モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年5月~7月対比93%と減少
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比で111%と増加
- 市況を踏まえて、キャリアパスの構築や適切な求人要件(ターゲット・年収)を設定する
機械設計の登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、2024年8月に1,000名を超えたものの、9月、10月は登録数が減少した。これは、「夏季休暇のタイミングで一度キャリアの相談をしたい」といった普段は多忙で時間が取れない転職希望者が、8月に集中した期間(タイミング)であったことが要因であると伺える。
登録者の最終学歴別で見ると、大学院卒と大学卒で66%となっており、かつ転職回数別で見ると、0回~1回の方が72%と多くを占めている。学卒・大学院卒であり、転職活動自体が初めてという転職希望者が目立っている印象だ。
自分の将来のキャリアや会得したいスキル、さらには会社の将来性、働き方などを重視して、さまざまな企業の求人を見ている転職希望者は多いが、転職には慎重な姿勢を見せる方も少なくはなく、早期の転職を希望する層とは別に「現状は情報収集のみ」という層も一定のボリュームがある。
機械設計の求人動向
対象:2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は前期(2024年5月~7月)比で増加となった。一部企業では上半期での採用計画の見直しや、新卒採用補填などの影響により採用活動の内容を見直したり、立て直したりする動きも見られている。
求人の内容を見ると、育成を前提とした第二新卒向け求人や、生産体制の強化を目的とした中堅層をターゲットとする求人なども多いようだ。さらに、市場分析から企画立案など、製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位で業務が分解・細分化された求人など、近年は求人の多様化が生まれている。
各社では、採用充足に向けて母集団形成を目的とする採用ターゲットの見直しや、面接確約型のアプローチにシフトするといった手法改善、早期の人材獲得を目的とした選考プロセスの見直しなどを図る動きが広がっており、採用活動に積極的な企業が増えている。
機械設計の採用成功POINT
機械設計職は下流(設計サポートや図面作成)から上流(企画・開発など)を目指すのが基本的なキャリアパスのため、ステップアップできるような環境や募集要件を整え、求職者にとって転職メリットの出るような打ち出しを行うことも重要だ。
機械設計職の領域は、今後も求人数の増加が見込まれているため、市況に合わせた適切なターゲット設定や要件定義ができるか、そのターゲットに対して魅力的な情報をもって訴求ができるかが明暗を分ける。そこで他社求人と差別化を図るために、下記ポイントが重要になる。
- どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価など)を任せるのか、誰に対して転職メリットがあるのかを明確化する。
- 採用背景を鑑み、市況と照らし合わせながら求めるスキルや年収などの条件を適正化する。
- 採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など、転職希望者に対する必要な情報をしっかりと求人票へ落とし込んでいく。
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回路設計
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年5月~7月対比で93%と減少
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比で101%とほぼ横ばい
- 市場価値の高い転職潜在層に対して多角的な採用手法で接点を多く持つ
回路設計の登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
直近の動向は、前3カ月期間(2024年5月~7月)と比較したところ登録者数はやや減少傾向となった。
登録者の転職回数、最終学歴については、前期と比べて構成に大きな変化はないが、大学院卒の比率がほかのエンジニア関連職と比較すると、やや高い傾向にあるのが特徴となる。
採用要件を定める際は、求めるスキルや経験を基準にしつつも、人材確保のために幅広く要件を持つことが有効な選択となるだろう。
回路設計の求人動向
対象: 2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
回路設計職は、2024年5月~7月対比で101%とほぼ横ばいの推移となった。同職種の採用の難易度は、依然として高く採用に苦戦する企業も少なくない。
採用活動を行う各社の動きを見てみると、新卒採用では人材が充足せず、中途採用枠として第二新卒を加えるケースも増えている。また最近では50代以上の経験者を採用するケースや、異業種・異業界出身者を含め幅広い業務経験や経験年数を有した層を採用ターゲットに設定して、母集団形成や採用を成功させるケースも増えてきている。
求人の種類としては、半導体デバイスメーカーでは半導体、5G向けのスマートフォン部品、高周波部品などの設計、完成車・自動車部品メーカーではEV(電動車(EV:Electric Vehicle)の総称)のECU(Electronic Control Unit)などに携わる内容の求人が増加している。ほかにも異業界から人材獲得を図る電機メーカーも多く、そうした要件を満たす求人も顕在化している。
