メディカル業界
メディカル業界中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当職種:MR、医療機器営業、CRA、PV(安全性情報)、メディカルサイエンスリエゾン(MSL)、研究開発、品質管理(医薬品)、品質管理/保証(医療機器)、品質保証(医薬品)
MR
- 早期退職などの影響から登録数は増加傾向。41歳以上の求職者が多くを占めている
- メーカー求人は希少。CSO各社の採用は活発であり、未経験採用強化も各社注力
- 経験者MR採用は転職回数・勤務地限定など応募しやすい条件設定が必要
MRの登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比で125%と増加した。前3カ月期より異動や退職、給与など処遇の変更といった理由から登録者は増加傾向にある。年齢層別に見ると、26~30歳層と41歳以上層が比較的高い割合を占めている。
コロナ禍以降、働き方に対する考え方も変化しており、「転勤は避けたい」「リモートワーク希望」といった理由で、異業界を目指して転職活動を始める傾向が強い。しかしながら、MRの給与水準は高いため、希望の転職条件を満たした企業へ転職したいと考える方も少なくない。そのため転職活動を本格化させるまでには時間を要するケースが多いようだ。
MRの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比で94%とやや鈍化した印象だ。メーカーにおける求人は、新薬上市に伴う一部の製薬企業で、突発的な採用を実施する程度となっており、1月~3月期は落ち着きを見せた。
MR職に携わる人口は、メーカーMRの新卒採用枠の減少や早期退職の影響もあって減少している。これまでメーカー出身のMRは採用のターゲットとはしていなかった企業も、コントラクトMRでの採用を見据えてその範囲内とするケースも増えてきた。
またCNS(中枢神経系)など高度専門分野の経験者や基幹病院を担当したことのある経験者を採用ターゲットにする企業も増えているが、こうしたケースはそもそも転職希望者の絶対数が限られているため、採用活動の長期化は避けられない。
一方、CSO各社では、製薬メーカーからのアウトソース案件が活発化しており、これに伴い増員に向けての採用活動を活発化させている。ただし、未経験MR採用枠では、全国転勤を希望する人材が減っていることもあり、母集団形成や応募の獲得には苦戦するケースが多い。
MRの採用成功POINT
MRとして転職を希望する経験者は、希望の企業・領域・薬剤などの求人が発生したタイミングで転職活動を開始するため、転職サイトの登録目的も「まずは情報収集」に偏る傾向が強い。
ONC(オンコロジー/がん関連領域)やCNS領域の経験があるMRは希少なため、当該領域の経験者を採用したい場合は転職回数を不問にする、希望勤務地を優遇するなど、工夫や条件見直しが必要だ。
CSOの求人は、スペシャリティ領域のプロジェクトやリモート可能なMRプロジェクトなど、携わるプロジェクトの詳細までアピールすることがポイント。また、MR以外の職種で携わるプロジェクトや社内異動などキャリアの幅を伝えることも大事だ。
また、未経験採用においては、全国転勤を懸念する求職者が増えてきており、勤務地がネックとなり応募を控えてしまうことが多い。初任地の選択ができるようになると、母集団獲得の可能性は高まるだろう。
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医療機器営業
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比で124%と増加。異業種転職を希望するケースが増加
- 医療機器営業職の求人数は2022年10月~12月と比較して97%に減少
- 選考スピードや面接での動機付けがカギ
医療機器営業の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
医療機器営業職を希望する方は、急いで転職先を決めるよりもじっくりと企業を吟味して長期的に転職活動を行うといったケースが多い。
一方で、働き方(転勤、リモートワークなど)を改善したいと希望する方が増加傾向にあり、現在の年収を維持して異業種で活躍したいという方も少なくない。実際、同程度の年収を提示する企業も増えているため、医療業界から転身するケースも決して少なくない状況にあると言える。
医療機器営業の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
世界的な情勢や円安の影響から、採用予算や採用人数に見直しを入れる企業が1月~3月にかけて多発した。そのため一時的にではあるが採用枠のクローズが増え、10月~12月の求人数と比較して減少となった。ただし、全体的な増員ニーズは落ち着きの傾向にあるものの、新製品(治療機器、診断機器など)のプロモーションに関わる営業職や、美容医療機器営業などについては引き続き採用ニーズは高く、積極的に人材を募集している。
