2025.03.06(最終更新日:2025.03.12)
中途採用のキホン
採用代行と人材紹介サービスは、採用活動を実施する方法として有力な手法です。しかし、両者にどのような違いがあるのか、きちんと把握できていない人事・採用担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、サービス内容や料金体系などの7つの項目で、採用代行と人材紹介サービスの違いを徹底解説いたします。後半では、採用代行や人材紹介サービスを利用する際のポイントも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
採用決定時に費用が発生する“完全成功報酬型”の採用支援サービスです。初期費用0円のため低リスクで効率的に欲しい人材を採用することが可能です。サービス詳細については以下からお気軽にお問合せください。
採用代行と人材紹介サービスの違いとは?
採用代行とは、採用業務の一部あるいは全体を代行するサービスのことです。採用アウトソーシングや、RPO(Recruitment Process Outsourcing)とよばれる場合もあります。求人広告の出稿や応募者の選考、面接、内定通知など、採用に関する幅広い業務を任せることが可能です。なお、採用代行はあくまでも業務を「代行」しているにすぎないので、人材の募集そのものは利用する企業の名義で行われます。
対して、企業から依頼を受けて、要件に合った人材を紹介するのが人材紹介サービスです。「有料職業紹介所」という厚生労働大臣から認可を受けたサービスが、これに該当します。人材紹介サービスが対応するのは、人材の選定から企業への紹介、そして入社までのフォローとなります。
以上が、採用代行と人材紹介サービスそれぞれの概要となりますが、サービス内容や料金体系など、細かな観点での違いは他にもあります。
採用代行と人材紹介サービスの違い一覧
項目 | 採用代行 | 人材紹介サービス |
---|---|---|
サービス内容 | 採用プロセスの一部、あるいは全体を代行してもらえる | 企業の採用要件に適した人材の紹介に特化しており、求人作成や書類選考のスクリーニングまで対応してもらえる |
料金体系 | ・月額制や従量課金制が基本 ・依頼内容による金額の振れ幅が大きい |
・成果報酬型が基本 ・採用した人材の想定年収の約30~40%の手数料が発生する |
行政の許可 | 委託する業務の内容次第で必要となる | サービスを利用する企業側で許可を得る必要はない |
導入するメリット | ・採用業務の工数が削減される ・コア業務に集中できる ・採用業務の品質が向上する ・採用基準が統一される |
・費用面でのリスクが少ない ・非公開求人を掲載できる ・希望条件に合った母集団形成ができる ・客観的な視点から自社のPRができる |
導入するデメリット | ・採用ノウハウの蓄積が難しい ・認識のズレがあるとミスマッチが起こる ・依頼するための工数がかかる |
・採用費用がかさむ可能性がある ・条件を絞りすぎると人材が見つからない |
導入までの流れ | 1.KPIの設定と課題の洗い出し 2.採用代行業者の選定 3.事前の打ち合わせと委託範囲の検討 4.契約の締結 5.運用開始 |
1.人材紹介サービスの選定・契約 2.募集要件についての打ち合わせ 3.求人票の作成 4.人材の紹介 |
導入までにかかる期間 | 数カ月 | 即座に導入可能 |
導入をおすすめするケース | ・過去に採用活動を実施したことがない ・採用のノウハウが現状ない ・採用業務の最適化を図りたい ・採用の目標人数が多い |
・専門性の高いスペシャリストやマネジメント層を採用したい ・募集するポジションや必要なスキルがすでに決まっている ・非公開求人で採用したい |
これらの詳細を以降にまとめていますので、引き続きご覧ください。
