2023.12.29(最終更新日:2024.10.15)
ダイレクト・ソーシング
エンジニアの採用でダイレクトリクルーティングを活用するには?成功させるポイントと事例を紹介
企業においてデジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を担うIT人材(エンジニア)の確保や育成は、さまざまな業種において必要とされています。しかし、IT人材への需要が高まる一方で、人材の数は限られているため、採用に苦戦する企業も多いといえるでしょう。
必要な人材を確保するには、従来の採用方法に加えて、新たな方法を取り入れていくことも大事です。この記事では、エンジニアの採用におけるダイレクトリクルーティングの有用性や成功させるためのポイント、事例などを解説します。
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IT人材(エンジニア)の市場への需要変化
経済産業省が公表している「IT人材育成の状況等について」という資料によれば、若年層の人口減少に伴い、2019年をピークとしてIT関連産業への入職者は退職者を下回り、IT人材は減少に向かうとされています。また、IT人材への需要と応募者集のギャップから、2030年までには40~80万人規模で不足が生じるものとされているのです。
特に、今後の市場拡大が予想されるビッグデータやIoT、人工知能などの先端分野、情報セキュリティ分野などでの人材不足はますます加速していくものと見込まれています。
そのため、企業間での人材獲得競争は激しくなっており、必要な採用数を確保するのが難しくなってきているといえるでしょう。
(参考:経済産業省『参考資料(IT人材育成の状況等について) 』)
エンジニア採用にダイレクトリクルーティングが有効な理由
ダイレクトリクルーティングとは、企業が第三者を介さずに採用活動を直接行うものであり、採用要件を満たす人材にピンポイントでアプローチできるのが特徴です。転職潜在層に働きかけることができるため、採用の幅を広げていくことができ、エンジニアの採用においても有効な方法だといえます。
(参考:『ダイレクトリクルーティングとは?導入時のメリット・デメリットや事例を紹介』)
企業が主体的に情報発信を行っていくことによって、自社にマッチした人材を見つけていけるので、採用までの流れを早めることにもつながるでしょう。
ダイレクトリクルーティングを実施するには、それなりに準備が必要な部分もありますが、社内に採用のためのノウハウが蓄積できるので中長期的な取り組みとして、体制を整えていくことが大事です。
有効求人数・有効求職者数の推移
厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況」(2023年9月分)において、有効求人場率は1.29倍となっています。売り手市場といえる状況が継続しており、さまざまな業界において求人数に対して求職者数が少ない傾向が見られます。
(参考:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和5年9月分)について』 )
また、ITエンジニアの求職者数は2021年以降で横ばいの状態ではありますが、求人数は増加傾向にあるため、採用のハードルは年々高くなっているといえるでしょう。
ITエンジニアの採用状況
IT業界では、DXやSaaSといった新分野が活況を見せていますが、どの企業においても先端分野に明るい人材を確保したいため、人材確保は難しくなってきています。そのため、一部の職種においては未経験者の採用も増加する流れを見せています。
転職潜在層にアプローチをするにはダイレクトリクルーティングが有効な方法であり、自社の魅力を直接求職者に伝えていけるはずです。
求人広告や転職サイトなどを介して採用活動を進めるときよりは時間や手間がかかる反面、自社にマッチした人材を見つけられる可能性があるので、長く働いてもらえる人材を確保しやすくなるでしょう。
エンジニアの採用でダイレクトリクルーティングを実施するコツ
ダイレクトリクルーティングの手法によって、ITエンジニアの採用を成功させるには、いくつか押さえておきたい点があります。おもなものを取り上げると、以下のとおりです。
- ペルソナをきちんと設定する
- スカウトメールの内容と送信のタイミングを工夫する
- 求人のための原稿作成に力を入れる
それぞれの点について見ていきましょう。