採用の要件は、異業界出身の営業経験者まで広がっており、他業界との採用競合が生まれている。新卒採用が難しくなっていることもあり、第二新卒までターゲットを広げて採用を行うケースも少なくない。
医療機器営業の採用成功POINT
同業界に限らず他業界にも採用競合が多い中、求人内容には工夫が求められる。例えば、全国転勤が必須となるポジションの場合、担当エリアや初任地を募集段階で明確にしておくことなどだ。
また、選考スピード(書類の選考日数や面接から内定までの日数、1day選考会など)についても、他業界の動きを意識する必要があるだろう。例えば、説明会兼選考会を実施して、自社の魅力をアピールしつつも選考フローを短縮するなどである。
自社求人の魅力付けのポイントとしては、業界としての安定性だけではなく、働き方(リモートワークの可否、残業、休日出勤、急な呼び出し回数など)、女性活躍(育休産休・女性営業のロールモデル)、年収の上がり幅など、求職者が気にするポイントを押さえ、面接などで伝えていくことが大切だ。
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CRA
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比で134%と増加。メーカーへの転職を優先的に検討する傾向は変わらず
- CROの未経験採用は一服感あり。経験者採用は引き続き過熱化となっている
- 採用手法の多角化、オファー面談での口説きがカギ
CRAの登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
登録層は26~30歳の38%と41歳以上の28%で半数以上を占めている。転職希望者のほとんどが製薬メーカーへの転職を志望するも、希望が叶わずCROを次に目指すといったケースが一般的である。また、リモートワークなど職場環境を整えている企業を求める声は依然多く、転職情報の収集はしっかりと行い、適切なタイミングと好条件が合致した企業があればすぐにでも転職したいと考える希望者が多いのも特徴だ。
CRAの求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
求人数は2022年10月~12月と比較して109%とやや増加。メーカーの採用ニーズは不定期に発生しており、モニタリング経験者を採用したい場合はCRO出身者まで採用ターゲットを広げる場合が多い。
また、メーカー採用では英語が必須となっており、TOEIC(R)テスト で750点以上の英語力が求められている。CROは、各社活発な採用活動が継続されており、経験者採用だけでは採用目標への到達が厳しいと判断して、未経験者採用も積極的となっていたが、22年に多くの採用が行われていたため、23年1月以降は採用充足する企業が増えた。
CROはクライアント先であるメーカーなどから、プロジェクトで経験者のアサインを求められるケースも多く、経験者の採用は引き続き活発に行われている状況だ。
CRAの採用成功POINT
製薬メーカーやCROでの経験者採用の難易度は高い状態が続いている。競合各社はリクルーター機能の整備強化と多様な採用手法(ダイレクトリクルーティング、リファラルなど)を活用し、経験者CRAへアプローチしている。その内容も、給与・グレードなどの情報だけではなく、具体的な入社後の活躍イメージや採用側の熱意や期待感を伝えるなど、オファー面談での意向醸成を目指して工夫を凝らすことが大事だ。
未経験採用の場合、看護師、薬剤師、臨床検査技師、MR以外のターゲットに目を向けると、応募獲得がしやすくなる。転職意欲がまだ低い潜在層に対しては、選考要素を除いたイベントや、面談での接点、広告出稿などを用いる中期的な採用活動を行うことが重要とされている。
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PV(安全性情報)
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比で102%と横ばい
- メーカーとCROで採用要件に差があり、業務の切り分けが顕著
- 経験者採用の難易度は高い。未経験者採用も並行して検討する必要がある
PV(安全性情報)の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
登録者の動向としては、メーカー在籍者が組織改編など自身の役割が変わったタイミングで登録するケースが多い。一方で、CRO在籍者は「業務量の多さに伴う残業時間への懸念」を転職理由に挙げ、転職活動を始める方も決して少なくはない。
