ITエンジニア中途採用マーケットレポート(2024年9月発行)

2024年9月発行
職種別マーケットレポート

ITエンジニア

ITエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。

コンサルタント(業務/IT)

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、 2024年3月~5月対比103%と微増
  • 2024年6月~8月の求人数は、 2024年3月~5月対比101%と微増
  • 差別化ポイントは、担当するプロジェクトの具体的な業務、詳細な自社の魅力などを訴求すること

コンサルタント(業務/IT)の登録者動向

登録者詳細
コンサルタント(業務/IT)の登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

事業会社、SIer、ソフトウェアベンダ、Webサービス企業などさまざまな方面でソリューション開発やデジタル化が進む中で、働き方や環境の改善を希望して登録する方が増加している。同領域は毎月一定数以上の転職希望者が登録しているため、特に2024年8月は、直近1年間で最大の登録者数を記録した。
入社決定先としては「社内情報システム(社内SE)」が39%、「ITコンサルタント」が15%、続いて「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が13%となり、異職種への転職が過半数を占めている。希望職種では、「ITコンサルタント」が最も多いものの、決定職種としては2位となることも特徴である。

コンサルタント(業務/IT)の求人動向

求人マーケット動向
コンサルタント(業務/IT)の求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

事業会社、SIer、ソフトウェアベンダ、Webサービスといった、さまざまな業種・業態の企業間でDXをテーマとしたプロジェクトが主流にあり、求人数はいまだ増加傾向が続いている。そのため各種コンサルティングファームやSIerでは、ITコンサルタントの人材獲得競争が激化の一途を辿っている模様だ。またAI開発も主流になってきており、今後も求人数が増えていくことが予想される。

コンサルタント(業務/IT)の採用成功POINT

転職希望者のワークライフバランス実現へのニーズが年々増している昨今、これらに応える環境を整えることが採用成功への近道となる。
転職希望者のほとんどが現職でもコンサルティングを行っている場合が多いため、事業課題や組織課題など任せられるミッションや働き方、環境において他社とどのように違うか、具体的な担当プロジェクトの情報提供がポイントになりそうだ。
求人では「DX」や「デジタル」といったあいまいなワードが飛び交う傾向が強いため、自社の採用背景や目指したい未来(ビジョン)、現状の課題とそれに向けての目標(ミッション)などを具体的に情報提供できると採用の差別化につながる。そのため選考の初期段階から、上記のポイントを押さえた情報をさまざまな手段を活用してアプローチすることが肝要である。
また、多忙な方が多く、柔軟な面接調整も採用成功のポイントとなる。各社の採用ターゲットは近しいため、年齢や転職回数、学歴などの要素は極力柔軟に検討することで母集団形成がしやすくなるだろう。

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業務系SE/PG

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比で93%と減少
  • 2024年6月~8月の求人数は、2024年3月~5月対比で105%と増加
  • 転職希望者のニーズとその背景を理解し、業務内容や働き方の入社後イメージを明確化・訴求する

業務系SE/PGの登録者動向

登録者詳細
業務系SE/PGの登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

2024年の3月から5月にかけて登録者数は増加していたが、その後6月と7月に減少した後、8月で今年4月水準まで回復した。しかし前3カ月期と比べると93%と減少する結果となった。
登録者データを希望職種別で見ると、最も多い職種は「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」で54%。続いて「社内情報システム(社内SE)」が17%、「Webサービス系エンジニア・プログラマ」が14%となっており、前期(2024年3月~5月)と比べると希望職種やそれぞれが占める割合に大きな変動はないものの、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が3ポイント微減、代わりに「WEBサービス系」などのポイントが微増した。
また実際の転職先においても、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が56%と大半を占め、次に「社内SE」として配属になる方が28%となっている。しかし5月までは「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」の決定割合が約6割を占めていたが、今期は「営業事務・一般事務」やその他の職種で決定しており、前期に比べてキャリアチェンジを実現する方の割合がやや増加する結果となった。
働き方の希望としては、依然としてリモートやフレックスなどの自由な働き方を求める求職者が多い状況は変わっておらず、このニーズを採用活動でどのように訴求していくのかが重要なポイントとなるだろう。