違い①サービス内容
初めに、採用代行と人材紹介サービスのサービス内容の違いを解説します。それぞれのサービス内容の概要は以下の通りです。
採用代行と人材紹介サービスのサービス内容の違い
項目 | 採用代行 | 人材紹介サービス |
---|---|---|
主目的 | 企業の採用業務の代行 | 企業の要望に合った人材の紹介 |
サービスの提供形態 | ・バックオフィス型 ・フロント型 |
・一般登録型 ・サーチ型 ・アウトプレースメント型 |
対応可能な業務内容 | ・採用計画の策定 ・応募者の管理 ・母集団の形成 ・書類選考 ・面接日の調整 ・面接の実施 |
・企業の要望に合致する人材の選定 ・選定した人材の企業への紹介 ・面接日の調整 ・応募者への合否連絡 ・給与面や待遇面などの交渉 |
より詳細な内容は以降でご確認ください。
採用代行のサービス内容
先述の通り、企業の採用業務全般を代行するのが、採用代行の基本的なサービスです。事前にすり合わせた採用の目的や委託の内容に基づき、利用する企業が理想とする採用活動を行ってくれます。
また、自社で抱えている課題に応じて、提供を受けるサービス内容をカスタマイズできるのも強みです。たとえば、母集団の形成がうまくいっていないなら、求人広告の出稿や会社説明の代行を依頼することで改善を図れます。
なお、採用代行には2種類のサービス形態が存在します。バックオフィス型は、主に採用活動における運用業務をサポートするタイプです。具体的には、採用管理システムの運用や、面接・説明会などの日程調整、応募者に対するメール・メッセージの対応、その他事務業務などをカバーしてくれます。
母集団形成の手法選定や面接代行といった、フロント業務への対応を求める場合は、バックオフィス型ではなくフロント型を利用しましょう。面接官を育成するためのトレーニングや研修も任せられるので、自社の人事・採用担当者の育成もかないます。
人材紹介サービスのサービス内容
人材紹介サービスは、企業が希望するスキルや経歴を有している人材を、選定・紹介することに特化したサービスです。基本的には、条件に合った人材の選定から企業への紹介(推薦)、そして入社に向けたフォローまでがサービスに含まれます。
あくまでも「人材紹介サービス」が主目的であり、採用業務の全てをカバーしてくれるわけではない点は理解しておきましょう。また、人材紹介サービスにもいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴をもっています。
人材紹介サービスの種類と特徴
種類 | 特徴 |
---|---|
一般登録型 | サービスに登録済みの転職希望者の中から、企業の要望に合った人材を選定・紹介する |
サーチ型 | 要望に合った人材を直接スカウトして企業に紹介する |
アウトプレースメント型 | 諸般の事情で雇用の継続が困難になった人材の中から、企業の要望に合った人材を紹介する |
こうした種類の違いの他に、サービスごとにも細かな差異があるので、実際に利用する際は事前にリサーチしておくことをおすすめします。
(参照:『人材紹介サービスとは?図で解説。特徴とメリット、押さえておきたい利用の流れについてのポイント』)
違い②料金体系
採用代行と人材紹介サービスのどちらを利用するかを考えるうえで、料金体系の違いはしっかりとチェックしておきたいところです。
採用代行と人材紹介サービスの料金体系の違い
項目 | 採用代行 | 人材紹介サービス |
---|---|---|
料金体系 | ・月額制 ・従量課金制 |
成果報酬型 |
料金相場 | ・数十万~数百万円 ・委託する業務内容によって大きく変動する |
・採用した人材の想定年収の約30~40% ・専門職や管理職では上記以上の手数料になる場合もある |
この通り、両者は基本的な料金体系からすでに異なります。これがどのような違いをもたらすのでしょうか?
