モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 登録者数は2019年2月~4月と比較すると高水準で推移。20代の登録が約半数を占め、若手の転職活動が活発化している。
- 2019年5月~7月の新規求人数は2019年2月~4月比で97%。前年同期比129%。
- 採用要件の緩和を検討する一方でペルソナに対して情報を正しく訴求する。採用に苦戦する場合は、課題を明確にした上で打ち手を検討することが重要。
機械設計の登録者動向
2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
引き続き、約半数を20代の若手が占めており、第二新卒層が現在の市況への期待感と今後の景気を考慮したうえで早めに転職活動を行っている印象。
必ず転職というよりは、よりはよい条件の企業があれば転職したいという方も多い。求人数も引き続き高い水準を維持しており、売り手市場が続いている。働き方改革が進む中で、残業に依存する働き方から、基本給を上げていきたいと希望する求職者も増えている。
30代以上の登録者についても、将来の不安や今の市況感で挑戦しておきたいなど、年齢を顧みた焦りや最後の挑戦という形で転職活動を検討し始めている方も多いが、最後の転職というプレッシャーゆえに、最終判断は条件面等の確認を含め慎重に行っている印象。
機械設計の求人動向
対象:2019年2月1日~2019年7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
モノづくりエンジニア全体の傾向ではあるが、人手不足状態は続いており求人数は高止まりの状況。引き続き事業環境好調による人手不足、増員ニーズが目立つ。
機械設計職は幅広い業種においてニーズがあり、モノづくりエンジニアの中でも求人数が多い職種である。
トピックスとしては、単なる設計に留まらず、市場分析から企画立案など製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位に業務が分解・細分化された求人が発生するなど、引き続き求人内容の多様化が目立つ。採用活動の長期化に伴い、採用要件を見直す企業や、休日選考会など選考方法を工夫する企業も増えている。
機械設計の採用成功POINT
登録者数は相対的に多いものの、求人数も同様に多いのが機械設計領域。転職希望者への最大限のアプローチと、他社求人との差別化がポイントとなる。
母集団形成~書類選考~面接にかけては、可能な限り対象を広げ、転職希望者の経験・スキル(技術・製品領域など)と求人内容との親和性を見出す姿勢が求められる。
母集団を広げる方法としては、技術・製品領域だけでなく、経験年数や転職回数などスキル以外での緩和も重要。対象者を広げることで採用成功につながるケースも多数ある。仕事内容のやりがいを求めて転職活動する方が増えている現在、募集する対象を緩和するだけではなく、求めている対象に対して必要な情報(採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、必要な技術知識、入社後のキャリアなど)を打ち出すことが必要である。
採用活動に苦戦する場合は、自社の求人・採用活動のどの点に課題があるのかを見直し、採用要件、選考手法や採用チャネルなど、「何かを変える」ことが重要。(例:面接が調整できず辞退が多い、勤務地が遠方で応募が少ない場合には、休日に面接を行ったり、ダイレクト・ソーシングで直接転職者へアプローチを行うなど)大幅に何かを変えるだけでなく、可能な範囲で少しずつ変えていくことから始めたい。
回路設計
- 登録者数は横ばい。求人数は安定して多く、売り手市場が続く。
- 2019年5月~7月の新規求人数は2019年2月~4月比で94%。前年同期比137%。
- 幅広い母集団形成が重要。スキルや経験年数を限定しない採用と、選考フローや面接内容の強化が成功のカギ。スキルに応じた具体的な情報提供が重要。
回路設計の登録者動向
2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
年代別にみると、20代が40%、30代が30%、40代が30%となっており、年代による偏りが少ない。転職理由としては、現職の将来性への不安や就業環境への不満(業務過多、残業過多など)が多い。
応募に対して慎重な方も多く、人手不足を背景に書類選考を通過する確率も比較的高いため、年収や自分のスキルが活かせるかを確認しながら転職先を検討する方が多い印象。
業界の安定性や将来性、業績等から事業安定性が読み取れる企業、独自のテクノロジーを持ち競合優位性がある企業に応募が集まりやすい。
回路設計の求人動向
対象:2019年2月1日~7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