業務系SE/PGの求人動向

求人マーケット動向
業務系SE/PGの求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

業務系SE/PGの採用ニーズは依然として高いものの、2023年後半以降にかけて未経験者への採用基準は厳しくなっている傾向にある。そのため採用した未経験者を育成できるスキルを持った人材や、マネジメントに長けた人材への採用ニーズが特に高まっている。
また、全体的な採用のハードルは依然高く、ポテンシャル採用を含めた選考通過率は全体的に減少傾向にある。ただし、スタートアップ企業や成長・拡大フェーズにあるベンチャー企業などでの採用活動は、ポテンシャル採用を含め拡大している。
転職希望者は、「リモートワークのある環境」「残業時間の少ない環境」といった働き方の選択肢がある企業を希望する一方で、「扱える技術要件が選べる」「体系的に学べる環境」など自身のキャリアアップを意識した希望も併せて求める声も多い。
しかし転職希望者の現職がSES・客先常駐であった場合、「在籍企業からの評価が給与にしっかり反映される環境に籍を置きたい」「希望する案件(領域)の経験が積めずスキルの積み上げができない」などの理由で転職を考えるケースが多い。

業務系SE/PGの採用成功POINT

転職希望者が求めるポイントとしては、「上流工程への挑戦」「自社開発の割合の高さ」「経験と開発環境の親和性」が挙げられる。さらに、「キャリアパスの豊富さ」「携わる案件・プロジェクトを選択できるか」「スキルを高められるか」などが重視されている。
特に訴求ポイントとしては、「どのように案件を決めているのか(希望に沿うことができる、エンジニアのキャリアを考えてアサインする制度を設けている、など)」「アサイン案件以外での技術的なフォロー体制と研修制度の有無」、「資格取得のためのサポートがあるのか」など、環境的な側面のアプローチが有効である。
また、働き方については、リモートワークの有無や頻度、フレックス制度の有無、労働時間の長さ(固定残業手当を忌避するなど)に注目する転職希望者も少なくない。
各企業でリモートワークの導入も定着しつつある中、「確実にリモートワークができる」など柔軟な勤務体制やその中での技術的な支援体制があることは訴求ポイントとして強力なため、これらの魅力を求人情報に反映させつつ、面接などでも的確に訴求することが採用の差別化につながるだろう。

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Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニア

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比95%と減少
  • 2024年6月~8月の求人数は、2024年3月~5月対比101%と微増
  • 「入社意向醸成に向けた情報提供」と「選考スケジュールの早期化」がキーポイント

Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの登録者動向

登録者詳細
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

登録者の希望職種別と決定職種別のデータを見ると、登録時には62%が「Webサービス系エンジニア・プログラマ」を希望しているが、実際の決定先は「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が48%、次いで「Webサービス系エンジニア・プログラマ」が21%、「社内情報システム(社内SE)」が18%となっている。
このように多様なキャリアプランやキャリアパスに対する需要が高まっているようだ。

Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの求人動向

求人マーケット動向
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

「Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニア」の求人は、月ごとの増減に大きな変動はないが、年間を通じての需要は増加傾向にある。
また、ポテンシャル採用を検討する企業は減少しており、多くの企業が3年以上の経験を持つ担当者やプロジェクトリーダー・マネージャーの人材不足に直面しており、採用競争はますます激化している。

Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの採用成功POINT

同職種の経験者は引く手あまたのため、最終的な条件提示(特に待遇面)が入社の決め手となる。しかし、以下のフェーズ別の取り組みによっても入社意欲を高めることができるため、しっかりと抑えておくことが重要だ。
■応募検討段階
転職希望者は、関われる技術や環境(新しい技術への積極的な投資)、企業規模、希望のキャリアプランが叶うかどうか、などを総合的に考慮している。「リモートワークの有無・頻度」に注目する転職希望者が増えているため、制度や環境整備について発信することが重要だ。
■選考段階(書類選考通過後~意思決定)
希望するキャリアプランが実現可能かどうかだけでなく、会社やサービスの方針・将来性、社内に技術力の高いエンジニアが在籍している環境、技術勉強会などがあるかなど、社内の雰囲気や働く仲間との相性も注視している。
■その他
オンライン面接の導入や選考フローのシンプル化、土日の選考会の活用など、競合他社に遅れを取らないような柔軟な対応も採用成功の重要な要素になる。

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Webクリエイター

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比97%と微減
  • 2024年6月~8月の求人数は、2024年3月~5月対比97%と微減
  • マーケティング領域を希望する転職希望者をターゲットに含める