採用代行の料金体系
採用代行の料金体系は、月額制か従量課金制が基本です。
月額制では、委託する採用業務の範囲を事前に取り決めたうえで、毎月の費用が決まります。月ごとの支出が一定になり予算管理は容易になりますが、採用業務がほとんど発生しない月でも同額となるため、費用対効果が悪化する場合もあります。
一方の従量課金制では、その月に依頼する業務量によって費用が変動するので、採用業務の少ない時期には費用を抑えることが可能です。しかし、その分予算管理は複雑になるうえ、業務量が増えた際に想定を上回る費用が生じる可能性がある点は、留意しなくてはなりません。
なおどちらの料金体系でも、委託する業務の内容や量次第で費用が上下するのは共通です。一部の業務だけを委託するケースでは、数万~数十万円程度に抑えられます。ですが、採用業務のほとんどを委託することになれば、その費用は数百万円を超すと考えるのが妥当でしょう。費用対効果を高めるためにも、委託する業務の範囲は社内で入念にすり合わせておくことをおすすめします。
人材紹介サービスの料金体系
人材紹介サービスは成果報酬型が基本であり、紹介された人材の採用が決まってから初めて費用が発生します。そのため、初期費用や運用費用が発生することはありません。
成果報酬として支払う額の目安は、採用した人材の想定年収の30~40%程度です。ただし、採用したのが専門職や管理職であれば、それ以上の割合になるケースも少なくありません。またサーチ型の場合は、成果報酬だけではなく着手金も必要となる場合があります。
(参照:『人材紹介サービスの手数料の相場とは?初心者必見、しくみや返還金について徹底解説』)
違い③行政の許可
行政との関わり方にも違いがあるので、これも把握しておきましょう。以下の表の通り、利用時に必要となる許可をとる主体に違いがあります。
採用代行と人材紹介サービスの行政の許可の違い
項目 | 採用代行 | 人材紹介サービス |
---|---|---|
行政の許可 | 必要 | 必要 |
許可をとる主体 | サービスの提供者と利用者 | サービスの提供者のみ |
このような違いが生じる理由を、採用に関連する法律と合わせて詳しく解説していきます。
採用代行
採用代行を利用する際、業者に委託する業務の内容次第で、行政の許可が必要になる場合があります。なぜなら、職業安定法にて以下の通り定められている、「委託募集」の規定などに該当する可能性があるからです。
(委託募集)
第三十六条 労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
委託募集の規定などに該当するにもかかわらず、企業と業者の両方が行政の許可をとっていなければ違法行為となります。ですので、もし委託する業務内容がこれに該当する可能性があるなら、行政の許可を必ずとりましょう。なお、委託募集の定義については厚生労働省より案内が出ているので、詳細はそちらをご確認ください。
(参照元:『厚生労働省:Ⅲ委託募集」』)
人材紹介サービス
人材紹介サービスに関しても職業安定法にて言及がありますが、こちらではサービスの提供者側のみ許可を申請するようにと定められています。そのため、企業側で何らかの対応や手続きをする必要がなく、すぐに利用を開始できます。
違い④導入するメリット
ここまでの説明からわかる通り、採用代行と人材紹介サービスは特徴の異なるまったく別のサービスです。ゆえに、導入することで得られるメリットにも違いがあります。
採用代行と人材紹介サービスの導入するメリットの違い
項目 | 採用代行 | 人材紹介サービス |
---|---|---|
導入するメリット | ・採用業務の工数が削減される ・コア業務に集中できる ・採用業務の品質が向上する ・採用基準が統一される |
・費用面でのリスクが少ない ・非公開求人を掲載できる ・希望条件に合った母集団形成ができる ・客観的な視点から自社のPRができる |
それぞれのメリットの詳細を、以降で深掘りしていきます。
採用代行のメリット
採用代行を利用するメリットは、主に工数や業務内容に関連するものとなっています。
採用業務の工数が削減される