自動車の販売不況に加え、米中貿易摩擦の影響で車載製品を中心に市況に影響が出たことから求人数が減少傾向にあるものの、前年同期比で大幅増加。
引き続きセンサーや信号処理、通信、画像処理、モーター、パワーエレクトロニクス分野における募集は継続している。デジタル回路設計を募集する求人数は昨対比127%、アナログ回路設計の求人数は昨対比120%といずれも大幅増加。
回路設計の採用成功POINT
有効求人倍率が高く、採用難易度が高い職種の1つである。登録者のスキル・年齢に偏りは無く、幅広い層の転職希望者がいることが特徴。
- ベテラン層の採用や雇用形態を転職希望者の状況に合わせて柔軟に検討する。
- ベテラン層が今後のキャリアを具体的にイメージできるような情報提供が効果的。
- スキルを活かせる製品・業界が幅広いため、応募者には業界の魅力や自社製品の特長など、他社との差別化ポイントを伝え魅力を訴求することが効果的。
- 育成を前提とした若手エンジニアの採用の検討も必要であり、入社時のフォローアップ研修やOJTの詳細が意向醸成につながる。
- 転職意欲がそこまで高まっていない登録者にも進んでアプローチする採用手法や“口説き”を前提とした選考を行う。
組み込み・制御設計
- 登録者数は横ばい。絶対数が少ない状況が続く。
- 2019年5月~7月の新規求人数は前年同期比で155%と増加傾向。
- 柔軟なターゲット設定・採用手法の検討、転職希望者への情報提供の差別化がカギとなる。
組み込み・制御設計の登録者動向
対象:2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
登録者の年齢別では、割合に特筆するべきものはないが、そもそもの登録者数が少ない状況は変わらず。特に、30代の登録者の割合は約3割と少ない。
最終学歴については、大学卒・大学院卒が、72%を占めており、他エンジニア職種よりも大卒以上の割合が多い。学生時代にソフトウェアやデータ分析に関わった経験のあるメカ系エンジニアが、キャリアチェンジとして組み込みソフトウェアのエンジニアを選択肢に入れているケースも見られる。
組み込み・制御設計の求人動向
対象:2019年2月1日~7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
直近3カ月での新規求人数は、2014年1月以降で過去最高の数字を記録している。製品ニーズの多様化や各社製品の電動化・自動化に伴い、組み込み・制御設計エンジニアのニーズが急増している。
業界としては自動車・自動車部品メーカーや技術系アウトソーシング企業で求人の増加が顕著であるが、IT業界での採用意欲も高く、まさに異業種混合の採用激戦区。実務未経験者を教育研修していく企業は、採用に成功している確率が比較的高い。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
母集団形成に苦戦するため、人材紹介以外の手法(転職フェア、求人広告、リアル型イベントなど)の利用でアプローチ先を広げる必要がある。また、応募者の転職理由(比較的多いものは、先進的な技術開発に携わりたい・グローバルに活躍できるフィールドがある・企業安定性)に合わせた訴求を行う必要がある。
- 募集が集中する中堅層以外に、ベテラン層の採用や学歴不問など若手ポテンシャル採用も積極的に検討する。(登録者数としては26~30歳がボリュームゾーン)
- 事業の展望や期待するミッションの詳細など、職務内容に興味を持たせる十分な情報提供が必要である。
- 経験がマッチする希少な応募者に対しては選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の辞退を防ぐ。(大手企業においても応募者に応じて土曜日面接を実施するなど採用手法を工夫する傾向あり。)
品質管理(品質保証)
- 登録者数は、横ばい。年齢別では36歳以上の割合が高い。
- 2019年5月~7月の新規求人数は2019年2月~4月比で約10%減。
- 適切なネーミング(一般的な職種名称への変更)と、可能性を広げる採用が重要。
品質管理(品質保証)の登録者動向
対象:2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
登録者の年齢別では、36歳以上の割合が45%を占める。他製造業系のエンジニア職種に比べても10ポイント程度多く、経験豊富な登録者も多い。
最終学歴の割合は、大学卒・大学院卒が55%を占める一方で、高卒者も28%を占めており、評価や実験検証を求められる品質保証業務の中では、高卒者のエンジニアの活躍も目立つ。クレーム対応だけではなく、開発にフィードバックを行うような裁量権や立場をアピールできる企業は採用に成功している。また、多様なキャリアパスを示せるかも採用成否のカギを握る。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2019年2月1日~7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