Webクリエイターの登録者動向

登録者詳細
Webクリエイターの登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

Webクリエイター関連職種に関しては、昨今市場においての需要の高まりや、AIの台頭を受けUI・UXデザイナーを目指す方が増加傾向にある。
また、転職希望先としては、現職の経験を活かせるWeb・モバイル関連職種である「Webディレクター」や「Webデザイナー」が78%と多く、次に「出版・広告・販促・印刷」と「マーケティング・商品企画・広告宣伝」がそれぞれ8%となっている。
前期(2024年3月~5月)と比較すると、決定先の職種で、その結果に少しだけ変化が生じており、以前は7割程度が「WEB・モバイル」を転職先に選んでいたが、直近は6割程度になっており、「WEB・モバイル」以外のキャリアを模索する方も増えてきた印象だ。

Webクリエイターの求人動向

求人マーケット動向
Webクリエイターの求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

2024年6月~8月の求人数は、2024年3月~5月と比べて97%と微減の動きを見せた。
引き続き、即戦力となり得る人材の採用が主流となっている一方で、若年層を中心としたポテンシャル採用の動きも広がっている。
特に「Web(UI・UX)デザイナー」といった、マーケティング要素の強いデザイナーやディレクター関連の求人ニーズは各所で増加を続けている。

Webクリエイターの採用成功POINT

経験豊富なWebクリエイターを採用する企業が増えている。それに合わせて、採用の難易度も上がりつつある状況だ。
働き方に関しては、若手層からベテラン層まで多様な働き方を望んでいるケースが多く、自社でリモートワークやフレックス制度などが整っているのならこれらの環境面をアピールしていくと良い。
また、直近は若年層の転職も活発化を見せているため、経験が多少不足していても、ポテンシャルを重視し、人柄や志向性、自己研鑽への意欲を評価基準にする企業も少なくなく、さまざまな角度から人材を獲得していく構えを見せている。
一方で、クリエイターとしてのスキルに加えて、マーケティングの経験を身に付けたいという志向性も高まっているため、自社のマーケティングに関する業務内容や教育・研修体制がある場合は、積極的にこれらの魅力を訴求するべきだ。
即戦力採用の場合は、ミドル~シニア層で経験豊富なWebクリエイターを対象に含めて検討することも採用成功につながるだろう。

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サーバエンジニア

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比103%と増加
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比106%と増加
  • 転職希望者の志向性をとらえた情報提供と接点を切らさないことが重要

サーバエンジニアの登録者動向

登録者詳細
サーバエンジニアの登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

登録者数は2024年6月から8月まで上昇し続け、特に8月の登録数が大幅に増加する結果となった。
登録者の希望職種内訳を見ると、「インフラエンジニア」が63%、「社内情報システム(社内SE)」が20%となり、次いで「ITコンサルタント」が5%となっている。
転職希望者が転職活動を始めるに当たっては、「より高度な技術を身に付けたい」「上流工程に関わりたい」「年収を上げたい」といった前向きな理由が多い一方、ワークライフバランスを整えていきたいという要望も増加傾向である。

サーバエンジニアの求人動向

求人マーケット動向
サーバエンジニアの求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

DX推進の需要が高まっていることから、年間を通じて求人数は増加傾向にある市況だ。現在では、大手・中小のSIer、自社サービスを持つ企業やコンサルティングファームなど、さまざまな企業が採用を強化しており、リモート勤務が可能な環境を整えたり、採用時に提示する給与水準を引き上げたりするケースが目立ち、採用も活発化している。
求人票では働き方や育成体制についての環境面でのアプローチができると、キャリアアップを求める転職希望者から応募が集まりやすい。

サーバエンジニアの採用成功POINT

転職希望者の志向性としては、「設計構築などの上流工程に関われる」「仮想化・クラウド周りの経験を積むことができる」といった要望が多く、求人票での訴求は転職後の活躍イメージを明確に伝えることが重要だ。
その一方で、「在宅勤務をしたい」「給与や働く環境が向上するなら転職を考える」といった環境面に言及したニーズも一定数ある。そのため「転職後はどのような業務に関わり、どのような待遇で働けるのか」という点を具体的に訴求する必要があるだろう。
そのほかにも「転職後のキャリアアップや市場価値はどうなるのか」「入社後のキャリアパスや教育制度、モデルケースはどのようになっているのか」といった情報も求人票などに盛り込むことや、オファー面談などを通じてミスマッチを防ぐことに努めるなど細やかな工夫も大事である。これらが意思決定の重要な要素となるため注力したい。
一方で、複数の企業から採用合格を獲得する転職希望者もいるため、差別化を図るためには上述した訴求ポイントのほかにも、採用候補者が欲しい情報を絶えず提供して接点を切らさないことも大切だ。