回路設計の採用成功POINT
- アナログ回路設計は、経験を重ねたエンジニアの登録が多いため、大手メーカーをはじめミドル・シニア人材の採用を積極的に行う企業も多い。その際には幅広い業務経験や経験年数などを採用要件に加えることが肝要だ。
- 即戦力層の登録者の割合が低いため、比較的登録が多い26歳~30歳の年齢層へ向けて「若手を育てる研修の仕組み」や「環境・風土」などの訴求でアピールする。
- 会社の安定性や将来性を重視する転職希望者に対しては、取り扱い製品だけではなく、事業戦略や企業の成長性について伝える工夫をする。
- 異業界からの人材獲得を図っていく上では、「具体的にどういった経験がどのように活かせるか」までを言語化して、それを求人票に落とし込んでいく。
- 求職者自身が自分の市場価値の高さを理解しており、情報収集段階のいわゆる転職潜在層が多いため、ダイレクト・ソーシングをはじめ、アルムナイ採用やタレントプール関連のシステム導入など、多角的な採用手法で多くの接点を持つようにする。
- 選考要素を伴わないカジュアル面談や応募意思不問のセミナーなどの開催も効果的なので実践してみる。
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組み込み・制御設計
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年月5月~7月対比で97%と微減
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比で106%と増加
- 母集団形成のための採用設計を考え、採用手法を多様化し、選考フローを工夫する
組み込み・制御設計の登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
3カ月毎の登録者動向は、前期比(2024年5月~7月)で微減となった。特に高い上昇を示した5月を起点に、6月以降は大きく増減することなく堅調に推移している印象だ。
組み込み・制御設計職の転職マーケットは、開発プロジェクトの切れ間のタイミングで登録者が増加するという特徴がある。プロジェクトが繁忙期に入る隙間の時間に情報収集目的の登録者が多く、採用成功については、このタイミングを逃さない迅速な選考が重要だ。
なお、登録者の属性を見ると、転職回数1回未満が73%、最終学歴別では大学卒と大学院卒が合わせて67%を占める割合となっている。この割合は、機械設計や回路設計などの開発系職種と大きく差は見られない。しかし組み込み・制御設計職の求人においては、入社後のミッションや就業イメージ、将来性やキャリアステップなどの情報提供を細やかに行っていく事で、意向醸成がしやすくなるという傾向がある。さらに、昨今働き方に関しても「リモートワーク希望」「家族との時間を十分に確保したい」などの希望が挙がっているため、雇用条件のほかに働く環境などの適切な情報が、採用成功のカギとなっている。
組み込み・制御設計の求人動向
対象:2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
組み込み・制御設計職は、求人数が増加し続けており、採用難易度が高い職種の1つとなっている。
ADAS関連の需要から完成車メーカー/自動車サプライヤーでの採用ニーズは引き続き高い状況であり、業務経験が豊富な即戦力を求める求人は依然として多い。
一方で採用活動での苦戦を踏まえ、C言語使用経験があり、組み込み・制御領域のポテンシャルをもった若手層(第二新卒層)、豊富な経験を持つシニア層(50代以上)などターゲットを拡大するケースも見られるようになった。
また、自動車業界を筆頭に、「自動運転」「MaaS」といったトレンドの浸透が進むことで、業界を問わず採用ターゲットが重複する問題点も挙がっている。今後、同職種での獲得競争は激化するものと予想されている。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
組み込み・制御設計職は、採用ターゲットによって母集団形成で苦戦しやすく、人材紹介をはじめ転職フェア、求人広告、ダイレクト・ソーシング、オンラインイベントなど、複数の採用手法を活用しアプローチ先を広げていくことが重要である。
また、転職希望者の転職理由(比較的多いものは「先進的な技術開発に携わりたい」「将来性ある環境で働きたい」「在宅/リモート勤務をしたい」など)に合わせて、採用・事業の競合他社を意識した訴求を行う必要がある。
加えて、組み込み領域の転職希望者は、(転職活動の)就業率の低さが目立つ。そのため登録データ内の転職潜在層へのアプローチを行っていくべきなので、以下のポイントを意識したい。
- 中堅層以外(40代半ば以上)のベテラン層の採用や、学歴不問の若手ポテンシャル採用を積極的に行う。
- 選考期間や面接回数をできる限り短縮し、選考途中の辞退を防ぐなど、選考フローを工夫する。(例:応募者に応じて土曜日面接を実施する、など)
- 転職希望者に興味を持たせる情報発信を求人票や求人広告、採用メディアなど複数のチャネルで行っていく。(例:部署の方のインタビュー記事、事業の展望や期待するミッション、自社のどんな技術に先進性があるのか、など)
- ダイレクトリクルーティング(ダイレクト・ソーシング)や応募意思不問のカジュアル説明会(選考という場ではなく、自社の業務内容を伝える場を設ける)、部門責任者のパネルディスカッションなどを実施して転職潜在層にアプローチする。
スキルある即戦力人材のみを集客して直接口説ける