ペルソナをきちんと設定する
ITエンジニアの採用におけるよくあるケースとして、現場が求める人材要件の基準が高く、実際の採用市場に見合っていない場合があげられます。そのため、人事担当者は採用市場の状況と現場が希望する人材のレベルを擦り合わせる必要があるといえるでしょう。
これまでの採用状況や採用市場の現状などを示すデータを現場と共有し、現実的な人材要件を設定していくことが大事です。業務内容や経験だけでなく、求める人材像(ペルソナ)までを擦り合わせると現場とのミスマッチを解消することにもつながるでしょう。
ペルソナとは、単に年齢や性別だけでなく、学歴・職歴・年収・家族構成・ライフスタイル・趣味趣向・価値観などさまざまな属性から導き出される人材像を指します。自社が求める人材がどのようなものであるかを明らかにしてみましょう。
スカウトメールの内容と送信のタイミングを工夫する
スカウトメールは求職者に興味を持ってもらえるかが重要であり、採用フローの入り口であるともいえます。近年ではスマートフォンでメールの文面を見られることも増えてきているため、できるだけ短文でまとめるほうが返信率は高くなるでしょう。
また、メールの本文だけでなく、タイトルにも気を配る必要があります。タイトルを見てメールを開封するかどうかを決める場合もあるからであり、特別感を出して少しでも興味を抱いてもらえるように工夫しましょう。
スカウトメールの本文については、自社の強みや競合他社との違い、個別のスカウト理由などを盛り込むことが大事です。そして、メールを送るタイミングとしては、月曜や金曜の日中の時間帯が返信率は高い傾向が見られるので、メールを送る時間帯にも気を配ってみましょう。
求人のための原稿作成に力を入れる
魅力的な企業だと思ってもらうには、スカウトメールの文面に力を入れてみましょう。ITエンジニア向けの求人として、特に重視しておきたいポイントとして次の点があげられます。
- 開発環境をきちんと公開する
- 必須スキルを明示する
- 過去のプロジェクト例を提示する
- 待遇面を明らかにする
まず開発環境をきちんと公開することによって、求職者が自身のスキルを活かせる環境にあるのかを判断しやすくなるでしょう。使用するプログラミング言語やOS、ツールなどを記載しておくと入社後の業務内容や今後のキャリアパスをイメージしやすくなるはずです。
また、一口にITエンジニアといっても職種や業務内容は多種多様であるため、募集要項に求めるスキルの詳しい内容を記載しておく必要があります。コミュニケーション能力やマネジメント能力などについても、できるだけ具体的に書いておきましょう。
そして、過去の実績としてあげられるプロジェクト例を提示してみるのもよいでしょう。具体的な実績を示すことによって、どのような業務に携われるのかを求職者はイメージしやすくなります。
加えて、人材不足のITエンジニアの採用市場においては、給与や福利厚生といった待遇面を明らかにすることは不可欠な要素です。産業医による健康管理への指導やストレスチェックなど、企業として積極的に従業員の健康増進に取り組んでいる姿勢などをアピールしてみましょう。
カジュアル面談を実施するときのポイント
カジュアル面談とは、採用の選考に影響する面接とは異なり、リラックスした雰囲気で行う面談のことをいいます。自社のことをまずは知ってもらうという意味で取り組みを進めていくことを狙いとしていますが、成果をあげるためにはいくつか押さえておきたい点もあります。
ここでは、カジュアル面談を実施するときのポイントを見ていきましょう。
社内で活躍している人を担当者にする
カジュアル面談は採用候補者にとって、その会社と初めて接する機会となるため、よい印象を与えることを重視する必要があります。自社に対する第一印象は、その後の流れに大きく影響するものであるため、役員や現場のエース社員など社内で活躍している人に担当してもらうようにしましょう。
採用候補者から「この人と一緒に仕事がしたい」と思ってもらえるのが重要なポイントであり、採用候補者の目線に立って適切な人材を選ぶ必要があります。
面談方法としてWebを積極的に取り入れる
カジュアル面談は気楽に参加してもらいやすいように、ZoomなどのWeb会議ツールを用いて行われることが多いといえます。ただし、必ずしもWeb上で行わなければならないものではないため、採用候補者の都合などに合わせて対面や電話など柔軟に対応していくことが大切です。
面談前にあらかじめ資料を送っておく
