ITエンジニア
ITエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
コンサルタント(業務/IT)
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比114%と引き続き増加傾向
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比100%と横ばい
- 就業環境と自分の活躍をイメージさせること、ターゲットのすそ野を広げることがカギ
コンサルタント(業務/IT)の登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
登録者数は2023年1月から毎月一定数の転職希望者が登録している状況である。年齢別では、30歳以下が半数を占め、31~40歳が約2割、41歳以上が約3割となっている。
登録時の希望職種としては「ITコンサルタント」が47%、次いで「社内情報システム(社内SE)」が14%となっている。
入社決定先としては「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が32%、 「社内情報システム(社内SE)」が23%、続いて「ITコンサルタント」が20%となり、異職種への転職が過半数を占めている。
事業会社、SIer、ソフトウェアベンダ、Webサービス企業などさまざまな方面でソリューション開発やデジタル化が進み活躍のフィールドも多様化しているが、一方で働き方や環境の改善を希望する声の増大も目立つようになった。
コンサルタント(業務/IT)の求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
事業会社、SIer、ソフトウェアベンダ、Webサービス企業といったさまざまな業種・業態の企業において、DXをテーマとしたプロジェクトが主流であり、求人数は2023年3月~2023年5月対比では横ばいだが、2022年の同時期と比べると125%増加しており、引き続き高い水準にある。
各種コンサルティングファームやSIerでは、ITコンサルタント人材の獲得競争が激化している状況だ。
コンサルタント(業務/IT)の採用成功POINT
転職希望者の中で、ワークライフバランス実現へのニーズが年々増している昨今。このニーズに応える環境を整えることが採用成功への近道となる。
同職種では、転職希望者のほとんどが現職でもコンサルティングを行っている場合が多いため、事業課題や組織課題、それに向けての目標(ミッション)など、働き方や環境において他社とどのように違うか、具体的な担当プロジェクトの詳細な情報提供などがポイントになる。これを選考の初期段階から、さまざまな手段を活用してアプローチすることが肝要である。
また、多忙な候補者に対しては、柔軟な面接調整も有効だ。各社の採用ターゲットは近しいため、年齢や転職回数、学歴などの要素は極力柔軟に検討し、面接までつなげるフローを確立することで母集団形成や採用成功がしやすくなるだろう。
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採用成功にむけてアドバイスします。
業務系SE/PG
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比で91%と減少
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比104%と増加傾向
- 今後のトレンドや主流になりそうなスキルや経験を積める環境かどうかを再確認
業務系SE/PGの登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
30歳以下の登録者数は全体の65%と、若年層が半数以上を占めており、前回2023年3月~5月期よりもさらに割合が増えている。
転職希望先として、経験を活かして「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」を希望する方が54%、次いで「社内情報システム(社内SE)」が17%、「Webサービス系エンジニア・プログラマ」が14%と続いている。
実際の転職先としても同職種の「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が58%と大半であり、次に「社内情報システム(社内SE)」として転職している層が27%と大きな割合を占めている。
働き方の希望としては、フルリモートやリモートワークをメインで行う就業環境を望む声が多いので、このニーズをいかに採用活動や就業環境醸成につなげていくかは大いに検討すべきである。
業務系SE/PGの求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は月ごとに増減はあるものの、3カ月単位で比較すると右肩上がりに増加している。その背景として、ポテンシャル採用や新卒採用重視から経験者採用に注力する企業の増加、リーダークラスや管理職候補を求める求人などの多様化があり、さまざまな募集背景を持つ求人が増えている。
また、募集する企業の就業環境は、フルリモートワークの就業形態から在宅とリモートワークを合わせたハイブリッド型にシフトする動きなどが活発化しており、フルリモート就業のみの求人は逆に減少している状況にある。