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品質管理(品質保証)
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年5月~7月対比で101%と微増
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比で114%と大幅増加
- 働き方改革やDX推進などの訴求により採用成功につなげる事例が増加
品質管理(品質保証)の登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、直近24年2月以降増加傾向にあり、6月で減少に転じたが、その後は増加傾向にあった。しかし9月から再び減少カーブを描き始め、10月は今年最も少ない登録者数となった。
転職回数別で見ると、「転職回数0回」の割合が44%と約半数を占めている。他職種と比べると割合は低く、かつ減少傾向にあるものの、依然として転職に慣れていない方が大半を占めている状態にある。
また、経験している業務内容を見ると、20~30代は測定器を用いた検査をメイン業務としていた方が多く、QMS(品質管理システム)構築や内部監査、ISO関連などの経験がある方は希少である。
転職理由は、「人員不足による業務過多」「業界や企業への将来性不安」「よりモノづくりに近い業務に携わりたい」といった内容が比較的多いようだ。
また一方で、「クレーム対応から離れたい」といった声も少なくないことから、「異業界・異職種にチャレンジしてスキルアップしたい」という希望や、対外的な折衝が発生しない品質管理業務などを望む転職希望者も一定数存在する。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は年間を通して緩やかな上昇傾向にあり、24年10月の求人数は1年間で最も多い数値となった。特に増加傾向があるエリアは関東圏内であり、全体の7割程度を占めている。その内、東京都、神奈川県が特に増加しているといった状況だ。
募集ポジションについては経営方針によるコンプライアンス意識、品質意識の高まりもあり、リスクマネジメントやISO、内部監査、SQEなど本社勤務の品質管理部門(室)でのポジションが増加傾向である。そのため、即戦力への求人ニーズが高まっており、比較的ミドル層の求人倍率が上昇傾向にある。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
募集にあたり、各人のミッションや、扱う商材群、業務範囲、組織構成や働き方、キャリアパスなどを明確化し、他社との差別化を図ることはもちろん、当該企業における「品質」の考え方や重要度、期待すること、任せたい仕事のミッションを記載すれば母集団形成などに効果が表れるだろう。
特に採用成功している求人は、募集する組織の体制が整っており、さまざまな課題に対してフレキシブルに対応できるフォロー(働き方・環境)が手堅いという傾向がある。
また、DX推進について言及している求人についても、「工場の見える化」「突発性の不良発生時に対する体制の盤石化」「属人性からの脱却」といった組織課題に対して懸念点を払しょくするような情報を明示しているものは反響が良く、それが採用成功につながっている。
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生産技術・プロセスエンジニア
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年5月~7月対比95%と減少
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比で107%と増加
- 採用要件を詳細に定め、会社の目指すビジョンや採用背景、ミッションを訴求する
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、2024年1月から増加を続けていたが、今期(2024年8月~10月)は減少となった。
登録者の最終学歴の内訳としては、大学卒・大学院卒の合計が51%となっている一方で、高等学校卒は33%と、他職種と比べると比較的大きなウエイトを占めている。
登録者の属性を見ると、新卒からモノづくりの現場を経験し、その後生産技術としての知識や技術を身に付けた人材が一定数登録しており、いわゆる即戦力となり得る経験者層が多い。
転職理由としては前期と変わらず「現職の業績が悪く、設備投資がなされないので、積極的に設備投資ができる企業へ転職したい」「勤務地を変えたい」といったものが多いが、「出張の頻度が多くワークライフバランスが整わない」というライフスタイルに言及した声も上がってきている。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は全体的に増加傾向で推移をしている。その背景として、昨今、グローバル市場における競争力強化に向けた製造ラインの再編を目指す企業や、自動化、IoT活用などを推進する企業などで求人ニーズが活発化していることが挙げられる。
採用活動を展開する各社においては、採用枠を調整して即戦力となり得る人材のみにスポットを当てた採用を行うケースも増えているが、未経験枠やポテンシャル採用を打ち出すことで母集団形成のハードルを下げているケースも見られている。
一方、プロセスエンジニア職の採用では、カーボンニュートラルやリサイクル事業の促進などによりプロセスが微細化、それに伴う最先端技術に対応できる人材が求められる傾向となっている。