採用代行を導入すれば、それまで専任の担当者が時間を割いて対応していた業務をアウトソーシングできるので、工数の大幅な削減がかないます。応募者の管理や面接対応、合否連絡、また社内での各種調整など、採用業務にはいわゆる「オペレーション業務」が多数存在します。上記への対応に追われていては、採用企画の立案や経過分析などの、重要性の高い業務のために時間を確保することも難しいでしょう。
しかし、採用代行にオペレーション業務を任せれば、担当者の工数に余裕が生まれ、採用活動の根幹に関わる業務に注力できるようになります。
コア業務に集中できる
コア業務に割ける時間が増やせるのも、採用代行を利用するメリットの一つです。先に説明した通り、採用代行を利用すれば、委託した業務分の工数を大幅に削減できます。その結果として、採用業務に割いていた人員をコア業務に回せるようになるわけです。
コア業務に携わる人員が増えれば、会社の主要な商品・サービスの質が上がり、業績の向上が見込めます。そうなれば業界での評判も高まり、回り回って採用活動も好調になるかもしれません。
採用業務の品質が向上する
採用活動のプロフェッショナルである採用代行を利用すれば、業務の品質向上もかないます。プロのノウハウが詰まった採用手法や施策の活用により、自社の採用要件にマッチした人材を採用できるチャンスが増えるはずです。
また採用代行のサービスには、採用活動におけるアドバイスやコンサルティングが含まれることもあります。自社にノウハウがない場合は、これらを利用して社内の人事・採用担当者を育成していくのも一つの手です。
採用基準が統一される
採用基準が統一され、各担当者に依存しない体制が整えられることも、見逃せないポイントです。全国展開している企業では、支社や拠点ごとに採用活動を実施していることも珍しくありません。このようなケースでは、各地で採用の基準がバラバラになっており、方向性が担当者の観点や力量に依存してしまっている場合があります。
このような状態が続くと、拠点間で人材の採用状況に差が生まれてしまいます。そこで効果を発揮するのが、採用代行です。採用代行を利用して基準を統一すれば、各地での採用活動の品質を安定させることができます。また、本社が各地の状況を把握できるようになるため、今後の方針決めや改善策の立案も容易に実施できるようになります。
(参照元:『採用基準の設定方法について。見直すポイントや注意点を解説』)
人材紹介サービスのメリット
一方、人材紹介サービスでは、費用面や人材の募集方法に関わる部分でメリットを享受できます。
費用面でのリスクが少ない
先述した通り、人材紹介サービスの料金体系は成果報酬型が基本です。人材の採用が決まらない限りは費用が発生しないため、「費用をかけたのに人材を採用きなかった…」といった事態に陥ることがまずありません。
採用予算の把握も容易になるので、費用面での負担を抑えたい場合には人材紹介サービスを利用するのが最適です。
非公開求人を掲載できる
人材紹介サービスでは非公開求人を掲載することも可能です。
コンフィデンシャルで進めたいプロジェクトのメンバーや重要なポジションなどは、会社の戦略や内情に関わるため、求人情報を表立って掲載したくないケースもあるでしょう。そのような場合でも、人材紹介サービスでは非公開求人として掲載することが可能なので、経営上のリスクなく採用活動に取り組めます。
希望条件に合った母集団形成ができる
人材紹介サービスでは、事前に伝えた要件に合致した人材だけが、応募者としてピックアップされます。そのため、要件にそぐわない応募者のスクリーニングや、求人広告の選定といった作業をせずとも、理想的な母集団を形成することが可能です。
この特性上、エンジニアやクリエイターなどの専門性が高い人材や、ハイキャリア人材など、でも人材を見つけることができます。
客観的な視点から自社のPRができる
客観的な視点で効果的に自社をPRできるのも、人材紹介サービスならではのメリットです。
人材紹介サービスを活用するとサービス側の担当者から会社の魅力を伝えてもらうこともできます。第三者からの客観的なアピールとなるため、「信頼性の高い情報」だと応募者に評価してもらうことができます。担当者と応募者の間には、就職活動を通して信頼関係が築かれていることもあるので、自社だけでのPRよりも効果的に応募を後押しできるはずです。
違い⑤導入するデメリット
メリットだけではなくデメリットも把握しておけば、より正確に自社に合った採用手法を検討できるでしょう。採用代行と人材紹介サービスそれぞれのデメリットは以下の通りです。
