採用担当者の声
当社は愛媛県松山市に本社を置き、住宅の外壁・屋根のリフォームを中心に事業を拡大してきました。他社では取り扱いの少ないアルミ製の建材を使用しているのが当社の特徴。屋根では通常の日本家屋の和瓦と比べて重量が数十分の一、家全体の重心が下がることで揺れに強く、アルミの遮熱効果によって冷暖房費の削減にもつながることから、リフォーム時の引き合いが増え続けています。
市場全体を見ても「新築住宅からリフォームへ」の波が拡大。こうした中で2022年には福岡と横浜に新規拠点を開設し、従来の中四国エリアだけでなく九州・首都圏エリアへも事業展開を進めています。今後は関西圏や中部圏に事業を拡大していく構想もあり、新たな案件獲得のための営業職採用や、受注した工事を安定的に行うための施工管理職採用を強化しているところです。
ただ、建築業界では慢性的な人材不足が続いており、営業も施工管理も採用難易度が高い状況が続いています。加えて当社では他社にあまり例のない商材を扱っていることもあって、経験者採用の対象となる人材は限定的。こうしたことから、未経験者を積極的に採用する方針を取っています。
営業であれば、本人の仕事へのやる気を最大限に評価。施工管理も資格なしで挑戦できるようにしました。いずれの職種も、経験を不問とし、基本的な社会人としてのコミュニケーション能力を見て合否を決定しています。
しかし、未経験者採用には特有の課題もありました。面接などの場では仕事内容や職場環境についてわかりやすく説明していましたが、言葉だけでイメージしてもらえる内容には限界があります。実際に入社に至っても、「思っていたよりもきつい」といった理由から数週間〜数カ月で早期離職してしまうケースがあったのです。
営業の場合、個人宅へ直接訪問する飛び込み営業となるため、実際に仕事をしてみないとわからない大変な部分がありますし、施工管理職では現場でたくさんの職人さんをまとめ上げていく苦労があります。こうした仕事のリアルな部分をより深く理解した上で入社してもらう必要があると考えていました。
どうすれば採用候補者に仕事のリアルを伝えられるのか。検討を重ねた上で導入したのが「1日体験入社」です。
取り組みとしては複雑なものではありません。面接を行った後、当社に入ってほしいと感じた採用候補者に参加してもらうのが1日体験入社。営業と施工管理の各職種で実施し、社員と一緒に朝礼から終業までの丸1日の業務を体験してもらいます。
どんな流れで仕事を進めていくのか、社員にはどんな人がいるのかなどを現場で知ってもらうことは、人事・採用担当者が言葉で説明するよりもはるかに大きな意味があると思っています。業務時間だけでなく、ランチタイムも一緒に過ごしてもらい、フランクに何でも質問してもらえるようにしています。この1日を経て、採用候補者に納得してもらった上で入社が決まります。
この1日体験入社で重視しているのは「取り繕わない」こと。
前述の通り、営業は個人宅に直接訪問する苦労がありますし、施工管理として現場へ出れば厳しい職人さんと出会うこともあります。採用候補者にはこうしたありのままの場面を知ってもらうことが大切なので、同行する社員にも何か特別な依頼をすることはありません。普段通りの仕事をしてもらっています。
こうして1日体験入社を終えた採用候補者は、それまでぼんやりとしていた仕事のイメージの解像度が高まるようです。大変な現場を見ても辞退する人はほとんどおらず、むしろ入社に向けて背中を押してくれる効果があるのかもしれません。
1日体験入社の受け入れについては、現場も全面的に協力してくれています。採用候補者が同行することで少なからず手間が増えるはずなのに、否定的な声は一切ありません。その背景には当社がチーム制をベースに運営していることがあると考えます。
営業も施工管理も、個人でバラバラに成果を追いかけるのではなく、チームで目標達成を目指す体制を取っているのです。現場の社員は「チームに新しい仲間が増える」という感覚で採用候補者を迎え入れてくれていますし、入社後の未経験者を長期的に育成していく流れにもつながっています。
直近までの実績では、dodaの人材紹介サービスを活用して、20代の未経験者5人の採用に成功しました。全員が異業種出身であり、前職は公務員や自動車工場の製造スタッフ、流通小売大手の販売員などさまざまです。
福岡拠点に営業として入社してくれた元公務員のメンバーは、まだ入社半年の段階ですが、すでに成果を出し、リーダー候補としてのステップを歩んでいます。営業経験はありませんでしたが、チーム制の中でフォローし合い、お客さまからの成約をすでに何件も経験しています。施工管理においては、無資格・未経験で入った人が早期離職することなく、さまざまな現場へ出て経験を積んでくれています。
こうした成果が出ているのは、1日体験入社の実施に加えて、dodaのCA(キャリアアドバイザー:以下CA)が当社のことを深く理解してくれていることも大きいと感じています。CAが面接の前段階から当社のことを詳しくありのままに伝えてくれているので、採用候補者は企業理解が促進され、親近感を持って面接に臨んでくれているのです。
私自身、普段からCAの方々とはありのまま率直に話すことを心がけています。採用候補者にマイナス要素として捉えられるような、当社にとって都合の悪い情報であっても隠すことはしません。だからこそCAとの信頼関係も高まっていくのだと思います。
また、dodaの営業担当者は他社の採用事例や選考におけるノウハウについて、いろいろな情報を教えてくれます。自社で採用しているだけでは工夫にも限界がありますが、dodaが採用のプロとしてアドバイスをしてくれるからこそ、自社のやり方だけに固執することなく他社の成功事例を参考に採用活動をアップデートできるのです。
未経験者の採用・定着・戦力化に向けた流れを一定レベルまで整えることができたので、今後も採用数をどんどん拡大していく計画です。今後は、営業や施工管理に加え、他の職種の採用にも積極的に取り組みたいと考えているため、dodaが蓄積したノウハウを基にぜひアドバイスいただきたいと思っています。
*写真提供:なごみのくに株式会社
*記事内容や社員の所属は、取材当時のものになります