業務系SE/PGの採用成功POINT
転職希望者の目を引くポイントは「上流工程に挑戦できる」「自社開発比率が高い」「自分の経験と開発環境の親和性」といったトピックであるが、加えて「どんなキャリアパスがあるのか」「市場価値が高い経験が積めるのかどうか」を重視する方も多い。
そのため入社後の担当業務だけでなく、キャリアパスや(今後のトレンドや主流になりそうな)獲得可能なスキル・経験など、自社の環境や制度について具体例を交えながらいかに訴求していけるかが採用成功のポイントになる。
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Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニア
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比で102%と微増
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比で100%と横ばい
- 「入社意向醸成に向けた情報提供」と「選考スケジュールの早期化」がカギ
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
年齢層別に見ると、30歳以下がおよそ6割を占めており、若年層の登録が多い。また、登録時には約6割が「Webサービス系エンジニア・プログラマ」を希望しているが、実際の入社決定先は「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が47%、次いで「Webサービス系エンジニア・プログラマ」が23%、「社内情報システム(社内SE)」が15%、「ITコンサルタント」が5%と続いており、キャリアプランやキャリアパスの多様化が伺える。
近年ChatGPTの流行により、エンジニアの将来性や求められるスキルなども変化してきており、AIに代替できないスキル・経験が獲得できるかも転職希望者間の大きな関心事となっている。
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
同職種の求人数は、月ごとの増減の変化は比較的少ないが、年間を通じて見ると増加傾向である。その背景としては、募集を行っている多くの企業が、3年以上の経験を持った担当者クラスやプロジェクトリーダー・マネージャークラスの人材不足を課題に感じており、その課題を解消するため関連する求人を展開しているためである。市況感としては、同職種を求める競合との獲得競争が激化の一途を辿っていると言えるだろう。
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの採用成功POINT
同職種の経験者は各企業から引く手あまたの状況であるため、最終的な条件提示(待遇面など)が入社決定を左右する。しかしながら以下のフェーズ別の取り組みでも入社意向の醸成は可能であるため、しっかりと押さえておきたい。
■応募検討段階
転職希望者は、職域内の関われる技術や環境(新しい技術へ積極的に投資しているか)、規模、希望のキャリアプランが叶うかなど、総合的に検討をしているケースが多い。「リモートワークの有無・頻度」に注目する転職希望者は増えているので、制度・環境整備への取り組みなどは発信していきたい。
■選考段階(書類選考通過後~意思決定)
希望するキャリアプランが叶うかだけでなく、会社やサービスの方針・将来性、技術力の高いエンジニアが社内に数多く在籍しているか、研修や技術勉強会が充実しているかなど、制度や風土、共に働く社員の雰囲気などが自分にマッチするかどうかを注視している。
■その他
オンライン面接の導入や選考フローのシンプル化、土日の選考会を活用するなど、競合他社にスケジュールで遅れを取らないよう柔軟に対応することも採用成功においては大事なポイントである。
自社だけでは難しい、選考段階における意向醸成も
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Webクリエイター
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比97%とやや減少
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比93%と減少
- Web領域の採用が過熱。マーケティング要素のある職種は訴求前面に
Webクリエイターの登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
年齢層の内訳をみると26歳~30歳が全体の26%と最も比率が高く、次いで41歳以上が24%、25歳以下が19%、そして31歳~35歳が18%という割合となる。
転職希望先としては、現職の経験を活かせるWeb・モバイルに関わる「Webディレクター」や「Webデザイナー」を希望される方が79%と圧倒的に多く、次いで「出版・広告・販促・印刷」を希望する方が9%、「マーケティング・商品企画・広告宣伝」を希望する方が9%となっている。