採用代行と人材紹介サービスの導入するデメリットの違い
項目 | 採用代行 | 人材紹介サービス |
---|---|---|
導入するデメリット | ・採用ノウハウの蓄積が難しい ・認識のズレがあるとミスマッチが起こる ・依頼するための工数がかかる |
・採用費用がかさむ可能性がある ・条件を絞りすぎると人材が見つからない |
「これでは要望に合った人材を採用できない…」と後悔しないためにも、以降の説明を参考に懸念点になりえる部分をチェックしておきましょう。
採用代行のデメリット
採用代行には、採用業務をアウトソーシングするがゆえのデメリットが存在します。特に、次の3つの内容は採用活動への影響が大きいため、利用する際は留意しておく必要があります。
採用ノウハウの蓄積が難しい
採用業務の一部、あるいは全てを外部に委託する都合上、自社に採用活動のノウハウを蓄積させるのは難しい側面もあります。採用代行業者に任せっきりの場合は、何らかの事由で契約が切れてしまった場合には、それ以降の採用活動が大きく停滞してしまいます。
このような状況に陥らないためにも、採用代行の担当者とはコミュニケーションを密にとり、自社に少しでもノウハウが残るように工夫しておくことが大切です。
認識のズレがあるとミスマッチが起こる
採用代行の利用時は、求める人材の要件や人数、採用基準などを事前にすり合わせておくのが基本です。しかし、このすり合わせ段階で企業と採用代行業者の間に食い違いがあると、採用のミスマッチが生じてしまいます。このような状態では、要件に合致する人材が募集に集まらず、採用活動が徒労に終わってしまうかもしれません。
また、採用代行業者との認識をすり合わせる前に、社内でも求める人材像を統一させておく必要があります。採用活動が問題なく終了しても、配属後にミスマッチが発生しかねないためです。
依頼するための工数がかかる
採用代行を利用すれば、採用業務そのものの負担は軽減できます。しかし、導入の際にまとまった工数がかかることを忘れてはなりません。この点を事前に認識していないと、導入に必要な工数が確保できずに、採用活動が出遅れてしまうおそれがあります。
また採用代行では、たとえ実際に採用した人数が0人であったとしても、委託した業務内容に応じた費用の支払いが求められます。そうなると、最初に投入した工数込みで費用対効果の大幅な悪化が避けられません。採用代行を依頼する際は、このようなリスクが一定数あることを念頭に置いておきましょう。
人材紹介サービスのデメリット
人材紹介サービスには、費用面や条件指定に関して無視できない懸念点があります。それぞれの詳細は以下の通りです。
採用費用がかさむ可能性がある
すでにご説明した通り、人材紹介サービスでは採用した人材の想定年収の30~40%が成果報酬となります。想定年収800万円の人材を採用したと仮定すると、その採用費用は約240万~320万円となります。このように、採用する人材の想定年収次第では、人材紹介サービスでも費用がかさんでしまいます。
また、採用するのが重要なポジションになってくると、想定年収が上がるだけではなく手数料率も上昇し、さらに費用がかかる可能性があります。そのため、採用予算を踏まえて依頼する必要があります。
条件を絞りすぎると人材が見つからない
要件に合致した人材を、ピンポイントで紹介してもらえるのが人材紹介サービスの強みですが、この点はデメリットにもなりえます。条件を絞りすぎると、人材が見つからなくなってしまうのです。
特に即戦力レベルの人材を探すとなると、引く手あまたということもあり、応募者がなかなか見つかりません。要件を満たす人材がどうしても集まらない場合は、転職市場の状況を踏まえつつ、採用条件を適宜緩和していく必要があります。
違い⑥導入までの流れと期間
メリットとデメリットがわかったところで、次は、実際に導入するとなった場合の流れと、そこにかかる期間の差を解説します。採用代行と人材紹介サービスは、それぞれ以下の流れで導入することとなります。
採用代行と人材紹介サービスの導入までの流れと期間の違い
項目 | 採用代行 | 人材紹介サービス |
---|---|---|
導入までの流れ | 1.KPIの設定と課題の洗い出し 2.採用代行業者の選定 3.事前の打ち合わせと委託範囲の検討 4.契約の締結 5.運用開始 |