しかし、依然として登録者数と求人数の乖離が激しいポジションであること、特に各社の求める人材は限られることから、採用難易度は高めである。そこで本当に必要なスキルを抽出した上で再度求めるターゲット像を設定することも重要となる。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
求人数が増えている中でも、登録者の増加が少ないことから1求人あたりの応募者数は減少傾向にある。昨今では、DX推進の文脈から生産技術・プロセス開発に加えてシステム開発の知識を求めるケースも増えているが、双方のスキルや経験を持つ人材は非常に少ないため長期的に苦戦する傾向が見られている。そのため応募要件や条件によって苦戦する可能性があるので、競合他社との差別化に加え、採用プロセスの見直しなども検討したほうが良いだろう。
母集団形成のポイントとしては、組織構成や採用背景、入社後に任せたいミッションなどを明確にした上で、採用条件を整理(必須スキルと歓迎スキルの見直し など)し、改めて求人票に落とし込むことが大事だ。
また、求職者のスキルに合わせて業務内容を決定したい場合は、業務を工程ごとに細分化して複数の求人で募集をかけることも有効である。
業界専任で業界の採用市場に詳しい担当者に相談できるのは
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フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年5月~7月対比で98%とやや減少
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比で81%と大幅減少
- 実務経験以外の評価ポイントを記載し応募要件を緩和するなど求人内容の見直しを行う
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は2024年5月に一時的に上昇し、その後横ばいの動きを見せていたが、現在はやや減少傾向にある。
登録者の転職回数別では、「0回」が38%、「1回」が20%、「2回」が16%となっているが、「4回以上」に関しても16%となっており、転職回数の多い方の割合が目立っている。また、最終学歴の内訳を見ると、「大学卒」が35%、「専修・各種学校」が15%、「高等学校卒」が33%となっており、大学卒が変わらず比較的大きなウエイトを占めているが、高等学校卒の割合も近年では増えつつある。
同職種の転職理由としては、「出張や緊急対応が多く精神的・体力的につらい」「友人や知人・家族との時間が取れない」など、年齢を問わず働き方に関する改善の要望や、「自社の取り扱う製品・サービスに先行きを感じられない」など、将来性に対して不安視する声などが挙がっている。
そのため求人に求める希望も、働き方や職場環境の改善、付加価値の高い製品に携わりスキルアップを望みたいといった声が比較的多い傾向にある。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数については、今期は減少が見られたが、大手製造業の設備投資の拡大や増額、それに伴う機器類のメンテナンスといったアフターマーケットのニーズの高まりを受けるかたちで全体的に増加傾向にあり、この傾向はしばらく続くものと見られている。
同ポジションは、登録者数と求人数のギャップが大きいマーケットであるため、フィールドエンジニア領域での経験者を求める求人や、取り扱い製品や業界の親和性を要する求人、海外拠点向けの英語力を必要とする求人などでは、採用活動に苦戦することが予想される。
しかし採用成功につなげている企業を見ると、「未経験歓迎」「業界経験不問」「第二新卒歓迎」といった条件緩和を実施してアプローチ、人材獲得につなげているようだ。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
フィールドエンジニア・カスタマーサポートは、求人倍率が高い状態が続いており、多くの企業が採用ターゲットの見直しを進めている。
各企業は、フィールドエンジニアやカスタマーサポートの経験がない転職希望者に対して、「機械系の学部・学科卒可」や「特定の工具や機器を使用したことがあること」「製造オペレーターの経験」など、実務経験以外の評価ポイントを記載し、応募要件を緩和するケースもある。
同ポジションは最も幅広い層からの登録があることから、採用ターゲットの見直しに際しては「最終学歴」、「転職回数」などの選考基準を変更することで、より多くの採用機会に恵まれるだろう。
また、他社求人に対して差別化するならば、働き方(休日について、出張範囲・頻度・期間、残業時間、休日出勤の有無・頻度など)や育成制度に関する情報を魅力付けして訴求すると良い。
採用のプロが、どんな層を狙ってどんな魅力を打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。
研究開発(化学)
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年5月~7月対比で97%とやや減少
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比で101%とやや増加
- 即戦力採用だけではなく育成(ポテンシャル)採用も積極的に検討する
研究開発(化学)の登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者の最終学歴別内訳は、大学院卒が43%、大学卒が30%と、この両者でその大半を占めている。また、転職回数別内訳を見ると、転職0回の登録者が61%を占めており、初めて転職される方が多いことが伺える。そうした方は、求人に即応募するよりもじっくりと情報収集などを行っているようだ。