昨今の品質管理、品質保証に関する問題の影響もあり、引き続き求人倍率は高い数値で推移しているものの、直近半年の求人数は微減傾向にある。
求人の傾向としては従来の品質管理、品質保証だけでなく品質部門におけるシステムの構築など、ITの知識も必要となる求人も多くなってきている。また品質全体のレベルを上げるために、積極的な仕組み改善を提案できる人材を求める声が多く上がっている。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
- ヒアリング
- 採用背景、ミッション、組織構成など、詳細を求人票に記載することが重要。また、職務内容が同じでも企業によって部門の名称が違うケースがあるため、一般的な用語に合わせることも重要である。
- ターゲティング
- 他エンジニアと比較すると40代以上の登録者数も多いため、採用背景や今後の戦略とのマッチ度を重視して積極的に採用を検討することが必要となる。
また、若手であれば機械、電気系のエンジニアの職種転換で採用に成功している企業も少なくない。 - 魅力化
- 働き方や給与条件はもちろんであるが、その企業における「品質」の考え方や、重要度は魅力化につながる。昨今あらゆる業界で品質に関わる問題が起きていることもあり、企業としての力の入れ方、部門の重要性を表現できるかがカギとなる。
生産技術・プロセスエンジニア
- 登録者数は微増、売り手市場が続き、転職先の判断軸は「安定性」と「成長性」。
- 2019年5月~7月の新規求人数は2019年2月~4月比で108%。前年同期比139%。
- 職種未経験者や異業種出身者など未経験者へ向けた魅力打ち出しと、マーケット動向を注視したスピード感が重要。
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
対象:2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
登録者を年代別にみると、20代が全体の5割弱と若手が多く、若さと生産技術エンジニアとしての基礎知識、経験を武器に異業界も視野に入れて転職を検討するケースが多い。
生産ライン自動化など新しい技術、設備を内製で開発している企業への挑戦、成長業界への転職など転職理由はそれぞれだが、「今後エンジニアとして成長できる環境かどうか」「安定したキャリアプランが描けるかどうか」「就業環境が改善ができそうか」を重視するという声が目立つ。
生産技術エンジニアは出張や突発的な業務対応が生じることが多いため、面接の日程調整が難航する傾向にある。そのため、より柔軟、スピーディーに調整してもらえたかが、最終的に入社意向に結びつくケースも多い。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2019年2月1日~7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新規求人数は直近3カ月比で増加し、前年比でも大きく増加。市場の動きや米中貿易摩擦などの外部環境の様子を見つつ、一度採用計画を見直していた企業も徐々に採用を再開し始めている。
自動運転やIoT、AIにかかわる新製品の開発や効率化・設備自動化・省人化を背景に、中長期的には需要が増すことが見込まれる職種であることから、今後も求人数が増加していくことが予想される。スマートフォン需要の鈍化や、米中貿易摩擦など不透明感のある市場を慎重に見つつも、人手不足は継続していることから、中長期的には各社増員計画を進めていく方向性である。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
直近3カ月の全機電系技術職新規求人数のうち約20%弱が生産技術・プロセスエンジニアである中で、機電系技術職登録者における同職経験者の比率は約10%という状況。
ここ数年、製造業各社が同職の大量採用を実施した背景もあり、経験者の希少性が増してきている。職種未経験者や異業界出身者からの採用は避けて通れない状況となっている。
同職の登録者も20代が47%と若手が多くを占める状況下で、電機・電子部品・半導体の各大手メーカーも異業種出身者や未経験者を積極的に採用している。未経験に対象を広げるだけでは採用成功には至らないケースも多く、育成環境や中長期的なキャリアパスなどの魅力も併せて打ち出すことがポイント。
即戦力層の採用を目指す場合は、採用イベントやリファラル採用、ダイレクト・ソーシングなど、転職潜在層へのアプローチが不可欠な状況となっている。
フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 登録者数は横ばいで推移。登録者の志向性を捉えた求人に応募が集まる傾向。
- 2019年5月~7月の新規求人数は2019年2月~4月比で109%。前年同期比169%。
- 広く母集団を形成し、選考を通して「働くイメージ(扱う製品や就業環境、社内のサポート体制など)をもってもらうこと」が重要。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
対象:2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
直近半年間は登録者数は横ばいで推移している。求人数についても横ばいで推移しており、売り手市場が継続している。フィールドエンジニア・カスタマーサポートは、高等学校/専修・各種学校卒業の登録者が約半数と他のモノづくりエンジニアと比較して多い。加えて、近年は「キャリア志向」というよりも「転勤や出張の無い地元志向」や「休日日数や、夜勤および急な呼び出しを回避したいという余暇意識の高まり」を受けた登録者が増加傾向にある。そのため、福利厚生が充実し就業環境の改善(勤務エリアが限定的、夜勤や急な出勤が無いなど)を見込むことができる企業での採用成功事例が目立つ。また、現状の労働条件の改善を求める登録者では、比較的提示年収の高い外資系企業(医療機器や産業機器など)での採用成功事例が見受けられる。以上のことにより、働き方や入社後に身につけることができるスキルやキャリア、業界や企業としての将来性について訴求することで、登録者自身が将来像をイメージできるか、また目の前の転職理由が改善されるかどうかが採用の成否を分けるポイントになっている。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2019年2月1日~7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
直近の業績好調、受注好調を背景に販売後のアフターメンテナンスに対応する人員が不足していることや、外資企業でのセールスに近しいフィールドエンジニアの求人が目立つ。また、働き方改革における時間外労働を削減する取り組みの一環として、人員確保による業務配分を行っている企業も出てきている。
採用難易度の上昇に伴い、未経験者採用やスキル要件の見直しを行う求人も増えているが、一方で即戦力採用に振り切り、同業他社・ベテラン層をターゲットとした求人も目立つ。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
働く環境を改善するために転職を希望している方が多く、最終学歴に偏りがないことも同職種の特徴である。
昨今のエンジニア求人のトレンドとして、他職種(設計や生産技術職)の求人でも、若手の理系未経験者の採用を進めているため、母集団形成のためには、転職回数や学歴を幅広く検討し、人柄や意欲、バックグラウンドの知識・素養を重視したポテンシャル採用も検討する必要がある。
また選考の中では、扱う製品や就業環境、就業スタイル、休日日数、残業時間、社内のサポート体制、キャリアパスなどの詳細な情報をしっかりと訴求し、他社との差別化を図ることも重要である。場合によっては応募意志不問の面談や、選考要素を含まない面談、入社意向上げを目的とした面談などの実施も効果的である。
設計職(建築・土木)
- 登録者数は、4月から5月にかけて20%増加したものの、6月・7月と減少し、4月の登録水準まで戻りつつある。
- 2019年5月~2019年7月の新規求人数は、2019年2月~2019年4月比で125%。前年同期比180%。
- 他社との違い・自社の強みを明確に訴求し、転職マーケットの状況を踏まえ、幅広く採用ターゲットを検討していくことが重要。
設計職(建築・土木)の登録者動向
対象:2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
- 求人数は4月以降毎月伸びているが、登録者数は5月をピークに減少傾向にあり、求人数と登録者数のミスマッチは継続。売り手市場が続いている。
- SNSの普及で企業の口コミや評価情報も目にする機会が増え、中小企業や下請け企業など労働環境が良くないと思われがちな企業への応募は、より慎重になってきている。実際の労働環境や待遇面の情報を正確に情報発信できるかが、応募に大きな影響を与える傾向がより強くなってきている。大手企業や元請け企業、労働環境改善への取り組みを行ってる企業へ応募が集中しており、取り組めていない企業、情報発信できていない企業への応募は集まりにくい状況。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2019年2月1日~7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