1.人材紹介サービスの選定・契約 2.募集要件についての打ち合わせ 3.求人票の作成 4.人材の紹介 |
導入までにかかる期間 | 数カ月 | 即座に導入可能 |
導入までに必要な対応の多さや期間の長さは、採用活動のスピード感に直結する部分です。以降の解説を参考にしっかりと比較・検討しておきましょう。
採用代行を導入するまでの流れと期間
採用代行を利用する際は、最初にKPIを設定したうえで、それを達成するために解決すべき課題を洗い出す必要があります。デメリットの項で述べたミスマッチの発生を回避するためにも、まず企業側で目標と課題を明確にしておく必要があるわけです。
KPIが設定できたら。採用代行業者を選び始めます。そして業者が決まり次第打ち合わせを行い、委託する業務の範囲やその他の要件を定めていく、という流れです。
すり合わせが完了し、双方で認識の食い違いがないことを確認できたら契約締結です。ここからは業者が採用業務を担当し、企業は以降の活動状況を確認していくこととなります。
このように、採用代行は導入するまでにさまざまな対応が求められます。そのため、検討してから導入に至るまでに、数カ月はかかると考えておくべきでしょう。なお、委託する業務内容によっては早々に利用開始できる場合もあります。スピード感を重視したいなら、部分的な委託を検討するのも一つの手です。
人材紹介サービスを導入するまでの流れと期間
一方、人材紹介サービスでは、導入するまでに企業側で必要な対応が多くありません。人材紹介サービスに問い合わせ、募集する人材の条件について打ち合わせたら、後は求人票を作成し人材の紹介を待ちます。導入に要する期間が非常に短いので、採用活動をすぐに開始したい場合には最適です。
違い⑦導入をおすすめするケース
最後に、採用代行と人材紹介サービスのそれぞれが、どのようなケースに適しているのかを解説します。以下の表に示した通り、基本的には「採用業務の最適化」なら採用代行を、「専門性のある人材の採用」を目指すなら人材紹介サービスを使うのが理想的です。
採用代行と人材紹介サービスの適するケースの違い
項目 | 採用代行 | 人材紹介サービス |
---|---|---|
導入をおすすめするケース | ・過去に採用活動を実施したことがない ・採用のノウハウがない ・採用業務の最適化を図りたい ・採用の目標人数が多い |
・専門性の高いスペシャリストやマネジメント層を採用したい ・募集するポジションや必要なスキルがすでに決まっている ・非公開求人で採用したい |
この違いをより詳細に理解しておけば、検討時に大きな助けとなるでしょう。
採用代行の導入をおすすめするケース
採用業務に何らかの課題を抱えているのであれば、採用代行の利用がおすすめです。「初めての採用活動でノウハウがまったくない」「経験豊富な人事・採用担当者が存在しない」といった悩みは、採用代行の利用によってカバーできる可能性があります。
また、採用活動自体はできているものの、改善の余地が大いにある場合にも採用代行を検討したいところです。転職市場におけるトレンドの移り変わりは目まぐるしく変化しているため、いつの間にか採用活動の手法が古くなっていた、ということが十分に起こりえます。
採用業務の最適化がかなう採用代行は、そのような状況を打開するための特効薬と言えるでしょう。上記の他、採用の目標人数が多く自社だけでは対応できないケースでも、採用代行が役に立ちます。
人材紹介サービスの導入をおすすめするケース
ITエンジニアやデザイナーなどの専門職、またはマネージャー職などをピンポイントで募集したいのであれば、人材紹介サービスを活用したいところです。キャリアアップを目指す転職希望者も人材紹介サービスに登録している傾向があるので、効率よく採用活動を進められます。
加えて、先述の通り、求人情報を公にしたくない場合にも人材紹介サービスが最適です。人材紹介サービスでは社名を隠した状態で求人票を出せるので、競合他社に状況を知られることなく重要なポジションの人材を採用できます。また「募集人数が多くないので、自社で採用活動を進めたい」というケースで、人材紹介サービスを利用するのも一案です。
採用代行と人材紹介サービスを利用するときのポイント