PV(安全性情報)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比で96%とやや減少傾向にある。メーカー・CRO共に、経験者採用の基準細分化・厳格化が進んでおり、メーカーはオペレーティブな業務をCROへ委託しているため、安全監視や安全管理、プロジェクトマネジメント経験があり、かつ英語力がある人材を求めている。
CROは、経験者の数が限られているマーケットのため、PV経験1年以上と間口を広げて採用している企業も多い。経験者採用だけでは採用枠の充足が難しく、未経験者採用を積極的に行っている企業もあり、その際は語学力と理系バックグラウンドを持つ方をやや重視している傾向にある。
一方で、スタッフクラスの採用強化とともに、管理・マネジメントサイドの人員不足も発生しており、並行して「リーダー・管理職人材の確保が喫緊の課題」というケースも見られる。
PV(安全性情報)の採用成功POINT
PV経験を1~2年積んだ方や、派遣でPV入力をしていた方などが準経験者として活動するケースが多いため、即戦力となる経験者採用の難易度は高い。準経験者の採用要件として、語学力や、利用していたシステム如何で稼働プロジェクトとの合致が求められることもあり、採用側は早期の立ち上がりを期待していることがわかる。
未経験者採用は、「医療系の有資格者×TOEIC(R)テスト700点以上の英語力×大学卒業もしくは理系修士卒以上」がターゲットとなることが多い。メーカーがプロジェクト管理や安全性管理を求める場合、CROでプロジェクトリーダー経験がある方までターゲットを広げていくことが必要だ。
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メディカルサイエンスリエゾン(MSL)
- 経験者の登録は希少。同ポジションを志す登録者は増加傾向に
- Ph.D.取得者かつ特定疾患領域の知識保持者のニーズは継続
- 経験者の応募は希少。MSLに求めることを明確に、親和性のある職種に広げる
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比113%と増加。しかし2022年4月と比べると全体の登録者数はほぼ変わっていない状況となっている。
MSLは、他部門(MR・臨床開発・研究など)でキャリアを構築した後、MSLへ異動したといったキャリアを持つ方が多く、登録者年齢層で言えば、30代後半~50歳までが比較的ボリュームゾーンとなる。
また異職種からの転職も目立つポジションで、市場ニーズの高まりを敏感に察知して、MRや臨床開発、研究などといった職種からMSLを目指す傾向にあるようだ。
同分野は、企業によっても与えられる役割が異なるケースも多く、役割の内容やポジションを慎重に検討して転職を目指す方が多い。そのため長期的なキャリア形成を前提に、情報収集やカウンセリングを「まずは希望する」といった行動をとる方が大半である。
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比94%と減少傾向である。
メーカーでは引き続き経験者採用のニーズが高く、たとえ経験者採用であっても同領域の経験を求める傾向は続いている。しかし採用が難航するケースも多いため、Ph.D(Doctor of Philosophy/博士号相当)保持かつ特定疾患領域の科学的な知見や、臨床への理解を有する方を採用ターゲットとして、門戸を開いているケースも多い。
CSOでも同職種の採用ニーズは高まっており、理系修士、アカデミア、薬剤師資格など、MSLとして成長の素養があるバックグラウンドを持った方をターゲットにする求人も増えている。
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の採用成功POINT
経験者からの応募は希少性が高いため、求人を出す時点で期待している役割や仕事・企業の魅力を伝えることが重要。提携している転職エージェントなどがいれば、それを伝えることも大事だ。転職エージェント向け説明会の実施から、応募獲得に至るケースも多いからだ。
MSLはMRと違い会社業績や成果への反映が見え難いため、期待する能力より評価の基準・キャリアの築き方を明確化させることが採用成功のポイントとなる。
未経験者採用においては、求める役割(KOL/Key Opinion Leaderからの情報収集なのか、KOLへの情報提供なのかなど)によって、研究領域が合致するアカデミア、臨床開発職、MRなどの中から採用ターゲットを定義すると良い。
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研究開発
- 登録者数は増加。特定技術派遣で研究補助をしているエキスパートは増加傾向
- バイオ・抗体医薬経験などスキルフルな転職希望者の獲得競争が続いている
- 育成含めた採用枠も検討して募集は継続的に、かつ採用候補者が現れたら早期にアプローチを
研究開発の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比126%と増加。特にアカデミアでの研究者は、製薬企業で研究職へのステップアップをメインの希望条件としながらも、経験を活かせる職種へのキャリアチェンジを望むケースは多い。
製薬企業で就業している研究者の登録は少なく、バイオベンチャーでの研究者の登録が目立ち、その登録者もまた増加傾向にある。
研究開発の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比107%と微増傾向であり、製薬企業やバイオベンチャーなど継続的に募集している企業は多い。求人数の増加は、特定技術派遣や創薬研究のアウトソース化により、受託企業の案件増加が要因と見られている。
また、注力領域である抗体医薬品や再生医療関連など、経験者がまだ少ない領域での採用が多い。稀少価値の高いスキルを保有している転職希望者には、複数の内定が出る傾向にあり、スキルのマッチングが非常に重要となっている。
製薬メーカーでは、CMCに関連する求人が豊富だが、ONC(オンコロジー/がん関連領域)など領域を限定する求人が多数を占める。一方で、バイオベンチャーなどは、基礎研究に関する求人が多い傾向にある。
研究開発の採用成功POINT
応募者の研究内容を理解するために、現場部門に書類選考権があり、現場状況によって即戦力を求める企業は多い。
登録者は20代~30代前半が多く、社内での育成前提で採用枠を見直せば、ポテンシャル人材などを含めて採用できる確度は高まっていくだろう。
採用には化学系企業がバイオ医薬・再生医療領域などに参入してきているため、今後医薬品業界外での競合が増えてくると予測されている。そのため転職市場の動向を的確に捉えた採用活動が求められる。
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品質管理(医薬品)
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比146%増加。35歳以下の登録割合が多い
- 医薬品業界の品質問題により引き続き各社採用熱度は高い
- 採用ターゲットを現場とすり合わせ、スピード感を持った採用を
品質管理(医薬品)の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
登録者の転職理由の大半は、働き方の改善やワークライフバランスの充実、本社QA(品質管理)職への希望などだ。
品質管理経験者の登録は常に一定数存在するが、内訳としては特定技術派遣出身などのエキスパートの増加が顕著である。待遇や雇用形態、働き方の改善を求め、比較的転職への意欲が高い層だと言えるだろう。
また、若手層の中には就職活動時に希望の企業へ就職できず、転職を機に再び同じ企業へ応募する求職者も多く、そのため大手企業への転職を希望、あるいは応募が集まりやすい傾向がある。
品質管理(医薬品)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比112%と増加した。臨床検査薬や健康食品など、医薬品に限らずさまざまな業界で品質管理ポジションは採用熱度が高い。昨今の医薬品業界の品質問題により、行政から求められる対応も増えていることが採用の背景だと思われる。
グローバル企業では英語力が必須要件に含まれるため、工場がある地方採用となると、難航するケースが多く、求める経験を緩和する、あるいは英語力を緩和するなど何らかの工夫は必要。
また、メーカーのみならずCMOやバイオベンチャー、受託分析などの求人もあり、ポジションもメンバークラスから管理職クラスなど幅広く、引き続き売り手市場と言えるだろう。
品質管理(医薬品)の採用成功POINT
現場の業務がひっ迫しているケースがあり、採用活動では書類選考などに時間が掛かる傾向が強い。また、人員補強が最優先となった場合、医薬品経験は採用要件から外れ、食品・化粧品・化学品などの業界経験者にターゲットが広がる求人も多い。例えば、分析担当者を採用したい場合は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)経験者と分析方法が合致していれば採用に至ることもあるので、こうしたターゲットや条件の見直しも必要である。
また、各地方に工場や研究所を抱える企業も多いため、募集は中長期的に行っていきたい。例えば、ポジションサーチなど常に求人を開いておくことで、U・Iターン希望者が現れた際にそのニーズを取りこぼすことが少なくなる。業界の細やかな動向や情報収集を常に行っておくことが大切である。
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品質管理/保証(医療機器)
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比で132%と増加
- 各国規制対応もあり採用熱度は高く、求人数は全体的に増加傾向へ
- 経験者は中長期的に募集、組織状況においてはポテンシャル人材の検討を