近年転職希望者は、Web制作の知見に加え、マーケティング要素のスキルや経験を身につけていきたいという志向性が高まっており、転職決定者の約2割は「マーケティング・商品企画・広告宣伝」職に就いていることも注目したい。
Webクリエイターの求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2023年3月~5月期と比べ、6月~8月期の求人数は鈍化傾向にあった。採用ターゲットについては即戦力採用が主流となっており、40代の入社決定者も増えている現状だ。一方で、若年層を取り込むべくポテンシャル採用のニーズも徐々に広がりつつある。
特に「Web(UI・UX)デザイナー」といったマーケティング要素の強いWebデザイナー・ディレクター職の採用ニーズは、近年増加している。
Webクリエイターの採用成功POINT
近年、20代後半から30代前半にかけての即戦力人材を採用する企業が増えており、採用難易度は上がっている。ただし一方で、経験が多少不足していても、ポテンシャルを重視して人柄や志向性、自己研鑽レベルがマッチする層も視野に入れ、採用、そして育成していくケースも見られている。
転職希望者のニーズとしては、クリエイターとしてのスキルに加え、全体的にマーケティングの経験を身につけていきたい志向性が高まっているため、マーケティングに関する業務内容や教育・研修体制が自社にあるようであれば、これをアピールすると良い。
また、即戦力採用の場合であれば、40代の入社決定者も増加傾向にあるため、ミドル・シニア層で経験豊富なWebクリエイターも対象に含め、しっかりと母集団形成を行っていくことも採用成功につながっていくはずだ。
採用のプロが、どんな層を狙ってどんな魅力を打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。
サーバエンジニア
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比112%で増加
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比102%で増加
- 携われる技術や環境・制度面をどれだけ魅力的に伝えられるかがポイント
サーバエンジニアの登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
登録者数は、3カ月単位で比較すれば増加傾向にある。登録層の内訳をみると30歳以下が57%を占めており、比較的若手層の登録が多く見られる。
登録者の希望職種としては、「インフラエンジニア」が66%、「社内情報システム(社内SE)」の希望が21%であり、今までの経験を活かしてキャリアアップや環境改善を希望する方が多い。その中には、「年収をアップさせたい」といった待遇面に関する要望に加え、リモート勤務可など働き方への希望を掲げている方も少なくない。
サーバエンジニアの求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数の推移は、月ごとの増減はあるものの、昨今のDX推進のニーズを背景に増加傾向が続いている。
そのため求人票の記載には、例えば「設計構築などの上流工程に関われる」、あるいは「クラウド周りの経験を積むことが出来る」といったトピックがあると、キャリアアップを求める転職希望者から応募が集まりやすい傾向がある。
また、コロナ禍で採用できていなかった大手・中小のSIer、自社サービスを持つ企業やコンサルティングファームなどが、ポテンシャル人材の採用枠を増やしているため、それに合わせた形で各社もポテンシャル採用へシフトする動きが見られる。
人材獲得に向けた競合環境が厳しくなる中、企業側の動きとしてもリモート勤務ができる環境を整えたり、給与の提示金額を引き上げるケースが各社で活発化している。
サーバエンジニアの採用成功POINT
転職希望者のニーズとしては、「今の会社より給与面やはたらく環境が改善されるのであれば転職する」、「上流工程に関わりたい」、「クラウド系の経験を積みたい」、「在宅勤務を実施したい」といった環境面やスキルアップに言及した希望が目立つ。そのため転職後(入社後)のイメージを伝えられるチャネルないしは機会を設けておくことが大事である。
例えば、「就業後は具体的にどんな業務に関わり、どんな待遇になるのか」、「現職から環境を移すことでキャリアアップや自分の市場価値はどうなるのか」、「入社後のキャリアパスについてどのような制度やモデルケースがあるのか」――など。これらを求人票などで明確に、そして魅力的に伝えられるかで母集団形成の実績が変わるだろう。
また、「リモートワークの頻度」について関心を持つ転職希望者が一定数いることも押さえておきたい。意思決定フェーズでも重要な要素になるため注意が必要だ。
一方で、複数の企業から内定を獲得する転職希望者も多いことから、上記訴求ポイントを押さえつつ、「育成環境の実態」「入社後の現場配属への流れ」「現場経験からのキャリアステップ」「年収カーブ」などを整理することが他社との差別化につながる。
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転職希望者の意向をふまえてアドバイスします。
ネットワークエンジニア
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比114%と増加