サーバエンジニアを採用するためには何を打ち出すべき?
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ネットワークエンジニア

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比97%と減少
  • 2024年6月~8月の求人数は、2024年3月~5月対比101%と微増
  • ポイントは「就業環境に関する情報の提供」「未経験者の応募条件緩和」「業務内容や保有案件把握」「採用したい人材及びスキルの明確化」

ネットワークエンジニアの登録者動向

登録者詳細
ネットワークエンジニアの登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

登録者数は、2024年4月から6月までは約220~230名で推移していたが、7月、8月では約210名となり、結果として前期(2024年3月~5月)に対して97%の減少の傾向となった。
登録者の希望職種を見ると、66%が「インフラエンジニア」を志望しており、次いで「社内情報システム(社内SE)」が9%、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が5%となっている。今期は自身の経験やスキルを活かせるような転職を目指す方が約7割を占める結果となったが、前期(2024年3月~5月)は経験やスキルを活かして転職活動を行う層が約8割だったことを踏まえると、登録の段階でキャリアチェンジを志向される方の割合がやや増加したことが伺える。
実際の転職先では「インフラエンジニア」が58%を占めており、「社内情報システム(社内SE)」が20%、「ITコンサルタント」が9%となっており、転職活動を続ける中で「社内情報システム(社内SE)」やIT職種内でのポジション転向を果たす転職事例も多く見られている。
このような傾向は2023年12月頃から顕著になっており、とりわけ「社内情報システム(社内SE)」がネットワークエンジニアの転職先候補として有力な選択肢の一つとなっている。

ネットワークエンジニアの求人動向

求人マーケット動向
ネットワークエンジニアの求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

2024年4月より1800件台に減少傾向であったが、7月より復調したため、8月の求人数が過去1年の計測の中では最も高い1984名までに上昇した。
同職種の採用ニーズは上昇傾向にあるが、登録者数が前期対比を下回った事もあり、以前よりも売り手市場となる可能性が高い。そのため、他社との差別化や採用ターゲットの明確化がより重要になってくるだろう。
未経験採用の場合、動きを本格化させている企業は、育成環境や制度が準備されているなど条件が整っているため、この傾向に倣い中小企業間などで活発化しそうだ。
経験者採用の場合、転職希望者のニーズとしては「キャリアアップ(クラウド/セキュリティの知見を活かせる)」「年収など待遇面の改善」といった条件面に加えて、「フルリモート/一部リモートワークができる環境」といった働き方の改善を求めるケースも増えている。こうした要望を叶えられる職場であることをPRするため、各社は求人票などに詳細な情報を開示している状態だ。特に、環境面に対しては、障害対応や夜間対応の有無などを明記することで風通しの良い求人として転職希望者の目にも留まってくるだろう。

ネットワークエンジニアの採用成功POINT

ネットワークエンジニアの転職状況は、「最新技術」や「大規模案件」、「グローバル」などの要素に強く影響を受ける。「どんな案件に携われるのか」「どんな技術を扱えるのか」の情報や具体的な案件件数を提供できると訴求がしやすくなる。
求人票のみでは「育成環境」や「入社後の現場配属への流れ」、「現場経験からのステップアップ」などがイメージしずらいため、面接やオファー面談時に明確にすることが採用成功の秘訣である。
また、同領域で未経験の転職希望者は、採用要件を見て応募を躊躇するケースも多いため、「資格保有者であれば経験不問」など、一部の要件を緩和する内容を求人票に記載し、応募につなげやすくすることも重要だ。
経験豊富な方は複数の企業から採用合格を獲得するため、差別化を図るためには上述した訴求ポイントのほかにも、採用候補者が欲しい情報を絶えず提供することが大切である。

情報提供がカギのネットワークエンジニア採用。
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社内SE

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比100%と横ばい推移
  • 2024年6月~8月の求人数は、2024年3月~5月対比101%と微増
  • 「ワークライフバランスの実現」あるいは「給与・待遇面の改善」を訴求ポイントに