カジュアル面談では可能な限り、採用候補者の話を聞く時間を長く取る必要があるため、会社に関する資料などは事前に送っておき、面談日には基本的な部分だけの説明に留めるほうがよいでしょう。
採用候補者の応募意欲が強くあり、多くの質問を受ける場合はできるだけ時間を割いて丁寧に答えるようにしてみてください。
すぐに応募してもらうようにアプローチを行う
カジュアル面談の実施後は、次の接点に向けたアプローチを速やかに進めていくことが大事です。面談から時間が空いてしまうと、応募になかなか結び付かないケースがあります。
すぐに応募してもらうことが難しいときには、長期的な関係が築けるようなアプローチ方法に切り替え、こまめに連絡を取るようにしてみましょう。
ダイレクトリクルーティングでのエンジニア採用の成功事例
ダイレクトリクルーティングを成功に導くには、実際に取り組んでいる企業の事例を参考にすることが大切です。ここでは、3社の事例を紹介します。
事例①:株式会社フォーエス
IT企業の株式会社フォーエスでは、元々は求人広告を利用していましたが、採用条件を緩めても目標の半分程度しか採用できない状態が続いていました。そうした状況を打開するために、転職市場に出こない層を発掘する目的でダイレクトリクルーティングに取り組み始めました。
導入当初はマンパワーの不足に懸念を感じていましたが、慣れてくることでスカウトの判断を下すまでにかかる時間が短くなり、現在では面接時間も含めて採用業務を1週間10時間で回せるようになったそうです。同社においてはダイレクトリクルーティングを実施するにあたって、「返信率の高いテンプレートの作成」「転職希望者の志向に合わせた求人票の送り分け」「現場との信頼関係・スムーズな連携」を意識し、成功に結び付けています。
(参考:『週3勤務、人事と労務を兼任…それでも「doda Recruiters」でITエンジニアの採用に成功!秘訣は“効率化”と“現場連携” 』)
事例②:株式会社ADDIX
デジタルマーケティングの実行支援などを手掛けている株式会社ADDIXでは、事業成長のために社内に優秀なITエンジニアが必要になり、中途採用を開始することになりました。初めは人材紹介を利用していたものの、採用までの時間を短縮するためにダイレクトリクルーティングを取り入れるようになったといえます。
同社では採用候補者が「なぜ転職したいのか」「どんなことを大切にしているのか」をしっかり尋ねながら、会話を進めているのが特徴です。面接は「採用候補者にとっても会社を選ぶ場」であることを意識し、一次面接の段階から採用候補者の入社意向を高められる体制を整えています。
(参考:『求人広告で優秀なエンジニアを次々採用、圧倒的に高い入社承諾率の裏にあるのは“採用=営業”というマインド 』)
事例③:神鋼エンジニアリング&メンテナンス
KOBELCO(神戸製鋼)グループの一員である神鋼エンジニアリング&メンテナンスでは、これまで設備・機器の品質管理職の採用への難しさを感じていました。そのため、攻めの採用活動を展開する一つの手法としてダイレクトリクルーティングを取り入れたといえます。
同社が求めているポジションの多くは、実際の転職市場においては採用候補者になり得る方が少ないのが実情であったため、転職潜在層にアプローチできる手法を積極的に採用していきました。転職市場の動向をチェックしつつ、採用候補者となる方の幅を広げているのが特徴です。
(参考:『兵庫県本社で、設備・機器の品質管理職を採用。doda Recruitersの持つデータベースは、転職市場の動向を知ることにも活用できる 』)
ダイレクトリクルーティングを検討されている方へ
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まとめ
人材不足に顕著な傾向が見られるITエンジニアの採用において、従来の採用方法だけにとらわれていては、思うように採用目標を達成させられないという悩みを抱えてしまいがちです。ダイレクトリクルーティングの手法を取り入れれば、転職潜在層にもアプローチが行えるため、採用の成功率をより高めるきっかけになるでしょう。
自社で直接的に採用活動を行うことによって、採用ノウハウが蓄積していき、さらに魅力ある情報発信へとつなげていけます。外部サービスなどもうまく活用しながら、自社の採用力を強化してみましょう。
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