転職希望者の志向性を見ると、会社の待遇(評価基準)や、自身が活躍できる環境かどうかに関心を寄せており、これらの情報をしっかりと見極めてから応募する傾向が強い。
その背景としては、昨今、事業の選択と集中、制度改革などを行っている企業が多く、登録者の転職理由としても「ビジネス環境の変化などから在籍事業領域や部署に注力・投資されない」「自分のキャリアプランと異なるポジションへの打診をされる」「新分野への研究開発投資に消極的である」などといった声が聞かれるようになったことが一因のようである。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は1年間にわたって緩やかに推移しているが、やや増加傾向で推移している。
今年度の求人の特色としては、特定の領域の知見を持つエンジニアや、自社には在籍していないノウハウ・スキルを持つエンジニアなど、即戦力として活躍してもらいたい人材の採用へとシフトする動きが、企業規模問わず見られている。
各社が求める経験やスキルを持った人材は、条件やニーズが競合と似通ってしまうため、自社に合った人材に入社してもらうには、業務内容や条件面など、いかに差別化して求人の魅力をアプローチできるかが大きなポイントとなる。
また近年、新卒採用枠で採用できなかった理系学生の枠を、第二新卒という形で採用する動きも見られている。その際、求人の内容も、研究開発の実務経験不問、学生時代のバックグラウンドや人柄を中心とした採用がトレンドとなっており、売り手市場の中でいかに求職者のポテンシャルを評価するか、が採用成功のポイントとなっている。
研究開発(化学)の採用成功POINT
採用候補となる人材に対して各社のアプローチが集中するという動きは、年間を通じて続いていく見通しだ。また、採用活動をスタートさせてから時間が経過した求人については、採用背景や条件を踏まえ、設定している採用ターゲットが適切かどうか、今一度エージェントを交えて振り返りをすべきである。
転職マーケットに登録している最新の求職者数や新卒採用の状況把握、自社の教育体制や社内環境などを棚卸ししながら、育成枠での採用が検討できるのであればスムーズな採用成功も見込めるであろう。
特に第二新卒層は、入社先の決め手や転職条件、希望などを、転職活動を行いながら徐々に固めていくという傾向にあり、書類選考から1次面接の時点では、やりたい事や志望動機などがやや抽象的であることが少なくない。そのため自社への入社意向を高めてもらうためにも、面接や選考過程が非常に大事になる。
選考後には、採用候補者に対する期待値を伝える、あるいは配属予定部門の担当者と対話の機会を作るなど、選考過程の中での意向醸成に向けた工夫も必要である。
doda人材紹介サービスなら、採用のプロが採用成功にむけてアドバイスします。
設計職(建築・土木)
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年5月~7月対比で102%と微増
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比で102%と増加
- ビジュアライズされた求人、フレキシブルな面接設定で採用活動を工夫する
設計職(建築・土木)の登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は3か月期対比でほぼ横ばいの推移を見せている。転職回数別では、「0回」が46%と約半数の方が初めて転職活動を行っていることが伺える。一方で「4回以上」の方も16%と少なくはない状態であり、複数社を転職・経験している方も一定数いることがわかる。
登録者の転職理由としては、「働き方の改善」「担当案件の幅を広げたい」などがよく挙げられる。外国籍の方からの応募や、時短勤務、リモート勤務を希望される方なども多く、求職ニーズは多様化している。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
大手・中小企業に関わらず、市場では早期に業務へ合流できるような「即戦力」へのニーズが高く、求人倍率は高い状態で推移している。
また、一級建築士、監理技術者などの資格取得・保有人材の採用難易度も依然として高く、各所で苦戦が続いている。そのため設計補助・CADオペレーターやアウトソース企業などでは、人材不足を解消するために、設計業務を少しでも経験したことのある人材を採用、そして育成していくという企業も増えてきている。
一方で、Webを活用して採用面接を実施する企業はいまや一般的となり、Web面接を実施していないという企業は少なくなってきた。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 獲得競争が激しい職種のため、自社の強みは何なのか、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのかなど、細かなデータの蓄積と社内ヒアリングを実施する。これらのデータを根拠にして、求人の訴求ポイントをブラッシュアップ、そして競合との差別化を図る。
- 残業や土日の出勤、リモートワークなどを転職理由にする希望者が多く、就業環境整備への取り組みや、休日、残業実態などの情報開示が応募意思獲得につながる。
- 設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真など)の掲載がある求人が応募につながりやすいので、自社採用HPや求人メディアの活用など、多角的に情報発信できるチャネルの選択も実施していくべきである。