社内SEの登録者動向

登録者詳細
社内SEの登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

登録者数の全体推移は、23年12月から24年1月にかけて若干減少を続けていたが、新年度に向けて登録者が増加していった。4月ごろから登録者は頭打ちとなり、8月末までほぼ横ばいで推移してきた。
社内SEの領域はキャリアチェンジ(職種の変更)への希望が少なく、就業条件や環境改善を求めるといった転職活動を行う傾向にある。したがって決定職種別で見ても、「社内SE」が60%と、IT職種内での同職種転職事例としてはトップクラスの数値となっている。
一方で、若いうちにSIerやSESなどで従事した経験のある層が、安定した就業環境を求めて社内SEに転職するというケースも徐々に増えつつある。

社内SEの求人動向

求人マーケット動向
社内SEの求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

社内SEの求人ニーズは増加傾向にある。事業会社では、業務改革や新規事業・サービス開発、社内システム、インフラ環境の安定稼働などのニーズが増え続けており、相対して求人数も増加傾向にあるというのが主な背景だ。
求人の傾向としては、即戦力採用とポテンシャル採用の2つの求人がメインとなっている。IT人材市場は売り手市場となっているため、「教育前提でのポテンシャル採用」の割合が増えていることも理由の一つである。
また、採用活動が成功している企業は、ポテンシャル採用を積極的に行っているか、高年収帯を提案しているかのどちらかであり、実質求人の2極化が進んでいると言える。

社内SEの採用成功POINT

社内SE転向への希望者は依然として多いが、ITエンジニア全体の採用ニーズも高く、獲得競争は激化している状況である。
転職希望者の目指すキャリアに合わせて、自社の事業戦略や「DX戦略で実現したい具体的な目標・世界観」「他社との差別化(競合優位性)」などを適切に訴求することが重要だ。
また、複数の企業を併願している転職希望者も多く、システムベンダーや自社サービス企業、コンサルティングファームなどから好条件を提示され、採用競合に負けてしまうといったケースも増えている。
社内SEを志望する転職希望者は、ワークライフバランスを重視して残業時間削減などの就業環境を求める傾向があるが、給与や待遇に関する要望も重要なポイントとなっている。これらの要望を把握し、適切にフォローして母集団形成や人材を獲得したい。

社内SE採用に必須の選考段階での入社意向醸成・リードタイム短縮・魅力点の訴求。
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採用成功に向けて伴走します。

セキュリティエンジニア

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比で121%と大幅増加
  • 2024年6月~8月の求人数は、2024年3月~5月対比で105%と増加傾向
  • 育成を前提にした採用枠拡大や詳細な業務内容の情報開示で応募を集める

セキュリティエンジニアの登録者動向

登録者詳細
セキュリティエンジニアの登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

セキュリティエンジニアの登録者数は、ほかのITエンジニア関連の職種と比較して経験者の登録が少なく、直近1年の変動数を見ても規則性のない増減を繰り返しているのが特徴だ。
ただし、数年前と比べるとセキュリティ領域で経験を積まれた方が、ステップアップを目指して同じ領域へ転職するという事例が増えているということもトピックとして加えておきたい。
上記を受けるように、現在では実際の転職先の決定職種は「セキュリティエンジニア」が54%を占めており、スキルと経験を活かして転職するケースが多いことが分かる。次に「社内情報システム(社内SE)」が19%と続いているが、これは転職希望者がクライアントワークではなく、所属する会社などのセキュリティ施策に携わりたい・働き方の改善をしたいというニーズの表れだと言える。
専門的な知識習得、将来性、市場ニーズなどを鑑み、若手層のセキュリティエンジニアへの志望は徐々に増えており、セキュリティ業務への注目度は今後ますます高まると考えられている。
実際に、セキュリティ以外の領域のエンジニアに対してセキュリティエンジニア職を提案すると、特に若手エンジニアからの反応が良く、キャリアの選択肢として検討する方も一定数いるという状況である。

セキュリティエンジニアの求人動向

求人マーケット動向
セキュリティエンジニアの求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

昨今のリモートワークの普及や大手企業の情報漏洩、クラウド環境へのリプレース、サイバー攻撃の脅威などに対する危機意識の高まりから、セキュリティエンジニアを募集する企業は増えている。今後、経験者層をメインターゲットとする求人が中心であることは変わらないが、微経験者をターゲットにした求人も一部増加することは間違いないだろう。
最近では、セキュリティコンサルタント職においても、大手コンサルティング企業を中心に業務経験が浅い若手求職者の意欲を評価し、採用するといったケースも見られる。また、社内SEのセキュリティ担当ポジションでも微経験のセキュリティエンジニアの採用が増えており、中途市場でのセキュリティ人材全体の需要が高まっていることが伺える。
さらに、資格取得や知識・意欲があれば、セキュリティ業務の実務経験を不問とする募集も一定数あり、企業内での育成や資格取得を支援する環境を整える企業が増えている。