採用代行と人材紹介サービスに違いがあるのは確かですが、利用するときのポイントには共通している部分もあります。その5つのポイントを解説しますので、利用を検討している人事・採用担当者さまはぜひご参考ください。
採用の目標を設定する
採用活動を効果的に進めるためには、まず企業側で採用KPI、つまり数値的な目標を明確にしておく必要があります。目標を具体的に決めることで認識の食い違いが発生する可能性が低くなり、採用活動の方向性も定まるためです。
なお採用に関連するKPIとしては、採用する人数や採用後の定着率の他に、以下の内容も挙げられます。
採用活動の目標の一例
- 応募者数を〇名以上にする
- 選考通過率〇%以上を達成する
- 採用にかかる費用を〇%削減する
採用代行でも人材紹介サービスでも、目標をベースに活動が行われる点は変わりません。採用活動を実りあるものにするためにも、社内で入念に話し合ったうえで目標を設定することをおすすめします。
採用課題を洗い出す
採用目標が決まったら、それを達成するうえで改善が必要となる課題も洗い出します。
課題を洗い出す際は、採用活動を細分化して、もっとも大きな問題があると思われるプロセスを抽出することが大切です。「採用人数の増加」を目標とした場合を例に挙げて、考えてみましょう。そもそも応募してくる人材が求める要件を満たしておらず、選考通過者がほとんどいない状況であれば、母集団の形成段階から改善が必要です。
一方で、選考通過者は多いものの入社承諾前辞退をされてしまうのであれば、選考時のフォロー体制に課題があると判断できます。
このように、たとえ目標が同じでも、改善すべき課題は状況次第で大きく変わります。現状を分析し的確に課題を抽出できれば、業者への依頼内容も自然と定まり、採用活動の軸がぶれることもありません。
採用基準を明確にする
明確な採用基準を採用代行業者に伝えることで、認識の食い違いがなくなり、採用のミスマッチが発生するのを防げます。反対に、採用基準があやふやなまま採用代行業者に依頼すると、要件に合致する応募者が集まらず、大きな機会損失が生じてしまうでしょう。
また、自社で面接を実施する場合は、面接官の間でも採用基準を統一しておくことをおすすめします。担当者の個人的な観点ではなく、統一された基準で採用・不採用を判断できる体制を整備することが重要です。
依頼する業務を決めておく
業者に依頼する業務の内容や範囲も、社内で事前に決めておきましょう。任せる業務とそうでない業務をはっきりと線引きすれば、自社と業者の役割分担が明確になり、採用活動をスムーズに進められます。
特に採用代行は、任せる業務の内容次第で自社の採用活動の進め方も変わります。主要な業務だけは自社で対応したい場合は、コア業務とノンコア業務を事前に仕分けしておき、ノンコア業務だけを業者に委託するのが最適です。
自社のニーズに合うアウトソーシング先を選定する
自社のニーズに合う採用代行業者を選定することも、スムーズな採用活動の実現には欠かせません。採用代行と人材紹介サービスのどちらにおいても、採用代行業者ごとに対応可能な業務や特徴は異なります。コンサルティングまでカバーしている場合もあれば、事務業務をメインに対応している場合も存在します。そこで、採用活動の目標や改善すべき課題に合っていない採用代行業者を選んでしまっては、希望する人材を採用することはかないません。
採用活動を効果的に進めるためにも、業者を選定する際は、その対応業務や得意とする領域を必ずチェックしましょう。
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採用代行と人材紹介サービスはサービス内容やメリット・デメリットなどが異なる
今回は、採用代行と人材紹介サービスの違いを、7つの項目にフォーカスして解説しました。
採用代行と人材紹介サービスは、サービス内容から料金体系、その他利用時のメリット・デメリットに至るまで、さまざまな点で違いがあります。採用の目的や会社の現状を整理したうえで、最適な選択をすることが大切です。またその際は、最後にご紹介した5つのポイントも意識しましょう。
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採用コスト削減につながった
doda導入・採用成功事例
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