<採用担当者の声>
当社はシステム開発を主力事業とするITソリューション企業です。大手電機メーカーや大手食品メーカーなどをクライアントに持ち、基幹システムの開発、ERPパッケージのカスタマイズ、JavaシステムやWebアプリケーションなどの受託開発も手掛けています。
当社の特徴は新卒採用に力を入れている点です。15年ほど前から新卒採用を開始し、最近では毎年10名前後の学生を採用しています。新卒採用における当社のアピールポイントは「人間関係の良さ」と「充実した育成環境」。社内には穏やかな雰囲気の社員が多く、心を煩わせることなく職場に定着できるのが当社の魅力です。また、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開しているフレームワーク「ITスキル標準」に即した独自のキャリアロードマップを作成するなど、育成環境の整備にも力を入れており、文系学生でもエンジニアとして成長できる環境があります。
新卒採用では一定の成果が出ている一方、中途採用では苦戦が続いていました。当社は新卒で毎年若い社員が入社してくるため、その社員たちをリードするPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)クラスの人材が手薄になる傾向があります。新卒社員の育成を促し、組織の力を底上げするためにも、経験豊富な中途社員を継続的に獲得する必要があったのです。しかし、エンジニアは採用の難易度が高い職種なため、人材紹介サービスや転職フェアなども活用していましたが、母集団形成に課題を抱えていました。
また、一口に「経験豊富な中途社員」といっても、求める人物像やスキルはその時々の組織の状況によって変化します。特に、当社は事業部ごとにクライアントや手掛けている技術が異なるため、新たな人材を募集するたびに求める人物像を要件定義し、それに適した人材を探さなくてはいけません。こうした採用に適した媒体やサービスにはなかなか出会えず、成果も今ひとつの状況が続いていました。
そうした中でたどり着いたのが、パーソルキャリアのダイレクト・ソーシングサービス「doda ダイレクト」でした。dodaダイレクトは、転職希望者のデータベースを閲覧しながら直接スカウトメールを送ることができるサービスです。当社のように求める人物像が変化しやすい企業にとっては非常に利便性が高く、採用課題の解決を期待できました。
当社では小倉ら管理部と事業部などの現場が連携した採用活動を行っています。具体的には、各事業部約10名の社員が日常的にdodaダイレクトで転職希望者の情報を閲覧し、自らの部門に採用したい人材を選んでいます。そして、その人材の情報を「なぜ、その人材を採用したいのか」という理由のコメントを添えて管理部に連携。その後、小倉ら管理部の社員が、その人材に向けたスカウトメールを作成し送信しています。
ポイントは事業部などの現場の社員が、dodaダイレクトで採用したい人材を自分の目で確認することです。「今、どのようなスキルや経験を持った人材が必要なのか」を、最も高い解像度で理解しているのは現場の社員たちに他なりません。そのため、当社では営業部や事業部の社員がリクルーターとなって主体的に人材を探す体制を採っています。
私もdodaダイレクトを利用している社員の一人です。dodaダイレクトは転職希望者のレジュメの内容を詳細に確認できる点が便利だと感じます。レジュメに記載された経歴や保有スキルが参考になるのに加え、文面で人となりをある程度想像できるからです。例えば、自己PRの欄をしっかり記載している方であれば「真面目な人なのだろう」と想像できますし、会計システムの開発経験があり、なおかつ簿記の資格を保有している方であれば「業務理解に熱心で向上心がある人なのだろう」と推測できます。このようにレジュメを読み込んだうえで転職希望者にアプローチするのが、dodaダイレクトを活用するうえでのコツです。
さらに、私は自分で選定した人材の面接にも同席しています。「なぜ、あなたに興味を持ったのか」や「当社でどんな役割を果たしてほしいのか」を直接伝えることで、入社への意欲を高めることが目的です。このときに重視しているのが、現状の課題や弱みも丁寧に伝えること。現在、当社は変革期にあり、新規事業開発や組織再編に取り組んでいます。その中では壁に直面することもあります。そうした難局をともに乗り越えてほしいと伝えることで、採用のミスマッチを防ぐようにしています。採用活動では自社の強みをアピールすることも重要ですが、時には「弱みをさらけ出すこと」も必要なのです。
面接への参加は、中途採用の活動に良い影響をもたらしています。ひとつは、応募から選考・採用、そして入社後の配属・定着に至るまで、一貫した対応ができることです。そして、人材のターゲティングなど面接を重ねていくことで精度が高まっている実感があります。
スカウトメールを作成する際に気を付けているのは、その人材のニーズを見極めることです。「キャリアを重ねても第一線で活躍したい」「管理職としてキャリアアップしていきたい」「後進の育成に貢献したい」など、エンジニアのキャリア形成には複数のパターンが考えられます。その人材が、どのようなキャリアを望んでいるのかをレジュメから読み取り、ニーズに沿った内容をスカウトメールに盛り込むのがポイントです。
dodaダイレクトを活用した中途採用は予想以上の成果を残しています。サービスを利用し始めてから8カ月ほどで、10回以上の面接を実施し、正社員4名、契約社員1名を採用しました。その中にはベテランエンジニアも含まれており、当初の目的であった「経験豊富な中途社員の獲得」も実現しています。
何より、採用した人材が活躍しているのが一番の収穫です。dodaダイレクトで採用した20代の社員は入社早々に成果を上げるなど、社内の注目を集めました。そうした活躍に既存の社員たちも触発されており、社内には新しい風が吹き込んでいます。社内を活性化するうえでも中途採用は有効なのだと、改めて気付かされました。
今後、当社は受託開発やSESなどの既存事業に加え、自社ソリューションの開発を目指します。そのためには、より多くのリソースを確保するとともに、技術力を組織的に向上させなければいけません。その二つを実現するうえでも採用活動は重要です。直近ではオフィスの増床も予定しており、採用活動にさらに力を入れる方針です。新たな事業を生み出し、組織をより強くしていくためにも、dodaダイレクトを活用していきたいと考えています。
*記事内容や社員の所属は、取材当時のものになります