セキュリティエンジニアの採用成功POINT

経験豊富なセキュリティエンジニアは、転職市場において数が少なく競合も多いため、自社の求める経験やスキルを持った人材を即座に採用することは困難であると言える。
ただし若手未経験や微経験者がセキュリティエンジニアを目指すケースもあるため、育成を前提とした採用枠の環境が整えば、人材を獲得できるチャンスは広がると言えるだろう。
業務内容ではSOC(Security Operation Center)業務やC-SIRT(Company SIRT)業務、ペネトレーションテスト、脆弱性診断、フィルタリング制御、ファイアウォールなどを含むセキュリティポリシーの作成や設定、変更など多岐にわたる領域がある。採用側は、どのような条件や魅力的なキャリアパスがあるのかを訴求する必要があり、適切な情報提供が採用成功のカギとなる。

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母集団形成のために、何をどう打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。

データサイエンティスト

ここがポイント
  • 2024年6月~8月の登録者数は、2024年3月~5月対比107%と増加
  • 2024年6月~8月の求人数は、2024年3月~5月対比102%と微増
  • 経験者・ポテンシャル層採用ともに業務の具体的な内容を訴求に反映する

データサイエンティストの登録者動向

登録者詳細
データサイエンティストの登録者動向(2024年9月)

対象:2024年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

2024年7月から8月にかけては130名前後の登録数で推移していたが、これは年間の平均値である150名よりも下回っている数値である。しかし8月には約250名に達し、全体で増加に転じている。
登録者の希望職種別で見ると、86%の方が「データサイエンティスト」を希望し、次いで7%が「データアナリスト・データサイエンティスト・リサーチャー」を志向、そして「Webサービス系エンジニア・プログラマ」「マーケティング・商品企画・広告宣伝」などが後に続いている。
しかし実際の転職後の決定職種では、48%が「データサイエンティスト」に配属となっているが、「社内情報システム(社内SE)」が13%、「業務アプリケーションエンジニア・プログラマ」が8%という割合で配属となっている。スキルと経験を活かして新たなキャリアをスタートさせている方も増えつつあるようだ。

データサイエンティストの求人動向

求人マーケット動向
データサイエンティストの求人マーケット動向(2024年9月)

対象:2024年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

前期(2024年3月~5月)と比べて求人数は微増傾向にある。直近である6月、7月は5月と比べて求人数に落ち込みが見えたが、8月に1891件という年間平均値よりも大きく増加する結果となった。
DX推進の影響により、事業会社や代理店などでもデータサイエンティストのニーズは増え続けているが、未経験者の育成枠を設ける企業は減少しており、データサイエンティストを目指すには「自己研鑽」「資格取得実績の有無」「SQLやPythonの使用経験」など、一定レベル以上の基礎知識や素養を求められる傾向がある。

データサイエンティストの採用成功POINT

データサイエンティスト経験者は、学生時代からデータ分析の知見を深めている場合や、業務内容に対する具体的な希望を持っていることが多い。そのため、求人票には業務内容(例:データクレンジングがメインなのか、提案まで行えるのか、など)やスキルだけではなく「取り扱うデータ数」、「対象の業界・分野」などについても明確に記載して求める人材を着実に獲得していく戦略が求められる。
しかし実際には、データサイエンティストとして入社したが実はアナリストがメインで分析業務に留まっていたり、人材不足によりデータベースエンジニア業務を兼務していたりといった理由で、早期退職となってしまうケースも少なくない。だからこそ業務内容の詳細やポジション・組織におけるミッションを求人票や面接時にしっかりと明示していくことが必要だ。
合わせて面接時は、採用候補者からも質問してもらう機会を設けるなどして、ミスマッチのないポジションを探していくことが重要である。
一方、未経験者やポテンシャル層へアプローチする場合、求めるスキルや知識、成長をサポートする体制などを具体的に記載することで、応募を獲得しやすくなるだろう。

データサイエンティストを採用するためには、求人票にどんな情報を記載すればよいのか?
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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。

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