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比105%と微増
- ポイントは「就業環境に関する情報の提供」、「未経験者の応募条件緩和」、「業務内容や保有案件把握」
ネットワークエンジニアの登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
登録者層の内訳を見ると30歳以下が59%を占めており、依然若手層の登録が多い傾向にある。転職ニーズとしては、2024年1月あるいは2024年4月での入社に向けて転職活動を始めたいという登録者からの相談が徐々に増えてきており、これが登録者数の増加に少なからず影響を与えている。
ネットワークエンジニアの求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
以前と同様に未経験、微経験層採用の動きも活発化している中、2024年1月以降の入社に向けて新規求人を立ち上げる動きが出ている。
転職希望者は「キャリアアップ」「年収など待遇面の改善」に加え、働き方の選択肢として「フルリモート」「一部リモート」を希望条件として挙げるケースが多いため、こうした希望を叶えられる職場であることをPRするため、各社は求人票などに詳細な情報を開示している。
ネットワークエンジニアの採用成功POINT
ネットワークエンジニアの転職状況は、「最新技術」「大規模案件」「グローバル」といったトレンドワードで流動していく業界であることは従来のままだ。そのため、「どんな案件にアサインできるのか」や「どんな技術を扱えるのか」といった点を訴求しつつ、「育成環境の実態」「入社後の現場配属への流れ」「現場経験からのステップアップ」などを明確にすることが採用成功の秘訣となるだろう。
また、同領域で未経験の転職希望者は、必須条件や歓迎条件を見て応募を躊躇する方も多い。そのため「資格保有者であれば経験不問」など、一部の要件を緩和する内容が記載されていると応募につながる。
また一方で、選考フェーズにおいて「対面面接が必須」という企業が増えてきているが、転職希望者の多くは現職の都合上オンライン面接を希望する方がほとんどだ。そのため転職希望者のニーズに合わせた柔軟な選考フローのへの見直しや検討も必要になってくるだろう。
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社内SE
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比で98%と減少傾向
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比で104%と増加傾向
- 「残業時間が少ない」、「ワークライフバランスを実現できる」といった訴求ができるかどうかがポイント
社内SEの登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
社内SEの年齢層は、ほかの職種と比べて世代間の差が少なく、やや若手層の登録が多いものの30歳以下が40%、31歳~40歳が27%、41歳以上が33%となっている。
特に、25歳以下の登録者の傾向として、新卒で総合職採用されたものの、自身の適性とのミスマッチを感じてキャリアチェンジを希望、転職活動を行うというケースが多い。
社内SEの求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
事業会社において、「DX推進」による業務改革や新規事業・新規サービス開発のニーズは増え続けており、新規求人数は高い水準を維持している。
一方で、求人の採用ターゲットには変化が見られており、以前までは開発経験2~3年程度のポテンシャル採用も積極的に行われていたが、育成後に好待遇の会社に転職されてしまうケースも多く、即戦力人材の採用を優先する傾向が強いようだ。
社内SEの採用成功POINT
依然として社内SE希望の登録者は多いものの、ITエンジニア全体の採用ニーズが高く、人材の獲得競争はさらに激しさを増している。
また、複数の企業を併願・採用決定を獲得する転職希望者も多く、システムベンダーや自社サービス系企業、コンサルティングファームなどから好待遇の条件を提示され、競合に競り負けるといったケースも増えている。
社内SEを志望する転職希望者の多くは、残業時間の削減など、ワークライフバランスを重視した就業環境を求めるケースが多いため、自社の働く環境にこうしたニーズを満たせる「魅力出し」を行うことも訴求法のひとつとして採用成功につながるだろう。
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セキュリティエンジニア
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比で122%と増加傾向
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比で100%と横ばい
- 即戦力採用は難しいため、育成を前提に採用枠とターゲットを広く持つとチャンスも増大する
セキュリティエンジニアの登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