品質管理/保証(医療機器)の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
同職種は、医薬品の品質管理の登録数と比較すると約1/3の人数となる。専門性が高いこともあり、そのままスキルアップを望むか、キャリアチェンジではなく在職中の会社内での配置転換を希望するケースが多いのが特徴だ。
転職希望者は、募集する企業が限定的であることを理解しているため、複数の転職エージェントに登録後、求人があり次第応募するといったケースがほとんど。出身企業も特定の業種や業界に偏らず、外資や日系、メーカー、商社などとさまざまである。
品質管理/保証(医療機器)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比101%とほぼ横ばい。しかし、国内メーカーを中心に、海外の規制対応ができる経験者をターゲットにした求人が増加傾向にある。アジア・欧州など規制が変わる中で、その対応に追われる企業が増えてきていることが背景である。
外資メーカーは本国とのやりとりがあるため、英語力が必須となるケースが多い。基本的には、経験者募集の求人がメインだが、登録者は多くはないため、GVP(Good Vigilance Practice)の安全管理や品質保証の分野では「英語力+理系バックグラウンド」など、未経験者も応募可能である求人も少なくない。
品質管理/保証(医療機器)の採用成功POINT
組織の状態により採用要件に検討の余地があれば、異業界の品質管理経験者、GVPにおいては「英語力+理系のバックグラウンド」を持つ経験者、あるいは医療機器営業経験者を対象にするなど、ターゲットを広げると採用成功につながる。その場合、医療機器の品質保証という仕事の面白みや、発揮できる経験・スキルなど、面接などで詳細に伝えることで入社の意向が高まる。
経験者をターゲットにする場合は、採用活動の長期化が避けられないため、継続的な募集と応募者を逃さないよう他社に負けない選考スピードや選考フローの見直しなどがポイントになってくるだろう。
自社だけでは難しい、選考段階における意向醸成も
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品質保証(医薬品)
- 2023年1月~3月の登録者数は、2022年10月~12月対比で152%増加
- GMP・GQP経験者採用の傾向は変わらず。本社QAは英語力が必須となるケースが多い
- 経験者は希少人材。未経験者採用の検討も必要
品質保証(医薬品)の登録者動向
対象:2023年1月~3月にdodaにご登録いただいた方。
医薬品の品質保証は、品質管理などからの社内異動で経験を積み始めることが多いため、品質保証のキャリアを30代以降でスタートするケースが少なくない。そのため登録層の約4割が41歳以上となっている。語学スキルの高い方は希少なため、転職回数が多くても複数企業から声が掛かる売り手の職種である。
品質保証(医薬品)の求人動向
保有求人件数と登録者数推移:2022年4月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
対象:2022年4月~2023年3月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。
2023年1月~3月の求人数は、2022年10月~12月対比108%と微増傾向。GMP・GQPなど医薬品業界を経験している方を希望する企業が多く、業界未経験採用のケースは稀。そのため、応募獲得に苦戦する傾向にあるようだ。
本社にて従事する品質保証職求人の場合、英語力が求められるケースが多く、スキルフルな転職希望者には複数の内定が出る傾向にある。選考スピードなど競合他社を意識した採用活動が必要となってくるだろう。
また、製薬企業のみならずバイオベンチャーにおいても求人があり、転職希望者の獲得競争は変わらず続く見込みだ。
品質保証(医薬品)の採用成功POINT
同職種は、転職希望者の母数が少ないため、いつ転職活動をスタートさせるかが不明なケースが多い。こうしたターゲットを逃さないためにも継続的な募集(採用活動)が必要だろう。
一方で、採用を急務とする場合は、採用ターゲットの見直し(経験年数・語学力)など、配属先の部署や現場を巻き込んだ採用体制構築が成功のポイントとなる。
転職希望者の興味喚起のためにも、サイトQAから本社QAへのキャリアチェンジが可能であることや、外資系の場合は本国・本社との関係性についてなど、自社の特徴を情報提供していくことが必要である。
社内で教育環境が整っている場合は、「薬剤師資格×英語力」など、未経験であっても対象条件を設定して採用を行っている企業もあり、長期育成を視野に入れた採用も実施することで、採用成功に近づけるだろう。
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