手法についても解説していますので、従来の方法ではなかなか採用が難しいと感じている人事・採用担当者の方も参考にしてみてください。

採用活動とは?

採用活動とは、採用計画の立案や選考、入社後のフォローに至るまでの一連のプロセスのこと。主なプロセスは、以下の通りです。

採用計画の立案
採用手法の決定
広報活動による母集団形成
書類選考、面接
合否連絡
入社予定者の育成
入社後のフォローアップ など

広報活動によって応募者を募るだけでなく、事前の計画の策定や入社決定後のフォロー・育成なども含みます。自社の成長に必要な人材を採用し、定着させることが人事・採用担当者の責務ともいえるでしょう。

採用活動の目的

採用活動の目的は、企業が掲げるビジョンや経営戦略を達成するために必要な人材を採用することです。そのためには、「不足している人材を補う」もしくは「さらなる成長のために増員する」といったことなどを行う必要があります。

前者では、労働力不足の解消という観点だけでなく、必要なスキルや経験を持った人材を採用することで、生産性の向上やスキルの底上げが期待できます。入社者への教育を通して、既存社員の成長が見込めるのもメリットの一つでしょう。後者では、新たな考え方や多角的な視点を得ることで、企業や組織の活性化を図れます。

採用活動は、「事業計画と現状のギャップを、人材を採用することで補完する活動」ともいえます。そのため、採用活動が企業を発展させる重要なプロジェクトの一つであるという認識を持つことが大切です。

採用活動の種類とスケジュール

採用活動には大きく分けて「新卒採用」と「中途採用」の2種類があります。それぞれの特徴や採用スケジュールについて詳しく見ていきましょう。

新卒採用

新卒採用は、大学や専門学校などを卒業予定の学生(新卒者)を対象に行うもので、毎年同じ時期に一定数を採用します。 学生が学修時間を確保しながら就職活動に取り組めるよう、政府が提示するスケジュールに従って採用活動を進めることが特徴です。政府が要請する採用活動日程ルールは以下の通りです。

広報活動開始 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
採用選考活動開始 卒業・修了年度の6月1日以降
正式な入社承諾日 卒業・修了年度の10月1日以降

(参考:内閣官房『就職・採用活動に関する要請』)

4年制大学の学生を例にすると、広報活動の開始は大学3年生の終盤に当たる3日1日以降、採用選考の開始は大学4年生の6月1日以降、正式な入社承諾通知があるのは同年の10月1日以降となります。その後、翌年4月の入社式に向けて入社予定者フォローや研修を行います。

中途採用

中途採用は、年齢層を絞らず、社会人経験のある人材を対象に行う採用です。即戦力となるかが採用基準となり、選考では主にスキルや経験を重視します。自社にない知識やノウハウを取り入れたり、異なる企業での就労経験がある人材を迎え入れることでよい刺激を得たりすることも目的の一つです。

新卒採用とは異なり採用スケジュールが一定ではなく、「通年で随時募集をする」「期間を定めて募集をする」「欠員補充もしくは増員したいタイミングで臨時的に行う」のいずれかであることが一般的です。

採用活動のステップ

実際に、採用活動はどのように進めていくとよいのでしょうか。ステップを6つに分け、それぞれの具体的な内容を解説します。

採用戦略を立てる

採用戦略とは、自社の求める人材を計画的に採用するために立てる戦略のこと。経営戦略は「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つの経営資源全てを含む戦略を指しますが、採用戦略はその中の「ヒト」にフォーカスしたものです。

労働人口の減少や人材の流動化、転職希望者のニーズの多様化によって採用市場の競争が激しくなった昨今、これまでと同様の採用戦略では応募者が集まらないことも考えられます。そこで、改めて将来を見据えた具体的な戦略を練ることが重要です。

