求人票の書き方を解説。記載してはいけないNG項目から応募につながるコツまでを紹介

求人票の書き方を解説。記載してはいけないNG項目から応募につながるコツまでを紹介

求人票の書き方を解説。記載してはいけないNG項目から応募につながるコツまでを紹介

2024.10.08

中途採用のキホン

企業が採用活動を行う際、ハローワークなどの求人媒体に掲載を申し込むための書類が、求人票です。職業安定法により最低限明示する項目が定められているほか、さまざまな法律によって記載が禁止されている内容もあるため、作成にあたっては注意が必要です。

この記事では、法律により求人票に記載すべき項目と記載してはいけない項目、応募者が集まりやすい求人票の書き方を解説します。自社の魅力を整理するためのポイントもご紹介しますので、求人票を作成する際の参考にしてください。

求人票とは

求人票とは、企業が採用活動を行うときに使用する、求人情報を記載した書類のこと。具体的には、企業が募集する業務内容や賃金、休日、就業場所などの労働条件のほか、社風や自社のアピールポイントなどについて詳しく記載することが一般的です。

似たような言葉に「募集要項」がありますが、募集要項は、主に職業安定法によって明示が義務付けられている項目をまとめた求人情報を指します。一方の「求人票」は、情報ではなく書類のことをいい、掲載する媒体によってフォーマットや記載内容に若干の違いがあります。ただし、求人票に募集要項が含まれているといえるため、媒体によっては「求人票」と「募集要項」を同じ意味合いで取り扱っていることもあります。
※参考:『募集要項とは?書き方から採用までの流れを解説【テンプレート付】

求人票を記載する目的

企業が求人票を作成する目的は、主に以下の3つです。

・自社の求人情報をアピールする
・採用の問い合わせ窓口を知らせる
・法令を順守しながら採用活動を行う

第一に、求職者に自社の求人情報をアピールし、応募者を増やすことが挙げられます。求職者は、求人票の内容を見て労働条件などを比較し、応募をするか否かを検討するため、求人票は採用活動の重要なスタートラインといえます。いかに魅力的な求人票を作成するかで、情報掲載後の応募数が左右されるでしょう。

また、法律によって労働者を募集する際に明示しなければならない労働条件や記載してはいけない項目が定められているため、法令を順守しながら採用活動をしていることを示す意味もあります。求人票を正しく記載していれば、「コンプライアンスがしっかりしている企業だ」と印象づけられる可能性もあるでしょう。

求人票の重要性

「求人票」と「募集要項」は似ていますが、募集要項は記載項目がフォーマット化されているので、他社と差別化を図るのは困難です。そのため、求人票では募集要項に加えて求職者を引き付ける内容を織り込み、求職者が応募したくなるようにする必要があります。

加えて、求人票の提出先はハローワーク、民間の人材サービス会社などさまざまです。同じ記載項目であっても、掲載する媒体や求職者の採用区分、雇用形態などに合わせて求人票を書き分けて作成することで、求める人材を採用できる可能性が高まります。求職者は求人票の内容を見て応募するため、労使トラブルを避けるためにも、正確な内容を記載しましょう。

なお、新卒採用の場合は学生が学習時間を確保しながら就職活動に取り組めるよう、政府が提示するスケジュールを順守するよう要請されているため、採用スケジュールや求人票の掲載日などには注意が必要です。

求人票に最低限記載すべき項目

求人票のフォーマットは掲載する媒体によって異なりますが、職業安定法第5条の3などにより、企業が従業員を募集する際には、以下の労働条件などをあらかじめ明示することが義務付けられています。

求人票に最低限記載すべき項目

1.業務内容・従事すべき業務の変更の範囲
2.契約期間
3.試用期間
4.就業場所・就業場所の変更の範囲
5.就業時間・休憩時間
6.休日
7.時間外労働
8.賃金
9.加入保険
10.受動喫煙防止措置
11.募集者の氏名または名称