セキュリティエンジニアの登録者数は、ITエンジニアの他の職種と比較して経験者が少なく、1年を通して激しい増減が起こるわけではない。しかしながら7月、8月の登録者数は増加しており、これは夏季賞与支給後に転職を検討して登録を始めるといった季節要因が大きな割合を占めているからである。
年齢層の割合としては、30歳以下の若手層が53%と多く、31~40歳の中堅層が23%、41歳以上は24%となっている。
転職先の希望職種は、「セキュリティエンジニア」が62%と大多数で、実際の配属先も同じ職種となっている。よりスキルと経験を積み、市場価値を高めたいという求職者が多い印象である。
また、転職活動の動機としては、業界や市場の変化を肌身に感じている方が、今後の自身のキャリアや将来のライフスタイルなどを憂慮して、転職活動をスタートさせる傾向が高い。特に若手層の登録が顕著なことから、このように考える層は年齢が若いほど強いことがうかがえる。
セキュリティエンジニアの求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
リモートワークの普及、大手企業の情報漏洩やサイバー攻撃被害などの脅威に対して危機感を持っている企業は増えており、こうした社会的ニーズの高まりから今後もポテンシャル層をターゲットとした求人の増加は確実と思われる。
それを体現するように、セキュリティコンサルタント職やセキュリティエンジニア職では、業務経験が浅くとも資格取得の実績や知識、意欲を評価して採用に至るケースも多く、市場でのセキュリティ人材ニーズは高いことが分かる。
セキュリティエンジニアの採用成功POINT
経験豊富なセキュリティエンジニアは、転職市場において絶対数が少ないため、即戦力採用は難しい。また、若手未経験・微経験者がセキュリティエンジニアを目指すといったケースもあるため、育成を前提に採用枠を検討できれば、さらに採用のチャンスは広がっていくだろう。
業務内容では、SOC(Security Operation Center)業務、SIRT(Company SIRT)業務、セキュリティポリシーの作成などその経験は多岐にわたる領域なので、魅力的な採用条件やキャリアパスをいかに提示できるかが採用成功の明暗を分けるだろう。
母集団形成のために、何をどう打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。
データサイエンティスト
- 2023年6月~8月の登録者数は、2023年3月~5月対比で103%と増加
- 2023年6月~8月の求人数は、2023年3月~5月対比で101%と横ばい
- 経験者・ポテンシャル層採用ともに業務の具体的な内容を訴求に反映する
データサイエンティストの登録者動向
対象:2023年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。
登録者の年齢別で見ると、26歳~30歳が36%、次いで25歳以下が26%と続くため、30歳以下の登録者割合は60%以上の数値を占めている。
希望職種別で見ると、実に85%の方が「データサイエンティスト」の継続を希望し、次いで「データアナリスト・データサイエンティスト・リサーチャー」、「Webサービス系エンジニア・プログラマ」へ転向を目指す方が続いている。
しかし実際の決定職種別で見ると、51%が「データサイエンティスト」での決定となっているが、さまざまな職種への転職が成されており、スキル・経験を活かした新たなキャリアをスタートできる職種として多様化を見せている。
データサイエンティストの求人動向
対象:2023年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2023年3月~5月期とほぼ同様の求人数であった。昨今のDX推進に伴う案件の増加により、事業会社、代理店などでもニーズが増えていることが要因と推察される。一方、育成前提で未経験者採用枠などを設けている企業においても、「自己研鑽の有無」「SQLの使用経験」など、データサイエンティストとしての基礎知識や素養を求める求人が増えており、採用要件の細分化・多様化が進んでいる。
しかしながら、同時に十分な人員を確保できた企業で採用をストップするケースも少しずつ表れており、求人数そのものの大幅増加とはならなかった。
データサイエンティストの採用成功POINT
データサイエンティスト経験者は、学生時代からデータ分析の知見を深めていたり、業務内容に対する希望を明確に持っていることが多い。
そのため、業務内容(例:データクレンジングがメインなのか、提案まで行えるのか、など)や得られるスキルだけではなく、取り扱うデータ数や対象の業界・分野に関しても明確に求人票へ記載することが大事だ。
未経験者やポテンシャル層にアプローチする場合は、どんなスキルや知見をどこまで求めるのか、どのようなサポート体制下で成長できるのかを具体的に記載することによって応募獲得につながりやすくなる。そのため採用側としては、本を読む程度の自己研鑽レベルから、資格取得者、Kaggleなどといった実務に近い経験を積むエンジニアなど、どのような採用基準で評価するのかを明確にすることが重要である。
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