業界全体の人手不足状態は続いているが、採用難易度の高さから充足させることが難しく、採用長期化の傾向があり、新規求人数も増加傾向。会社規模や、設計事務所、ゼネコン、プラント、建設コンサルなど業種を問わず採用意欲は高い状態が続いている。
特に一級建築士などの資格取得者の採用難易度は高く、設計補助・CADオペレーター等設計業務を少しでも経験したことのある人材を育成していく方針にシフトする企業は増加傾向。また、中途採用においては中堅のベテラン層のニーズが最も高く、各社求める人材が重複しており、求人倍率が高まる傾向にある。
特に大手ゼネコン、設計事務所や建設コンサルティング会社は、資格要件を満たしていたとしても、扱ってきた物件の規模や種類などが異なるとマッチングが難しいという現状があり、必須要件の緩和も難しく、採用に苦戦している様子が散見される。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 採用競争率の高い職種となるので、自社の強みは何か、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのか、情報を棚卸しし、積極的に転職マーケットに訴求し自社の存在感を高める必要がある。
- 特に設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真等)がある方が応募につながりやすく、自社HPの改修、求人広告の利用など多角的な採用手法も検討すべきである。
- 採用難易度の高さ・競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するか、ターゲットのペルソナを整理し再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、「自社の業務内容はそのターゲットに魅力的に見えるのか?」など客観的な視点で考えることが重要となる。
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な日程調整も必要である。
施工管理(建築・土木)
- 登録者数は5月のGW前後に登録者数が増加するも、直近7月は減少。
- 2019年5月~2019年7月の新規求人数は、2019年2月~4月比で119%。前年同期比191%。
- 幅広い採用ターゲットの検討、あらゆる採用手法を活用し転職マーケットでの存在感を高めることが重要。
施工管理(建築・土木)の登録者動向
対象:2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
4月以降GW期間を除くと施工管理職の登録者はほぼ横ばい状態になっており、大きな変化は見られない。年代別の構成を見ると20代がおよそ6割を占める一方で、30代は20%以下となり40代以上の合計よりも少なくなっている。求人数は右肩上がりだが、若手は労働環境の改善を求めて施工管理職以外の職種への転職を希望する傾向が強く、ミスマッチが続いている。処遇改善以外にも現場で長年の熟練工である職人との折衝に対する疲労、東京オリンピック後の建設業界に懸念を感じている若手は多く、この点の払しょくが今後の若手の施工管理職への支援に向けた重要なカギになる。シニア層については、企業からのニーズは高まる一方で、定年の時期やその後の処遇など、業務内容よりも労働条件を重視する傾向が強くなっている。転職経験者においては求人票記載内容について懐疑的な目を持っていることが多く、特に労働時間、残業代については記載内容と現場は異なるという認識で見ている方が多い。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2019年2月1日~7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
施工管理職は全技術系職種の中でも求人数が多く、採用激戦区。景況の波はあれど業界全体での人手不足感は変わらず、求人は増加傾向。
大手企業を含め、全分野で一級施工管理技士資格取得者の採用は特に難航を極め、未経験を育成していく方針にシフトしていく企業も増えており、未経験者を対象とした求人の割合は増加傾向にある。また、経験者採用の場合も、長期に渡り採用充足ができていない状況を踏まえ応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する企業も増えつつある。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 全技術系職種の中でも求人数が多いため、求人が目に留まりやすいよう、自社の何が強みでどの点を転職希望者に訴求していくかをしっかり言語化し、他社と差別化していく必要がある。(働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど)