- 採用難易度の高さや競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するのかなど、整理・再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はどのターゲットに魅力的に見えるのかなど、客観的な視点で捉えることが重要である。
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しており、かつ現職も多忙である方が多いため、Web面接の活用だけでなく面接の日時も大きく影響する。例えば、夜間帯(19時以降)の面接や土日の面接なども実施すると有利に採用活動を進められる。
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施工管理(建築・土木)
- 2024年8月~10月の登録者数は、2024年5月~7月対比で97%と減少
- 2024年8月~10月の求人数は、2024年5月~7月対比110%と増加
- 柔軟な面接設定や、働く環境についてアプローチポイントがあれば積極的に発信していく
施工管理(建築・土木)の登録者動向
※対象:2024年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
施工管理(建築・土木)職は、全技術系職種の中でも求人数が最も多く、採用難易度は依然として高いことが特徴だ。今期(2024年8月~10月)の増加の要因としては、24年下期にかかる人事・採用計画および要員計画を各社がある程度定めたことにより、全体の求人ニーズが増えたと想定できるだろう。
未経験者採用は、コロナ禍前と比較し減少傾向にあり、即戦力中心の採用が増えている。しかし相対的に、経験者採用における競争がより激しくなっているため、長期にわたり採用ができていない場合は、応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する必要がある。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2024年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2024年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
全技術系職種の中でも求人数が最も多い職種の一つで、採用難易度は依然として高い状態である。
未経験者採用はコロナ禍以前と比較しても減少傾向で、経験やスキルなどを持った即戦力中心の採用が増えている。
また、経験者採用における競争がより激しくなっているため、長期にわたり採用ができていない場合は、募集要項の資格要件や必須条件などといった求人内容の「条件緩和」を検討する必要がある。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 法改正に伴う「働き方改革」への注目度も高く、就業時間や休日・休暇などでアピールポイントがあるなら具体的な数字や事例を出して求人などで発信していく。
- 全エンジニア系職種の中でも求人数が多いため、自社の求人が目に留まりやすいようアプローチを工夫する。例えば、自社の強みは何か、働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど、どの点を転職希望者に訴求していくのかを言語化していくことで差別化につながる。
- 母集団形成のための「攻めの採用姿勢」を見せることがポイント。人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルやサービスを活用し、積極的にアプローチする体制を整える。
- 「面接は選考の場」という固まった概念に捉われず、「面接は応募者の意向醸成の場」であるという意識を持つ。面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用できるよう環境と準備を整えていくことが求められる。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過している場合がほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な面接日程調整も、状況に応じて実施したほうが良い。
- 経験者採用の場合、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい。資格取得者をターゲットとした採用はどの企業も行っているため、即戦力性と市況感を考慮した条件設定にすることにより、効果的な採用が見込めるだろう。
- 未経験者採用の場合、工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのポータブルスキルや、建築・電気などの知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで、入社から配属までのオンボーディングがスムーズに進む。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報を、選考の段階から訴求することが有効だ。
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モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2024年11月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス