<採用担当者の声>
デンカでは現在、アセチレンブラックや機能性セラミックス・フィルム・テープなどに代表される「電子・先端プロダクツ部門」、そしてインフルエンザワクチンや各種ウイルス抗原診断キットなどを手がける「ライフイノベーション部門」を中心に新分野への事業展開を進めています。
ただ、特に後者のライフイノベーション部門は、当社では比較的歴史の浅い部門ということもあって、プロパー社員の専門家は決して多くはありません。当社は長年にわたり新卒採用一辺倒でやってきましたが、事業環境の変化に伴って新卒一括採用の限界を感じるようになっていました。また、バブル崩壊後から約10年間、当社では新卒採用を極端に絞る時期が続いたため、マネジメント層などの事業の推進役として活躍する人材が不足しています。
加えて、BtoBの取引が中心である当社にとっては、転職市場での知名度を高めることも大きな課題です。たとえば「電気分野の専門知識を持つ人材がほしい」と考えても、大手電機メーカーや自動車メーカーと競合すると当社をなかなか選んでもらえません。また、ライフイノベーション部門は人々の暮らしに密接した事業ではあるものの、顧客は医療機関が中心であり、一般にはあまり知られていません。
これらの課題を踏まえて、ハイクラス人材を確保していくための新たな採用体制を構築していく必要がありました。
そこでまずは、採用活動の体制を大きく見直しました。
以前の人財戦略部では課長クラスが採用と他業務を兼任していたのですが、2023年4月からは専任の「採用課長」を置いて採用活動に専念できるようにしたのです。加えて、採用候補者の母集団を拡大した際に最終面接のリソースが不足しないよう、部長である私に加えて副部長も、面接を最優先にして動く体制としました。
現在ではカジュアル面談やオファー面談など採用候補者からの要望に対応しつつ、応募から一次面接まで、そして内定を出すまでのリードタイムをできる限り短縮できるように取り組んでいます。全てがうまくいけば、応募から内定まで最短で2週間ほど。面接担当者は大変ですが、ここは絶対に手を抜いてはいけないと考えています。最終面接を担当する私の場合は、多いときで1日3件の面接を担当することもあります。
また、ハイクラス人材に当社の強みを理解してもらうため、ジョブディスクリプションの具体化にも取り組んでいます。採用するポジションごとにdoda担当者とのミーティングを設け、採用部署の部課長クラスにも参加を依頼。採用に向けた思いや採用候補者への期待、募集背景などもdoda担当者に伝え、求人票に反映してもらっているのです。
特に重視しているのは、採用するポジションの面白みや奥深さ、3年後〜10年後までを見据えたキャリアパスなども詳しく記載していくことです。入社後に働く現場の生の声を伝え、より解像度の高い求人票に仕上げられるように心がけています。
doda担当者との関わりにおいて、私たちが目指しているのは「厳しいことも言い合える」関係性づくり。私たちがdoda担当者にお願いしたいことを率直に伝え、情報は一切出し惜しみしない。doda担当者側からは私たちが採用候補者に選ばれない理由も含めて率直にフィードバックしてもらう。このやりとりができるからこそ、一人ひとりの採用候補者の採用成功につながるのだと思っています。
doda担当者との間では、どんなことでも共有できる信頼関係を築けていると感じます。メインの担当者のみならず、各サービスを担当する複数の担当者に関与してもらい、チームで当社の採用をサポートしてもらっています。複数の目を入れて対応してもらえるため、母集団形成のフェーズでも取りこぼしが少ないと感じますし、選考が進み、入社承諾をいただく段階でも心強さを感じています。現在、dodaとは定例ミーティングやエージェント向け説明会などの他に、1日1回は必ず会話して接点を増やすようにしていますね。
こうしたサポートのおかげもあって、ワクチン担当MRや高機能材料の国内営業、知的財産戦略担当者、経営企画など、さまざまなポジションで採用が進んでいます。2022年は20名を超えるハイクラス人材を外部から迎え入れることができました。
直近では、doda経由でプラントエンジニアの職種の方が入社してくれました。プラントエンジニアとして電気系のご経験が豊富で、当社に入社いただいた後も即戦力としてご活躍いただける方だと考えておりました。併願企業もありましたが、doda担当者との綿密な連携をベースに、面接を通じて当社の魅力、エンジニアリング部での働きがいをお伝えした上で当社への入社を決定していただきました。専門性が高い分野においてご活躍いただけるハイクラス人材として期待しているところです。
今後もハイクラス層のキャリア採用を強化し、キーポジション人材や管理職候補人材を着実に獲得していきたいと考えています。
*記事内容や社員の所属は、取材当時のものになります