具体的には、自社の強みと弱みを洗い出す「内部分析」、採用市場の変化や競合企業を調査する「外部分析」、採用したい人材像を明確にする「ペルソナ設定」などを行います。

採用計画を立てる

採用計画とは、企業の経営方針や事業計画を遂行するために必要な採用人数やスケジュールなどを定めること。「どの部署に」「どのような人材を」「いつまでに」「何人集めるか」など、採用戦略を具体化したものが採用計画です。採用計画を立てる際には、以下の要素を明確にします。

採用計画で重要な5つの要素

採用の目的
求める人物像
採用人数
募集期限、スケジュール
予算

採用計画を立てる際には、事前のリサーチも欠かせません。近年の転職希望者の傾向や競合企業の採用傾向の確認、経営層や担当部署へのヒアリングなどを行った上で採用計画を立案することで、目標の達成に近づくことができるでしょう。

採用方法(手法)を決定する

採用計画を立てたら、求める人物像に応じた採用手法を選択しましょう。採用方法には、以下のようにさまざまな種類があります。

ハローワーク
求人広告
合同説明会
人材紹介サービス
ダイレクト・ソーシング
リファラル採用
アルムナイ採用
SNS採用 など

募集活動を行う

採用手法が決定したら、募集活動を開始します。募集要項を作成する際は、「必須条件」と「歓迎条件」に分けて記載し、採用したい人材像の解像度を高めましょう。法律によって必ず明示しなければならないなど項目を記載するとともに、記載が禁止されている表現を使用しないことも重要です。また、組織が目指すビジョンやミッションのほか、創業の背景や仕事のやりがい、1日の流れなど、応募者がイメージしやすい情報を記載できると効果的です。新卒採用の場合は、「入社後にどのような経験を積めるのか」「仕事を通じてどう社会に貢献できるのか」といった内容も伝えられるとよいでしょう。中途採用の場合は「専門的な知識や経験をどのように活かせるか」「キャリアステップのイメージ」などの記載がお勧めです。

選考活動を行う

応募者が集まったら、選考活動を行い、応募者と企業それぞれのニーズがマッチしているかを図ります。書類選考や適性検査後に複数回面接を実施し、応募者との対話を通して人柄やスキルを探るのが一般的です。従来の面接では、応募者が自社に適した人材であるかを面接官が確認していましたが、近年は採用市場の難度が上がっていることもあり、応募者が入社を辞退するケースもあります。面接では自社が求める人材かを見極めるとともに、応募者の意向を醸成しましょう。

採用予定者フォロー・入社後のフォローアップ

入社予定者を決定することまでが採用活動ではありません。入社予定者が入社を辞退したり、入社後すぐに退職したりすることがないよう、採用決定後や入社後のフォローアップが重要です。入社予定者が辞退をする理由としては、「併願していた競合企業にも採用が決まった」「自社に魅力を感じなかった」「自社でよいのか不安になった」などが考えられます。これらの入社予定者の懸念や不安を解消し、ニーズに寄り添うには、以下のような施策を行うとよいでしょう。

同期間や既存社員とのつながりをつくるために交流イベントを実施する
自社の情報を定期的に発信する
スキルや知識を身に付けるための研修を行う

採用活動を進める中でのポイント

採用活動を進める上で重要なポイントをまとめました。

採用ターゲット(ペルソナ)をしっかり定める

まずは、採用ターゲットをしっかりと定め、具体的な人物像(ペルソナ)にまで落とし込むことが重要です。どんなに時間やコストをかけても、ペルソナ設定が不十分では、母集団形成がうまくいかなかったり、面接官の判断基準がぶれて入社後のミスマッチにつながったりする恐れがあります。そのような事態を防ぐためにも、募集を行う前に「これまでの経歴やスキル」「行動特性」「価値観」など、自社が求める人材像を明らかにしておきましょう。

あらかじめ採用計画を立てて採用する

採用活動に伴うリソースや期間を考慮し、スムーズに採用計画を遂行できるようにスケジュールや社内体制を整えることもポイントです。過去の採用を振り返り、課題に対してどのようにアプローチしていくか対策を練りましょう。面接で自社の魅力付けを行うために、必要に応じて面接官研修などを行うことも効果的です。また、事前に転職市場のトレンドや競合各社の動きもリサーチしておくことで、より良い採用計画が立てられます。

