<採用担当者の声>
当社は「安心・安全・健康のテーマパーク」をパーパスに掲げ、祖業である保険事業だけでなく、現在は介護・シニア事業やデジタル事業へと多角化を進めています。
グループ内では介護・シニア事業やデジタル事業の知見を持つ人材が限られていたため、外部からハイクラス人材を積極的に迎え入れ、多様な人材が活躍する組織へ変化させるべく採用活動を進めてきました。ホールディングス側はもともと新規採用をしておらず、約500人規模の組織は全てグループ企業出身者で構成されていました。しかし、ここ3年間でハイクラス層のキャリア採用を強化したことによって、現在では500人のうち約150人が外部出身者となっています。
採用活動においては長年の歴史による「損保」の強すぎるイメージが壁になっていました。私たちが事業を多角化していることを知らない人には、どうしても伝統的で堅い金融・保険事業の大企業だと思われがちだったのです。
もちろん損保・保険はこれからも重要であり、私たちの大切な事業ですが、祖業に縛られることなく、新たな領域へと積極的に進出している当社の最新の姿を伝えていく必要がありました。また、デジタル領域などは採用市場でも特に人材獲得競争が激化しています。常に他社と比較される中で、いかに当社を選んでもらうかも大きな課題でした。
こうした中で当社が取った打ち手は、人事ではなく、人材を必要としている各部門が主体となって採用活動を行うこと。
「人は人事・採用担当者が調達するもの」という考え方の下、対象となる応募者を集めて活躍できる人材を入社まで導くのが人事の役割、という企業もまだ少なくないのではないでしょうか。しかし当社の場合、人事はあくまでもオペレーション支援などを通じて採用活動をサポートする立場。doda担当者とのミーティングでも、主体となるのは各部門です。
人事から各部門へ権限委譲すれば、採用に関わる関係者の数は必然的に増えていきます。人事主導と比べれば時間も手間もかかるやり方です。それでも、doda側が本来知りたいと考えている情報を各部門から直接聞いてもらい、最新の当社の状況を採用候補者へ伝えてもらうことには、大きな意味があると考えていました。
<採用担当者の声>
実際の採用活動では、採用の意思決定も含めて各部門が主体となっています。
面接のプロセスとしても、1次面接は全て各部門で行い、人事部が加わるのは最終面接だけ。最初から人事・採用担当者だけで面接を進めていると、本来は現場が求めていたはずの人材を人事が見落としてしまうこともあるからです。また、各部門で求められる専門性やプロフェッショナリズムはそれぞれに異なるため、カルチャーフィットも含めて直接判断してもらう必要があると考えています。
「主業務に忙しい各部門が、どこまで採用活動にコミットしてくれるのだろうか」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし当社では、どの部門も非常に協力的です。採用を人事部任せにしようとする部門はありません。
その要因には当社が「キャリア自律型」と呼んでいるジョブ型人事制度があると考えています。メンバーシップ型の場合は、人材配置後にうまくいかないことがあっても人を入れ替えやすいため、採用責任があいまいになる可能性があります。一方、事業戦略に基づいてあらかじめポジションを定めて採用する場合は、自ら計画を立てているため各部門が高い意識を持つことになるのです。
また、このキャリア自律型人事制度は報酬体系に柔軟性があることも特長です。システマチックにポジションごとの報酬を定めたジョブ型制度を運用する企業もあるかと思いますが、この方法では採用候補者の市場価値を考慮しきれないケースも出てきてしまうのではないでしょうか。「やりたい仕事だけど、この報酬では入社できない」と思われてしまうかもしれません。
こうした事態を防ぐため、当社では設定報酬にある程度の可変幅を設けています。採用候補者の市場価値を正しく報酬に反映するため、面接はもちろん、その手前のカジュアル面談の場でも現年収や希望年収について意見交換をしています。そして最終的なオファー額を決める際には、各部門と人事の間で相談しながらスピーディーに意思決定しています。
直近の実績としては、広報領域で「Webサイト企画運営担当者」を採用することができました。電力会社で広報やマーケティング分野でキャリアを積んできた30代後半の方です。求めるポジションに当てはまるスキルを持ち、前職での有事対応などの幅広い経験を重ねてきていることが採用の決め手でした。この方の他にも、経営企画やサステナブル経営推進など、さまざまなポジションで採用が進んでいます。
こうした魅力的な採用候補者と出会えるのは、パーソルキャリアがdodaを軸に幅広いレイヤーからサポートしてくれているからです。
私たちは主にハイクラス層を採用していますが、時にはポテンシャル層の採用ニーズが各部門から出ることもあります。そうした場面では、採用プロジェクトのミーティングにdoda側からさまざまなチームの担当者が参加してくれるのです。私たちが求める人材の要件に応じて、複数のリクルーティングアドバイザー(RA)やキャリアアドバイザー(CA)が柔軟に協力してくれる体制は本当に心強いです。
そうした意味では、dodaは「アジャイルな人材紹介サービス」と言えるのではないでしょうか。各部門から採用活動に加わっているメンバーも、さまざまな知見を持つRAやCAとコミュニケーションを重ねることで、人材要件の整理がどんどん進んでいるようです。
今後の人材戦略としては、グループ全体の人材ポートフォリオに関する取り組みの強化をさらに進めていく計画です。各部門の現有戦力や、今後必要となる人材、育成体制などの情報を一元化できれば、従業員のキャリアパスの多様性をさらに高められるはず。SOMPOホールディングスを魅力的な成長の舞台と捉え、ハイクラス人材がどんどん集まる企業として発展できるよう、環境整備を進めていきたいと考えています。
*記事内容や社員の所属は、取材当時のものになります