採用担当者の声
当社は1956年の創立以来、鉄筋コンクリート用棒鋼の製造を軸として岸和田製鋼ブランド「KISI-CON」を確立し、社会のインフラ整備に貢献してきました。鋼材を高効率で再生させる電気炉「ECOARC」を世界初で導入するなど、品質と安全を追求した生産体制を確立し、現在では全国で6番目のシェアを占めています。
一方では顧客ニーズが年々変化。建築・建設現場では鉄筋を加工する技師が減少し続けており、当社では鉄筋を加工したり、新製品を開発したりするグループ会社を2022年に立ち上げ、中途採用を強化しているところです。
鉄筋の加工といっても、機械操作のオペレーター業務は未経験でもスキルを身に付けやすいです。営業部門でも新規営業をすることはなく、既に取引のある法人向けのルート営業のみなので、求める人材は未経験者も含めて幅広く対象にできると考えていました。
ただ、当社が本社を構える大阪府岸和田市は、採用面では恵まれた立地とは言えません。隣接する堺市にも製造業が多く、岸和田市で人材を確保するのは簡単ではないのです。もともとは求人広告を主な手法として、大手の求人広告に加えて地方情報誌なども活用してきましたが、母集団形成に限界を感じるようになっていました。そこで検討を始めたのがダイレクト・ソーシングサービスの利用です。
当社は募集ポジションが多いこともあり、すべてを求人広告に頼っていると採用コストが大きく膨らんでしまうことにも悩んでいました。多いときにはグループ会社を含めて同時に7職種を募集することも。求人広告経由の採用コストが上がり続けていたこともあって、これらをすべて求人広告で採用するのは現実的ではありません。一方で成果報酬のダイレクト・ソーシングサービスであれば、募集職種数が増えてもイニシャルコストは変わらない。これは大きなメリットだと感じましたね。
そんな折にパーソルキャリアの担当者からdoda ダイレクトを紹介してもらい、新たな手法として導入することにしました。
doda ダイレクトの導入にあたって懸念がなかったわけではありません。
最も心配していたのは工数が増えることです。私は人事・総務担当として、採用以外に給与計算などの業務も抱えています。いかに時間を確保して対応するかが課題だと捉えていました。
ただ、実際に運用を始めてみるとそうした懸念は払しょくできました。求める人物像を設定したり、求人票をつくってみたりといった初期のセットアップは必要でしたが、最初に組み上げてしまえば一斉配信などの機能を活用して効率的に運用できるのです。操作も簡単で、サポート担当者からもスカウトメール文面のテンプレートなど、参考にできる情報をたくさん提供してもらいましたね。
求める人物像の設定では、まずは対象を幅広く設計。営業であれば「営業職を希望していて普通免許を持っている人」を対象に、希望勤務地で絞り込んでいきました。最初に絞り過ぎると、そこから条件を緩和していくのは大変です。
一方、生産管理などの技術職では、経験・スキルで絞り込む場合もあります。ただ各部署には「現場で育成が可能ならば、できる限りポテンシャルで採用してほしい」とお願いしています。現場からのオーダーに従っているだけでは、次々に厳しい要件が来てしまう。そこで、現場が希望する人材要件をdoda ダイレクトで検索し、結果人数を見せて、「そのままの要件だと対象者が少ない」ことを現場にも理解してもらいました。
事実を数字で伝えることで、説得力は大幅に増します。私自身、転職市場が厳しいとは思っていても感覚値にすぎなかったため、市場のリアルを自分で調べられるのは心強いと感じました。
スカウトメールの文面にも、冒頭のヘッダーにアピールポイントをまとめるなど、興味を引き付けられるように工夫を凝らしています。人事・採用担当者としては、自社の魅力や事業の面白みを前に押し出しがち。でも転職希望者が実際に気にしているのは「給与」「働きやすさ」「勤務地」などの条件です。サポート担当者からアドバイスをもらいながら、そうした転職希望者心理を意識して打ち出し方を考えていきました。当社は賞与が手厚いので、転職希望者には魅力的に映るはず。これをポイントとして押し出しつつ、業界が安定している理由などもわかりやすく説明しています。
スカウトメールを送るタイミングはできるだけ分散させています。1日でまとめて送ると、新たに登録した人にリーチできない場合もあるからです。現在は月間200通を目標とし、日々の送信数を決めて少しずつ送っています。
doda ダイレクトの運用を開始してから、早い段階で成果が生まれています。
鉄筋加工のオペレーターは、運用開始2週間で1名を採用。営業職や安全衛生管理担当の事務職など、これまで応募が少なかった職種でも3カ月で1名ずつ採用できました。ここまでは上々の成果。こちらからのアプローチ次第で応募者をさらに増やすことができ、効果改善もしやすい手法なので、さらに良い成果を出せるのではないかと期待しています。
直近では採用競合が非常に多い営業職のスカウトを強化。未経験歓迎や第二新卒歓迎などの軸に加え、「地方からの移住」にも対応しています。
以前から立地的な不利を感じていた当社ですが、doda ダイレクトでは、むしろ地方に目を向けて新たな観点でスカウトメールを送っています。当社は社員寮があるので、九州・四国などの遠方から近畿圏への移住転職を検討している人にもアピールが可能。実際に移住を前提として応募してくれる人も増えてきました。
こうした作戦を、doda ダイレクトのサポート担当者と一緒に考えながら進めています。採用について何でも相談できる、心強い仲間が増えた感覚がありますね。
doda ダイレクトの運用を始めてからは転職市場の知見が深まり、以前から活用している求人広告にも好影響がありました。求める人物像を見直したり、以前とは違う観点のスカウトメール文面にしたり。こうした見直しができるようになったのは、doda ダイレクトを活用することで市場分析が自然とできるからだと思います。また、職種によっては母集団形成が厳しいという現実も見えるようになりました。そうした職種は人材紹介サービスなどの手法で対応することも考えています。
今後は経営層への働きかけにも力を入れていきたいですね。doda ダイレクトでの取り組みを通じて、経営層にも転職市場の実態を伝えられるようになり、待遇改善の働きかけを進めた結果、既に年間休日増加を実現しました。
今後もdodaと一緒に、本当の意味で採用力のある企業へと進化できるよう、取り組みを続けていきたいと考えています。
*記事内容や社員の所属は、取材当時のものになります