職業安定法はたびたび改正されているため、企業は求人票への記載内容が改正内容に対応しているかに留意しましょう。

2024年4月1日に施行された改正職業安定法施行規則では、明示すべき労働条件に「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準」が追加されました。「変更の範囲」では、雇入れ直後だけでなく、将来の配置転換など、今後の見込みも踏まえた範囲を記載しなければなりません。「有期労働契約を更新する場合の基準」では、通算契約期間または更新回数の上限を含むことに注意が必要です。
※参考:『事業主の皆さまへ 求人票に明示する労働条件が新たに3点追加されるのでご留意ください』厚生労働省

2024年3月、厚生労働省は「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」を策定しました。現行法で定められている開示項目などが整理され、求職者が求める情報の例示や、企業などが職場情報を提供するにあたっての一般的な課題や対応策が示されていますので、参考にしてみてください。

求人票に記載してはいけないNG項目

厚生労働省は公正な採用選考を実施するため、「応募者の基本的人権を尊重すること」と「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」を基本としています。企業には応募者に広く門戸を開くことが求められており、採用選考で本人の適性や能力とは関係のない事項を求めることは就職差別につながるため、求人票の記載においても細心の注意が必要です。

また、男女雇用機会均等法や改正雇用対策法、労働基準法などの法律により、求人票に記載してはいけない項目(表現)もあります。「性別」や「年齢」といった求職者本人の能力や適性とは関係のない事項での応募制限はこれらの法律により禁止されており、求人票に記載することはできません。加えて、「最低賃金以下の給与」を記載すると、最低賃金法違反となります。

ここからは、求人票に記載してはいけない表現や項目について具体的にご紹介します。

性別を限定するような表現

男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)の第5条において、企業は募集や採用において性別にかかわらず均等な機会を与えなければならないと定められているため、性別に関する表記には注意が必要です。具体的には、「男性のみ」「主婦歓迎」「ウェイター」などいずれかの性別を限定するような表現、「男性5名、女性3名」と性別で採用人数に差をつける表現、男性と女性で採用条件が異なる募集などは違法とされています。

ただし、例外もあります。例えば、モデルや俳優のような芸術・芸能の分野、守衛や警備員など防犯上の理由がある職種、風紀・宗教・スポーツなど一方の性別であることが求められる場合など、男女均等に取り扱うことが困難なケースでは、性別を限定した求人募集が可能です。また、すでに男女差がある職場環境を改善するために一方の性別を対象として選考を行うことは、「ポジティブ・アクション」と呼ばれ、法律違反とはなりません。

年齢を限定するような表現

改正雇用対策法により、年齢による制限は、正規雇用だけでなく派遣・アルバイト・パートなど、全ての雇用形態の募集で禁止されています。業務内容が重労働であることや一定のスキルが必要などの場合であっても、年齢不問が原則で、上限だけでなく下限を設けることもできません。

例外的に年齢制限が認められるのは、「労働基準法により年齢制限が設けられている業種」や「定年以下の者に限定し期間の定めなく募集するケース」など、雇用対策法施行規則第1条の3第1項に「例外事由」として定められている場合のみです。ただし年齢条件を求人票に記載する際は、その理由も提示する義務があるため、作成時に記載漏れがないようにしましょう。
※詳しくは厚生労働省の「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」を参考にしてください

最低賃金以下の給与

最低賃金は企業が支払うべき最低額の給与のことで、求人票にこれを下回る額を記載することはできません。最低賃金の額は地域によって異なるため、求人票を作成する際は、募集・採用を行う事業所がある地域の金額を記載する必要があります。

最低賃金法により、最低賃金よりも低い額を労働者に支払った場合は、たとえそれが労使双方の合意によるものであっても、企業は労働者に対して最低賃金額との差額を支払うことになります。最低賃金の額は毎年10月に改正されるため、求人票を作成する際はその都度直近の最低賃金を確認しましょう。

うそや誇張表現

虚偽や誇張した表現を記載することは、職業安定法違反となります。自社をよく見せるために、労働条件などを誇張して応募者を集めることができても、入社後に労使トラブルが起こる、現場とのミスマッチで早期離職につながるなど、トラブルが生じる原因になります。
また、過去に作成した求人票は現行法に対応しているとは限らないため、使い回しを避けることも大切です。

特に時間外労働の有無や残業代については、労使間のトラブルになりやすい事項です。双方の認識の違いによって齟齬(そご)が生まれないように、法令で定められている表記事項を順守しつつ、わかりやすい表記を心がけましょう。

応募が集まりやすい求人票をつくるポイント

求人票へ記載すべきことと記載してはいけないことを理解し、最新の法令に対応している求人票を作成することは大切ですが、最低限の情報をただ羅列するだけで応募者を集めることは困難です。ここからは、応募が集まりやすい求人票をつくるコツを3つご紹介します。

求める人物像を明確にする

求人票を作成する前に、自社がどのような人材を求めているか、採用人物像を明らかにしましょう。採用の目的と募集する部署、業務内容などをもとに求める人物像を言語化し、採用したい人材の条件(採用要件)を設定することが必要です。採用の背景から必要なスキル・経験などを明確にすることで、どんな人材を採用すべきが明確になります。その人材がどういった情報を求めているかを想像し、求人票に落とし込むことで、応募率向上につながるでしょう。

現場の状況やニーズにマッチした人材に絞った求人を行うことで、採用後のミスマッチを防ぐと同時に、選考に関わる工数を削減する効果も期待できます。

仕事内容は働くイメージが持てるように具体的に記載する

「業務内容」の項目では、できるだけ具体的な内容を記載します。例えば営業職の募集であれば、単に「営業職」と記載するのではなく、業界や取り扱っている商材・サービス、1日の業務の流れなどを記載することで、求職者が自身の働く姿をイメージしやすくなります。自社の最寄り駅や駅からの所要時間、自家用車の通勤が可能な場合は駐車場の有無を記載するのもおすすめです。

求人票の情報量が多いと読みづらく離脱されてしまう可能性もありますが、情報が極端に少ないと求職者が不安感や不信感を覚えて、応募につながらない可能性もあるので、わかりやすく記載することを意識しましょう。

組織構成や働き方の記載をする

入社後に自分がどのような立ち位置で仕事をするのかがわかるように、求職者に期待する役割や採用部署の人数など、就業場所の雰囲気が伝わる内容などを記載することもポイントです。

また、近年は働き方改革の推進やテレワークの推進などの後押しもあり、ワークライフバランスを重要視する求職者も多いため、転勤の有無や残業時間の目安、有給休暇の取得率なども記載するとよいでしょう。自社が対応しているのであれば、「フレックスタイム制」「テレワーク可」「服装自由」「完全週休2日制」などのキーワードを求人票に盛り込むのもおすすめです。

自社の魅力を整理するためのポイント

求職者が「応募したい」と思う求人票を作成するには、自社の魅力を打ち出して他社との差別化を図る必要があります。一方で、他社との違いを明確に定義できず、求人票の作成に苦労している企業や人事・採用担当者もいるでしょう。

求人票作成における自社の魅力とは、求職者のニーズを満たしていることが重要です。求職者が何を望んで就職(転職)活動をしているのか、どのようなことを重視して求人情報を検索しているのかを意識しながら、自社の魅力を訴求してみましょう。その際、「業務の面白さ」「働き方(年間休日数、社内制度など)」「事業や企業自体の強み」「組織文化(企業風土、活躍している人材など)」の4つに分類して考えると、求職者の意向に合致するポイントを整理しやすくなります。

まとめ

求人票は、単に人材募集の情報を掲載するためだけのものではなく、求職者に対して自社の価値観や企業文化などを伝え、親和性の高い人材に応募してもらうための重要ツールです。求職者と企業の最初の接点となるため、求人票を作成する際には、求める人材を明確にして採用要件を設定するとともに、自社にマッチする人材が応募したくなるような魅力付けを行うことが大切です。

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