求人票に記載する内容を磨き込む

職業安定法施行規則により、企業が求人を行う際には以下の項目を明示することが義務付けられています。

求人票に最低限記載すべき項目

1.業務内容・従事すべき業務の変更の範囲
2.契約期間
3.試用期間
4.就業場所・就業場所の変更の範囲
5.就業時間・休憩時間
6.休日
7.時間外労働
8.賃金
9.加入保険
10.受動喫煙防止措置
11.募集者の氏名または名称

一方で、「性別や年齢を限定する表現」「虚偽や誇張した表現」「最低賃金を下回る給与の記載」は禁止されているため、注意が必要です。 これらを踏まえた上で、求める人材が魅力を感じる情報を盛り込みましょう。例として、「最寄り駅からオフィスまでの所要時間」や「在宅ワーク可」といった通勤や勤務に関する情報の詳細を記載したり、「●●休暇あり」「服装自由」といった自社の特色を明記したりすると、転職希望者の興味を引きやすくなります。なお、労働者の募集に関する情報を提供する場合には、掲載した時点を明示するなど最新かつ正確な内容を保つ義務があります。面接までの過程で求人票に明示した労働条件と変更がある場合は、速やかに変更内容を明示しましょう。

(参考:厚生労働省『令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます』)

採用の最新トレンドについて

これまでの採用手法は人材紹介サービスや求人広告の利用が主体でしたが、大きく変化している部分もあります。ここでは、トレンドの採用手法を4つご紹介します。

リファラル採用

リファラル(Referral)とは「推薦」や「紹介」という意味で、リファラル採用は、自社に合う人材を自社の従業員や取引先に紹介してもらう採用手法です。紹介者が自社のことをよく知っているため、マッチング率や定着率が高い傾向にあります。紹介者である従業員には報酬を渡すケースが一般的ですが、求人広告を打たないため採用コストを抑えられるという特徴があります。

SNS採用

採用ターゲットがSNSに慣れ親しんでいる世代に対しては、SNS採用の活用も増えています。例として、オフィスの雰囲気や既存社員へのインタビューを動画で撮影し、SNSで投稿することで、入社するまでは見えにくかった部分を知ってもらうきっかけにつながります。転職希望者と直接つながれるので、コミュニケーションツールにもなるほか、閲覧者による拡散効果も期待できるため、企業の認知度向上やブランディングにもなる方法といえるでしょう。

オウンドメディア採用

オウンドメディアとは、企業や組織が保有するWebサイトやブログを指します。オウンドメディアの中でも、転職潜在層に向けて情報発信するサイトを「採用オウンドメディア」と言います。求人サイトや求人広告のようなフォーマットがなく、自社のミッションやビジョン、カルチャーや価値観、働き方などについて、戦略的かつ自由に自社の魅力を発信することができます。自社のページにアクセスしてもらうことが必須となるため採用までに期間を要する場合もありますが、一方で自社と親和性の高い人材を採用できる可能性もあります。

アルムナイ採用

アルムナイ(alumni)は、卒業生や同窓生という意味を持つ言葉で、この場合は企業の退職者のことを指します。アルムナイ採用は、自社を退職した人を再雇用する採用手法で、自社のミッションや文化について理解のある人材を採用するため、「即戦力となる人材の採用」と「ミスマッチの防止」が期待できます。求人コストが少なく、短期的に成果を見込めるのが魅力といえるでしょう。

さいごに

採用活動を成功させるためには、事前の戦略や計画を綿密に練り、入社後のフォローアップまで丁寧に対応していくことが大切です。過去の採用活動を振り返り、課題の洗い出しと改善を繰り返していくことで、マッチングの精度も高まるでしょう。近年は求人広告や人材紹介サービスの利用に加え、SNS採用やリファラル採用などがトレンドになっています。メリット・デメリットを理解した上でさまざまな採用手法を組み合わせ、採用活動の成功につなげましょう。

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