- 経験者採用であれば、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットの検討、未経験採用であれば、育成体制・今後のキャリアパスなどの入社後の活躍がイメージできるような情報を応募者にしっかり訴求していきたい。
- ただ求人を出すだけではなく、エージェントに対し積極的に情報提供していくこと、求人広告、ダイレクト・ソーシング、転職フェア、リファラル採用などあらゆる採用チャネルを活用し、母集団形成のために、待つのではなく、攻めの採用姿勢をとることが他職種に比べ特に強く求められる。
- 面接は「選考をする」という視点のみならず、応募者の意向醸成の場でもあるという意識を持ち、面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用したい。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考が通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な日程調整も必要である。
研究開発(化学)
- 転職活動に慎重な志向性はこれまでと変わらず。積極的に行動できるかが転職成功のカギ。
- 2019年5月~7月の新規求人数は前年同期比 155%。
- ①採用ターゲットに合わせた複数の商材でアプローチをすること②転職希望者が求める情報を可能な限り求人票へ記載すること。
研究開発(化学)の登録者動向
対象:2019年5月1日~7月31日にdodaにご登録いただいた方
年代別に見ると、30歳以下が54%、31~40歳が28%、40代以上が18%と他職種と比較して、20代の登録者割合が多く、40代の登録者割合が少ない。
転職に対しては非常に消極的なスタンスの方が多く、転職回数0回の方で70%、1回以下で82%にもなり、転職活動においても特に活動初期は興味のある求人だけに応募を絞るなど、慎重な方が多い。学歴に関しても特徴的で、大学院卒が54%と過半数を占め、情報収集や応募書類の準備など、自ら転職活動の準備を行うことができる方は比較的多い。しかし、学生時代に就職活動をほとんど行ったことがない方も多くおり、その結果、特に若手の登録者は知名度の高い企業にのみ応募するような、新卒の就職活動に近い進め方になってしまいがち。特定の条件に固執せず早い段階でいかに興味や検討の幅を広げられるかが転職活動の成否を分かつことになる。また、在職中の登録者がほとんどである中で休暇を取得しづらいこと、採用面接会場となる研究開発拠点が地方ということも多いことなどから、面接の調整が難航したり、複数社選考を進める中で取捨選択を余儀なくされてしまうこともあるため、対面面接だけでなく代替手段として電話やSkypeで面接を行う事例も散見されるようになってきている。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2019年2月1日~7月31日にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
業界全体として業績が好調であり、売上増に伴う増員採用を加速させる動きが強い。新卒採用の文化が強い業界であるが、データサイエンティストやポスドク研究員などスキルマッチ要素が高い求人が増えてきているため、即戦力人材を求める企業が多く苦戦している。各社が掲げる注力分野のなかでもとりわけ、「自動車領域」「ヘルスケア領域」「電池材料領域」などにおいて求人増の傾向が強い。
研究開発(化学)の採用成功POINT
化学マーケットは分野が多岐にわたり、求める経験・能力が限定的かつ登録者が微減していることから、「求めるターゲットが見つからない/見つかっても応募が来ない」ことが予想される。そのため人材紹介と並行して、ダイレクト・ソーシング、求人広告、イベントなどの複合商材を活用し、アプローチ先や方法を変えることが重要。求人票に盛り込むと効果的な内容は以下3点。
- 採用部署の現場社員と採用要件をしっかりとすり合わせ、要件を言語化し、求人票へ落とし込む。
- 研究開発のテーマ、研究環境、就業環境、キャリアパス、社風など、会社HPでは確認できないようなリアルで詳細な情報を提供する。
- 転職意欲が高くない方も多いため、見極める選考だけではなく、面談形式の情報提供ができるような場を作ることも大切。
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モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2019年8月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス